Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
LLVMのコード自動生成機構におけるコード記述を支援するツールの作成
Search
Arata
January 16, 2024
0
58
LLVMのコード自動生成機構におけるコード記述を支援するツールの作成
Arata
January 16, 2024
Tweet
Share
More Decks by Arata
See All by Arata
カーネルハック実験の振り返り
arata_nvm
0
2
Improving LLVM Backend Development with a New TableGen Language Server
arata_nvm
0
4
コードエディターのシンタックスハイライトの話
arata_nvm
0
150
TableGenの言語サーバーをつくる
arata_nvm
0
560
pwn入門 / introduction to pwn
arata_nvm
1
2.4k
TableGenと和解せよ / make peace with TableGen
arata_nvm
0
140
Nixで最強の開発環境を作る
arata_nvm
0
1
sudo-rsのテストの話 / story of sudo-rs testing
arata_nvm
1
230
ソースコードリーディングはいいぞ / source code reading is good
arata_nvm
0
66
Featured
See All Featured
Typedesign – Prime Four
hannesfritz
42
2.8k
How to Create Impact in a Changing Tech Landscape [PerfNow 2023]
tammyeverts
53
2.9k
Code Reviewing Like a Champion
maltzj
525
40k
Keith and Marios Guide to Fast Websites
keithpitt
411
22k
Learning to Love Humans: Emotional Interface Design
aarron
273
40k
Site-Speed That Sticks
csswizardry
10
810
Large-scale JavaScript Application Architecture
addyosmani
512
110k
The Success of Rails: Ensuring Growth for the Next 100 Years
eileencodes
46
7.6k
Let's Do A Bunch of Simple Stuff to Make Websites Faster
chriscoyier
507
140k
XXLCSS - How to scale CSS and keep your sanity
sugarenia
248
1.3M
Balancing Empowerment & Direction
lara
3
610
Building a Scalable Design System with Sketch
lauravandoore
462
33k
Transcript
LLVMのコード自動生成機構における コード記述を支援するツールの作成 アドバイザ教員: 前田 敦司 情報学群情報科学類1年 安藤 慎
2024/01/16 | LLVMのコード自動生成機構におけるコード記述を支援するツールの作成 | 安藤 慎 背景 / コンパイラの基本構成 2
フロントエンド ソースコードを パース・解析 バックエンド CPUが実行可能な 機械語を出力 コンパイラ ソースコード 機械語
2024/01/16 | LLVMのコード自動生成機構におけるコード記述を支援するツールの作成 | 安藤 慎 背景 / LLVM: コンパイラを作るためのライブラリ
• コンパイラを作るたびにバックエンドを作るのは難しい ◦ 世界では数多の種類のCPUが使われているため ◦ そこでバックエンドの実装として使えるLLVMが誕生した • C(Clang), C++(Clang), Rust, Swift, Juliaなどで使われ ている 3
2024/01/16 | LLVMのコード自動生成機構におけるコード記述を支援するツールの作成 | 安藤 慎 • LLVMはCPUの情報を記述するためにTableGenを使う ◦ CPUの{レジスタ,
機能, 命令}など ◦ CPUに合わせて機械語を出力するために必要となる 背景 / TableGen: LLVMのコード自動生成機構(DSL) 4 例: TableGenでx86-64のレジスタを記述
2024/01/16 | LLVMのコード自動生成機構におけるコード記述を支援するツールの作成 | 安藤 慎 • TableGenを書く際にエディタの支援を受けられない ◦ エラーの表示、入力補完、シンタックスハイライトなど
• 現在、約57万行のTableGenコードがLLVM内に存在する ◦ 57万行のプログラムをメモ帳で書くのと同じような状況 目指すこと: エディタの支援を受けながらTableGenのコードを 快適に書きたい 課題 / TableGenの開発環境が快適ではない 5
2024/01/16 | LLVMのコード自動生成機構におけるコード記述を支援するツールの作成 | 安藤 慎 • エディタ支援を実装する方法として言語サーバがある ◦ Microsoftが発表したLanguage
Server Protocol(LSP)を 実装するサーバ • LSPに対応したエディタならば言語サーバの機能を使うこ とができる ◦ Vim, Emacs, VSCodeなどが対応している 方針 / TableGenの言語サーバを作る 6
2024/01/16 | LLVMのコード自動生成機構におけるコード記述を支援するツールの作成 | 安藤 慎 • RustでTableGenの言語サーバを実装し、GitHubと Marketplaceで成果物を公開した ◦
https://github.com/arata-nvm/tablegen-lsp • 工夫した点(詳細は省略) ◦ Red-Green Treeを使用しているため、不完全なソースコードを 扱うことができる ◦ ソースコードのパース結果や解析結果をキャッシュしているた め、余分な処理をスキップできる ◦ パーサを言語サーバと分離しているため、別のプロジェクトで再 利用できる 実装 7
2024/01/16 | LLVMのコード自動生成機構におけるコード記述を支援するツールの作成 | 安藤 慎 • デモのためにVSCode向けの拡張機能を作成した • 実装した以下の機能について、おおまかな使用例を紹介
する ◦ エラーの表示 ◦ シンタックスハイライト ◦ 定義へ移動 / 参照へ移動 ◦ ホバー時のドキュメント表示 ◦ 入力補完 ◦ インレイヒント 使用例 8
2024/01/16 | LLVMのコード自動生成機構におけるコード記述を支援するツールの作成 | 安藤 慎 使用例 / エラーの表示 9
2024/01/16 | LLVMのコード自動生成機構におけるコード記述を支援するツールの作成 | 安藤 慎 使用例 / シンタックスハイライト 10
2024/01/16 | LLVMのコード自動生成機構におけるコード記述を支援するツールの作成 | 安藤 慎 使用例 / 定義へ移動/参照へ移動 11
2024/01/16 | LLVMのコード自動生成機構におけるコード記述を支援するツールの作成 | 安藤 慎 使用例 / ホバー時のドキュメント表示 12
2024/01/16 | LLVMのコード自動生成機構におけるコード記述を支援するツールの作成 | 安藤 慎 使用例 / 入力補完 13
2024/01/16 | LLVMのコード自動生成機構におけるコード記述を支援するツールの作成 | 安藤 慎 使用例 / インレイヒント 14
2024/01/16 | LLVMのコード自動生成機構におけるコード記述を支援するツールの作成 | 安藤 慎 • TableGenのすべての構文を処理できるようにする ◦ 現在は対応していない一部の構文を無視している
• 使い勝手を改善する ◦ 補完候補が表示される順番の最適化、型チェックなど • 言語サーバーのWASM化 ◦ 現在はプラットフォームごとのバイナリをバンドルしている 今後の展望 15
2024/01/16 | LLVMのコード自動生成機構におけるコード記述を支援するツールの作成 | 安藤 慎 • LLVMではマシンの情報を記述するためにTableGen言語 が使われている •
TableGenをエディターで書きやすくするために言語サー バをRustで実装した • メモ帳でプログラミングをする必要がなくなった まとめ 16