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高速なプロダクト開発を実現、創業期から掲げるエンタープライズアーキテクチャ

 高速なプロダクト開発を実現、創業期から掲げるエンタープライズアーキテクチャ

# 概要
創業期からエンタープライズアーキテクチャを掲げ、意思決定速度の向上と高速なプロダクト開発を実現。開発から1年で日本やアジアを中心に展開しているコンパウンドプロダクトの裏側を紹介。全体に求められる特性や各システムコンポーネントの理想系を整理し、デザインシステム、モノレポ化、モジュール分割等を通じて開発生産性を向上させた取り組みや今後の課題についてご紹介します。

# プロフィール
河村 勇樹 / Dress Code株式会社 / Product&Technology

筑波大学大学院で時系列データにおけるディープラーニングを研究すると同時に、約10社のインターンシップで開発実務を経験。2019年に新卒で大手事業会社に入社し、航空気象サービスの開発に携わる。2021年にレバレジーズ株式会社に中途入社。レバテックCTO室のテックリードとして「レバテック」の開発・組織を牽引。2024年11月にDress Code株式会社に中途入社。アーキテクチャの設計・実装を中心に、フルスタックに開発を推進。採用や技術広報にも一部携わる。趣味はお酒とゴルフとカワウソ鑑賞。

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かわうそ

July 03, 2025
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Transcript

  1. © Dress Code Inc . • 業務 ◦ プロダクト開発 ◦

    アーキテクト ◦ 採用 ◦ 技術広報 ◦ 組織設計(最近、手出し始めました) • 特性 ◦ アーキテクチャ全般が好き ◦ (気づいたらお掃除したくなっちゃう人です) • 趣味 ◦ お酒 / ゴルフ / 競馬 / カワウソ鑑賞 自己紹介 かわうそ (@_syoryu89) 7
  2. © Dress Code Inc . 8 Agenda 1. 事業・プロダクト紹介 2.

    高速なプロダクト開発の実現 3. エンタープライズアーキテクチャの推進 4. エンタープライズアーキテクチャの一例 5. まとめ
  3. © Dress Code Inc . 14.1億円  資金調達を実施 Pre Seed&Seed Round

    150+社 が利用中  Number of companies Number of countries 4カ国 で事業を展開  Dress Code 会社概要 Company Name / 会社名 Dress Code 株式会社 2024年9月 正式創業:2025年4月 21名 東京都中央区築地2-1-4 銀座PREX East 8F CEO / 代表取締役 Date of establishment / 設立年月 Location / 所在地 江尻 祐樹 Member / メンバー数 10
  4. © Dress Code Inc . 挑戦する事業ドメイン/マーケット Dress Codeが挑戦するのはグローバル(まずアジア)のWorkforce Management領域全体 Asia

    to Global Workforce Management領域 労務 管理 育成/ 定着 人事/ 配置 採用 管理 拠点/ 環境 プロ ジェ クト 福利 厚生 ITツール /備品 外部 人材 活用 セキュ リティ /ガバナ ンス 【Entry】 入社/入場 【Retire】 退職/退場 ライフサイクル × 11
  5. © Dress Code Inc . デジタル化に伴う社会課題 -「摩擦問題」 - SaaS/ツール乱立に伴い、システムの分断・業務のサイロ化が進む 採用

    部門 法務 部門 労務 部門 人事 部門 情報 システム 部門 総務 部門 採用管理 システム 契約管理 システム 労務管理 システム 勤怠管理 システム SaaS管理 システム デバイス 管理台帳 採用関連データ 契約関連データ 労務関連データ 勤怠関連データ SaaS関連データ デバイス関連データ ツールの乱立で、使いこなせない/慣れるのまでに時間がかかる ツール/部門間のアナログ連携が大変 担当間/部門間の摩擦が増大している 各業務担当者 経営/管理部全体 最適なSaaSを選定することが困難 データが散在していて利用/活用できない 連携/メンテのためのコスト(時間・お金)が膨大 ❌
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  6. © Dress Code Inc . 16 当時の開発体制 • 設立時(2024年9月)の体制 ◦

    PdM:1名 / デザイナー:1名 / エンジニア:2名 / 合計:4名 • 過渡期(2025年1月)の体制 ◦ PdM:1名 / デザイナー:1名 / エンジニア:5名 / 合計:7名 • 正式創業時(2025年4月)の体制 ◦ PdM:2名 / デザイナー:2名 / エンジニア:5名 / 合計:9名
  7. © Dress Code Inc . 19 高速な速度で開発ができている要因 • 圧倒的なドメイン知識・経験 •

    永続的PMFサイクルの構築 • 初期から柔軟で強力なプロダクトチームの構築 • Platform Capabilityへの投資と構築 • AI Agentの活用
  8. © Dress Code Inc . 20 高速な速度で開発ができている要因 • 圧倒的なドメイン知識・経験 •

    永続的PMFサイクルの構築 • 初期から柔軟で強力なプロダクトチームの構築 • Platform Capabilityへの投資と構築 • AI Agentの活用
  9. © Dress Code Inc . 23 Platform Capability とは •

    プロダクトにおけるデータベース、ミドルウェア、デザインシステム (UI/UX)、国際化対応における”共通基盤” • コンパウンドプロダクトにおける価値を提供するための”エンジン” • 初期段階から共通基盤に投資をしてプロダクトの横展開を実現 ◦ あとから対応すると時間がかかったりコストがかかるもの ◦ 後発の BtoB SaaS だからこそできる戦い方
  10. © Dress Code Inc . • 部門間の「摩擦」を解消し、効率性と再現性を高める ◦ Workforce Management領域における業務の抽象化

    ◦ 個別の業務やシステム・データを統合 ◦ 共通のデータ基盤やプロセスで管理 • 採用から退職までの従業員ライフサイクルを構造的に管理 ◦ HR Force、IT Force、GA Forceといったプロダクト群 ◦ ”Platform Capability”上で動作 24 Platform Capability を利用して達成したいこと
  11. © Dress Code Inc . 30 高速な開発を支える基盤=アーキテクチャが必要 • アーキテクチャは高速な開発を可能にするための「土台」 •

    柔軟性、拡張性、効率性を備えたアーキテクチャが必要 • ドメイン知識や”AI活用”、チームのポテンシャルを最大限に引き出す • 開発速度やプロダクトの持続可能性を向上
  12. © Dress Code Inc . 31 アーキテクチャは「地図」の役割を果たす • 「地図」の役割 ◦

    全体の方向性と目的地を示す ▪ プロダクト開発のゴールとその達成に向けた道筋 ◦ 複雑な地形をナビゲートするガイド ▪ システムの構造や制約を整理、効率的に作業できる環境を提供 ◦ 共同作業を調整する共通の地図 ▪ 作業する際の「共通言語」や「参照枠組み」 • AI Agentの活用において ◦ プロジェクト全体の目的や構造が不明確だと、生成される成果物が不安定になる ◦ アーキテクチャはAIの力を最大限に引き出し、プロダクト開発を成功に導く羅針盤
  13. © Dress Code Inc . 39 戦略的DDD:プロダクト特性を理解 • 戦略的DDD ◦

    プロダクトの目的(ドメイン)を明確にし、その構造を整理するプロセス • ドメインの特定 ◦ プロダクトが解決しようとしている問題(ドメイン)を明確にする • コアドメインの明確化 ◦ プロダクト特性の中から、プロダクトにとって最も重要で差別化ポイントとなる部 分(コアドメイン)を見極める • Bounded Contextの定義 • …
  14. © Dress Code Inc . 41 DRESS CODEにおける「プロダクト特性」 • ドメインの広さと深さ

    ◦ Workforce Management領域の課題解決 ▪ 情シス、人事労務、採用、総務を網羅するコンパウンドプロダクト構築 ◦ グローバル展開 ▪ スケーラビリティ・多言語対応(言語、タイムゾーン、通貨、法令など) • コンパウンドプロダクトによる価値提供 ◦ 部門間の「摩擦問題」解決 ▪ コンパウンドプロダクトならではの統合的アプローチ ◦ Platform Capability ▪ データベース/ミドルウェア/デザインシステム/国際化対応の共通基盤
  15. © Dress Code Inc . 42 「プロダクト特性」 • ドメインの広さと深さ ◦

    Workforce Management領域の課題解決 ▪ 情シス、人事労務、採用、総務を網羅するコンパウンドプロダクト構築 ◦ グローバルなプロダクト ▪ スケーラビリティ・多言語対応(言語、タイムゾーン、通貨、日付など) • コンパウンドプロダクトによる価値提供 ◦ 部門間の「摩擦問題」解決 ▪ コンパウンドプロダクトならではの統合的アプローチ ◦ Platform Capability ▪ データベース/ミドルウェア/デザインシステム/国際化対応の共通基盤 統合性(All-in-One Solution) グローバル対応・スケーラビリティ 業務のシームレスな連携 プラットフォームの拡張性とエコシステム化
  16. © Dress Code Inc . 46 アーキテクチャ特性 ソフトウェアシステムの品質や成功を決定す る非機能要件であり、運用特性、構造特性、 横断的特性に分類

    これらを適切に特定・優先順位付けすること で、ビジネス目標に合ったアーキテクチャを 設計 特性を明確に定義し、トレードオフを考慮し ながらシステム設計を行う
  17. © Dress Code Inc . 50 Dress Codeにおけるエンタープライズアーキテクチャ 優先度の高いアーキテクチャ特性を軸に、 領域ごとのアーキテクチャを定義

    開発プロセス・プロダクト組織も1つのアーキテクチャと して捉える アーキテクチャの設計判断はすべて「ADR」 に残していく AI時代ではドキュメントを残す文化も重要
  18. © Dress Code Inc . 52 理想のアーキテクチャが定義されていると... • 意思決定がスムーズになる ◦

    明確なガイドラインの提供 ▪ 技術選定や設計の選択肢を評価する際の基準 ◦ トレードオフの可視化 ▪ どの特性を優先するか ◦ ステークホルダー間の合意形成 ▪ 「統合性」(データ・プラットフォーム)を優先的に開発することをステー クホルダーにも説明しやすくなる • 中長期でやっていかないといけないことも明確になる ◦ ロードマップの基盤・技術的負債の管理・プロダクト成長に対する柔軟性
  19. © Dress Code Inc . 57 アーキテクチャ特性の優先順位付け • 🔥 最優先

    🔥 ◦ 最速でPMFを達成(プロダクト 約10個以上 / 1年) ▪ 俊敏性(Agility) • ⭐ 優先 ⭐ ◦ プロダクト(組織)がスケールできる状態の構築(準備) ▪ モジュール性(Modularity) ◦ 部門間の「摩擦問題」解決・コンパウンドプロダクトによる価値提供 ▪ 統合性(All-in-One Solution) ◦ グローバルに通用するプロダクトの構築 ▪ 国際化(Internationalization, i18n) ▪ セキュリティ(Security)
  20. © Dress Code Inc . 68 まとめ • 約7ヶ月の開発期間で3シリーズ8プロダクトを同時リリースを達成 •

    高速な速度で開発ができている要因 ◦ 圧倒的なドメイン知識・経験 ◦ 永続的PMFサイクルの構築 ◦ 初期から柔軟で強力なプロダクトチームの構築 ◦ Platform Capabilityへの投資と構築 ◦ AI Agentの活用
  21. © Dress Code Inc . 69 まとめ • この高速な開発を支える”基盤” ≒

    ”アーキテクチャ”が必要 ◦ ”エンタープライズアーキテクチャ” を定義していく ▪ 「現状(As-Is)」と「目標(To-Be)」の視点で整理 ◦ 「プロダクト特性」から「アーキテクチャ特性」を特定 ▪ アーキテクチャ特性はトレードオフになるので優先度を決める • 理想系を見据えて、必要なものだけを選び抜く ◦ 今一番必要なアーキテクチャ特性を選択
  22. © Dress Code Inc . 74 一緒にグローバルで戦う仲間を募集しています! • プロダクトマネージャー •

    コミュニケーションデザイナー • デジタルプロダクトデザイナー • デザインエンジニア • プロダクトエンジニア • etc… 新しいオフィスにも移転しています!