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AI時代の開発生産性を捉え直す — 経営と現場をつなぐ「開発組織のオブザーバビリティ」— / ...

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July 22, 2026

AI時代の開発生産性を捉え直す — 経営と現場をつなぐ「開発組織のオブザーバビリティ」— / AI Dev Ex Conference 2026

AI Dev Ex Conference 2026の登壇資料です。

AIによってコードを書く速度が大きく変わる今、私たちは開発生産性で、本当は何を捉えたかったのでしょうか。

本資料では、Four Keysをはじめとする従来の指標の意義と限界を整理し、AI時代の開発生産性を「事業がソフトウェアを通じて価値を生み、学び、変化に適応する能力」として捉え直します。

その実現に向けて提案するのが、ソフトウェアエンジニアリングのオブザーバビリティを開発組織へ適用する「開発組織のオブザーバビリティ」です。

戦略やプロジェクト、投下時間、工程を関連づけた当社の実践事例を紹介しながら、戦略仮説から顧客価値までの経路をどのように観測可能にするのか、AIを人と同じ実行主体としてどう捉えるのか、そしてAIによって観測粒度の限界をどう押し広げられるのかを考察します。

最後に、グッドハートの法則を踏まえ、ハックされにくい指標と観測構造を未来から設計すること、そして企業固有の学習ループをエンジニアリングすることが、AI時代の競争優位につながる可能性を示します。

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July 22, 2026

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Transcript

  1. 自己紹介 京和 崇行 Kyowa Takayuki 株式会社カカクコム 上級執行役員CTO AI・テクノロジー管掌 Mission 「AIネイティブカンパニー化」をミッションに、全社の

    プロダクト開発やオペレーション業務のAI活用を推進。 Hobby 2003-2007 2007-2012 SIer Full Stack Engineer (食べログ) 独立系SIer ボルダリング、マンガ、仕事 2012-2014 2015-2019 2019-2023 2024- PdM/ TechLead CEO/ BizDev 食べログ 技術責任者 CTO レシピサービスの会社(CEOは子会社) 2
  2. 開発生産性の議論の変遷 「計測できない」と言われていた開発生産性は、Four Keysの普及や様々なメトリクス サービスの発展によって、「計測して改善するもの」へと変わった。 前史 2018〜 2021〜 そして、AI時代 そ 生産量の

    計測 Four Keys SPACE / DevEx ? コード行数・ベロシティなど、 デリバリーの量と健全性。 開発者体験を含む、多次元 AIが変えた現実に、 アウトプットの量。 『LeanとDevOpsの科学』 の計測(SPACE 2021、 答えられるか (2018)が提示、国内では DevEx 2023) 2019〜2020年頃から普及 出典:Forsgren, Humble, Kim『LeanとDevOpsの科学』(2018) / 和田卓人「質とスピード」EOF 2019 (2019.10.31) 6
  3. Four Keysが果たした役割 Four Keysの功績は、捉えどころのなかった生産性を「ソフトウェアデリバリー能力」と いう計測可能な一部分として定義し、改善のサイクルを始められるようにしたことにある。 観点 Four Keys以前の見方 Four Keysが広めた見方

    生産性の表現 個人の作業量・アウトプット量 チームが安全に価値を届けられる流量 速度と品質 速くすると、品質が下がる 速度と安定性は、同時に改善できる (トレードオフではない) 指標の役割 個人の管理・評価 ボトルネックの発見と、継続的改善 指標の設計 ハックされやすい (コードを水増しする) ハックされづらい (速度を不適切に上げると安定性が下がる) ※2026年のガイドからDeployment Rework Rateが追加され、現在は「スループット3指標+不安定性2指標」の計5つとなっている 7
  4. Four Keysだけでは見えないもの Four Keysが観測するのは、ソフトウェアのデリバリーパフォーマンス。企画から事業 成果までのプロダクト開発全体を測るものではない。 企画から事業成果までの価値創出プロセス 企画・構想 要件定義 開発・実装 レビュー・

    テスト リリース 事業成果 (アウトカム) Four Keysの主な観測対象 フィードバック Four Keysでは、プロセス全体のリードタイム、企画や要件定義の質、開発中に発生した様々な遅延 や、リリースで得られたアウトカムなど、プロダクト開発の全体像は計測できない。 また、リリースの内訳(機能追加か運用タスクか)や、成果物の内部品質も計測できない。 8
  5. 進化する計測と、広がる経営の問い 開発の内側は、深く、多面的に見えるようになった。一方、AIによるパラダイムシフ トで、経営にとっての重要性と向き合うべき問いは、さらに大きく広がっている。 計測の進化 ・デリバリーの速さと安定性 経営が向き合う問い ・「AIへの投資を、何に、どこまで振り向けるか」 ・フローとボトルネック ・「開発の速さは、事業成果につながっているのか」 ・開発者体験と認知負荷

    ・「開発体制や人材戦略は、いまのままでよいのか」 ・品質やAI活用の状況 Four Keys / Flow Metrics / SPACE / DevEx / AI Metrics AIによって市場や環境変化のスピードも増加し、自社の開発組織の全体像と、そこで起きている 変化をどう捉えるべきか、経営の問いに対しては今もなお十分に答えられていない状況。 10
  6. 売上UPという一つの数字の奥で、経営者が考えていること 経営者の頭の中では、性質の異なる問いがいくつも同時に浮かび上がる。 何が売上を 動かしたのか? 単価か、数量か。どのセグメントか、施策か、トレンドか。伸びた部分と沈 んだ部分が相殺して、見えなくなっているものはないか。 一時的か、 構造的か? 季節性や反動によるものか。それとも継続率や利用頻度、収益構成が変わり、 新しい水準に移ったのか。先行指標は、この変化が続くことを示しているか。

    健全な変動か? この伸びは、何かを削って買ったものではないか。利益率、顧客の信頼、現 場の余力は問題ないか。不確実な変数を見落としていないか。 マーケットは どうか? 市場全体が+10%成長であれば実体としてはシェアの喪失。事業、あるいは 市場の長期的な構造変化の前触れでないか。いまの事業モデルは正しいか。 次の一手を どう変えるか? 計画を前倒すか、リソースを組み替えるか。転換が必要なら、その判断はい つまでに下すべきか。 問いは単独では完結しないことがほとんど。ある問いが別の問いに派生し、問いは連鎖していく。 どのような問いがあり、問いの連鎖がどこまで続くか、事前には分からない。 12
  7. 経営者の仕事は「未知の未知と向き合うこと」 経営者が問いを重ねて探しているのは、個々の答えだけでなく、会社がまだ気づけてい ない変化の兆しである。つまり、経営の問いは、事前に列挙できない。 未知の未知に潜む大きな経営インパクト 現実の事業・市場 まだ見ぬ ユースケース 構造的な 変化 経営で見えている世界

    静かに進む 顧客の離反 業界外から 代替の台頭 ↑この差分が「未知の未知」 新しい機会の探索 危機的リスクの回避 優位性とは根源的に、他社 変化は見えていなくても、 がまだ気づいていないこと 蓄積され続ける。そしてあ を先んじて知覚する、その る日、既存の説明が通用し 一点にしか宿らない。大き ない形で表面化する。 な機会はその業界における 「危機」と呼ばれるものの 未知の未知から始まる。 多くは、これである。 未知の未知と向き合うとは、知らない情報を集めることではない。自分たちの世界の捉え方が 間違っている可能性に向き合い、経営の前提を書き換え続けることである。 13
  8. 未知の未知を疑い、捉え、修正し続ける 予測は必要だが、100%当たることはない。 予測は外れるものという前提に立ち、未知の未知を捉えて修正するサイクルを素早く回す。 想定外の事象を 捉える 戦略・リソースを 見直す 生じた経路を 理解する 自己修正の循環

    経営の認識を 更新する 既存の前提を 疑う 経営とは、自社の「世界モデル」を更新し続ける営みである。 モデルは常に不完全であり、それを現実と未来に合わせ続けることが、経営の要諦になる。 14
  9. 経営目線で開発組織を見ると、同じ事が起きる 「開発生産性が上がった」という報告を受けた経営者の頭の中は、売上のときと同じである。 何が生産性を 動かしたのか? どのチーム、どの工程で上がったのか。AIの寄与か、プロセス改善か、計測方 法の変化か。伸びたチームと沈んだチームが、相殺していないか。 一時的か、 構造的か? 大型リリースの反動や、ツール導入直後の一時的な伸びか。開発のやり方が変 わり、新しい水準に移ったのか。品質や手戻りの指標は、何を示しているか。

    健全な変動か? この速さは、レビューの質やテストの厚みを薄めて得ていないか。技術的負債 を積み上げていないか。現場の無理な稼働で支えていないか。 マーケットは どうか? 他社も同じくAIで速くなっているなら、実体は相対的な停滞。業界の開発様式 そのものの構造変化の前触れではないか。いまの開発のやり方は正しいか。 次の一手を どう変えるか? AIの投資はどこまで増やすべきか、プロダクトロードマップや採用計画に変更 は必要か。開発のやり方の転換が必要なら、その判断はいつまでに下すべきか。 事前に定義する指標だけでは、これらの問いには答えられない。 経営の「世界モデル」の中で、開発組織が更新できない領域のまま残る。 15
  10. AI時代の開発生産性を捉え直す 本来測りたかったのは、Four Keysでも、エンジニア組織の生産能力でもない。 AI時代に必要なのは、経営戦略から顧客・事業成果まで、ソフトウェアを通じた価値創出の因果 仮説を問いによってたどり、学びながら更新し続ける、事業全体の探索能力である。 探索対象|価値創出の因果仮説 問1|この戦略は、誰のどんな変化を狙うのか 問2|どんな判断を・いくらで・何を変えたのか 問3|その変化は、成果にどうつながったのか 経営戦略・

    投資判断 事業・顧客 仮説 プロダクトの 意思決定 開発・ リリース 顧客の利用・ 変化 重点領域・資源配分 誰に、どんな価値を 何を、なぜつくるか どこまで、どうつくるか 行動・状態・声 事業成果 売上・継続・成長 問いに応じて、因果仮説の経路を前後にたどる 探索能力 問いを立てる | 文脈と根拠を横断する | 因果仮説を更新する | 次の問い・意思決定へ 17
  11. ソフトウェアエンジニアリングのオブザーバビリティが生まれた背景 現代のソフトウェアでは、システムを構成する要素と、その組み合わせが急増した。その 結果、どこで、どのような障害が起きるかを、あらかじめ予測することが難しくなった。 分散システム化 揮発性のインフラ 状態空間の組合せ爆発 マイクロサービス化によって、一つ のリクエストが多数のサービスを横 断するようになった。 コンテナ、オートスケール、サー

    バーレスの普及によって、実行環境 は動的に生成・破棄される。 障害は、「バージョン × リージョン × デバイス」のような、複数条件の 交差で発生する。 個々のサービスは正常でも、サービ ス間の相互作用によって、システム 全体では遅延や障害が発生する。 問題を調査しようとした時点では、 障害が起きたインスタンスがすでに 存在しないこともある。 起こり得る組み合わせを、事前に ダッシュボードやアラートとして網 羅することはできない。 オブザーバビリティは、この「予測できない状態」を前提として生まれた。 20
  12. オブザーバビリティは「未知の未知」の問いに答える モニタリングが事前に想定した「既知の未知」をメトリクスで検出するのに対し、 オブザーバビリティは、問題が起きてから初めて生まれる「未知の未知」の問いを 起点に、答えを探索する。 書籍『オブザーバビリティ・エンジニアリング』による、オブザーバビリティを確かめる問い 任意の粒度で 掘り下げられるか トップレベルの集計値から、問題を引き起こした単一のユーザーリクエストま で、その間の任意の粒度で素早く掘り下げられるか? 任意のユーザー群を

    比較できるか 予期しない挙動を経験したユーザー群と、経験していないユーザー群を比較し、 共通する属性を特定できるか? 事前に予測していなくて も答えられるか 上記のような任意の質問に、新たに必要なデータを収集するためのセットアッ プを行うことなく答えられるか? 出典:Charity Majorsほか『オブザーバビリティ・エンジニアリング』(オライリー・ジャパン、2023)をもとに要約 21
  13. オブザーバビリティに求められる3つの要素 オブザーバビリティの要諦は、システムの状態空間をどこまで詳細に保持し、問 題の発生後にどこまで自由に探索できるかにある。そのためには、データとツー ルの両面で三つの要素が求められる。 高ディメンション あるデータに付与される属性(メタデータ)が多いこと。 トップレベルの集計値から様々な切り口でフィルタリングするために、大量の属性 があるほどよい。 2 高カーディナリティ

    値のバリエーションの多い(一意性が高い)こと(user_id, project_id等)。 トップレベルの集計値から個別の活動までドリルダウンするために、高カーディナ リティな値を保持し、検索・集計できる状態になっている必要がある。 3 探索可能性を 支えるツール 属性による絞り込み、グループ化、比較、ドリルダウン、経路追跡を対話的に繰り 返せる。一つの問いから、次の問いへ進むために必要。 1 22
  14. オブザーバビリティの実践例 オブザーバビリティの実践では、トップレベルの集計値を入口として、問いを重ねながら状態空 間を絞り込んでいく。低カーディナリティな全体傾向から、高カーディナリティな個別事象まで、 同じ文脈の中で連続的にたどる。 低カーディナリティ 全体のエラー率が 0.1% → 2% に急上昇

    ← トップレベルの集計 「どのサービスで?」 service.name = "api-gateway" ← ディメンションで分解 「どの顧客・プロジェクトで?」 project.id = "proj_99b82f" ← 高カーディナリティの領域へ 「どのリクエストで?」 trace.id = "4bf92f3577b34da6..." ← 原因の1本に到達 高カーディナリティ 集計値は答えではなく、探索を始めるための入口である。 23
  15. 開発組織を「複雑系のシステム」とみなす 開発組織もまた、戦略・プロジェクト・組織・人・技術など、多次元的な構成要素の相互 作用によって変化する、複雑系のシステムとみなすことができる。 共通する構造 開発組織 多数のサービスが連携する 多数の構成要素が相互作用する 多数の組織・部署・人・AIが連携する 実行環境が動的に変化する 構成や状態が時間とともに変化する

    優先順位・要件・体制・技術が変化する 状態空間が組み合わせで拡大する 市場 × 戦略×プロジェクト× 技術 問いを事前に列挙できない 成果を生む活動を事前に特定できない ソフトウェアシステム バージョン × デバイス × リー ジョン 障害原因を事前に特定できない → 問題構造が似ているため、オブザーバビリティの設計思想を援用できるのではないか? 24
  16. 「オブザーバビリティをやろう」で始めたものではなかった 取り組みの起点は、理論の導入ではなく、「事業の戦略意図・優先順位と、プロジェク トへのエンジニアの投下リソースはアラインできているか? 」という問いからだった。 経営の問い 活動実態の構造化 問いをたどれる範囲の拡大 ・限られた開発力を何へ配分してい るか ・戦略上の重点領域と実際の活動は

    一致しているか ・想定外に時間を使っている領域は どこか プロジェクト、活動分類、工程、投 下時間、エンジニアを接続し、まず 現在の活動を同じ形式でたどれるよ うにした。 集計値から対象プロジェクトや個別 活動へ掘り下げ、問いに応じて切り 口を変えられるようになった。 → → 後から振り返ると、これはオブザー バビリティの設計思想と重なる。 26
  17. 「プロジェクトツリー」で、開発組織のすべての活動を構造化する プロジェクト名と投下時間だけを集計しても、その活動が事業にとって何を意味するか は分からない。そこで、全活動を戦略投資・成長投資・運用保守・間接業務として構造 化し、活動に戦略上の文脈を与えた。 プロジェクトツリー 戦略投資 新規事業創出 インフラ・ アーキ テクチャ刷新

    非連続 イノベーショ ン 開発生産性の 抜本的改革 個々の プロジェクト 成長投資 システムの 抜本的革新 性能改善 事業コア 施策 安定性改善 運用保守 事業レギュ ラー施策 生産性改善 【LINE】 LINEでネット予約通知 その他改善 間接業務 システム 改善施策 プロダクト 運用保守 システム 運用保守 バージョン アップ/移行 セキュリティ 対応 サポート対応 インバウンド向けアプリ開発 (Android) 採用・広報 障害対応 PC/SPドメイン統合 (s.廃止) 付帯業務 定常保守 教育・育成 全社・カンパ ニー共有 プロジェクト 外会議 部・チーム 連携会議 APサーバ Kubernetes化 その他 デイリー ミーティング 1on1 ⋯ 27
  18. 戦略・プロジェクト・投下時間・人を、一つの構造で接続する プロジェクトツリー上の事業・領域・プロジェクトに、投下時間と工程、エンジニアを 関連づけた。これにより、全体の活動分類から個別のプロジェクトやエンジニアまで、 異なる粒度の情報を往復できる。 プロジェクトツリー ・戦略投資 ・成長投資 ・運用保守 ・間接業務 事業・領域

    プロジェクト ・事業コア施策 ・事業レギュラー施策 ・システム施策 横断してフィルタリング可能な軸 年月 ・施策・案件 ・プロジェクト名 ・対象領域 主領域/副領域 部署・チーム 投下時間・工程 ・人月/時間 ・工程(設計、実装、 テスト、リリース) 工程 活動区分 エンジニア ・部署、チーム ・個人 従業員 同じデータを、戦略から下へも、プロジェクトや個人から上へもたどることができる。 集計軸を固定せず、問いに合わせて階層と切り口を切り替える。 一つの数字を集計するのではなく、異なる粒度を行き来できる構造をつくった。 28
  19. 【実例】戦略・プロジェクト・投下時間・人を、一つの構造で接続する 戦略 – カテゴリ ー プロジェクト – 工数 事業 –

    カテゴリ - 工数 どんなプロジェクト やってるの? 戦略 – カテゴリ ー プロジェクト – 人 - 工数 誰がどのプロジェクト やってるの? ⇧成長投資って何やってるの? 30
  20. 実際の運用例: 事業責任者との対話 月次の会議での会話例。あらかじめ決めた指標を確認して終わるのではない。 変化に気づき、切り口を変えながら掘り下げ、次に確認すべき事実と意思決定へつなげ ていく。 1 | 最初の問い 中期計画に沿った事業成長に投資で きているか?

    2|変化への気づき → 成長投資の比率が想定より低い 3|原因の分解・特定 → どの領域で差が生じていた? → 運用保守の増加 → 対象プロジェクトの特定 ↓ 6|次の確認と判断 追加の調査・優先順位・対策案を固 める 5|原因仮説を置く ← 途中で大きな要件変更があったか 想定外の技術要因が見つかったか テスト中に重要バグが見つかったか 4|工程・組織で比較 ← プロジェクト後半での投入人員増加 が起きていた 一つの問いから、次の問いへ。探索の結果が、会議での追加調査と意思決定を更新する。 33
  21. 現状の限界: 現在の観測範囲は、戦略から実際の活動まで プロジェクトツリー、プロジェクト、投下時間・工程、組織・エンジニアを接続し、 戦略と実際のリソース配分をたどれるようになった。一方、開発フローやAIの関与、 リリース後の顧客行動・事業成果はまだ接続できていない。 現在、同じ文脈で観測できる範囲 未接続の範囲 観測境界 戦略 →

    事業・領域 → プロジェクト → 投下時間・ 工程 現在の構造でできること ・戦略と、実際のリソース配分を対応づけられる ・全体の変化から、プロジェクト・活動までたどれる ・投下時間と工程の変化から、次の問いを立てられる → 部署・ 組織・人 │ コード・PR → レビュー・ → リリース → 顧客行動 → 事業成果 テスト まだ接続できていないこと ・リリース後の顧客行動・事業成果(アウトカム) ・企画・デザインなどを含む、プロダクト開発全体の人員参加 ・人とAIの役割分担や、AIが関与した活動 ・Four Keysなどの開発フロー・品質指標 35
  22. 経営と現場をつなぐ「開発組織のオブザーバビリティ」 開発組織のオブザーバビリティとは、戦略仮説から顧客価値までを一つのシステムとし て観測し、経営と現場が、それぞれの問いから同じ価値創出の経路を探索できる状態で ある。 経営の問い 戦略仮説 現場の問い 変化を観測 どこへ投資するか? 企画・設計

    人とAIの活動 どこで滞留したか? 問い・仮説 価値は生まれたか? 何を見直すか? 開発・デリバリー 何が顧客行動を変えたか? 比較・実験 解釈・学習 顧客行動 顧客価値・事業成果 次に何を試すか? 戦略・投資・開発を更新 41
  23. 指標は悪ではない。ハックしやすい数値を目標にするのが問題 グッドハートの法則が示すのは、指標化そのものの否定ではない。 数値が目標になると、組織は本来の目的ではなく、その数値を改善する行動を学習する。 だからこそ、直接操作しやすい単一指標を避け、複数の観点を組み合わせて、局所最適 化されにくい指標を設計する必要がある。 ハックしやすい単一の指標設計 ハックされにくい指標設計 [スピード] コード行数 コミット数

    数値を増やす 行動へ最適化 数値と価値が 乖離する デプロイ頻度 ・リード タイム × [安定性] 変更障害率・復旧時間 一つの数値を改善すれば、目標を達成したように見せられる Four Keys 複数の観点が相互に牽制する 一つの数値だけを改善する局所最適化を抑える 指標がハックされるのは指標の責任ではない。その指標を設計したマネジメントの責任である。 43