Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
MCPがひらく地理空間情報解析の可能性
Search
ぴっかりん
July 05, 2025
4
1.6k
MCPがひらく地理空間情報解析の可能性
FOSS4G 2025 KANSAIで発表した「MCPがひらく地理空間情報解析の可能性」の資料です。
ぴっかりん
July 05, 2025
Tweet
Share
More Decks by ぴっかりん
See All by ぴっかりん
PythonでPLATEAUのデータを扱ってみる
ra0kley
0
680
FOSS4G 2024 Japan コアデイ 一般発表25 PythonでPLATEAUのデータを手軽に扱ってみる
ra0kley
1
330
FOSS4G 2023 Japan@FUKUI コアデイ 一般発表8 Segment Anything Modelを用いて地物抽出を試してみた
ra0kley
0
51
Featured
See All Featured
Building Flexible Design Systems
yeseniaperezcruz
328
39k
XXLCSS - How to scale CSS and keep your sanity
sugarenia
248
1.3M
YesSQL, Process and Tooling at Scale
rocio
173
14k
Thoughts on Productivity
jonyablonski
69
4.7k
Balancing Empowerment & Direction
lara
1
440
The Language of Interfaces
destraynor
158
25k
For a Future-Friendly Web
brad_frost
179
9.8k
How to Ace a Technical Interview
jacobian
278
23k
Producing Creativity
orderedlist
PRO
346
40k
The Straight Up "How To Draw Better" Workshop
denniskardys
235
140k
Easily Structure & Communicate Ideas using Wireframe
afnizarnur
194
16k
Building Applications with DynamoDB
mza
95
6.5k
Transcript
MCPがひらく 地理空間情報解析の可能性 青木亮祐 / ぴっかりん (@ra0kley) FOSS4G 2025 KANSAI 先進的事例セッション
2025.07.05
FOSS4G 2025 KANSAI はじめに • 本発表は、会社の取り組みではなく個人の取り組みのものです • 本資料では、以下のPLATEAUのデータを使用しています 国土交通省都市局「3D都市モデル(Project PLATEAU)
沼津市(2023年度) CityGML(v4)」 2
FOSS4G 2025 KANSAI 発表内容 1. 自己紹介 & 会社紹介 2. MCPとは?(ざっくりと)
3. MCPの仕組みと使用方法 4. MCP×地理空間情報の具体例 5. まとめ 3
4 自己紹介 & 会社紹介 01
FOSS4G 2025 KANSAI 自己紹介 • 出身: 静岡県東部地域 • 趣味: 衛星・GIS系の驚き屋、ラジオを聴く、散歩、旅行...
• 推し: 鬼頭明里さん(声優)、すそのん(静岡県裾野市ゆるキャラ) • 社外: SatAI.Challenge 運営メンバー Project PLATEAU ADVOCATE 2025 日本衛星データコミュニティ ←個人では「ぴっかりん」という名前で SNS等に生息してます 5
FOSS4G 2025 KANSAI 会社紹介 ―株式会社パスコとは? ✓ 生成AI(GPT-3.5-Turbo)に聞いてみた! 6
FOSS4G 2025 KANSAI 所属会社の紹介 ―株式会社パスコとは? 7 パンの製造は行っておりません!!! ※ 測量会社です ※
冗談抜きに、たまに間違い電話がかかってきます
FOSS4G 2025 KANSAI 会社紹介 ―地球の学校 昨年から、「地球の学校」というオウンドメディアを始めました! 8 スマホでのアクセスは こちらから↓
9 MCPとは?(ざっくりと) 02
FOSS4G 2025 KANSAI MCPって何? ✓ Model Context Protocolの略 → AIアプリ(Claude
DesktopやClineなど)が、さまざまな 外部データやツールにアクセスするための共通のルール(プロトコル) ✓ Anthropic社が2024年11月に発表 ✓ オープンな規格であり、コミュニティベースで実装が進む 10
FOSS4G 2025 KANSAI MCPって何? ✓ よくUSB Type-Cに例えられる(1本のケーブルで色々な機器に) MCP自体は規格であり、実体があるわけではない 11 出典:
https://norahsakal.com/blog/mcp-vs-api-model-context-protocol-explained/
FOSS4G 2025 KANSAI MCPを用いることで何が嬉しいの? 既存の方法の課題 ツールの実装方法は人によってバラバラのため、APIへの問い合わせ 方法や認証、エラー処理などをそれぞれ実装する必要がある → 他の人にツールを使ってもらうのが難しい 12
出典: https://norahsakal.com/blog/mcp-vs-api-model-context-protocol-explained/
FOSS4G 2025 KANSAI MCPを用いることで何が嬉しいの? MCPは外部データやツールへのアクセスをするための 共通ルールを定めているので、これを守ったツールであれば 簡単にアクセスすることができる 13 出典: https://norahsakal.com/blog/mcp-vs-api-model-context-protocol-explained/
FOSS4G 2025 KANSAI MCPで出来ること ✓ MCPを用いることで、Claude DesktopやVSCodeといった 対応しているソフトウェアからデータや他のソフトウェア、 外部サービスを連携して動かせる →
これが「言葉」で行える ✓ 複雑な目標を自律的に遂行できるAIシステム(AIエージェント)が 手軽に使えたり、作れるようになった 14
FOSS4G 2025 KANSAI MCPは何故こんなに話題に? ✓ MCPで定められているルールに従って、接続先を提供すれば 様々な人に自分が作ったツールを使ってもらえる ✓ 接続方法が共通なので、簡単な設定を行うことだけで AIアプリがツールを使えるようになる
✓ 接続先を作成するためのSDKも公開されているので、 簡単に作ることが可能 → FastMCPなど 15
16 MCPの仕組みと使用方法 03
FOSS4G 2025 KANSAI MCPの仕組み まずは簡単に仕組みを理解してみる MCPに出てくる主人公格の登場人物は以下の3名 ✓ MCPホスト AIアプリ側で、ユーザーの要望を受けてどのツールを使うか判断し、 指示を出す
✓ MCPクライアント アプリ側の各MCPサーバーと1対1で通信するための窓口 ✓ MCPサーバー ツール側で指示を受け取り実行し、結果を返す 17
FOSS4G 2025 KANSAI MCPの仕組み まずは簡単に仕組みを理解してみる フローはこんな感じ 18 1. ユーザーがAIアプリに言葉で指示 2.
MCPホストが取得済のツールリストから使えるツールを判断 3. MCPクライアントが適切なMCPサーバにリクエスト送信 4. MCPサーバが処理を実行し、結果を返却 (必要に応じて、2.~4.を繰り返す) 5. AIアプリがユーザーに結果を提示
FOSS4G 2025 KANSAI MCPの仕組み まずは簡単に仕組みを理解してみる 図にすると、こんな感じ 19 MCPホスト(AIアプリ) MCPクライアント A
MCPクライアント B MCPサーバー A MCPサーバー B API A サービス B ユーザー 言葉で指示 結果を表示 : 指示 : 回答
FOSS4G 2025 KANSAI MCPを使ってみるには? 以下の2つの設定が最低でも必要 1. PCの設定(環境構築) → MCPサーバーを動かすための環境構築 →
PythonやNode.jsが多い 2. MCPホストの設定 → MCPホストで使用するMCPサーバを登録 → MCPホストによって登録方法は違うが、 最近は楽になってきている 20
FOSS4G 2025 KANSAI MCPを使ってみるには? MCPホストの設定例 → JSONというファイル形式で設定することが多い → 書かれているのは、MCPサーバーを起動するコマンド 21
22 MCP×地理空間情報の具体例 04
FOSS4G 2025 KANSAI 地理空間情報に関連するMCPサーバー 様々なMCPサーバー(ツールを提供する側)が公開されています 以下は一例 ✓ QGIS ✓ OpenStreetMap
✓ 国土交通データプラットフォーム MCP サーバー ✓ 国土交通省交通量データMCPサーバー ✓ PLATEAU API 23
FOSS4G 2025 KANSAI 地理空間情報に関連するMCPサーバー QGISMCP [GitHubリポジトリ] QGISに関する以下のツールを提供 24
FOSS4G 2025 KANSAI 地理空間情報に関連するMCPサーバー QGISMCP [GitHubリポジトリ] ↓使用方法などは、以下の記事に詳しく書かれています 25 https://qiita.com/nokonoko_1203/items/1e841cbecf6895273f5d
FOSS4G 2025 KANSAI 地理空間情報に関連するMCPサーバー OpenStreetMap MCP [GitHubリポジトリ] OpenStreetMapのデータを用いて、以下のツールを提供 26
FOSS4G 2025 KANSAI 地理空間情報に関連するMCPサーバー 国土交通データプラットフォーム MCPサーバー [GitHubリポジトリ] 27
FOSS4G 2025 KANSAI 地理空間情報に関連するMCPサーバー 国土交通省交通量データMCPサーバー [GitHubリポジトリ] 28
FOSS4G 2025 KANSAI 地理空間情報に関連するMCPサーバー PLATEAU API MCP[GitHubリポジトリ] Project PLATEAUのデータを 検索・ダウンロードできる
「PLATEAU API」を言葉で 使えるように自作しました! 29
FOSS4G 2025 KANSAI 地理空間情報に関連するMCPサーバー PLATEAU API MCP 以下のツールを実装(一部) 30 ツール名
内容 get_mesh_code 緯度経度からメッシュコードを求める get_list_citygml CityGML Files APIを用いて、指定条件のCityGMLを 検索、リスト化 pack_citygml CityGML Pack APIを用いて、取得したURLリストを ZIP化する非同期リクエストを送信 download_files 指定されたダウンロードURLからZIPファイルを非同期で ダウンロード show_qgis_download_citygml ダウンロードしたCityGMLを「PLATEAU QGIS Plugin」 を用いて、QGISで表示
FOSS4G 2025 KANSAI 地理空間情報に関連するMCPサーバー PLATEAU API MCP 使用例: 31 沼津駅周辺のPLATEAUの建物データをダウンロードし、
`C:¥work¥plateau-api-mcp¥sample`に格納してください。 また、ダウンロードしたデータをQGISに表示してください。 QGISで表示されている建物データのうち、建物の高さが50m以上の 建物を赤色、それ以外を薄いグレーで塗分けてください。 建物の高さは「measuredHeight」フィールドに格納されています。 ↑ このように言葉で指示するだけで、APIでのデータ検索からダウンロード、 GISでの表示まで行ってくれる
FOSS4G 2025 KANSAI 地理空間情報に関連するMCPサーバー PLATEAU API MCP 使用例: 32
FOSS4G 2025 KANSAI 地理空間情報に関連するMCPサーバー PLATEAU API MCP GitHubでなるべく早く公開 できるように、テストを 進めていきます!
33
34 まとめ 05
FOSS4G 2025 KANSAI まとめ ✓ MCPというオープンな規格が出来たことにより、 生成AIが色々なツールと連携して、より複雑な要求に 応えられるようになってきている ✓ MCPはオープンな規格であることから、FOSS4Gをはじめ
地理空間情報に関するツールのMCPサーバーも実装が進んでいる ✓ 言葉で地理空間データのダウンロードやGISを用いた表示・解析も 出来るようになりつつある!! → 地理空間情報やGISに対するハードルを下げるのに有効かも? 35
FOSS4G 2025 KANSAI 宣伝 8月8日~9日に福岡で「FOSS4G KYUSHU 2025」が 開催されます! QGISを用いて衛星データの解析の一歩目を踏み出せるような内容を 考えていますので、興味ある方はぜひ!
36 https://foss4g-kyushu2025-handson.peatix.com/
ありがとうございました! ↑ X (旧Twitter)アカウント ↑ GitHubアカウント 37