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“1つのエージェントに全部やらせる“のをやめた理由 - Copilotエージェント設計の実践 -
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Ken'ichirou Kimura
July 10, 2026
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“1つのエージェントに全部やらせる“のをやめた理由 - Copilotエージェント設計の実践 -
Ken'ichirou Kimura
July 10, 2026
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Transcript
“1つのエージェントに全部やらせる“のをやめた理由 - Copilotエージェント設計の実践 - 2026/07/10 AI駆動開発勉強会 福岡出張版+ EnjoyAIDeveloping 株式会社オルターブース クラウドソリューション部
木村健一郎 Copyright © Alterbooth Inc. All Rights Reserved. 1
自己紹介 株式会社オルターブース クラウドソリューション部 副部長 木村 健一郎(Kenichiro KIMURA) 大学院在籍中に未踏ソフトウェア創造事業に 採択され、その成果を元に設立したスタート アップに20年在籍。
2014年頃からクラウドの世界に触れる中で サーバレスとIoTに魅せられ、JAWS-UG福岡 やSORACOM UG九州のコアメンバーとして コミュニティ活動を行っている。 2020年にオルターブースにジョイン。テッ クリードとしてお客様の支援やプロダクトの 開発に従事している。 家に帰ると8歳の娘と戯れる日々。 AWS Samurai2019受賞 AWS APJ Community Award 2023受賞 SORACOM MVC2020/2023受賞 Copyright © Alterbooth Inc. All Rights Reserved. 2
出発点:全部入りの巨大カスタムプロンプト 1年前にスタートしたプロジェクトを、初手からAI駆動で進めることを決意。 レビューで疲弊してる自分にすぐに気がついた • コードレビューの観点をすべて1つのカスタムプロンプトに記述 • 「これ1本」でレビューを完結させるシンプルな構成 • 一次レビューをまかせることで負荷が激減 •
チームメンバーはカスタムプロンプトのレビューとGitHub CodeReviewを通した後で私にレビューを依頼する • 私の視点のレビューはほぼ終わってるので、レビュー負荷が激減 Copyright © Alterbooth Inc. All Rights Reserved. 3
プロジェクトを進める中で課題が顕在化 • 動作速度 ― プロンプトが巨大で、完了までに時間がかかる • 精度 ― 観点を詰め込みすぎて指示が薄まり、見落としが発生 •
アーキテクチャ、コードクオリティ、エラーハンドリング、パフォーマンス、セキュリティ、テストの6観点をプ ロンプトに入れた • 観点の間で衝突したときの不整合 • トークン使用量 ― 直近は特にコスト面の問題が深刻になってきた Copyright © Alterbooth Inc. All Rights Reserved. 4
解決策:エージェントとサブエージェントへ分離 • 巨大プロンプトを分割し、役割ごとに再構成 • 観点を分けたサブエージェントが、それぞれの観点でレビューを担当 • 各観点に集中させることでレビュー精度が向上し、成果が上がった Copyright © Alterbooth
Inc. All Rights Reserved. 5
全体構成:レビューオーケストレータが観点ごとのサ ブエージェントを呼ぶ オーケストレータ(全体を統合) 観点別サブエージェント セキュリティは中価格モデル 観点別サブエージェント コーディングスタイルは低価格モデル 観点別サブエージェント アーキテクチャは中価格モデル 軽量モデルのサブタスク:コード内容の取得などを分離
→ 出力を抑えてトークンコストを最適化 Copyright © Alterbooth Inc. All Rights Reserved. 6
コスト最適化①:中価格モデルのサブエージェントへ の処理委譲 • コード内容の取得/要約などのタスクを、中価格モデルのサブタスクへ委譲して全体のトークン使用量(=価格)を抑 制 • ポイント1:自身より高額なモデルをサブエージェントとして呼べない=オーケストレータは高価格モデルになる • ポイント2:モデルの価格は入力より出力が約10倍高い •
重量モデルであるオーケストレータの作業量と出力トークン数を減らす Copyright © Alterbooth Inc. All Rights Reserved. 7 オーケストレータがコンテキストを取得する場合:高コスト オーケストレータ 高価格モデルが自分でgit diff実行 大量のコンテキスト サブエージェント 高価格モデルが大量の入出力を処理 → コスト大 コンテキスト取得をサブタスクに委譲:低コスト オーケストレータ 高価格モデルは指示だけを出す 入出力が多い取得処理は低価格モデルが担当 → コスト小 サブエージェント 低価格モデルがgit diff実行 プロン プト のみ
コスト最適化②:低価格モデルへのタスク分割 • さらにコンテキスト取得処理を低価格モデルへ分離し、要約したコンテキストをサブエージェントに渡す • コンテキストが大きい場合は ② < ① になる可能性がある •
例)巨大なdiffを含むコードレビュー Copyright © Alterbooth Inc. All Rights Reserved. 8 分割しない場合:コンテキスト量が多いと高コスト オーケストレータ 高価格モデルが自分でgit diff実行 サブエージェント 低価格モデルがgit diff実行 中価格モデルが大量の入出力を処理 → コスト大 サブタスク分割:コンテキストを圧縮できれば低コスト オーケストレータ 高価格モデルが要約したコンテキストを出す コンテキスト取得・要約専用 サブエージェント(低価格モデル) 重い取得処理は低価格モデルが担当 → コスト小 サブエージェント ② 要約した コンテキスト プロン プト のみ ①
コスト最適化③:nested subagent • コンテキスト取得専用サブエージェントを、サブエージェントから呼ぶ • Nested subagent(サブエージェントからサブエージェントを呼ぶ) • コンテキスト量に依存せず、全体のトークン使用量(=価格)を抑制 •
ポイント:nested subagentはデフォルトではオフ • VSCodeの設定でchat.subagents.allowInvocationsFromSubagents をtrueにする Copyright © Alterbooth Inc. All Rights Reserved. 9 Nested subagent未使用:コンテキストが小さいと高コスト コンテキストが大きいと、要約のメリットがあまり出ない→ コスト大 Nested subagentを使用:コンテキスト量に依らず低コスト オーケストレータ 高価格モデルは指示だけを出す コンテキスト取得専用 サブエージェント(低価格モデル) 高価格モデルが要約を取り扱わない → 要約の量に依らずコスト小 サブエージェント プロン プト のみ オーケストレータ 高価格モデルが要約したコンテキストを出す コンテキスト取得・要約専用 サブエージェント(低価格モデル) サブエージェント 要約した コンテキスト
エージェントデバッグログで見てみた Copyright © Alterbooth Inc. All Rights Reserved. 10 サブエージェントに分岐している
サブエージェントから サブエージェントが呼ばれてる
まとめ • 「全部入り」1エージェントは速度・精度・コストで限界。観点ごとに分離して精度と成果が 向上 • 低価格モデルの使い分けでトークンコストを最適化(出力は入力の約10倍) • Nested subagentを活用。多段化はセッション長時間化に注意(VSCodeは停止しがち、 Copilot
CLIも選択肢) • 差分が大きいなら最適化②が有効 • まだ実験中なので、ぜひ知見を教えてください Copyright © Alterbooth Inc. All Rights Reserved. 12
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