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女性活躍・男女共同参画の重点方針 2024 (女性版骨太の方針 2024)

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February 20, 2025
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女性活躍・男女共同参画の重点方針 2024 (女性版骨太の方針 2024)

女性活躍・男女共同参画の重点方針 2024
(女性版骨太の方針 2024)

令 和 6 年 6 月 1 1 日

すべての女性が輝く社会づくり本部
男 女 共 同 参 画 推 進 本 部

目次
はじめに 1
Ⅰ 企業等における女性活躍の一層の推進 2
(1)企業における女性の採用・育成・登用の強化
(2)女性起業家の支援
(3)科学技術・学術分野における女性活躍の推進
(4)職場におけるハラスメント対策の強化等
Ⅱ 女性の所得向上・経済的自立に向けた取組の一層の推進 7
(1)所得向上、リスキリングの推進
(2)仕事と育児・介護の両立の支援
(3)仕事と健康課題の両立の支援
(4)地域における女性活躍・男女共同参画の推進
Ⅲ 個人の尊厳と安心・安全が守られる社会の実現 21
(1)男女共同参画の視点に立った防災・復興の推進
(2)「女性・平和・安全保障(WPS)」の取組強化
(3)配偶者等からの暴力への対策の強化
(4)性犯罪・性暴力対策の強化
(5)ハラスメント防止対策
(6)困難な問題を抱える女性への支援
(7)生涯にわたる健康への支援
(8)夫婦の氏に関する具体的な制度の在り方
Ⅳ 女性活躍・男女共同参画の取組の一層の加速化 34
(1)男女共同参画の視点に立った政府計画の策定等の推進
(2)政治・行政分野における男女共同参画の推進
(3)国際的な分野における女性の参画拡大

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  1. 女性活躍・男女共同参画の重点方針 2024 (女性版骨太の方針 2024) 令 和 6 年 6 月

    1 1 日 すべての女性が輝く社会づくり本部 男 女 共 同 参 画 推 進 本 部
  2. 目次 はじめに 1 Ⅰ 企業等における女性活躍の一層の推進 2 (1)企業における女性の採用・育成・登用の強化 (2)女性起業家の支援 (3)科学技術・学術分野における女性活躍の推進 (4)職場におけるハラスメント対策の強化等

    Ⅱ 女性の所得向上・経済的自立に向けた取組の一層の推進 7 (1)所得向上、リスキリングの推進 (2)仕事と育児・介護の両立の支援 (3)仕事と健康課題の両立の支援 (4)地域における女性活躍・男女共同参画の推進 Ⅲ 個人の尊厳と安心・安全が守られる社会の実現 21 (1)男女共同参画の視点に立った防災・復興の推進 (2) 「女性・平和・安全保障(WPS) 」の取組強化 (3)配偶者等からの暴力への対策の強化 (4)性犯罪・性暴力対策の強化 (5)ハラスメント防止対策 (6)困難な問題を抱える女性への支援 (7)生涯にわたる健康への支援 (8)夫婦の氏に関する具体的な制度の在り方 Ⅳ 女性活躍・男女共同参画の取組の一層の加速化 34 (1)男女共同参画の視点に立った政府計画の策定等の推進 (2)政治・行政分野における男女共同参画の推進 (3)国際的な分野における女性の参画拡大
  3. 1 はじめに 1.基本的な考え方 男女共同参画は、日本政府の重要かつ確固たる方針であり、国際社会で共有されている 規範である。また、全ての人が個性と能力を十分に発揮し、生きがいを感じられる、多様 性(ダイバーシティ)が尊重される社会を実現するとともに、我が国の経済社会にイノベ ーションをもたらし持続的な発展を確保する上でも不可欠な要素でもある。 政府としては、昨年6月の「女性活躍・男女共同参画の重点方針 2023(女性版骨太の方 針

    2023) 」 (令和5年6月 13 日すべての女性が輝く社会づくり本部・男女共同参画推進本 部決定)において、プライム市場上場企業を対象として、 「2030 年までに、女性役員の比率 を 30%以上とすることを目指す」 、 「2025 年を目途に、女性役員を1名以上選任するよう努 める」などの目標を掲げ、また、その中間的な目標として、昨年 12 月に「第5次男女共同 参画基本計画」 (令和2年 12 月 25 日閣議決定。以下「5次計画」という。 )における 2025 年までの新しい成果目標として、 「東証プライム市場上場企業役員に占める女性の割合」を 19%とすること等を決定したところである。これらの目標に向けた取組等を通じて、女性 活躍の機運は着実に高まっているところではあるが、女性の登用が進んでいる企業とそう でない企業があり、進捗には差異が見られるのが現状である。 また、地域に目を転じれば、少子高齢化や人口減少の進展により、産業や地域活動など 様々な局面で人手不足が顕在化しており、担い手として欠かせない女性の参画がこれまで 以上に求められる状況であるが、取組の進捗は地域間で差異が見られる状況である。 こうした状況を改善し、中長期的な観点で、我が国の女性活躍・男女共同参画を持続的 に推進していくため、女性活躍による企業価値向上の国内外でのデータを含め、女性活躍 推進に資する様々な情報の普及を行うとともに、企業や地域において活躍する女性人材の 育成、企業の経営層・管理職、男女共同参画センターの職員を始めとする企業や地域にお ける女性活躍・男女共同参画推進のリーダー・担い手の育成・専門性の向上など、 「人材の 育成」を軸とした取組を進める。 こうした「人材の育成」は、個人の尊厳と安心・安全が守られる社会を実現する上でも 不可欠な課題である。本年は、元日に能登半島地震が発生し、多くの被災者が避難所等で の避難生活を余儀なくされた。一般に、地震などの大規模災害の発生時には、女性と男性 では災害から受ける影響が異なり、とりわけ女性やこども、また、脆弱な状況にある人々 がより多くの影響を受けることが知られており、被災者の多様なニーズに適切に対応する ためには、災害対応の現場に女性が参画することが大変重要である。 「女性・平和・安全保 障(WPS) 」の観点も踏まえ、防災分野における女性の参画拡大等を一層推進する。 また、こうした取組を進めるための基盤として、働き方改革、仕事と育児・介護の両立 支援の推進、固定的な性別役割分担意識の解消、女性の健康支援、配偶者等からの暴力へ の対策及び性犯罪・性暴力対策の強化などを着実に進めていく。 そして、改めて、あらゆる分野における政策・方針決定過程に女性が参画する機会の確 保に取り組むとともに、あらゆる分野において男女共同参画の視点に立った政策が実現さ れるよう、政府全体で取組を一層強化していく。 2. 「女性活躍・男女共同参画の重点方針 2024」の構成 政府は、一丸となって、 「男女共同参画社会基本法」 (平成 11 年法律第 78 号)に基づく
  4. 2 5次計画を着実に実行していく。 このため、5次計画に掲げられた具体的な取組については、本重点方針における記載の 有無にかかわらず、着実に実施する。その上で、5次計画で決定した成果目標の達成や施 策の実施に向けた取組を更に具体化する事項及び新たに取り組む事項として、 Ⅰ 企業等における女性活躍の一層の推進 Ⅱ 女性の所得向上・経済的自立に向けた取組の一層の推進 Ⅲ

    個人の尊厳と安心・安全が守られる社会の実現 Ⅳ 女性活躍・男女共同参画の取組の一層の加速化 について、政府全体として今後重点的に取り組むべき事項を定める。政府は、本重点方針 に基づき、横断的な視点を持って、速やかに各取組を進める。 Ⅰ 企業等における女性活躍の一層の推進 「女性活躍・男女共同参画の重点方針 2023 (女性版骨太の方針 2023) 」 において掲げた、 プライム市場上場企業を対象とした女性役員比率に係る数値目標の達成に向けて、役員候 補となる女性人材のパイプラインを構築するため、企業における女性の採用・育成・登用 を強化する。 また、 女性活躍推進に取り組む企業に対するインセンティブを促進・拡大し、 これらの取組を通じて社会全体で女性活躍の機運をさらに高めていく。その前提として、 男女問わず、多様で柔軟な働き方を推進することも重要である。 また、我が国の持続的発展の基盤となる科学技術・学術分野における男女共同参画の推 進について、5次計画に定めた数値目標の達成に向けて、固定的な性別役割分担意識や無 意識の思い込み(アンコンシャス・バイアス)の解消を図りながら、将来を担う女性人材 の裾野の拡大に取り組むとともに、 大学等における女性登用のための環境整備に取り組む。 (1)企業における女性の採用・育成・登用の強化 ① プライム市場上場企業における女性役員登用目標の達成等 プライム市場上場企業における女性役員の登用について、まずは「東証プライム市場 上場企業役員に占める女性の割合を 2025 年までに 19%」の目標達成に向け、取引所、 機関投資家、先進的な取組を行う企業等と連携し、女性役員登用が進んでいない企業を 含めた全てのプライム市場上場企業に対して女性登用の意義や必要性に関する啓発等 を目的としたセミナーを開催する。 【内閣府】 各企業における女性役員登用目標の前提とした「執行役員又はそれに準じる役職者」 を含む役員に占める女性割合、女性役員登用目標の設定及び行動計画の策定状況や、企 業の女性役員の活躍状況に関する調査を行う。 【内閣府、金融庁】 女性役員登用目標の達成に向けた各企業の行動計画策定を促進するため、令和5年度 に実施した「女性の登用拡大と企業における経済的メリット等に関する調査研究」にお いて取りまとめた企業の好事例や女性活躍による企業価値向上の国内外でのデータ等 を広く周知する。その際、女性登用に対する社内の意識醸成や、育児等との両立の観点 を踏まえた雇用管理・キャリア形成支援等、各企業の課題に対応しやすい形での女性登 用施策の横展開を通じて企業の取組を促進する。また、女性役員登用目標を含めた行動 計画を策定している企業の事例を参考として行動計画策定ガイド(仮称)を作成し、周
  5. 3 知する。役員候補となる女性人材のパイプライン構築に向けて、ロールモデルとなる女 性役員等の事例集の作成等、啓発コンテンツの作成や情報提供を行う。 【内閣府】 企業のマネジメント層や人事担当者向けに一般社団法人日本経済団体連合会と共催 しているダイバーシティマネジメントセミナーについて、取引所や日本商工会議所等と も連携し企業の参加を一層促進する。 また、 「輝く女性の活躍を加速する男性リーダーの 会」において、早期の役職段階における育成を促進するため、その取組に注力している

    企業経営者等に取組内容を発信してもらい、好事例の横展開を進める。 【内閣府】 企業経営を担う女性リーダー人材の育成を目的とした企業横断的なネットワーク構 築と勉強機会の提供として実施されている女性リーダー研修「Women’s Initiative for Leadership(通称WIL) 」の枠組みを活用し、地方を含め、女性の登用等を後押しする 【経済産業省】 人的資本経営の観点から、女性役員登用目標やその達成に向けた行動計画等の情報公 表を促すとともに、女性を含めた多様な人材の活躍推進に向けた取組等が促進されるよ う「人的資本経営コンソーシアム」等を通じた企業への働きかけを行う。また、女性の 昇進意欲やリーダーシップの向上を目指した業種横断のメンタリングプログラムにつ いて、マニュアルの普及やベストプラクティスの紹介を通じて、企業等における実施を 推進する。 【金融庁、経済産業省】 ② 女性活躍推進に取り組む企業に対する経済的インセンティブの促進・拡大 公共調達において「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」 (平成 27 年法 律第 64 号。以下「女性活躍推進法」という。 )等に基づく認定を受けた企業等を加点評 価する取組について、これまでの国の機関における加点評価の実施状況や、競争参加者 の特性等を踏まえつつ、特に更なる実施余地がある公共工事等に関する調達を始め、各 機関における取組実施を促進し、更なる改善を図る。 【内閣府、各府省】 女性活躍や子育て支援の取組に積極的な企業等を後押しするため、各府省の補助金等 において、補助目的に鑑みつつ、女性活躍や子育て支援に積極的に取り組む企業に対し て加点するといった優遇措置が拡大・促進されるよう取り組む。 【内閣府、各府省】 取組に当たっては、各府省における取組の実態を把握するとともに、先行して実施さ れている取組事例の横展開を図る。 【内閣府】 ③ 投資家の評価を利用した系列企業等へのダイバーシティ、エクイティ&インクルー ジョンの取組の波及 女性活躍に優れた企業を中長期の価値を重視する投資家に魅力ある銘柄として紹介す る「なでしこ銘柄」の枠組みを活用し、企業のダイバーシティ、エクイティ&インクル ージョンの取組を関連企業やサプライチェーンにおいても浸透させるための取組に関す る調査を行う。 【経済産業省】 (2)女性起業家の支援 ① ロールモデルとなる女性起業家の創出、育成支援 外部有識者からの推薦に基づいて選定された企業を、政府機関と民間が集中支援を行 うプログラム(J-Startup)において、女性起業家の割合を 2033 年までに 20%以上とす
  6. 4 ることを目指す。また、起業を目指す若手人材などを世界のイノベーション拠点に派遣 する事業において、 女性起業家向けプログラムを推進する。 このほか、 ディープテック分 野での女性起業家の活動の後押しや、未踏事業への女性拡大のため、女性修了生等によ る情報発信の機会強化を行う。 【経済産業省】 ②

    女性起業家のためのネットワーク等の充実 女性起業家は、起業家ネットワークへのアクセスが限定的、資金調達が難しいなどの 課題を抱えているため、金融機関や地域中核企業など様々なステークホルダーを巻き込 みつつ、 全国各地で女性起業家に対して一貫した支援を提供するネットワークを構築し、 事業計画に対する助言を行うとともに、支援者とのマッチングに向けた支援プログラム を実施する。 女性起業家に必要な支援を行うため、 引き続き、 スタートアップ支援政府機 関プラットフォーム(Plus)とも連携する。また、Plusにおいては女性起業家の 育成を支援する人材を育成するプログラムを推進する。 さらに、女性起業家のマッチングの場として、JOIC(Japan Open Innovation Council)による女性起業家ピッチや J-Startup 定例イベント(J-Startup Hour)での女 性イベントを引き続き開催する。 【金融庁、経済産業省】 ③ 女性起業家による資金調達への支援 「女性、若者/シニア起業家支援資金」等による資金調達支援を実施するほか、株式 会社産業革新投資機構による女性キャピタリストを採用・育成する民間ファンドや女性 起業家に積極的に投資する方針の民間ファンドへの出資等を促進し、女性の起業を引き 続き後押しする。 【経済産業省】 (3)科学技術・学術分野における女性活躍の推進 ① 女性が少ない分野への進学者増に向けた取組の推進 女子学生の占める割合の少ない分野の大学入学者選抜において、理工系の女子などを 対象にした入学者の多様性を確保する選抜の実施等に積極的に取り組む大学等に対して、 国立大学法人運営費交付金や私立大学等経常費補助金による支援を行うとともに、好事 例等の情報提供を行う。また、女子学生の増加等に対応した施設整備に取り組む国立大 学・高等専門学校(以下「高専」という。 )に対して、国立大学法人等施設整備費補助金 による支援を行うとともに、好事例の横展開を行う。 【文部科学省】 女子学生の占める割合が少ない分野の大学入学者選抜における女子学生枠の確保等に 積極的に取り組む大学の取組内容について、好事例の収集・公表等のフォローアップを 通じて、取組を促進する。 【文部科学省】 デジタル・グリーン等の成長分野をけん引する高度専門人材の育成に向けて、学部転 換等の改革に踏み切る大学・高専を機動的かつ継続的に支援することで、成長分野への 女子の進学者増を目指す。 【文部科学省】 理工農系の女子学生の修学や卒業後の活躍機会の確保を目的として、大学が民間企業 等と連携して行う取組を、 大学の体制整備支援を通じて引き続き促進する。 【文部科学省】 自分らしい生き方を実現していくキャリア発達を促すため、社会で活躍する女性によ る講演などの機会も含め、各学校段階を通じたキャリア教育を促進する。 【文部科学省】
  7. 5 児童・生徒の理科教育における興味・関心をより高め、理系分野等を選択する児童・生 徒の増加につながるよう、理系分野等の専門知識を有する外部人材が学校現場で活躍で きる環境を醸成する取組を一層促進する。 【文部科学省】 未就学児がジェンダーバイアスにより自分の可能性を狭めてしまわないよう、幼児期 の教育現場等における固定的な性別役割分担意識や無意識の思い込み (アンコンシャス・ バイアス)の解消に資する方策について調査研究を行う。 【文部科学省】

    ② 「 「理工チャレンジ」プログラム(モデル) (仮称) 」の作成等 女子中高生の理工系への進学を促進するため、理工系分野に対する興味・関心を喚起 し、更に意欲・能力を伸長する、保護者・教員も含めた地域における取組を支援する。 また、本取組を普及させていくため、支援の成果を大学・高専、教育委員会等へ発信す る。 【文部科学省】 さらに、理工系分野を目指す女子生徒等の育成に資するため、各地域の大学・高専に おいて理工系分野の体験機会の提供の参考となるよう、上記の取組事例を含む、若手ロ ールモデルによる授業等を含む具体的な実施内容や実施手順の事例を示した「 「理工チ ャレンジ」プログラム(モデル) (仮称) 」を作成し、各大学・高専に周知し、 「理工チャ レンジ」の取組数や若手ロールモデルによる理工系の魅力を発信する機会の増加を目指 す。 【内閣府、文部科学省】 ③ 女性デジタル人材育成に資するインターンシップの普及 デジタル分野を含めて、学生が主体的に自らのキャリア形成について考えることに対 する意識の醸成と機会の創出を図ることができるよう、インターンシップを始めとする 学生のキャリア形成支援に係る取組を推進するとともに好事例の普及に努める。 【文部 科学省】 ④ 次世代の女子中高生・大学生を対象としたプログラミング教育の機会の提供 中・高等学校におけるプログラミングに関する教育の充実を図るため、中学校技術・ 家庭科(技術分野)や高校情報科の指導体制の充実を推進するとともに、プログラミン グ教育に関する教員対象の研修会等を実施する。 また、大学・高専における文理を問わず幅広い学生を対象としたプログラミング教育 を含む数理・データサイエンス・AI教育を推進する。 【文部科学省】 ⑤ 教育委員会や男女共同参画センターとの連携 全国各地の教育委員会や男女共同参画センターと連携して、初等中等教育段階からの 児童・生徒、保護者、教員を含めた理系分野への進路選択を促進する意識啓発を推進す る。 【内閣府、文部科学省】 ⑥ 職業における将来の具体的な活躍イメージの周知・広報 理工系分野への進路選択の支援となる、職業における将来の具体的な活躍イメージを 持つことができるロールモデルの提示等の取組について、女子生徒・学生への広報や周 知を強化するとともに、企業における技術者等の育成にも資するよう内閣府主催の会議
  8. 6 等においても活用し、更なる推進を図る。 【内閣府、関係府省】 ⑦ 大学等における女性登用の促進 女性管理職の登用拡大に向けた大学ガバナンスコードの見直し、学部ごとの女子学 生・女性教員の在籍・登用状況などの情報開示の促進を図る。 【文部科学省】 学長、副学長及び教授における女性登用を促進するため、国立大学法人運営費交付金 や私立大学等経常費補助金を始めとする大学への資源配分において、引き続きインセン

    ティブを付与するとともに、女性を含む様々な人材が活躍できる環境整備のための必要 な施策を講じる。 【文部科学省】 公的研究費の若手研究者向け支援事業の公募要領における年齢制限等において、出 産・育児の期間を考慮する取組を促進する。また、大学等において若手教員採用の際の 年齢制限についても同様の措置を図る。 【内閣府、文部科学省、関係府省】 出産・育児等のライフイベントと研究の両立や女性研究者リーダーの育成を一体的に 推進するダイバーシティ実現に向けた大学等の取組支援を強化するとともに、本取組で 得られた成果等を積極的に発信することにより、更なる大学の取組を促進する。また、 女性研究者が大学等において能力を発揮し、活躍できる環境を整えるため、各国公私立 大学等に対して、ハラスメント防止のための窓口の設置等の取組の実施状況について、 調査を行う。 【文部科学省】 Dual Career 人事(共に研究者である夫婦の採用を一緒に工面することで、研究職の 継続、 家庭との両立を支援する取組) など、 研究者の円滑な機関間異動に関する支援等、 女性研究者などの研究者が不安なく研究に取り組めるようにするための人事制度の改 革に取り組む大学等への機関支援について、複数大学のコンソーシアムによる取組の後 押し等の支援を充実させるとともに、地域中核大学への支援等を通じ、好事例の発展・ 展開を促進する。また、家族帯同に関する支援制度を含めた優れた研究者への個人支援 の在り方を検討する。 【文部科学省】 (4)職場におけるハラスメント対策の強化等 ① 職場におけるハラスメント対策の強化 令和元年の労働施策総合推進法等の改正により、職場におけるパワーハラスメント防 止のための事業主の雇用管理上の措置義務等の新設等がなされ、指針により、いわゆる カスタマーハラスメント対策や就職活動中の学生等に対するセクシュアルハラスメン トについて、事業主が講じることが望ましい措置が明記されたところであり、これらの ハラスメントに対して、更なる法的措置を含め、ハラスメント対策の強化を講ずる。 【厚 生労働省】 ② 就職活動中の学生に対するハラスメントの防止と適切な対応 就職活動中の学生に対するセクシュアルハラスメントや教職員が学生に対して行うハ ラスメント等の防止のため、大学等の関係者が集まる各種会議等において、各大学にお ける取組の好事例の発信や、相談窓口の周知等を一層強化する。 【文部科学省、厚生労働 省】
  9. 7 Ⅱ 女性の所得向上・経済的自立に向けた取組の一層の推進 今年の春季労使交渉において、昨年を大きく上回る賃上げの流れができるなど、所得向 上に向けた環境が醸成されている。 こうした状況の中、女性の所得向上・経済的自立・男女間賃金格差の是正に向け、デジ タル人材育成等のリスキリングの促進や賃金差異の「見える化」を進めるとともに、 「L字 カーブ」の解消に向けた取組や「年収の壁」への対応により、希望に応じて働ける環境づ くりを推進する。女性の高齢就業者数は年々増加しており、女性の所得向上・経済的自立

    に向けた取組を進めるに当たっては、こうした観点も念頭に置くことが重要である。さら に、企業における女性人材育成のパイプライン構築を促進し、役員への女性の登用を推進 していくためには、リスキリングにおいて、経営層に求められるスキルの習得が行われる ことも重要である。 育児や介護を始めとしたライフイベントとキャリア形成の両立を困難にしている要因と して、家事等による時間的制約と長時間労働が挙げられるが、女性登用の観点からも、そ れらの改善は急務である。また、フルタイム就業を含め、第1子出産後も就業を継続する 女性の割合は増加しており、それぞれの働き方の希望に応じた取組が必要である。こうし た状況を踏まえ、男女問わず多様で柔軟な働き方の推進や固定的な性別役割分担意識の解 消、家事支援サービスを活用した好事例の普及等に取り組む。 これらに加えて、女性の就業率が上昇する中、更年期症状等の女性の健康課題への対応 は重要であり、女性の就業継続に向けた健康への支援を充実させるとともに、企業におけ る®健康経営1を推進する。 地域間で女性活躍・男女共同参画の進捗に差異が見られる一方、地域ごとに女性を取り 巻く状況(雇用、生活環境、性別役割分担意識等)も異なっているため、独立行政法人国 立女性教育会館(NWEC)及び男女共同参画センターの機能強化を進め、男女共同参画 センターの職員の育成・専門性の向上を図り、地域の企業、経済団体、学校、NPO等に おける女性活躍・男女共同参画の推進の担い手を育成すること等により、地域の実情に応 じた形で全国各地の女性活躍・男女共同参画が促進されることを目指す。 (1)所得向上、リスキリングの推進 ① 女性の非正規雇用労働者の正社員転換等の促進 「L字カーブ」の解消に向けては、正規雇用の女性の就業継続を支援するだけではな く、初職から非正規雇用で働く女性や過去に妊娠等を契機に非正規雇用となった女性を 正社員転換するための取組も同時に進めていく必要がある。このため、拡充された非正 規雇用労働者の正社員転換及び処遇改善を進める事業主に対する助成の利用を後押しす るとともに、非正規雇用労働者に対するリスキリング支援や就職支援に取り組む。 【厚生 労働省】 ② 「同一労働同一賃金」の遵守の徹底と必要な制度見直しの検討 「同一労働同一賃金」の遵守の徹底については、その履行確保に向けた取組を引き続 き強力に推進するとともに、 「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法 1 「健康経営」は NPO 法人健康経営研究会の登録商標。
  10. 8 律」 (平成 30 年法律第 71 号)における施行5年後見直し規定に基づいて、 「同一労働同 一賃金ガイドライン」等の必要な見直しを検討する。 【厚生労働省】

    ③ 在職中の女性に対する能力開発等の支援 ア 教育訓練給付の拡充 自ら教育訓練に取り組む労働者への支援を強化するため、第 213 回国会において成立 した「雇用保険法等の一部を改正する法律」 (令和6年法律第 26 号)に基づき、令和6 年 10 月より教育訓練給付金について、訓練受講の効果を高める観点で、賃金上昇等を要 件に給付率を拡充するとともに、引き続き制度の周知に取り組む。 【厚生労働省】 イ 教育訓練休暇給付金制度の創設 第 213 回国会において成立した「雇用保険法等の一部を改正する法律」 (令和6年法律 第 26 号)に基づき、労働者が教育訓練を受けるための休暇を取得した場合に賃金の一定 割合を支給する教育訓練休暇給付金制度を令和7年 10 月から実施することとし、 その周 知に当たっては、あわせて、企業における教育訓練休暇制度の導入促進に取り組む。 【厚 生労働省】 ウ リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業による支援 リスキリングと企業間・産業間の労働移動の円滑化を一体的に進めるため、在職者に 対する、 キャリア相談から、 リスキリング、 転職までを一体的に支援する仕組みの整備を 引き続き行う。 【経済産業省】 エ 非正規雇用労働者のリスキリング支援 正社員に比して、企業を通じた職業能力開発機会が乏しいだけでなく、自己啓発の実 施割合も少ない状況にある在職中の非正規雇用労働者等の受講を前提とした様々な受講 日程、実施手法等の職業訓練を試行的に実施することにより、非正規雇用労働者等のキ ャリアアップに効果的な職業訓練の検証を行い、適切な制度設計につなげる。 【厚生労働 省】 ④ リスキリングを行う企業への支援 企業内における労働者のキャリア形成の効果的な促進に資することを目的とした「人 材開発支援助成金」等により、労働者にリスキリングを行う企業を支援する。 【厚生労働 省】 ⑤ 育児・介護等によるキャリアブランクからの復職支援 育児・介護等によって職場を離れていた期間が長い者については、これまでのスキル・ 経験の棚卸し、言語化ができるよう、キャリアコンサルタントによる支援を実施する。 【厚生労働省】 ⑥ 女性活躍推進データベース及び女性活躍推進法「見える化」サイトの更なる活用 女性活躍推進データベースの更なる活用に向け、 一覧性の確保・強化を図るとともに、 就職支援企業や大学就職課等との更なる連携の取組や、ハローワークにおける利用促進 を図る。 また、 データベース登録やえるぼし認定の少ない業種への積極的な周知を行い、 データベース登録企業数や認定企業数の増加に取り組む。 【厚生労働省】
  11. 9 また、女性活躍推進法「見える化」サイトについても、更なる活用に向け、就職支援企 業や大学就職課等と連携するとともに、内閣人事局、人事院及び総務省並びに各府省と 連携し、公務員志望者等に対する広報活動等においてサイトの周知を図る。 【内閣官房、 内閣府、総務省、各府省(、人事院) 】 ⑦ 男女間賃金差異の公表に伴う更なる対応 ア

    男女間賃金差異の公表義務の対象拡大 女性活躍推進法に基づく男女の賃金の差異に係る情報公表について、義務対象を常用 労働者の数が 101 人以上 300 人以下の一般事業主へ拡大することについて施行状況を踏 まえて検討する。また、各企業における女性活躍に関する自主的な情報公表を促進する とともに、各企業等における賃金差異の把握・分析が促進されるよう、賃金差異分析ツ ールの開発に取り組むなど、自主点検の促進を図る。 【厚生労働省】 イ 男女間賃金差異の要因分析等の取組支援 女性活躍推進のための取組を行う企業への個別支援として、特に中小企業を対象とし て、男女の賃金の差異の要因分析等について、各企業の雇用管理状況に応じたコンサル ティング等を実施するとともに、アンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)の解消に向 けて啓発に取り組む。また、民間の支援ネットワーク活用による好事例共有や自主的活 動の促進を図るとともに、男女間賃金差異の解消に向けた具体的な取組マニュアルの活 用促進を図る。 【厚生労働省】 国及び地方公共団体の職員の給与の男女の差異について、各機関においては、差異の 要因等の把握・分析の取組を進める。また、適切な公表に向けた周知・助言や優良な分析 を行っている事例等について情報提供を行うことで、こうした各機関における差異の要 因等の把握・分析を促進する。 【内閣官房、内閣府、総務省、各府省】 ⑧ 女性活躍推進法の改正 令和7年度末に期限を迎える女性活躍推進法について、延長に向けた改正法案を令和 7年通常国会において提出することを目指し、事業主が女性特有の健康課題に取り組む ことや、より正確かつ最新の情報の公表の促進など、更なる女性活躍推進に向けた所要 の検討を行う。 【内閣府、厚生労働省】 ⑨ 賃上げ促進税制を通じた賃上げの後押し 令和6年度税制改正において強化した賃上げ促進税制の活用を促進し、女性を含めた 日本全体の賃上げにつなげる。 【総務省、財務省、経済産業省】 ⑩ 医療、介護、福祉などの分野で働く方々の賃上げ 医療、介護、福祉の分野において、物価高に負けない「賃上げ」の実現に向けた令和6 年度の診療報酬・介護報酬・障害福祉サービス等報酬の同時改定における対応を踏まえ、 賃上げに向けた対応を継続して実施する。 【厚生労働省】 ⑪ 女性の視点も踏まえた社会保障制度・税制等の検討 個人の価値観やライフスタイルが多様化し、働き方の多様化もますます進んでいる中
  12. 10 で、 女性の所得向上を一層推進するには、 女性が希望どおりに働くことができる、 ライフ スタイルや働き方に対して及ぼす影響が中立的な制度・慣行の構築が不可欠である。 また、明示的に性別による区別を設けていなくても、固定的な性別役割分担意識や性 差2に関する偏見等を反映して、結果的に男女に中立に機能しない場合もあることから、 ・現行の制度は就業調整を選択する人を増やしているのではないか。 ・配偶者の経済力に依存しやすい制度は、男女間賃金格差も相まって、女性の経済的困

    窮に陥るリスクを高める結果となっているのではないか。 ・現行の制度は分配の観点から公平な仕組みとなっていないのではないか。 という主に3つの観点を踏まえ、社会保障制度・税制等について検討を行う。 【内閣府、 関係府省】 ⑫ 年金制度等の見直し いわゆる「年収の壁(106 万円・130 万円) 」を意識せずに働くことが可能となるよう、 短時間労働者への被用者保険の適用拡大や最低賃金の引上げ等に取り組むことと併せて、 当面の対応策として、 「年収の壁・支援強化パッケージ」を着実に実行し、さらに、次期 年金制度改正において制度の見直しに取り組む。 【厚生労働省】 また、共働き世帯が増加する中、多様なライフコースに応じた年金の給付水準の示し 方や、支給対象となる年齢や給付内容に男女で差が存在する遺族厚生年金についても、 次期年金制度改正に向けて議論を進める。 【厚生労働省】 ⑬ 雇用保険の適用拡大 第 213 回国会において成立した「雇用保険法等の一部を改正する法律」 (令和6年法律 第 26 号)に基づく、週所定労働時間 10 時間以上 20 時間未満の労働者への雇用保険適用 について、令和 10 年 10 月からの施行に向けて、着実に準備を進める。 【厚生労働省】 ⑭ 「女性デジタル人材育成プラン」の実行 今後の我が国を支える成長産業であるデジタル業界への女性の労働移動を支援し、ま た、デジタル分野におけるジェンダーギャップの解消のため、 「女性デジタル人材育成プ ラン」に基づき、就労に直結するデジタルスキルの習得支援及びデジタル分野への就労 支援を令和4年度から令和6年度末までの3年間集中的に推進する。プランの実施に当 たっては、 策定から3年目であることを踏まえ、 取組による効果をより重視し、 スキル取 得からマッチングまで一体となって支援するなど、着実に就労に結びつけることが期待 される地域の取組について、地域女性活躍推進交付金を始めとする財政支援その他の支 援により、 重点的に後押しする。 また、 就労に結びついた実績のある優良事例を事例集に より周知・啓発し、全国各地域への横展開を図る。 令和7年度以降もこれらの取組を継続・強化できるよう、 令和6年度末を目途に、 主要 な取組実績を把握するとともに、効果検証を行った上で、プランの施策の在り方につい て必要な見直しを行うための検討を進める。 【内閣府、関係府省】 2 本重点方針においては、用いられる文脈により、生物学的な性差若しくは社会的・文化的な性差又は その両方を指す。
  13. 11 ⑮ ひとり親家庭の経済的自立 ひとり親家庭の就業率は約9割と高い水準にあるが、母子世帯における正規雇用率に ついては約5割となっており、 また、 その一方で、 母子家庭の平均年間就労収入は 236 万

    円と低い状況にあることや、養育費の受領率が母子家庭では約3割、父子家庭では約1 割にとどまっているなどの課題がある。子育てと仕事を一人で担わざるを得ない、ひと り親家庭が抱える様々な課題に対応するため、以下の取組を進める。 ア 就労支援 高等職業訓練促進給付金等事業における対象資格の拡大や、自立支援教育訓練給付金 事業の助成割合の引上げ等について令和6年度から実施し、各地方公共団体におけるひ とり親に対する就労支援の取組を着実に進める。 【こども家庭庁、厚生労働省】 民間事業主に対し、ひとり親を雇い入れ、人材育成・賃上げに向けた取組を行う企業 に対する支援を引き続き行い、ひとり親が働きやすい環境整備に関する助言を行う。あ わせて、ひとり親の雇用を促進する支援員を各地方公共団体等の窓口に配置するなど、 相談支援体制の充実を図る取組を進める。 【こども家庭庁、厚生労働省】 イ 養育費受領率の向上 希望する全てのひとり親世帯が養育費を受領できるようにすることが重要であると いう認識の下、まずは 2031 年に、全体の受領率(養育費の取決めの有無にかかわらない 受領率。こども家庭庁「全国ひとり親世帯等調査」における母子世帯の数値を指標とす る。 )を 40%とし、養育費の取決めをしている場合の受領率を 70%とすることを目指す こととする。 上記の目標を達成すべく、以下の取組を進める。 ・パンフレットや解説動画の配信による周知・広報に努めるとともに、親支援講座を実 施する地方公共団体を支援するなど、あらゆる機会を利用して離婚の際に養育費を支 払うことは当然のことであるという意識改革を更に強力に進める。 【こども家庭庁、法 務省】 ・養育費に関する専門知識を有する相談員の配置等を行う養育費等支援事業を実施する 地方公共団体を支援し、養育費の取決めを促進するとともに、養育費に関する合意書 作成の手引きの交付や、認証紛争解決事業者が行うADRでの養育費の取決めに基づ く民事執行について適切に周知・運用する。 【こども家庭庁、法務省】 ・ 「ひとり親家庭等に対するワンストップ相談体制強化事業」を活用した地方公共団体の 事例を周知し、地方自治体における同事業の活用を推進する。 【こども家庭庁】 ・ 離婚前からの親支援の充実や養育費の確保に資する取組を行う 「離婚前後親支援事業」 を実施する地方公共団体の取組事例を周知するなどして、地方公共団体における同事 業の活用を推進する。 【こども家庭庁】 ・民事裁判手続に必要な弁護士費用等の立替えを行う民事法律扶助について、ひとり親 に対する償還免除要件が緩和されたことなどを踏まえ、適切に運用する。 【法務省】 ・共同養育計画及びその在り方について調査・研究し、その成果に基づいて、標準モデ ル例を公表するとともに、離婚する父母に情報提供する。 【法務省】 ・離婚及びこれに関連する制度に関する規定等の見直し(養育費の確保のための具体的 な方策を含む。以下、本項において「本件見直し」という。 )を内容とする「民法等の 一部を改正する法律」 (令和6年法律第 33 号。以下「民法等改正法」という。 )を踏ま
  14. 12 えた養育費の確保に向けた効果的な方策の在り方等について検討を進め、その成果や 課題が今後の施策に反映されるよう関係府省との連携を図る。 【法務省】 ・本件見直しを内容とする民法等改正法の円滑な施行に向けて、改正内容及び解釈上参 考となる事項を国民及び関係機関に周知する。 【法務省】 民法等改正法による改正後の民法等の内容や今後の「全国ひとり親世帯等調査」の結 果を踏まえて、 必要に応じて養育費の受領率の達成目標を見直すこととする。

    【内閣府、 こども家庭庁、法務省】 ⑯ 男女間賃金格差の大きい業界に着目した取組 各業界における男女間賃金格差について、 特に男女間賃金格差の大きい業界に着目し、 各業所管省庁等を通じた実態把握・分析・課題の整理を踏まえ、 業界ごとのアクションプ ランの策定を促し、 取組を進める。 公務部門においても、 女性活躍に向けた更なる取組を 進める。さらに、男女間賃金格差の解消に向け、重点的な広報を展開し、社会全体での機 運醸成を図る。 【内閣官房、内閣府、総務省、厚生労働省、各府省】 (2)仕事と育児・介護の両立の支援 ① 長時間労働の是正 「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律」 (平成 30 年法律第 71 号) の施行から5年が経過する中、労働時間の実態を踏まえつつ、労働者の健康確保やライ フイベントとキャリア形成の両立の観点から、更なる時間外労働の上限規制や勤務間イ ンターバル制度を含め、時間外労働や割増賃金の在り方について検討を行い、必要な措 置を講じる。 【厚生労働省】 ② 生産性の向上 人口減少・少子高齢化に伴い人手不足が恒常化する中、育児・介護休業の取得の促進 や多様で柔軟な働き方を推進しつつ長時間労働を是正するためには、生産性を向上させ る必要がある。そのため、人手不足に悩む中小企業等に対する省力化投資支援や生産性 向上に資する設備投資などを実施し業務改善を行うとともに最低賃金の引き上げを図る 中小企業・小規模企業に対する業務改善助成金等により、中小企業等の付加価値額や生 産性向上を図る。 【厚生労働省、経済産業省】 ③ 勤務間インターバル制度の導入 勤務間インターバル制度の導入率向上に向けて、社会保険労務士等によるアウトリー チ型のコンサルティングについて、コンサルティングを受けた企業が勤務間インターバ ル制度を導入することにより労働時間やワークエンゲージメント等の観点からどのよう な効果が生じたかを継続的に把握するとともに、把握した定量的な効果を制度導入のメ リットとして発信するほか、労働者の健康管理等を行う産業医等に対して、同制度の内 容・効果を周知し、企業における取組を波及させること等、効果的な周知を行う。 【厚生 労働省】 ④ 多様な正社員制度や選択的週休3日制を含めた労働者のニーズに応じた多様な働き
  15. 13 方の環境整備 正社員の働き方を変えることでライフイベントとの両立を容易にするとともに、希望 する労働者が多様な働き方を選択でき、活躍できる環境を整備することが重要である。 このため、勤務時間、勤務地、職種・職務を限定した「多様な正社員」制度や選択的週休 3日制に関する好事例の周知や導入支援を行うほか、適切な労務管理下におけるテレワ ークや職務を基軸とした人事制度なども含め、労働者のニーズに応じた多様な働き方を 実現するための環境整備を推進する。 また、 多様な正社員制度を創設した上で、

    非正規雇 用労働者の正社員転換を進める事業主に対する支援を行う。 【厚生労働省】 ⑤ 育児・介護休業法及び次世代育成支援対策推進法改正法の円滑な施行に向けた環境 整備 柔軟な働き方を実現するための措置や、男性の育児休業取得率の公表義務の拡充等を 盛り込んだ「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律 及び次世代育成支援対策推進法の一部を改正する法律」 (令和6年法律第 42 号) が第 213 回国会において成立したことを受け、以下について具体的に取り組む。 ・令和7年4月以降の段階的な施行に向けて、円滑な施行を図るため、改正法の周知・理 解促進、助成金や労務管理の専門家による支援を実施する。 【こども家庭庁、厚生労働 省】 ・男性の育児休業について、制度面と給付面の両面からの対応強化をすることで、男性 の育児休業取得率の更なる向上を目指す。その際、男性の育児休業取得が実質を伴っ たものとなるよう、男女が共に育児を担うことの重要性や「共働き・共育て」の意義が 広く認識されるような取組を行う。 【内閣府、こども家庭庁、厚生労働省】 ・育児期を通じて多様な働き方を組み合わせることで、 男女で育児・家事を分担しつつ、 育児期の男女が共に希望に応じてキャリア形成と両立することを可能としている好事 例紹介等の取組を進める。 【厚生労働省】 ・こどもが3歳以降小学校就学前までの場合において、 フレックスタイム制を含む出社・ 退社時刻の調整、テレワーク、短時間勤務制度、保育施設の設置運営等、時間単位で取 得できる新たな休暇から、事業主が複数の制度を選択して措置し、その中から労働者 が選択できる制度の周知・活用の促進を行う。所定外労働の制限(残業免除)の対象と なる労働者の範囲が、 小学校就学前の子 (現行は3歳になるまでの子) を養育する労働 者に拡大されることの周知を行う。 【厚生労働省】 ・ 「子の看護等休暇」について、感染症に伴う学級閉鎖等や子の行事参加にも利用可能と なることや、 対象となる子の範囲が小学校3年生修了 (現行は小学校就学前) まで拡大 となったことの周知を行う。 【厚生労働省】 ・ 「次世代育成支援対策推進法」 (平成 15 年法律第 120 号) の事業主行動計画策定の際に、 男性の育児休業取得状況等の把握と、数値目標の設定を事業主に義務付けることに加 え、育児・介護休業法における男性の育児休業取得率の公表義務の対象を拡大するこ とで、男性の育児休業取得率の更なる向上を目指す。 【厚生労働省】 ⑥ 育児時短就業給付の創設 子の出生・育児休業後の労働者の育児とキャリア形成の両立支援の観点から、男女共
  16. 14 に時短勤務を選択しやすくなるよう、第 213 回国会において成立した「子ども・子育て 支援法等の一部を改正する法律」に基づき、2歳未満の子を養育するために時短勤務を する場合に、時短勤務中の賃金の 10%を支給する育児時短就業給付を、令和7年4月か ら実施する。 【厚生労働省】 ⑦

    時間単位の年次有給休暇制度の導入促進等 育児・介護・治療等とキャリア形成との両立を可能とするため、 企業が時間単位の年次 有給休暇制度を新たに導入した際に助成する制度の活用促進を図るとともに、時間単位 の年次有給休暇制度を導入している企業の好事例紹介等の取組を進める。また、全国の 労使団体への集中的な広報等により、年次有給休暇の取得促進を図る。 【厚生労働省】 ⑧ キャリア形成と育児等の両立を阻害する要因の調査 男女が家事・育児等を分担して、共にライフイベントとキャリア形成を両立できる環 境づくりに向けて、育児期にある男女にキャリア形成と育児等の両立に関する意識調査 を行い、特に、育児休業から復帰した後のキャリア形成に関する実態を把握し、両立を 阻害する要因を分析して広く発信する。 【内閣府】 ⑨ 育児・介護の両立支援に関する事業主の取組の推進 中小企業事業主が、育児休業や育児短時間勤務中の業務を代替する周囲の社員に応援 手当を支給する場合や、育児期の柔軟な働き方に関する制度の導入、円滑な介護休業の 取得・職場復帰のための取組等を行った場合の助成措置により、 育児・介護の両立支援に 関する事業主の取組を支援する。 【厚生労働省】 ⑩ 育児休業にとどまらない共育ての実現に向けた取組 若い世代の男性は、 家事 ・ 育児に対する意欲が他の世代よりも相対的に高いことから、 職場の理解の増進等により、男性の家事・育児への参画の希望が実現されるよう支えて いくことが重要である。一方、短時間勤務制度等の両立支援制度を利用している多くが 女性であることを考えれば、育児・介護休業法の説明会等の機会を捉えて、育児休業の 他にも両立支援制度があることや性別によらず利用が可能であること、制度利用時のみ ならず制度利用後もワーク・ライフ・バランスのとれた働き方が重要であることについ て経営層や管理職も含めた周知・啓発を行う。 【厚生労働省】 育児休業にとどまらない共育てを推進していく観点から、女性活躍に優れた企業を中 長期の価値を重視する投資家に魅力ある銘柄として紹介する 「なでしこ銘柄」 において、 男性の育児休業の取得促進や柔軟な働き方の推進、更なる長時間労働の是正に取り組む ことが、投資家からも評価されるための仕組みづくりにさらに取り組む。 【経済産業省】 ⑪ 仕事と介護の両立に関する課題への取組 少子化、高齢化という人口構造は長期的に続くと考えられ、従業員が家族の介護をす る状況は珍しいことではなくなる。一方、介護の必要性は、従業員の親族に生じるもの であり、かつ、介護の明確な始期や見通しが判然としない場合や、キャリア等への影響 を懸念するなど、従業員側から言い出しづらいことがある。そのため、特に経営者への
  17. 15 アプローチを重点化すべく、 「仕事と介護の両立支援に関する経営者向けガイドライン (令和6年3月策定) 」を用いて、全ての企業が我がごととして仕事と介護の両立支援に 取り組むに当たってのマインドセット醸成や情報提供を行う。本ガイドラインの普及に 際しては、厚生労働省や経済・労働団体等とも連携する。 【厚生労働省、経済産業省】 上記のほか、仕事と介護の両立に係る課題解決に向けて、健康経営等を通じた両立支 援に取り組む企業へのインセンティブの設計、自治体や地域の支援団体等と連携した中

    小企業の両立支援を面で支える仕組みの構築を推進する。 【経済産業省】 ⑫ 外部サービス利用の普及による家事負担の軽減 労働者の家事負担を軽減するサービスの適切な利活用に向けた環境整備のため、家事 支援サービス福利厚生導入実証事業の成果を踏まえつつ、企業が福利厚生として家事支 援サービスを従業員向けに提供する取組を促進する観点や家事代行サービス認証制度の 普及を促進する観点から、 広報等に取り組む。 また、 サービスの品質向上等の観点から、 サービス提供スタッフに求められる能力の基準について検討する。 【経済産業省】 ⑬ 労働者に対する就業場所・業務の変更の範囲の明示 転勤や業務の変更は、労働者のワーク・ライフ・バランスやキャリア形成を左右しう るものであり、 労働契約関係の明確化により予見可能性を向上させることが重要である。 このため、令和6年4月より施行している全ての労働契約の締結と有期労働契約の更新 のタイミングごとに、 「雇入れ直後」の就業場所・業務の内容に加え、これらの「変更の 範囲」についても明示を求める、労働条件明示に関する新しいルールについて的確に運 用されるよう周知徹底するとともにその履行確保を図る。 【厚生労働省】 ⑭ フリーランスの就業環境の整備 「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」 (令和5年法律第 25 号)の施 行状況を踏まえつつ、発注事業者が同法におけるフリーランスに対するハラスメント対 策や育児・介護等と業務の両立に対する配慮などを円滑に実施できるよう、業界団体と も連携しつつ、好事例の収集・提供や発注事業者に対する研修等の取組を進める。 【厚生 労働省】 ⑮ くるみん・えるぼし認定等の取得促進を通じた次世代育成支援対策・女性活躍の推 進 令和6年度税制改正により、賃上げ促進税制において、雇用の「質」も上げる形での賃 上げの促進に向けて、事業者がくるみん、えるぼし認定等を取得している場合の税額控 除率の上乗せ措置を創設したところ。本措置について、積極的に周知・広報を実施し、企 業による認定の取得促進を通じて、 次世代育成支援対策・女性活躍を推進する。 【総務省、 財務省、厚生労働省、経済産業省】 (3)仕事と健康課題の両立の支援 ① 健康診断の充実等による女性の就業継続等の支援 働く女性の月経、妊娠・出産、更年期等、女性のライフステージごとの健康課題に起
  18. 16 因する望まない離職等を防ぎ、女性が活躍し、また、健やかで充実した毎日を送ること ができるよう、プライバシーに十分配慮した上で、事業主健診(労働安全衛生法に基づ く一般定期健康診断)において、月経随伴症状や更年期障害等の早期発見に資する項目 を問診等に加え、その実施を促進する。あわせて自治体検診における骨粗鬆症検診につ いて検診受診率向上に向けた取組を進める。 また、更年期に係る症状を自己評価により把握し、受診などの適切な行動に結びつけ られるようセルフチェックを活用するなどの取組を、企業や自治体に促す。あわせて事 業所内に働く女性の相談に対応する担当者を配置するなど女性の健康を話題とする場 づくりを推進する。

    さらに、健康課題が把握された従業員に対し、事業主が行うことが望ましい対応につ いて、ガイドラインや指針などを作成することを検討するとともに、女性の健康に関す る取組の好事例等を事業主に周知する。 【厚生労働省】 病気休暇等の特別休暇制度の導入を推進するため、特別休暇制度導入事例集の作成・ 周知に取り組む。 加えて、企業において、従業員の産婦人科受診に対するハードルを下げることに資す る相談事業が行われることを促進する。また、女性特有の健康課題に関する取組を行っ ている企業を評価する仕組みを検討する。 【厚生労働省】 フェムテック等サポートサービス実証事業により、更年期等へ対応する日本発のフェ ムテック製品・サービスの活用を促進し、企業における更なる好事例の創出を図り、自 治体及び中小企業への横展開等に取り組む。 【経済産業省】 企業における従業員に対する性差に応じた健康課題への理解を促進するためにも、全 府省において、新規採用職員向け、また管理職を含む職員向けの健康教育に率先して取 り組む。すでに実施している一部の府省に加え、未実施の省庁も含めた全ての府省にお いて取組を行えるよう、関係行政機関が連携してその方策を検討する。 【内閣官房、厚生 労働省、各府省(、人事院) 】 一方、産業保健スタッフ、保健師、助産師、看護師、薬剤師、養護教諭等が、職場や 地域、学校など様々な場で、更年期の健康課題を含め、女性のライフステージごとの健 康課題とその対処法について知識の普及に取り組めるよう、 人材育成を図る。 【文部科学 省、厚生労働省】 ② 企業評価制度の更なる充実と普及 健康経営銘柄、健康経営優良法人、なでしこ銘柄等において、女性の健康課題に取り 組み、成果を上げている企業や健康保険組合の好事例を集め、他の企業等にも広く周知 すること等を通じて、企業における女性の健康課題への取組をより促進する。 さらに、小規模事業者においても、こうした取組が広まるように、健康経営優良法人 制度中小規模法人部門の要件緩和等を検討する。 【厚生労働省、経済産業省】 (4)地域における女性活躍・男女共同参画の推進 ① 地方や中小企業における女性の登用推進 ア 地域における女性登用の推進 日本商工会議所や全国商工会連合会、一般社団法人全国銀行協会、一般社団法人全国
  19. 17 地方銀行協会等と連携しながら、地域のリーディングカンパニーにおける取組の把握を 含め、各地域の女性活躍推進に係る企業の好事例の周知・啓発を行う。 【内閣府】 企業における役員選定にあたり女性の役員候補者となり得る女性人材のデータベース 「女性リーダー人材バンク」を各地域の商工会議所等において周知するとともに、地方 の女性役員候補者の掲載等、更なる活用の検討を行う。 【内閣府】 イ 中小企業における女性活躍の促進

    我が国の企業の9割以上を占め、雇用の約7割を支えているのが中小企業であること を踏まえると、地方における女性、特に中小企業で働く女性の待遇を改善し、活躍を支 援する必要がある。そのため、中小企業を対象として、男女の賃金の差異の要因分析等 について、各企業の雇用管理状況に応じたコンサルティング等を実施するとともに、ア ンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)の解消に向けて啓発に取り組む。また、両立 支援等助成金などにより、雇用形態にかかわらず、労働者の希望に応じて育児休業等を 取得しやすい環境整備を進める事業主に対して助成する。加えて、非正規雇用労働者の 企業内のキャリアアップに取り組む事業主に対して「キャリアアップ助成金」により支 援する。 【厚生労働省】 ウ 地域の中小・中堅企業における労働条件・柔軟な働き方への対応支援 地域の人手不足への対応として女性や高齢者などの潜在的な労働力の掘り起こしが重 要であり、特に地域の中小・中堅企業において、労働条件・柔軟な働き方への対応などの 取組を進める。 【厚生労働省】 エ 地方の中小企業におけるダイバーシティ経営の推進 地域に根ざした中小企業による、自らの事業特性を活かしつつ、誰もが働きやすい企 業経営の実現を後押しするため、ダイバーシティ経営を推進する先進的な取組の横展開 を図るとともに、ダイバーシティ経営の実践に向けた支援を行う。 【経済産業省】 オ 地域における女性起業家の支援 女性起業家は、起業家ネットワークへのアクセスが限定的、資金調達が難しいなどの 課題を抱えているため、金融機関や地域中核企業など様々なステークホルダーを巻き込 みつつ、全国各地で女性起業家に対して一貫した支援を提供するネットワークを構築し、 事業計画に対する助言を行うとともに、支援者とのマッチングに向けた支援プログラム を実施する。女性起業家に必要な支援を行うため、引き続き、スタートアップ支援政府 機関プラットフォーム(Plus)とも連携する。 【金融庁、経済産業省】 ② 経済団体における女性活躍の推進 全国の商工会及び商工会議所における役員の種別ごとの女性割合について、団体ごと の現状の「見える化」を行うとともに、例えば女性部や女性会の代表を役員の充て職と するなど役員の女性割合を増加させるために取り組んでいる商工会又は商工会議所を 把握し、その取組の継続や横展開を図る。 【経済産業省】 ③ 固定的な性別役割分担意識やアンコンシャス・バイアスの解消及びオールド・ボー イズ・ネットワークに着目した広報啓発 各地域において、人々の中にある固定的な性別役割分担意識や無意識の思い込み(ア ンコンシャス・バイアス)の解消と、企業等の広報担当や人事・業務管理に携わる管理
  20. 18 職、さらには経営層の意識改革と理解の促進を図り、性別役割分担にとらわれない働き 方を推進するため、これまでの調査結果を踏まえた取組を着実に実施するとともに、 「オ ールド・ボーイズ・ネットワーク」の存在についてのホームページ・SNS等の様々なコ ンテンツを活用した情報発信、地方公共団体や経済団体等を対象としたワークショップ の開催等の啓発活動を実施する。 【内閣府】 ④ 地方公共団体の取組への支援

    地域女性活躍推進交付金を始めとする国の支援策を活用して、地方公共団体が関係団 体等と連携して行う、就労や起業までつなげるための女性デジタル人材・女性起業家の 育成、 役員・管理職の女性の登用、 NPO等の知見を活用した困難や不安を抱える女性へ の相談支援、自治会長や地方公共団体の防災会議委員に占める女性の割合向上を目指す 地域の女性リーダー育成等、地域の実情に応じた取組に対して、引き続き支援を実施す る。 【内閣官房、内閣府】 ⑤ 女性活躍に取り組む地方公共団体の好事例の横展開等 地方において女性活躍を推進する上で、地方公共団体には、特定事業主行動計画に基 づく女性職員の活躍推進に係る取組の実施とともに、中小企業等の地域の事業者による 女性活躍推進に係る取組の支援が期待されている。地方公共団体がこれらの取組を効果 的に展開する上では、そのトップである首長が深くコミットメントし、女性活躍を加速 する取組を地域社会へ広げていくことが鍵となる。このため男性首長について、男性の 意識と行動の変革を目指して活動する「輝く女性の活躍を加速する男性リーダーの会」 への参加拡大を目指すとともに、地域シンポジウム等を通じて地方公共団体における女 性活躍推進の好事例の横展開を図る。 【内閣府】 ⑥ 独立行政法人国立女性教育会館(NWEC)及び男女共同参画センターの機能強化 女性の経済的自立を始め、全国津々浦々で男女共同参画社会の形成を促進するため、 独立行政法人国立女性教育会館(以下「NWEC」という。 )の主管を内閣府に移管し、 男女共同参画センター(以下、本項において「センター」という。 )に法令上の位置付け を付与すること等を内容とする、NWEC及びセンターの機能強化を図るための所要の 法案について、早期の国会提出を目指す。 【内閣府、文部科学省】 機能強化後のNWECの事業については、NWEC及び男女共同参画センターの機能 強化に関するワーキング・グループ報告書を踏まえ、オンラインの利点を活かした多様 なスタイルの研修の実施、地域の男女共同参画推進の担い手を育成する研修プログラム の開発、全国の男女共同参画センター・企業・学校等との連携推進、テレワークにより幅 広い分野の専門家等の協力を得ての調査研究の実施等、デジタル化の進展により幅広い 対象に多様なアプローチが可能となったことなどを念頭に、事業内容の高度化を図る。 また、同報告書においては、施設の在り方についても今後検討していくことが必要と 述べられていることを受け、男女共同参画のナショナルセンターの機能を有効に発揮で きるよう、NWECが所在する埼玉県及び嵐山町の声を丁寧に聞きながら検討を行う。 【内閣府、文部科学省】 将来的に、NWECの支援の下で、センターが地域の企業や経済団体、学校、NPO等
  21. 19 と連携し、 地域の女性活躍 ・ 男女共同参画の推進の担い手を育成できるよう、 NWECは、 センターの協力を得て、 センターの職員の専門性向上に資する研修の実施や、 センターが 企業や経済団体等への研修で用いる研修プログラムや教材の開発に向けて情報の収集や

    検討を進めることとする。 【内閣府、文部科学省】 また、情報の収集や検討を進めるに当たって、NWECは、センターや地方公共団体が 地域女性活躍推進交付金を活用する等して実施する人材育成事業の一部に参画し、 地域に おけるネットワーク構築を支援するとともに、 事業の評価・検証を通じて今後の研修充実 に向けてノウハウを得ることを目指す。 【内閣府、文部科学省】 機能強化後のNWECにおいて、 就労状況など統計データを整理するとともに、 全国各 地の男女共同参画センターから地域における男女共同参画に関する状況と課題等を集約 し、 その分析結果を全国のセンター等に提供することや、 NWEC及び全国のセンター相 互間で必要な知見及びノウハウの共有を可能とするため、 情報プラットフォームを新たに 構築するための効果的な実施手法等に関する調査研究を行う。 【内閣府】 ⑦ 農業委員や農業協同組合役員等における女性割合の向上 ア 農林水産業における政策・方針決定過程への女性参画の推進 農業委員や農業協同組合、森林組合、漁業協同組合の役員及び土地改良区(土地改良 区連合を含む。以下同じ。 )等の理事に占める女性の割合の向上や女性登用ゼロからの脱 却に向けた取組などを一層推進することとし、 地方公共団体、 農林水産団体等に対して、 具体的な目標の設定や女性の参画を促進する仕組みづくりを働きかける。特に、農業委 員会及び農業協同組合について、女性登用の目標及び取組計画の策定状況、女性の登用 実績について引き続き公表するとともに、いまだに目標設定等がされていない農業委員 会及び農業協同組合に対し、これらを速やかに定めるよう働きかけるなど、更に取組を 強化していく。また、土地改良区については、国、都道府県及び都道府県土地改良事業 団体連合会において、いまだに目標に向けた行動計画が策定されていない土地改良区に 対する個別の働きかけ等を強化する。 これらの組織の意思決定層に対する女性登用の意識啓発を図るとともに、女性が変え る未来の農業推進事業において女性登用促進に取り組む地方公共団体に対し優先配分す る等により、女性活躍の機運をさらに醸成する。 【農林水産省】 イ 農林水産業における女性の活躍の推進 女性の能力の発揮等による農林水産業の発展、地域経済の活性化のため、農林水産業 で働く女性にとって扱いやすいデジタル技術を活用したスマート農林水産業の推進、女 性農業者と企業との連携によるジェンダード・イノベーションの推進、地域リーダーと なり得る女性農業経営者の育成、女性活躍推進法に基づく事業主行動計画の策定や男女 別トイレ・託児スペース等の確保の推進による女性が働きやすい環境整備等の取組を実 施するとともに、農林水産業経営や政策・方針決定への女性の参画推進で優れた成果を 上げている女性や団体等を表彰し、 女性が農山漁村で活躍できる環境づくりを促進する。 【農林水産省】 ⑧ 防災・復興に関する政策・方針決定過程への女性の参画拡大 都道府県防災会議の委員に占める女性の割合を令和7年までに 30%にする目標や、市
  22. 20 町村防災会議の委員に占める女性の割合を引き上げる目標(令和7年までに、女性が登 用されていない組織数を0にするとともに、委員に占める女性の割合を早期に 15%とし 更に 30%を目指す)などを達成するため、毎年度実施している「防災・復興ガイドライ ン」に基づく地方公共団体の取組状況のフォローアップ調査及び同調査結果に基づき作 成した「見える化」マップや地方防災会議への女性委員の積極的な登用を行っている地 方公共団体の好事例をあらゆる機会を通じて展開する。 国や地方公共団体の災害対策本部等に女性職員や男女共同参画担当部局の職員の配置

    が図られるよう、災害対応における男女共同参画の視点からの取組についての意識向上 に取り組む。 【内閣府】 ⑨ 防災の現場等における女性の参画拡大 平常時からの防災・危機管理担当部局への女性職員の配置により、災害時、女性と男性 で異なる支援ニーズに適切かつ迅速に対応することが可能となることから、 国や地方公共 団体の災害対応の現場への女性の参画を促進する。 また発災直後、 職員は緊急参集や現地派遣等の突発的な対応が求められるが、 育児や介 護等を担っている職員の場合、 預け先が確保できない等の理由から災害対応が難しい状況 である。 今般の能登半島地震では高齢者や介護が必要な被災者も多く、 被災者やケアを行 う者の多様なニーズに配慮した支援を行うには、 家族のケアの経験もある多様な人材が災 害対応業務に従事できる必要があることから、 災害対応に携わる職員への支援を行う地方 公共団体の好事例を継続して収集・展開する。 【内閣府】 男女共同参画センターが男女共同参画の視点からの地域の防災力の推進拠点となるこ とを目的とした 「災害時における男女共同参画センター等の相互支援ネットワーク (相互 支援ネット) 」について、地方公共団体に対して周知するとともに、同ネットワークの活 用事例についてあらゆる機会を通じて展開する。 【内閣府】 ⑩ 男女共同参画の視点に立った民間との連携・協働体制の構築 「防災・復興ガイドライン」の内容を基にした「実践的学習プログラム」や、女性の地 域での防災活動への参画や防災リーダーの育成についての取組を紹介している「ノウハ ウ・活動事例集」 等を地方公共団体や自主防災組織等の地域組織を対象とした研修等で活 用し、 地域における防災活動への女性の参画を拡大し、 地域の防災力向上につなげる。 【内 閣府】 災害対応において男女共同参画の視点を反映するため、 両部局が主催する研修や勉強会 等に職員が互いに参加する等、 平常時からの内閣府防災担当と男女共同参画局の連携を強 化する。地方公共団体で災害対応に携わる女性職員、女性防災士、地域の女性防災リーダ ー等、 組織の枠を超えた女性の防災人材のつながりを強化するため、 よんなな防災会女子 部等の民間団体とも連携し積極的に意見交換や情報共有を行う。 【内閣府】 ⑪ 男女共同参画の視点を取り入れた防災教育の推進 防災に関する知識の普及において、 こどもの発達段階に応じ、 災害の各段階において受 ける影響やニーズが女性と男性で違うことや地域防災力を高めるためには女性の参画や リーダーシップが重要であることの理解促進を図るため、 継続して情報提供や働きかけを
  23. 21 行う。 【内閣府、総務省、文部科学省】 Ⅲ 個人の尊厳と安心・安全が守られる社会の実現 女性活躍・男女共同参画の推進には、個人の尊厳と安心・安全が守られる社会の実現が 不可欠である。 能登半島地震の対応を通して、改めて災害時の男女共同参画の視点の重要性が認識され ており、 「女性・平和・安全保障(WPS)

    」の観点も踏まえながら、災害対応の現場にお ける女性の参画拡大を一層推進するともに、男女共同参画の視点を持った人材の育成に取 り組む。 配偶者等からの暴力や性犯罪・性暴力などのあらゆる暴力の根絶に向けて、取組を強力 に推し進める。あわせて、ハラスメント対策や困難な問題を抱える女性に寄り添った支援 を行い、安心して、かつ、自立して暮らせる社会の実現を目指すための取組を推進する。 女性の生涯にわたる健康への支援として、性差を踏まえた「ジェンダード・イノベーシ ョン」を取り入れつつ、フェムテックの推進や医療人材の育成等に取り組む。 (1)男女共同参画の視点に立った防災・復興の推進 災害は全ての人の生活を脅かすが、女性やこども、脆弱な状況にある人々がより多く の影響を受けることが指摘されている。女性と男性が災害から受ける影響やニーズの違 いに十分に配慮された災害対応が行われることが災害に強い社会の実現のためには不 可欠である。 令和6年1月の能登半島地震発生直後には、石川県を含む被災自治体に対し、 「防災・ 復興ガイドライン」に基づく取組を要請した。また、内閣府男女共同参画局の職員を現 地対策本部に派遣し、 避難所運営等において 「女性の視点からの避難所チェックシート」 の活用を促した。一方、一部の避難所においては被災者支援体制において男女共同参画 の視点が十分ではなく、女性のニーズに配慮した対応が不十分であったとの情報も寄せ られている。 これらを踏まえ、内閣府では今般の災害対応に当たった被災自治体や応援自治体、民 間団体等の平常時の備えや発災後の対応、復旧・復興に向けた取組や各種事例等を収集 し、同ガイドラインを踏まえた災害対応の取組状況について把握するための調査を行う。 また、調査結果に基づき、今後の災害対応において男女共同参画の視点を更に反映させ られるよう課題や取組を整理し、報告書として取りまとめる。 【内閣府】 防災施策に男女共同参画の視点が反映されるよう、防災関係者に対して、男女共同参 画の視点からの防災・復興に係る研修を実施する。特に、指導的立場にある者を対象と した研修の実施に当たっては、予防、応急、復旧・復興の各段階における男女共同参画 の視点からの災害対応に関する講義を盛り込む。 【内閣府、総務省】 ① 防災・復興に関する政策・方針決定過程への女性の参画拡大(再掲) ② 防災の現場等における女性の参画拡大(再掲) ③ 男女共同参画の視点に立った民間との連携・協働体制の構築(再掲)
  24. 22 ④ 男女共同参画の視点を取り入れた防災教育の推進(再掲) ⑤ 消防吏員、消防団員への女性の加入促進 消防吏員に占める女性の割合を令和8年度当初までに5%とする目標達成に向け、女 子学生に向けたWEBセミナーの開催、女性消防吏員活躍推進をPRするポスター及び 紹介動画の制作のほか、交通広告やSNS等の媒体を活用した多様な広報活動を行う。 また、 女性消防吏員の更なる活躍推進に向け、

    働きやすい職場環境づくりを促すため、 管 理職員等を対象とした離職防止研修会等を実施する。 【総務省】 消防団員に占める女性の割合を令和8年度までに引き上げる目標(10%を目標としつ つ当面5%)を掲げているところ、この目標を達成するため、女性団員の確保等に向け て、入団促進マニュアルを新たに作成するとともに、地方公共団体による女性の入団促 進等の取組を支援し、優良事例の横展開を図る。また、機能別団員・分団制度の活用促進 や、 女性や若者からの知名度の高い著名人を起用した入団促進広報に取り組むとともに、 拠点施設における女性用トイレ・更衣室等の設置、小型軽量化された救助用資機材の整 備など、女性団員が活動しやすい環境整備を促進する。 【総務省】 ⑥ 自衛官への女性の加入促進 防災・危機管理分野で活躍が期待される自衛官について、令和 12 年度までに全自衛官 に占める女性割合を 12%以上、令和7年度末までに佐官以上の幹部自衛官に占める女性 割合を5%以上とする目標を達成するため、女性隊員の採用・登用を積極的に行うとと もに、隊舎・艦艇等における女性用区画の計画的な整備、隊員の意識改革、仕事と育児・ 介護等の両立支援等を一層推進する。 【防衛省】 ⑦ 自衛隊におけるハラスメントの防止 ハラスメントは、女性隊員の活躍を妨げ、さらに自衛隊員相互の信頼関係を失墜させ 組織の根幹を揺るがす決してあってはならないものであるとの認識の下、ハラスメント 防止に係る有識者会議における提言を踏まえた新たな対策を確立し、全ての自衛隊員に 徹底させる。 加えて、 時代に即した対策が講じられるよう、 その見直しを継続的に行い、 ハラスメントを一切許容しない環境を構築する。 【防衛省】 ⑧ 女性警察官の採用・登用の拡大 地方警察官に占める女性の割合を令和8年度当初に 12%程度とする目標を掲げている ところ、目標達成に向けて順調に推移していることから、引き続き各都道府県警察にお いて女性警察官の採用・登用を拡大していく。 具体的には、 仕事と家庭の両立支援制度の 周知・推進、育児休業取得者の職場復帰支援、男性警察官の育児参加促進のほか、女性警 察官の幹部登用、結婚・育児等により退職した警察官の再採用制度の活用を進める。ま た、幹部職員に対する男女共同参画に関する施策についての教育を徹底し、全警察官が 一層活躍するための職場環境の整備等に努める。 【警察庁】 (2) 「女性・平和・安全保障(WPS) 」の取組強化
  25. 23 国内の関係府省において、WPS(Women, Peace and Security:女性・平和・安全保 障)担当官を明確に位置づけ、各国との協力を一層推進するとともに、 「第3次女性・平 和・安全保障に関する行動計画(2023-2028 年度) 」に基づく取組を対外発信含めて着実

    に実施していく。 【外務省、関係府省】 「第3次女性・平和・安全保障に関する行動計画(2023-2028 年度) 」を踏まえ令和6 年4月に策定された「防衛省女性・平和・安全保障(WPS)推進計画」に基づき、省一 体としてWPSを強力に推進し、ジェンダー視点を踏まえた活動を行うことで、国民の 保護や国際社会の平和と安定に貢献していく。具体的には、ジェンダー視点を取り入れ た業務・活動の基盤を一層拡充するための全隊員に対する教育を通じた防衛省全体の意 識改革、ジェンダー・アドバイザー等の育成・配置を通じたWPS推進体制の整備、国際 イベントの実施や女性のエンパワーメント支援を含む諸外国、機関等との連携、WPS ハンドブック等の作成を通じた自衛隊の活動へのジェンダー視点の反映に取り組む。 【防 衛省】 (3)配偶者等からの暴力への対策の強化 令和6年4月に「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律の一部を 改正する法律」 (令和5年法律第 30 号)による改正後の「配偶者からの暴力の防止及び 被害者の保護等に関する法律」 (平成 13 年法律第 31 号) (以下 「改正配偶者暴力防止法」 という。 )が施行された。これにより、重篤な精神的被害を受けた場合にも接近禁止命令 等の対象を拡大することを始めとする保護命令制度の拡充や被害の発生から生活再建 に至るまで切れ目のない支援を行うための多機関連携を強化する仕組みの創設など、改 正の趣旨を十分に踏まえ、関係府省が連携してその円滑な運用に努め、配偶者等からの 暴力の被害者の保護及び支援を強化していくことが重要となっている。 また、 同月、 「困難な問題を抱える女性への支援に関する法律」 (令和4年法律第 52 号。 以下「女性支援新法」という。 )が施行され、配偶者等からの暴力の被害者を含め、困難 な問題を抱える女性への支援が、関係機関及び民間団体の協働により、早期から切れ目 なく実施されることとなった。 さらに、子の利益の実現に向けた父母の離婚後の子の養育に関する見直しを図る民法 等改正法が第 213 回国会において成立したことを踏まえ、その円滑な施行のための取組 としても、関係機関が連携して、配偶者からの暴力を防ぎ、被害者の保護や支援に係る 施策を適切に措置することが求められる。 こうした状況を踏まえ、関係法律の施行等の状況を的確に把握しつつ、配偶者等から の暴力の防止、被害者の保護及び支援、相談体制の整備及び周知等をより一層強化して いく。 ① 配偶者からの暴力防止に関する相談体制の整備と周知 配偶者からの暴力を容認しない社会の実現に向けて、配偶者からの暴力が重大な人権 侵害であることや、殴る・蹴るなどの身体的暴力だけでなく、心を傷つける精神的な暴 力も暴力であり、改正配偶者暴力防止法により重篤な精神的被害を受けた場合にも接近 禁止命令等の対象となること等について、ホームページやSNS等を通じた更なる広報 啓発に取り組むとともに、被害者がためらうことなく相談することができるよう、配偶
  26. 24 者暴力相談支援センター等の相談窓口について一層の周知を図る。 【内閣府】 男性、外国人、障害者等を含む多様な被害者について、情報提供、相談の対応等にお いて、それぞれの被害者の立場に立った配慮が行われるよう、配偶者暴力相談支援セン ター等に必要な情報提供等を行う。 【内閣府、厚生労働省】 多様な相談ニーズに対応するため、令和6年度においても、内閣府が令和2年度に開 設した相談窓口の「DV相談プラス」を継続し、24 時間の電話相談、SNS・メールで

    の相談等を受け付けるとともに、 10 か国語でのSNS相談や必要な場合の関係機関への 同行支援等に対応する。 また、配偶者暴力相談支援センターの相談員等に助言や情報提供等を行う「ヘルプデ スク」を引き続き運用し、地域における相談対応等を支援する。 【内閣府】 ② 被害者支援の更なる充実 配偶者からの暴力の被害者支援について、保護命令の申立て支援などの配偶者暴力相 談支援センターの機能の充実や相談員等の配置等の体制の確保に係る都道府県や市町 村の取組が促進されるよう、保護命令制度の利用等の改正配偶者暴力防止法の施行後の 状況を踏まえつつ、被害者支援の更なる充実のために必要な情報提供等を行う。また、 保護命令の申立てに当たって診断書を取得する場合を含め、被害者が円滑に医療機関を 受診することができるよう、配偶者からの暴力の特性や被害者の保護・支援に係る制度 等について医師等の医療関係者の理解の促進を図るとともに、改正配偶者暴力防止法に 基づく法定協議会の活用等、各地域における配偶者暴力相談支援センター等と医師会や 医療機関等との一層の連携を促す。 【内閣府、厚生労働省】 被害者の保護・自立支援を図る上で、一人一人の多様なニーズに柔軟に対応した支援 に取り組む民間シェルター等の民間団体との緊密な連携が極めて重要であることから、 都道府県等に対し、改正配偶者暴力防止法により多機関連携を強化する仕組みとして設 けられた法定協議会への参加を求めることの検討等を促す。官民連携の下で民間シェル ター等が行う先進的な取組について、都道府県等に対する交付金によって支援を行い、 各地域の行政と民間シェルター等とが連携した被害者支援の充実を図る。 【内閣府】 被害者支援の一環として、加害者に働きかけることで加害者に自らの暴力の責任を自 覚させる加害者プログラムについて、地方公共団体の担当者等に対する研修等により、 その必要性や実施に当たっての留意事項等についての理解の促進を図るとともに、都道 府県等に対する交付金の活用やウェブサイトにおける関連情報の一元的な提供・発信等 により、各地域における加害者プログラムの実施を推進する。 【内閣府】 警察においては、改正配偶者暴力防止法の趣旨及び内容を踏まえ、身体に対する暴力 に限らず、生命、身体、自由、名誉又は財産に対する脅迫が疑われる場合も含め、配偶 者からの暴力相談等として幅広く受理し、相談等の記録を引き続き適切に作成・保管す るとともに、相談や通報等を受け事件化すべき事案については必要な捜査を行うなど、 被害者の安全確保を最優先に、関係機関と連携して、事案に応じた適切な対応を行う。 【警察庁】 また、重大事件への発展を防ぐ観点から、改正配偶者暴力防止法に基づく法定協議会 の活用を含め、配偶者暴力相談支援センター等の関係機関と警察との緊密な連携を促進 することとし、警察庁は、都道府県警察に対し、法定協議会において配偶者等からの暴
  27. 25 力を防止するための取組等に関する協議が行われるときは、当該地域において事件化さ れた事案に係る情報を適切に共有する等、協議への積極的な参画に努めるよう引き続き 指導する。 【内閣府、警察庁】 配偶者暴力と児童虐待は、同一家庭内で同時に発生している事例が多いことを踏まえ、 要保護児童対策地域協議会や改正配偶者暴力防止法に基づく法定協議会の活用などに より、児童相談所、こども家庭センター、配偶者暴力相談支援センター及び福祉事務所 等の連携を一層強化し、個々の事案について、それぞれの立場で考え得る対応を積極的 に共有して適切に対処するよう促すなど、被害者支援の現場等における緊密な連携を推

    進する。また、配偶者暴力の被害者に対する相談・支援に従事する官民の関係者を対象 としたオンライン研修において、児童虐待に関連した項目を研修項目とするとともに、 児童相談所職員等、児童虐待対応の関係部署の職員も研修対象者とする。 【内閣府、こど も家庭庁、関係府省】 法テラスにおいて、配偶者暴力の被害者が再被害の防止に関して必要な法律相談(民 事・刑事を問わない)を対面、電話又はオンラインで受けることができるDV等被害者 法律相談援助制度の利用を促進する。 【法務省】 子の利益の実現に向けた父母の離婚後の子の養育に関する見直しを図る民法等改正 法の円滑な施行のため、法務省及び関係府省により構成する関係府省庁等連絡会議の開 催等により関係府省等の連携体制を構築し、配偶者からの暴力を防ぎ、被害者の保護や 支援に係る施策を含め、子の利益を確保する観点から必要な施策の充実に取り組む。ま た、今般の改正により、配偶者からの暴力の被害者の避難や被害者の支援を行う関係機 関等の活動に支障が生ずることがないよう、その正確な趣旨や内容について適切な周知 を図る。 【内閣府、警察庁、こども家庭庁、法務省、厚生労働省、関係府省】 ③ 非同棲交際相手からの暴力(いわゆるデートDV)の予防と被害者の支援 非同棲交際相手からの暴力(いわゆるデートDV)は、重大な人権侵害であり、許さ れない行為であることを踏まえ、暴行、傷害、脅迫、住居侵入、器物損壊、ストーカー 行為等刑罰法令に触れる行為を行った場合には、被害者の意思を踏まえ、各種法令を適 用した措置を厳正に講ずるとともに、被害者に対する相談支援、必要な一時保護の適切 な実施、若年層に対する教育及び広報啓発を推進する。 【内閣府、警察庁、法務省、文部 科学省、厚生労働省】 ④ ストーカー対策の強化 ストーカー総合対策(平成 27 年3月 20 日ストーカー総合対策関係省庁会議決定、令 和4年7月 15 日改訂)を踏まえ、被害者等からの相談体制の充実、一時避難所を確保す るために必要な連携体制整備等の推進を図る。 【内閣府、警察庁、法務省、文部科学省、 厚生労働省、関係府省】 警察においては、被害者の安全の確保をより確実にするため、ストーカー規制法によ る禁止命令等を受けた加害者の近況等を把握した上でリスク評価を行うほか、専門家に よるカウンセリングや治療の有用性の教示を行うとともに、被害者に対しては、危機意 識の一層の醸成を図ることを内容とする強化施策を推進する。 【警察庁】
  28. 26 (4)性犯罪・性暴力対策の強化 性犯罪・性暴力は、被害者の尊厳を踏みにじる重大な人権侵害であり、決して許され ない行為である。 「性犯罪・性暴力対策の更なる強化の方針」 (令和5年3月 30 日性犯 罪・性暴力対策強化のための関係府省会議決定)において、令和5年度から7年度まで の3年間を「更なる集中強化期間」としたところであり、以下において具体化する取組

    等を含め、 同方針に基づく施策を着実に実行し、 「相手の同意のない性的な行為は性暴力」 であること等の認識を社会全体で共有し、性犯罪・性暴力の根絶のための取組や被害者 支援を強化していく。また、こども・若者への性犯罪・性暴力は、被害に遭った当事者 の心身に長期にわたり有害な影響を及ぼす極めて悪質な行為であって断じて許される ものではなく、 「子供の性被害防止プラン(児童の性的搾取等に係る対策の基本方針) 2022」 (令和4年5月 20 日犯罪対策閣僚会議決定) 、 「こども大綱」 (令和5年 12 月 22 日 閣議決定)等に基づき、こども・若者の性被害の防止に係る取組を総合的に推進する。 ① 刑事法の改正に係る対応及び刑事手続の適切な運用 「刑法及び刑事訴訟法の一部を改正する法律」 (令和5年法律第 66 号)及び「性的な 姿態を撮影する行為等の処罰及び押収物に記録された性的な姿態の影像に係る電磁的 記録の消去等に関する法律」 (令和5年法律第 67 号)により性犯罪に対処するための刑 事法が整備されたことを踏まえ、その内容及び趣旨について、相談機関や学校等の関係 者を含め、周知を徹底するとともに、性犯罪に対して、法と証拠に基づき、厳正に対処 していく。また、これらの法律の施行後の適用状況等を的確に把握するとともに、刑法 及び刑事訴訟法の一部を改正する法律附則規定に基づく検討が実証的なものとなるよ う、被害申告の困難さ等の性的な被害の実態に係る調査の速やかな実施に向けて、着実 に検討を進める。 【法務省、関係府省】 公判手続における性犯罪被害者等の心理的・精神的負担の軽減を目的として、一定の 要件の下で性犯罪被害者等からの聴取結果を記録した録音・録画記録媒体を主尋問に代 えて証拠とすることを認める規定が新設されたことを踏まえ、引き続き代表者聴取の適 切な実施の在り方等を検討するとともに、関係機関に対し性犯罪被害者への対応におけ る留意点等を周知し連携を図る。 【警察庁、こども家庭庁、法務省】 ② 性犯罪者に対する再犯防止施策の更なる充実 刑事施設及び保護観察所における性犯罪者に対するプログラムについて、引き続き、 指導者育成を進めるなどして、プログラムの充実を図る。地方公共団体等において性犯 罪者に対する再犯防止プログラムの活用が図られるよう地方公共団体等への支援を行 う。 また、海外において導入されているGPS等により位置情報を取得・把握する運用や 性犯罪対象者の自発的意思によって支援を受けることのできる社会内サポート体制も 参考にしつつ、性犯罪者等の処遇の充実方策について検討する。 【法務省】 ③ 多様な被害者が被害申告・相談をしやすい環境の整備 ア 被害届の即時受理の徹底、捜査段階における二次被害の防止 性犯罪に関して被害の届出の即時受理を徹底するとともに、各都道府県警察の性犯罪
  29. 27 捜査を担当する係への女性警察官の配置を引き続き推進し、被害者の希望する性別の警 察官が対応することにより、捜査段階における被害者の精神的負担の緩和に努める。ま た、被害者の心情やプライバシーに十分配意した対応を取ることができるよう、性犯罪 指定捜査員を指定するとともに、警察官等を対象とした実効性のある研修を実施する。 【警察庁】 イ 証拠採取・保管体制の整備 当初は警察への届出を躊躇した被害者が、後日警察への届出意思を有するに至った場 合に備え、全ての都道府県において、警察、ワンストップ支援センター、医療機関が連

    携し、 被害者の希望に応じ、 証拠の採取・保管を行うことができる体制の整備を進める。 【内閣府、警察庁、厚生労働省】 ウ 警察における相談窓口の周知や支援の充実 各都道府県警察の性犯罪被害相談電話につながる全国共通番号「#8103(ハート さん) 」について、引き続き、SNS等を活用し、更なる周知を図る。 【内閣府、警察庁】 また、性犯罪被害者の緊急避妊等に要する経費や、性犯罪被害者を含む犯罪被害者等 が自ら選んだ精神科医、臨床心理士等を受診した際の診療料又はカウンセリング料の公 費負担制度について、引き続き、同制度の適正な運用と周知に努めるよう、都道府県警 察に対し必要な指導を行う。 【警察庁】 エ 被害者がワンストップ支援センター等につながるための取組 性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センター(以下「ワンストップ支援 センター」という。 )は、被害直後からの医療的支援、法的支援、相談を通じた心理的支 援などを総合的に行うことができる機関であり、性暴力の被害者が速やかにつながるこ とが重要であることを広く周知する。 【内閣府、警察庁、文部科学省、厚生労働省、関係 府省】 こども、若年層、障害者、男性、外国人を含む多様な相談者が利用しやすいよう、ワ ンストップ支援センターにおけるメール相談、SNS相談、オンライン面談、手話、外 国語通訳の活用等の取組を性犯罪・性暴力被害者のための交付金により推進するととも に、 性暴力被害者のためのSNS相談事業の継続的な実施の在り方を検討する。 【内閣府】 ④ こどもの性被害防止に向けた総合的な対策の推進 こどもに対する性暴力を防止するため、学校設置者等や学習塾など民間の教育保育等 の事業者に児童等に対する性暴力等を防止する責務があることを明確化した上で、事業 者に対して、こどもの安全を確保するための措置を義務付ける等の措置を講ずる「学校 設置者等及び民間教育保育等事業者による児童対象性暴力等の防止等のための措置に 関する法律案(こども性暴力防止法案) 」を国会に提出しており、同法案の国会審議の状 況等を踏まえつつ、関係府省が連携して取り組む。また、政府一丸となり、こども・若 者の性被害防止対策を進めるため、 (1)加害の防止、 (2)相談・被害申告をしやすくする、 (3)被害者支援、(4)治療・更生の四つの観点から、取り組むべき総合的な対策を取りま とめたところであり、こども家庭庁を司令塔として、同対策に基づく取組を推進する。 【内閣府、警察庁、こども家庭庁、法務省、文部科学省、厚生労働省、経済産業省、関 係府省】 保育士については、令和4年6月に改正された児童福祉法に基づく、わいせつ行為を
  30. 28 行った保育士に対する資格管理の厳格化や、この一環として令和6年4月より運用を開 始した、わいせつ行為により保育士の登録を取り消された者の情報が登録されたデータ ベースの着実な運用及び保育士を雇用する者による適切な活用が行われるよう周知の 徹底等の取組を推進する。 【こども家庭庁】 児童、 生徒等への性暴力を行った教員については、 「教育職員等による児童生徒性暴力 等の防止等に関する法律」

    (令和3年法律第 57 号)及び同法に基づく基本指針等による 取組を進め、性犯罪・性暴力等の防止に向けた取組を一層徹底する。 【文部科学省】 加えて、教職課程を置く大学に対し、教職課程における科目等はもとより、教職課程 内外の活動等を通じて、 「教育職員等による児童生徒性暴力等の防止等に関する法律」 (令和3年法律第 57 号) 等の関係法令の内容を含め、 性暴力の防止等に関し学生の理解 を十分に深める取組を促進するよう周知する。また、教育委員会と教育職員の養成課程 を有する大学等の連携の在り方等に関する調査研究や全国の事例の収集・発信を行う。 【文部科学省】 学校や保健所等において、性に関する科学的知識に加え、性情報への対処や互いを尊 重しあう人間関係など様々な観点から、産婦人科医や助産師等の専門家を外部講師とし て活用する等により、性と健康に関する教育等を行う。 【こども家庭庁、文部科学省】 さらに、患者に対する性暴力等を行った医師に対する行政処分の在り方について、刑 事罰に処せられなかった場合であったとしても、的確な事実認定を行うため、その方法 も含め、運用の見直しについて検討する。 【厚生労働省】 ⑤ 学校等における相談等の体制の強化 性犯罪・性暴力の被害に遭った児童生徒や学生等からの相談に適切に対応し必要な支 援ができるよう、こども間の性暴力もいじめに含まれることや、こども間の性暴力事案 や性的いじめ事案における加害者への対応や地域における関係機関との連携を含めた 適切な対応の在り方について、教育委員会及び大学等に対し周知すること等により事案 発生時の迅速的確な事実確認の実施及び相談体制の充実を図る。 【こども家庭庁、 文部科 学省】 また、こども・若者が利用しやすい媒体を活用した相談体制を整備するため、LIN Eからの人権相談(LINEじんけん相談)に加えて、GIGAスクール構想による1 人1台端末からの人権相談が可能となる仕組みを構築する。 【法務省】 ⑥ 切れ目のない手厚い被害者支援の確立 ア ワンストップ支援センターを中核とする被害者支援の充実 ワンストップ支援センターが、 個々の被害者の置かれた状況に対応して、 医療的支援、 法的支援、相談支援、同行支援、自立支援等を総合的に提供し、また、必要に応じて専 門機関等による支援につなぐことができるよう、ワンストップ支援センターと、警察、 犯罪被害者等早期援助団体、病院(医師、看護師等) 、法テラス、弁護士、女性相談支援 センター、女性自立支援施設、児童相談所、教育委員会等の地域における関係機関との 連携の強化を図れるよう地域におけるネットワーク作りを加速する。 【内閣府、 警察庁、 こども家庭庁、法務省、文部科学省、厚生労働省】 イ 相談員の支援能力・専門性の向上と処遇改善等
  31. 29 性犯罪・性暴力被害者のための交付金の活用により、ワンストップ支援センターの運 営の安定化を図るとともに、相談員等について常勤化を図る等、適切な処遇により職業 として確立できるよう支援する。 また、ワンストップ支援センターにおける相談員や関係機関の対応能力の向上のため、 相談員、センター長・コーディネーター、行政職員、医療関係者等が支援に必要な基本 的知識からこどもや男性の性被害への対応等の新たな課題までを包括的に学習できる ようオンライン研修の一層の充実を図る。さらに、ワンストップ支援センターと警察を 含む関係機関の連携強化のため、 合同の研修や講師の相互派遣等の取組を推進する。

    【内 閣府、警察庁、関係府省】 ウ 医療的支援の充実と専門人材の育成 性犯罪・性暴力被害者に対する医療的支援の更なる充実のため、各地域において、病 院へのワンストップ支援センターの設置、中核的病院を始めとした医療機関等との提携 等の推進を図る。特に、中長期的な関係の構築を見据えて公立病院や公的病院へのワン ストップ支援センター設置や提携を含め、関係強化を図る。 【内閣府、厚生労働省】 地域において性暴力被害者の支援を行う医療関係者等の専門家を育成するためのO JTを含む実技研修等を実施する。また、必要な治療を行える医師等の専門職の育成を 促進するとともに、適切な処遇について検討を行う。 【厚生労働省】 あわせて、医療機関の関係者に対して、ワンストップ支援センターと医療機関との連 携等についてリーフレット等により周知し、医療機関の関係者の理解を促進するととも に、法医学的な支援も含めた性犯罪・性暴力被害者のための診療、支援の在り方につい て必要となる事項を整理し、性暴力被害に対応できる診療科毎の医療機関リストの作成 について、検討を進める。 【内閣府、厚生労働省】 エ 犯罪被害者等への途切れない支援の提供体制の構築 性犯罪被害者を含む犯罪被害者等に対して、その多岐にわたるニーズに対応し、必要 な支援を適時適切に提供するため、都道府県を中核とし、関係機関・団体が参画する多 機関ワンストップサービスの構築を推進する。その際、事案に応じて、関係機関・団体 が連携して的確な支援を行うことができるよう、各都道府県等において設置・運営され ているワンストップ支援センター等の既存の仕組みの趣旨や支援対象等にも十分留意 する。 【内閣府、警察庁、関係府省】 また、刑法における一定の性犯罪を含む犯罪の被害者等を包括的かつ継続的に援助す るための犯罪被害者等支援弁護士制度を創設する「総合法律支援法の一部を改正する法 律」 (令和6年法律第 19 号)が第 213 回国会で成立したことを踏まえ、同制度の円滑な 開始及びその利用促進に向けた具体的な検討や関係機関等への制度の周知を進める。 【法務省】 ⑦ 生命(いのち)の安全教育の全国展開の推進 生命(いのち)を大切にし、こどもたちを性暴力の加害者、被害者、傍観者にさせな いため、 「生命(いのち)の安全教育」を推進する。発達段階に応じ、就学前の教育・保 育を含め、学校等において「生命(いのち)の安全教育」が実施されるよう、これまで 構築した多種多様な指導モデルも活用しながら、自治体における普及展開に関する取組 を支援することで、全国展開を加速化する。 【文部科学省】
  32. 30 ⑧ インターネット上の性的な暴力等の根絶に向けた取組 サイバーパトロールやインターネット・ホットラインセンター、匿名通報事業等に寄 せられた通報を通じて児童ポルノ画像等の違法情報等の把握に努め、把握した違法情報 等については、警察又はインターネット・ホットラインセンターからサイト管理者等に 対して削除依頼を実施する。 【警察庁】 SNSに起因する事犯を防止するため、こどもの性被害等につながるおそれのある不 適切な書き込みをサイバーパトロールにより発見し、注意喚起・警告のためのメッセー

    ジを投稿する取組を引き続き推進するとともに、より効果的な手法の導入を検討する。 【警察庁】 被害者にも加害者にもならないようにするという観点から、関係機関・団体等と連携 して、インターネットの安全・安心な利用のための広報啓発を行うとともに、ICTリ テラシーやメディア・リテラシーの向上のための取組を推進する。特に、自画撮り被害 (だまされたり、脅かされたりして若年層・児童生徒等が自分の裸体等を撮影し、メー ル等で送らされる形態の被害をいう。 ) を防止するため若年層、 児童生徒等や保護者に対 する教育・啓発等の対策を総合的に推進する。 【内閣府、 警察庁、 こども家庭庁、 総務省、 文部科学省、経済産業省】 競技大会におけるアスリートや児童生徒等に対する盗撮や盗撮された性的意図を持 った写真や動画の拡散等に関する問題について、日本オリンピック委員会等関係団体と 連携し、必要な対策を講じる。 【警察庁、法務省、文部科学省】 ⑨ 社会全体への啓発 「若年層の性暴力被害予防月間」 (毎年4月) や 「女性に対する暴力をなくす運動」 (毎 年 11 月 12 日から 25 日)等を通じて、地方公共団体、学校、関係機関等との連携の下で 広く広報活動を展開し、啓発を強化する。また、社会の幅広い組織・団体等の協力を得 て、性犯罪・性暴力が個人の尊厳を著しく踏みにじる許されない行為であること、相手 の同意のない性的な行為は性暴力であること等について各界各層を対象に啓発を強化 するとともに、 特に身近な者からの被害が潜在化・深刻化しやすいこどもを始め、 年齢・ 性別を問わず、多様な被害者がためらうことなく被害を訴え、相談し、適切な支援を受 けることができるよう、相談先等の周知を徹底する。 【内閣府、警察庁、こども家庭庁、 文部科学省、厚生労働省、関係府省】 性暴力やセクシュアルハラスメントが「ビジネスと人権」に係る取組においても十分 認識されるべき人権問題であることについて、企業等への周知・啓発を図るとともに、 企業活動における性暴力の防止及び被害者の救済等に係る取組を促す観点も含め、令和 7年(2025 年)度までを計画期間とする「 「ビジネスと人権」に関する行動計画」の改 定に向けた検討を行う。 【内閣府、こども家庭庁、法務省、外務省、厚生労働省、経済産 業省、関係府省】 ⑩ 性犯罪・性暴力被害者や支援者等に対する誹謗中傷の防止 性犯罪・性暴力の被害者や支援者等に対して、インターネット上等での誹謗中傷が行 われることにより、その尊厳が損なわれたり、活動への支障等により性犯罪・性暴力の
  33. 31 根絶に向けた歩みが妨げられるようなことはあってはならない。国際社会とも歩調を合 わせつつ、あらゆる機会を通じて、こうした姿勢を発信すること等により、性犯罪・性 暴力被害者や支援者等への誹謗中傷行為を許さない社会規範の形成に努め、その防止を 図る。また、刑罰法令に触れる行為が認められる場合には、個々の事案の具体的な事実 関係に即して、法と証拠に基づき厳正に対処する。 【内閣府、警察庁、総務省、法務省、 厚生労働省、関係府省】 ⑪ インターネット上の違法・有害情報対策

    インターネット上の違法・有害情報への対策として、大規模プラットフォーム事業者 に対し削除対応の迅速化及び運用状況の透明化を求める、 「特定電気通信役務提供者の 損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律の一部を改正する法律」 (令和 6年法律第 25 号) による改正後の 「特定電気通信による情報の流通によって発生する権 利侵害等への対処に関する法律」 (平成 13 年法律第 137 号。略称:情報流通プラットフ ォーム対処法。 )について、省令等の制度整備やその適切な運用を図るなど、プラットフ ォーム事業者に対する実効的な対策を推進する。 【総務省】 ⑫ AV出演被害の防止及び被害者の救済 AV出演被害について、 「AV出演被害防止・救済法」 (令和4年法律第 78 号)の施行 から2年が経過するところ、同法施行後の相談や検挙等の状況を踏まえ、引き続き、同 法の各規定による出演被害の防止及び被害者の救済が適切に図られるよう、同法の趣旨 や出演契約の特則等の一層の周知を進めるとともに、相談窓口であるワンストップ支援 センターにおける被害者への相談支援の充実やSNSの活用等による広報啓発の継続 的な実施、厳正な取締り等に努める。 【内閣府、警察庁、法務省、関係府省】 ⑬ 「痴漢撲滅に向けた政策パッケージ」に基づく施策の着実な実行 「痴漢撲滅に向けた政策パッケージ」 (令和5年3月 30 日関係府省取りまとめ)にお いて取りまとめた施策について、痴漢は重大な性犯罪であるという認識の下、関係府省 が一体となって確実に実行する。 【内閣府、警察庁、法務省、文部科学省、国土交通省】 (5)ハラスメント防止対策 ① 職場におけるハラスメント対策の強化(再掲) ② 就職活動中の学生に対するハラスメントの防止と適切な対応(再掲) ③ 高等教育機関におけるセクシュアルハラスメントを含む性暴力等及びその他のハラ スメントの防止に向けた取組の推進 各大学及び高等専門学校等の高等教育機関におけるセクシュアルハラスメントを含 む性暴力等及びその他のハラスメントについて、 「セクシュアルハラスメントを含む性 暴力等の防止に向けた取組の推進について(通知) 」 (4文科高第 1246 号令和4年 11 月 22 日文部科学省高等教育局長通知)を踏まえ、その防止、行為者の厳正な処分及び再発 防止の徹底等の取組を推進する。 【文部科学省】
  34. 32 ④ 自衛隊におけるハラスメントの防止(再掲) (6)困難な問題を抱える女性への支援 令和6年4月に施行された女性支援新法に基づき、困難な問題を抱える女性一人ひと りのニーズに応じて、包括的な支援を実施できるよう、引き続き、女性相談支援センタ ーや女性自立支援施設の機能強化、女性相談支援員の人材の養成・処遇改善の推進、困 難な問題を抱える女性への支援に取り組む民間団体の掘り起こしや事業継続への支援、 民間団体と地方公共団体との協働の促進等を図る。 【厚生労働省】

    いわゆるホストクラブ等で高額な料金を請求され、その売掛金等の支払のために女性 客が売春をさせられたり、各種性風俗店に紹介されたりする事案が問題となっていると ころ、悪質なホストクラブ等に対する厳正な取締りを推進する。 【警察庁】 (7)生涯にわたる健康への支援 ① 生理の貧困への対応 経済的な理由等により生理用品を購入できない女性がいるという「生理の貧困」は、 女性の健康や尊厳に関わる重要な課題である。このため、地域女性活躍推進交付金によ り、地方公共団体が女性への寄り添った相談支援の一環として行う生理用品の提供を支 援する。さらに、各地方公共団体における「生理の貧困」に係る取組の横展開に資する よう、また、生理用品を必要とする女性が必要な情報に基づきアクセスできるよう、地 域女性活躍推進交付金を活用した取組や各地方公共団体による独自の取組について調 査をし、公表する。 【内閣府】 ② 健康診断の充実等による女性の就業継続等の支援(再掲) ③ フェムテックの推進と更なる利活用等 企業における製品の研究開発において、性差の視点を取り入れる「ジェンダード・イ ノベーション」を促進する。 セルフチェック、セルフケアを促進するため、フェムテック事業者が、医療機関や、女 性の健康ナショナルセンター(仮称) 、その他研究機関等と連携し、AMEDや関係省庁 の補助金等も活用しながら、ニーズの把握、製品開発、実証実験を行うことができる取 組を推進する。 医薬品、医療機器の研究開発プロセスにおいても、女性特有の健康課題に留意するよ う、PMDAの相談における指摘等を通じて、製薬業界における取組を促進する。 承認審査に当たっても、諸外国の取組も参考に、女性の身体にどのような影響がある かという点にも着目するよう留意する。 また、現状実施されている産官のワーキング・グループの場などを活用して、製品の 品質や広告表現等に関するガイドラインを策定する等の方策を、引き続き検討する。 【厚 生労働省、経済産業省】 ④ 性差に応じ更年期などにおける健康を支援する取組の推進(総合対策の確立) 女性の健康ナショナルセンター(仮称)における診療機能の充実を図る。また、同セ
  35. 33 ンターを中心として、AMEDや関係省庁等の各種研究事業を活用しながら、妊娠・出 産を含めた女性の生涯にわたる健康課題に関わる研究等に取り組むとともに、リテラシ ーの向上も図りながら、 「ジェンダード・イノベーション」を推進する。 具体的には、女性の生涯にわたる健康課題を幅広くカバーするための基盤データの収 集を進めるとともに、フェムテック事業者の協力も得て、利用者のデータを匿名化し、 個人情報の保護に配慮した上でデータベースを構築し、研究に活用することを推進する。 また、医薬品や医療機器に関して月経随伴症状や更年期症状など女性の健康・疾病に 関する研究開発の推進等について検討する。

    【こども家庭庁、厚生労働省、経済産業省】 女性が必要な医療を適切に受けられるように、産婦人科の受診に対する心理的なハー ドルを下げるための方策について、オンライン診療の活用等を含め、研究課題として取 り上げる。 【厚生労働省】 さらに、身近な受診先である地域の内科医等が、女性特有の健康課題に対応すること ができる知識の涵養や、必要に応じて婦人科等と連携し、必要な受診を促していくため の啓発を行う。 あわせて、産婦人科と他科との連携を促進するため、精神科(うつ) 、整形外科(骨粗 鬆症)等の他の専門領域の医師にも、更年期等に関する知識を持ってもらい、必要があ れば産婦人科受診を促してもらうなど、女性に必要な医療や支援が届くように、広く、 医療従事者を含めた女性の健康を支援する関係者に対して、女性のライフステージごと の健康課題とその対処法について知識の普及に取り組めるよう、食事・運動・睡眠等の 健康増進施策における取組とも連携し、研修・啓発、それらを通じた人材育成支援を行 う。 【厚生労働省】 各大学の医学教育において、性差を考慮した医療に関する教育の充実を促すための検 討を行う。 【文部科学省】 学校においても、健康診断で月経随伴症状について所見を有する児童生徒の把握及び 必要に応じた産婦人科医等への相談や治療の案内に努めるとともに、女性の生涯を通じ た健康課題について学ぶ機会が得られるよう、自治体の保健部局と教育委員会の連携を 強化する。 【文部科学省、厚生労働省】 地域においても、薬局等の身近な資源を活用し、女性の健康について相談できるよう にする。 その際、 各々が自らの健康的な暮らしについて考えるツールの開発を検討する。 【厚生労働省】 さらに、 若年世代が女性の健康課題に関する知識を得られ、 早い段階から妊娠・出産に 関わる知識を持ち、自分の身体への健康意識を高められるよう(プレコンセプションケ ア) 、国からの各種情報発信について、コンテンツや周知の仕方の工夫を図る。 【こども 家庭庁、厚生労働省】 ⑤ 企業評価制度の更なる充実と普及(再掲) ⑥ 緊急避妊薬の利用に向けた検討 予期せぬ妊娠の可能性が生じた女性が、 緊急避妊薬に関する専門の研修を受けた薬剤師 の十分な説明の上で、 対面で服用すること等を条件に緊急避妊薬を処方箋なしに薬局で適 切に利用できるようにするため、 令和5年度に実施した緊急避妊薬の試行的販売の調査研
  36. 34 究の調査結果を分析し、 必要な見直しの検討を進めるとともに、 悪用されないための対策 も含めて、 必要な方に適切な形で届くようOTC化に向けて試行的販売の調査研究を継続 的に実施し、更なる検討を進める。 【厚生労働省】 ⑦ スポーツ分野における女性の参画・活躍の促進

    スポーツを通じた女性の社会参画・活躍を促進する観点から、 スポーツ団体における女 性役員の確保・育成支援の実施等により、 令和5年度に見直しを行ったスポーツ団体ガバ ナンスコードを周知するとともに、各中央競技団体における女性理事の目標割合 40%の 達成に向けた具体的な方策等の取組の促進を図る。 また、女性アスリートの健康課題等を解決するため、医・科学サポート等を活用した女 性アスリートの健康的な競技環境の充実や、 競技活動を継続しながらライフイベントを充 実させるための妊産期・育児期の支援プログラム、相談窓口を拡充し、今後一層の環境整 備と競技力向上を推進する。 さらに、 これまでの研究成果やノウハウなどの情報を広く現 場に還元するため、オンライン・プラットフォームの整備・拡充等に取り組む。 【文部科 学省】 ⑧ 女性医師に対する支援 医師の働き方改革を推進するとともに、 復職支援や勤務体制の柔軟化 (短時間勤務や当 直等の配慮) 、チーム医療の推進、複数主治医制の導入、医療機関における院内保育や病 児保育の整備など、女性医師が活躍するための取組を引き続き実施・普及する。また、事 業所内保育等も含めた保育所、病児保育、民間のシッターサービスなど、社会全体として 様々な保育を利用しやすい環境を引き続き整備する。 【こども家庭庁、厚生労働省】 (8)夫婦の氏に関する具体的な制度の在り方 現在、身分証明書として使われるパスポート、マイナンバーカード、免許証、住民票、 印鑑登録証明書なども旧姓併記が認められており、 旧姓の通称使用の運用は拡充されつつ あるが、国・地方一体となった行政のデジタル化・各府省間のシステムの統一的な運用な どにより、 婚姻により改姓した人が不便さや不利益を感じることのないよう、 引き続き旧 姓の通称使用の拡大やその周知に取り組む。 【関係府省】 婚姻後も仕事を続ける女性が大半となっていることなどを背景に、 婚姻前の氏を引き続 き使えないことが婚姻後の生活の支障になっているとの声など国民の間に様々な意見が ある。そのような状況も踏まえた上で、家族形態の変化及び生活様式の多様化、国民意識 の動向等も考慮し、 夫婦の氏に関する具体的な制度の在り方に関し、 戸籍制度と一体とな った夫婦同氏制度の歴史を踏まえ、 また家族の一体感、 こどもへの影響や最善の利益を考 える視点も十分に考慮し、 国民各層の意見や国会における議論の動向を注視しながら、 司 法の判断も踏まえ、更なる検討を進める。 【法務省、関係府省】 Ⅳ 女性活躍・男女共同参画の取組の一層の加速化 これまで、政府においては、様々な分野における男女共同参画の推進に取り組んできた ところであるが、女性と男性では、体格や身体の構造・機能の違い、加齢に伴う変化の違
  37. 35 いなどの性差があり、表面的には男女に中立的な施策であっても、実際には一方の性の視 点のみに立脚しており、もう一方の性には必ずしも適切に当てはまらないものとなってお り、効果を十全に発揮できない場合があることについて、近年、新たな知見が蓄積されつ つあり、性差の視点を踏まえてイノベーションを創出する「ジェンダード・イノベーショ ン」も広がりを見せている。 このような中において、例えば、災害時における女性の安全・安心やニーズを踏まえた 避難所運営、男女の性差に配慮した医療や薬品の提供、女性の体格に適合した安全装備の 推進、生成AIによる固定的な性別役割分担意識の助長防止など、防災・復興、医療・薬 品、工学、科学技術など多岐にわたる分野において、男女の性差による影響に配慮した施

    策が求められているところであり、政府としても、新たな知見を得つつ取組を進める。 また、政治・行政分野を始め、あらゆる分野における政策・方針決定過程への女性の参 画を促進する。 (1)男女共同参画の視点に立った政府計画の策定等の推進 各府省は、あらゆる分野の政策・事業の計画、実施、評価において、男女別の影響や ニーズの違いを踏まえた検討・立案を行う。その前提として、男女の性差を考慮すると ともに、関連するデータの男女別の把握に取り組む。 【全府省】 また、各府省における取組がより的確かつ実効的なものとなるよう、性差への配慮が 有効な施策分野を抽出するための調査研究を行い、 各府省に情報提供を行う。 【内閣府】 男女の置かれている状況を客観的に把握するための統計(ジェンダー統計)の充実の 観点から、基幹統計を中心に男女別データの有無等の状況を把握する調査を行ったとこ ろ、調査範囲を基幹統計以外にも拡充して整備状況を調査し、公表する。 【内閣府、総務 省】 さらに、上記の取組を担保するため、あらゆる分野における政策・方針決定過程への 女性の参画を促進する。引き続き、5次計画に基づき、国の審議会等委員又は審議会等 専門委員等について、女性の割合が 40%以上、60%以下となることを目指すとともに、 「女性活躍・男女共同参画の重点方針 2023(女性版骨太の方針 2023) 」に基づき、行政 運営を補佐するため各行政機関において開催される複数の外部有識者が含まれるあら ゆる合議体(複数の外部有識者から個別に意見聴取を行い、それらの意見を総合的に参 考とするような場合を含む。 ) において、 その外部有識者たる構成員に性別の偏りがない よう努めるものとする。 【全府省】 女性と男性では交通機関の利用の仕方やニーズに違いがあることを踏まえ、女性の移 動ニーズを取り入れた交通サービスの提供や、交通分野で働く従業員や管理職及び交通 政策の意思決定の場における女性参画の促進の重要性について機運を醸成するため、国 際交通フォーラム(ITF)と協力して、 「ジェンダーと交通」に関するセミナーを開催 する。 【国土交通省】 (2)政治・行政分野における男女共同参画の推進 ① 政治分野 「政治分野における男女共同参画の推進に関する法律」 (平成 30 年法律第 28 号)及 び5次計画を踏まえ、女性の政治参画への障壁について調査を行う。調査の実施に当た
  38. 36 っては、前回の令和2年度調査結果において主な障壁であったハラスメントについて、 より実態に則した把握に資するよう、具体的な状況や態様についてどのようなものがあ るかや、政治に参画する上での課題や悩み、不安についてもより詳細な調査を行うこと とし、その結果について関係機関の連携・協力も得ながら、様々な機会を通じ、周知・ 啓発を行う。 【内閣府】 令和5年度に実施した地方議会調査の結果を踏まえ、地方議会における女性の政治参 画に資する先進的な取組事例について、地方公共団体等へ周知・啓発等を行い、横展開 を図る。

    【内閣府】 また、女性を含む多様な人材が議会に関わる機会を広げるため、住民から議会に対す る請願書の提出など議会に関連する手続について、令和6年4月1日からオンラインに より行うことが可能となること等を踏まえ、手続のオンライン化に係る各議会の取組状 況や、デジタル技術の活用状況について情報提供を行うとともに、オンラインによる委 員会の開催上の課題等の収集・検証を行う。 【総務省】 ② 行政分野 5次計画に定める国家公務員の各役職段階に占める女性の割合に関する成果目標を 踏まえ、各府省において、各役職段階に占める女性の割合に関する数値目標を定め、よ り一層の女性登用に向けた取組を検討し実行する。なお、目標や取組の内容、実施状況 については、各府省において公務員を志望する女性等に分かりやすい形で公表を行うも のとする。 【内閣官房、内閣府、各府省】 5次計画に定める国家公務員採用試験からの採用者に占める女性割合に関する成果目 標及び国家公務員の各役職段階に占める女性の割合に関する成果目標を念頭に置きな がら、各府省は選考による採用を行うに当たっても、女性の採用・登用について、それ ぞれの実情に応じて、目標の設定や広報の充実など、必要な対応を行う。 【内閣官房、各 府省(、人事院) 】 性別による離職割合や離職意向に偏りがないかなど、各府省における働きやすさや働 きにくさにジェンダー・ギャップやジェネレーション・ギャップがないか等を明らかに するために、調査等により実態の把握を進める。 【内閣官房(、人事院) 】 また、 中間年フォローアップの結果を踏まえ、 地方公共団体における女性職員の採用・ 登用を推進するため、 女性職員の採用・登用拡大に向けた目標やその達成方法について、 次世代育成支援対策推進法又は女性活躍推進法に基づく特定事業主行動計画等に盛り 込むなど、更なる取組の強化を図るよう、地方公共団体に要請する。 【内閣府、こども家 庭庁、総務省】 地方公共団体で働く非常勤職員について、地方公共団体の業務において重要な役割を 果たしている会計年度任用職員に対し、勤勉手当の支給を可能とする「地方自治法の一 部を改正する法律」 (令和5年法律第 19 号) が令和6年4月に施行されたことを踏まえ、 地方公共団体において適切な対応がされるよう必要な助言を行うなど、会計年度任用職 員の適正な処遇の確保・改善に引き続き取り組む。 【総務省】 (3)国際的な分野における女性の参画拡大 在外公館の各役職段階に占める女性の割合(令和5年7月現在:公使、参事官以上