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EBMの手法を利用した 診療ガイドライン GRADE approachとは

Eishu NANGO, MD, PhD
February 25, 2018
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EBMの手法を利用した 診療ガイドライン GRADE approachとは

診療ガイドライン作成の国際標準ツールであるGRADE systemとはどういうものかを解説します.
Last updated on 2018.2.25

Eishu NANGO, MD, PhD

February 25, 2018
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  1.  総合診療医(病院総合診療医)  EBMer,EBM-Tokyo代表,pES club主宰  市中教育病院教育専任,東京医科歯科大学医学部臨床教授,東京医科大学臨床 研修地域医療指導教授  日本プライマリ・ケア連合学会理事・認定医,日本内科学会総合内科専門医

     診療ガイドライン方法論者,日本医療機能評価機構 診療ガイドライン作成支援専門 部会部員,コクラン日本支部監事,各種診療ガイドライン作成委員・外部評価委員  従事した研究:糖尿病,肺炎,脳梗塞,医学教育(PBL),診療ガイドライン  厚生労働省 医師国家試験委員  研究資金:第23回地域保健医療に関する研究助成賞(地域医療振興協会)  UpToDate®の日本語タイトル監訳に対して,2011~2013年にWolters Kluwer Health 社より報酬を得ていました  羊土社Gノート編集ボード  公演に関連しないものも含めて、弁当やボールペンを含めたCOI関係にある製薬企業 は一切ありません 利益相反COIの開示 演者:南郷栄秀 学術的COI 経済的COI
  2. 5

  3. Haynes’ 6S hierarchy Synopses of Studies Syntheses Synopses of Syntheses

    Summaries Systems 原著論文 システマティックレビュー eg. Cochrane Library DARE:エビデンスのまとめ エビデンスに基づいた抄録 エビデンスに基づいたCPG,教科書 eg. UpToDdate,DynaMed,Clinical Evidence 機械化された判断支援システム Studies エビデンスに基づいた抄録 eg. ACP Journal Club
  4. EBMのStep 1 臨床の質問ごとに EBMのStep 2 エビデンスを探し EBMのStep 3 エビデンスを まとめ、評価し

    EBMのStep 4 患者の病状・現場の環境,患者の 価値観,医療者の臨床経験などと のバランスを考えて判断する www.iom.edu/~/media/Files/widget/systematic-review/infographic.swf 診療ガイドライン作成手順とEBMのステップ
  5. システマティックレビュー作成 P I C O アウトカム アウトカム アウトカム アウトカム 重⼤

    重要 重⼤ Evidence Profile 全体的なエビデンスの確実性の評価 (overall quality of evidence across outcomes) 重⼤(critical) なアウトカムに関するエビデンスの確実性の中で 最も低いものとする A 「⾼」/B 「中」/C 「低」/D 「⾮常に低」 RCTは「⾼」から、観察研究は「低」から開始し,エビデンスの確実性を評価する 1.研究の限界(risk of bias) 2.⾮⼀貫性(inconsistency) 3.⾮直接性(indirectness) 4.不精確さ(imprecision) 5.出版バイアス(publication bias) グレードを下げる5要因 グレードを上げる3要因 1.⼤きな効果(large magnitude) 2.⽤量反応(dose response gradient) 3.交絡因⼦(confounders) アウトカムごとに集めた研究の risk of biasを評価 効果推定値の⼤きさとアウトカムごとのエビデンスの確実性 ⾼(High)/中(Moderate)/低(Low)/⾮常に低(Very low) 診療ガイドライン完成 アウトカムごとのエビデンス(body of evidence)の質を評価 Risk of bias summary Risk of bias graph 各アウトカムに 関する効果推定値 と結果の要約 =メタアナリシス (Forest plot作成) 推奨︓抗凝固療法の適応がない癌患者に対して、 ⾮経⼝的抗凝固療法を⾏うことを提案する (推奨の強さ「弱い推奨」/エビデンスの確実 性「中」) Summary of Findings(SoF) 様々な介⼊に 対する推奨を 盛り込む 推奨作成 SRの 結果の 評価 1.ランダム割り付け順番の⽣成 2.割り付けの隠蔽化 3.研究参加者と治療提供者の盲検化 4.アウトカム評価者の盲検化 5.不完全なアウトカムデータ 6.選択されたアウトカムの報告 7.その他のバイアス Evidence-to-Decisionテーブル 診療ガイドラインパネル会議 あらゆるステークホルダーが参加する 推奨の⽅向と強さの決定 ・・・しないことを推奨する ・・・しないことを提案する ・・・することを提案する ・・・することを推奨する Clinical Question(CQ) (Analytic Frameworks) 推奨⽂の決定 COI申告 必要に応じて投票を⾏う パネル会議前に1回⽬投票 パネル会議でディスカッ ション 必要に応じてもう1回投票 推奨の作成:以下を考慮して判断 エビデンスの質(確実性) 利益と害のバランス 価値観と意向 資源の利⽤(コスト・実現可能性) 推奨の⽅向︓ する/しない 推奨の強さ︓ 強い/弱い(条件付き)
  6. 研究名 血圧 脳卒中 突然死 Apple 同じ 新薬 記載なし Mango 新薬

    同じ 新薬 Orange 新薬 標準薬 同じ Lemmon 標準薬 標準薬 記載なし Kiwi 新薬 記載なし 記載なし 新薬を推奨するかの推奨文を作る 新薬の研究が5件集まった
  7. 研究名 血圧 脳卒中 突然死 Apple 同じ 新薬 記載なし Mango 新薬

    同じ 新薬 Orange 新薬 標準薬 同じ Lemmon 標準薬 標準薬 記載なし Kiwi 新薬 記載なし 記載なし 論文中心に新薬の効果を見ると... 脳卒中を減らすというApple研究があり,突然死 を減らすというMango研究があり,Orange研究と Kiwi研究で血圧が下がるので,新薬使用を推奨 Minds2007
  8. 研究名 血圧 脳卒中 突然死 Apple 同じ 新薬 記載なし Mango 新薬

    同じ 新薬 Orange 新薬 標準薬 同じ Lemmon 標準薬 標準薬 記載なし Kiwi 新薬 記載なし 記載なし アウトカム中心に新薬の効果を見ると... 血圧では新薬が良いが,脳卒中は標準薬が良く, 突然死については結論が出せないので,血圧より 脳卒中を重視して,新薬不使用を推奨
  9. エビデンスの質 (確実性) 表記 ⾼ ⊕⊕⊕⊕ 中 ⊕⊕⊕◯ 低 ⊕⊕◯◯ ⾮常に低

    ⊕◯◯◯ 研究デザイン (Study design) エビデンスの質 (Initial quality of a body of evidence) グレードを下げる 5要因 (Lower if) グレードを上げる 3要因 (Higher if) 総体エビデンスの質 (Quality of a body of evidence) RCT High ・バイアスのリスク (Risk of bias) -1 Serious -2 Very serious ・非一貫性 (inconsistency) -1 Serious -2 Very serious ・非直接性 (indirectness) -1 Serious -2 Very serious ・不精確さ (imprecision) -1 Serious -2 Very serious ・出版バイアス (publication bias) -1 Likely -2 Very likely ・効果が大きい (large effect) +1 Large effect RR > 2 あるいは< 0.5 +2 Very large RR > 5 あるいは< 0.2 ・用量-反応勾配 (dose-dependent gradient) +1 あり ・全ての交絡因子 (plausible confounder) +1 提示された効果を減弱 させている +1 効果が観察されなかっ た場合に、効果を増加 させる方向に働いてい る 観察研究 Low アウトカムごとのエビデンス (body of evidence)の質を評価
  10. 診療ガイドラインパネル会議パネリストが 集まってパネル会議を行う 専門医 総合医 患者代表 薬剤師 福祉担当者 行政 法律家 CPG専門家

    看護師 スコープ(=全体像)を作成し 臨床現場で重要なClinical Question(CQ)を あらゆるステークホルダーが集まって抽出する 必要に応じてAnalytic Frameworksを作成
  11. P I C O アウトカム アウトカム アウトカム アウトカム 重大 重要

    重大 アウトカム毎に複数の論文を集める Clinical Question(CQ) (Analytic Frameworks)
  12. 重 大 重 要 重 要 で な い 9

    8 7 6 5 4 3 2 1 ア ウ ト カ ム の重要性は 相 対 的 に 決める 検査値などは患者が 効果を実感できない ので「重要でない」に 分類される アウトカムの重要性を決定する 死亡 心筋梗塞,脳卒中 低血糖,乳酸アシドーシス 網膜症,腎症,下肢切断 糖尿病関連入院 HbA1c 体重 SRしない SRする
  13. PRISMA flow diagramを埋める データベース検索で同定された研究 Q 0HGO L QH(3XE0HG) ◯件 (0%$6(

    ◯件 &RFKU DQH &(175$/ ◯件 医中誌 ◯件 他のリソースから 同定された研究 Q コクランレビュー ◯件 他のシステマティックレビュー ◯件 ハンドサーチ ◯件 検索で同定された研究 Q 重複研究 Q タイトルスクリーニングした研究 Q 除外基準に該当した研究 Q 理由︓ 患者が異なる ◯件 介⼊/対照が異なる ◯件 5&7でない ◯件 フルテキストで適格性を評価した研究 Q 除外基準に該当した研究 Q 理由︓ 患者が異なる ◯件 介⼊/対照が異なる ◯件 5&7でない ◯件 質的統合に組み⼊れた研究 Q 同 定 ス ク リ ー ニ ン グ 適 格 性 メタアナリシスに組み⼊れた研究 Q アウトカム ◯件 アウトカム ◯件 組 み ⼊ れ
  14. エビデンスの質 (確実性) 表記 ⾼ ⊕⊕⊕⊕ 中 ⊕⊕⊕◯ 低 ⊕⊕◯◯ ⾮常に低

    ⊕◯◯◯ 研究デザイン (Study design) エビデンスの質 (Initial quality of a body of evidence) グレードを下げる 5要因 (Lower if) グレードを上げる 3要因 (Higher if) 総体エビデンスの質 (Quality of a body of evidence) RCT High ・バイアスのリスク (Risk of bias) -1 Serious -2 Very serious ・非一貫性 (inconsistency) -1 Serious -2 Very serious ・非直接性 (indirectness) -1 Serious -2 Very serious ・不精確さ (imprecision) -1 Serious -2 Very serious ・出版バイアス (publication bias) -1 Likely -2 Very likely ・効果が大きい (large effect) +1 Large effect RR > 2 あるいは< 0.5 +2 Very large RR > 5 あるいは< 0.2 ・用量-反応勾配 (dose-dependent gradient) +1 あり ・全ての交絡因子 (plausible confounder) +1 提示された効果を減弱 させている +1 効果が観察されなかっ た場合に、効果を増加 させる方向に働いてい る 観察研究 Low アウトカムごとのエビデンス (body of evidence)の質を評価 研究デザイン (Study design) エビデンスの質 (Initial quality of a body of evidence) グレードを下げる 5要因 (Lower if) グレードを上げる 3要因 (Higher if) 総体エビデンスの質 (Quality of a body of evidence) RCT High ・バイアスのリスク (Risk of bias) -1 Serious -2 Very serious ・非一貫性 (inconsistency) -1 Serious -2 Very serious ・非直接性 (indirectness) -1 Serious -2 Very serious ・不精確さ (imprecision) -1 Serious -2 Very serious ・出版バイアス (publication bias) -1 Likely -2 Very likely ・効果が大きい (large effect) +1 Large effect RR > 2 あるいは< 0.5 +2 Very large RR > 5 あるいは< 0.2 ・用量-反応勾配 (dose-dependent gradient) +1 あり ・全ての交絡因子 (plausible confounder) +1 提示された効果を減弱 させている +1 効果が観察されなかっ た場合に、効果を増加 させる方向に働いてい る 観察研究 Low
  15. 研究の限界 (limitation, risk of bias) 非一貫性 (inconsistency) 非直接性 (indirectness) 不精確さ

    (imprecision) 出版バイアス (publication_bias) グレードを下げる5要因 • Outcome毎に評価 • Body of evidenceの質はhigh,moderate,low, very lowの4つ • 研究デザインでスタートが異なる – RCT → high – 観察研究 → low
  16. + Tx P - + - ランダム化比較試験 Random sequence generation

    Allocation concealment Blinding of participants and personnel Blinding of outcome assessment Incomplete outcome data Selective reporting Other sources of bias
  17. バイアスのリスク Risk of bias  Random sequence generation  Allocation

    concealment  Blinding of participants and personnel  Blinding of outcome assessment  Incomplete outcome data  Selective reporting  Other sources of bias
  18. 研究の限界 (limitation, risk of bias) 非一貫性 (inconsistency) 非直接性 (indirectness) 不精確さ

    (imprecision) 出版バイアス (publication_bias) グレードを下げる5要因 • アウトカム毎に評価 • Body of evidenceの質はhigh,moderate,low, very lowの4つ • 研究デザインでスタートが異なる – RCT → high – 観察研究 → low RCT・観察研究の 批判的吟味 システマティックレビュー の結果の評価 異質性 外的妥当性 信頼区間 出版バイアス
  19. 研究の限界 (limitation, risk of bias) 非一貫性 (inconsistency) 非直接性 (indirectness) 不精確さ

    (imprecision) 出版バイアス (publication_bias) グレードを下げる5要因 • アウトカム毎に評価 • Body of evidenceの質はhigh,moderate,low, very lowの4つ • 研究デザインでスタートが異なる – RCT → high – 観察研究 → low RCT・観察研究の 批判的吟味 異質性 外的妥当性 信頼区間 出版バイアス システマティックレビュー の結果の評価
  20. エビデンスの質 (確実性) 表記 ⾼ ⊕⊕⊕⊕ 中 ⊕⊕⊕◯ 低 ⊕⊕◯◯ ⾮常に低

    ⊕◯◯◯ 研究デザイン (Study design) エビデンスの質 (Initial quality of a body of evidence) グレードを下げる 5要因 (Lower if) グレードを上げる 3要因 (Higher if) 総体エビデンスの質 (Quality of a body of evidence) RCT High ・バイアスのリスク (Risk of bias) -1 Serious -2 Very serious ・非一貫性 (inconsistency) -1 Serious -2 Very serious ・非直接性 (indirectness) -1 Serious -2 Very serious ・不精確さ (imprecision) -1 Serious -2 Very serious ・出版バイアス (publication bias) -1 Likely -2 Very likely ・効果が大きい (large effect) +1 Large effect RR > 2 あるいは< 0.5 +2 Very large RR > 5 あるいは< 0.2 ・用量-反応勾配 (dose-dependent gradient) +1 あり ・全ての交絡因子 (plausible confounder) +1 提示された効果を減弱 させている +1 効果が観察されなかっ た場合に、効果を増加 させる方向に働いてい る 観察研究 Low アウトカムごとのエビデンス (body of evidence)の質を評価 研究デザイン (Study design) エビデンスの質 (Initial quality of a body of evidence) グレードを下げる 5要因 (Lower if) グレードを上げる 3要因 (Higher if) 総体エビデンスの質 (Quality of a body of evidence) RCT High ・バイアスのリスク (Risk of bias) -1 Serious -2 Very serious ・非一貫性 (inconsistency) -1 Serious -2 Very serious ・非直接性 (indirectness) -1 Serious -2 Very serious ・不精確さ (imprecision) -1 Serious -2 Very serious ・出版バイアス (publication bias) -1 Likely -2 Very likely ・効果が大きい (large effect) +1 Large effect RR > 2 あるいは< 0.5 +2 Very large RR > 5 あるいは< 0.2 ・用量-反応勾配 (dose-dependent gradient) +1 あり ・全ての交絡因子 (plausible confounder) +1 提示された効果を減弱 させている +1 効果が観察されなかっ た場合に、効果を増加 させる方向に働いてい る 観察研究 Low グレードを上げる 3要因はRCTでは (あまり)使わない
  21. システマティックレビュー作成 P I C O アウトカム アウトカム アウトカム アウトカム 重⼤

    重要 重⼤ Evidence Profile 全体的なエビデンスの確実性の評価 (overall quality of evidence across outcomes) 重⼤(critical) なアウトカムに関するエビデンスの確実性の中で 最も低いものとする A 「⾼」/B 「中」/C 「低」/D 「⾮常に低」 RCTは「⾼」から、観察研究は「低」から開始し,エビデンスの確実性を評価する 1.研究の限界(risk of bias) 2.⾮⼀貫性(inconsistency) 3.⾮直接性(indirectness) 4.不精確さ(imprecision) 5.出版バイアス(publication bias) グレードを下げる5要因 グレードを上げる3要因 1.⼤きな効果(large magnitude) 2.⽤量反応(dose response gradient) 3.交絡因⼦(confounders) アウトカムごとに集めた研究の risk of biasを評価 効果推定値の⼤きさとアウトカムごとのエビデンスの確実性 ⾼(High)/中(Moderate)/低(Low)/⾮常に低(Very low) 診療ガイドライン完成 アウトカムごとのエビデンス(body of evidence)の質を評価 Risk of bias summary Risk of bias graph 各アウトカムに 関する効果推定値 と結果の要約 =メタアナリシス (Forest plot作成) 推奨︓抗凝固療法の適応がない癌患者に対して、 ⾮経⼝的抗凝固療法を⾏うことを提案する (推奨の強さ「弱い推奨」/エビデンスの確実 性「中」) Summary of Findings(SoF) 様々な介⼊に 対する推奨を 盛り込む 推奨作成 SRの 結果の 評価 1.ランダム割り付け順番の⽣成 2.割り付けの隠蔽化 3.研究参加者と治療提供者の盲検化 4.アウトカム評価者の盲検化 5.不完全なアウトカムデータ 6.選択されたアウトカムの報告 7.その他のバイアス Evidence-to-Decisionテーブル 診療ガイドラインパネル会議 あらゆるステークホルダーが参加する 推奨の⽅向と強さの決定 ・・・しないことを推奨する ・・・しないことを提案する ・・・することを提案する ・・・することを推奨する Clinical Question(CQ) (Analytic Frameworks) 推奨⽂の決定 COI申告 必要に応じて投票を⾏う パネル会議前に1回⽬投票 パネル会議でディスカッ ション 必要に応じてもう1回投票 推奨の作成:以下を考慮して判断 エビデンスの質(確実性) 利益と害のバランス 価値観と意向 資源の利⽤(コスト・実現可能性) 推奨の⽅向︓ する/しない 推奨の強さ︓ 強い/弱い(条件付き)
  22. 推奨文の決定の4要因  エビデンスの質が低いか?  利益と害・負担のバランスが 不確か (コスト含まず)?  価値観の不確かさ、あるいは 相違が大きいか?

     正味利益がコストに見合ったも のかどうか不確か? ここを考慮するので, わが国の診療ガイドラインが必要
  23. システマティックレビュー作成 P I C O アウトカム アウトカム アウトカム アウトカム 重⼤

    重要 重⼤ Evidence Profile 全体的なエビデンスの確実性の評価 (overall quality of evidence across outcomes) 重⼤(critical) なアウトカムに関するエビデンスの確実性の中で 最も低いものとする A 「⾼」/B 「中」/C 「低」/D 「⾮常に低」 RCTは「⾼」から、観察研究は「低」から開始し,エビデンスの確実性を評価する 1.研究の限界(risk of bias) 2.⾮⼀貫性(inconsistency) 3.⾮直接性(indirectness) 4.不精確さ(imprecision) 5.出版バイアス(publication bias) グレードを下げる5要因 グレードを上げる3要因 1.⼤きな効果(large magnitude) 2.⽤量反応(dose response gradient) 3.交絡因⼦(confounders) アウトカムごとに集めた研究の risk of biasを評価 効果推定値の⼤きさとアウトカムごとのエビデンスの確実性 ⾼(High)/中(Moderate)/低(Low)/⾮常に低(Very low) 診療ガイドライン完成 アウトカムごとのエビデンス(body of evidence)の質を評価 Risk of bias summary Risk of bias graph 各アウトカムに 関する効果推定値 と結果の要約 =メタアナリシス (Forest plot作成) 推奨︓抗凝固療法の適応がない癌患者に対して、 ⾮経⼝的抗凝固療法を⾏うことを提案する (推奨の強さ「弱い推奨」/エビデンスの確実 性「中」) Summary of Findings(SoF) 様々な介⼊に 対する推奨を 盛り込む 推奨作成 SRの 結果の 評価 1.ランダム割り付け順番の⽣成 2.割り付けの隠蔽化 3.研究参加者と治療提供者の盲検化 4.アウトカム評価者の盲検化 5.不完全なアウトカムデータ 6.選択されたアウトカムの報告 7.その他のバイアス Evidence-to-Decisionテーブル 診療ガイドラインパネル会議 あらゆるステークホルダーが参加する 推奨の⽅向と強さの決定 ・・・しないことを推奨する ・・・しないことを提案する ・・・することを提案する ・・・することを推奨する Clinical Question(CQ) (Analytic Frameworks) 推奨⽂の決定 COI申告 必要に応じて投票を⾏う パネル会議前に1回⽬投票 パネル会議でディスカッ ション 必要に応じてもう1回投票 推奨の作成:以下を考慮して判断 エビデンスの質(確実性) 利益と害のバランス 価値観と意向 資源の利⽤(コスト・実現可能性) 推奨の⽅向︓ する/しない 推奨の強さ︓ 強い/弱い(条件付き)
  24. ツウは,診療ガイドラインの推奨を分解する コスト 患者の 価値観と意向 全体的な エビデンスの質 効果と害の バランス コスト 患者の

    価値観と意向 全体的な エビデンスの質 効果と害の バランス 推奨:ソレにはコレ をすることを推奨 する(Grade 1B) ここを自分で 考える 推奨作成 分解!!