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分解し、導き、託す ログラスにおける“技術でリードする” 実践の記録

分解し、導き、託す ログラスにおける“技術でリードする” 実践の記録

Techlead Meetup ~技術リーダーシップとは何か~ 登壇資料です。
https://freee.connpass.com/event/353462/

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Hiroto Ryushima

May 15, 2025
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Transcript

  1. © 2025 Loglass Inc. Profile 龍島 広人 株式会社ログラス シニアソフトウェアエンジニア 2022年3月にログラスへ入社。

    機能開発、新規事業開発、育休などを経て、現在はア プリケーション基盤チームに所属。 データベースの高速化や品質保証に関心があり、 パフォーマンス課題に継続的に取り組んでいる。 Hiroto Ryushima
  2. © 2025 Loglass Inc. パフォーマンスセンシティブな参照機能 • ユーザのデータ量、利用方法によってパフォーマンスが大きく変化 • 仕様上オンラインで処理しなければならない内容が多い 機能開発は止められない

    • ビジネスは急成長、新機能開発はスピード感が求められる • パフォーマンス課題が大きな足かせとなってしまっていた 02|分解-再統合パターンでの技術イネイブリング実践 | 課題
  3. © 2025 Loglass Inc. 02|分解-再統合パターンでの技術イネイブリング実践 | 分解-再統合パターン フィーチャー チーム イネイブラー

    課題の深堀り 切り離し フィーチャー チーム イネイブラー 技術検証 解決策の導出 フィーチャー チーム イネイブラー 知識伝播 実装 分解 導出 再統合 分解-再統合パターン 新しい価値提供 に集中 ここが難しい! 出典:偶有的複雑性と戦うためのアーキテクチャとチームトポロジー https://speakerdeck.com/knih/architectures-and-topologies?slide=55
  4. © 2025 Loglass Inc. 02|分解-再統合パターンでの技術イネイブリング実践 | 分解-再統合パターン フィーチャー チーム イネイブラー

    フィーチャー チーム イネイブラー フィーチャー チーム イネイブラー 分解 導出 再統合 分解フェーズ
  5. © 2025 Loglass Inc. 課題を分離し、本質を掘り下げる • フィーチャーチームに入り込み、課題への解像度を高めるフェーズ • パフォーマンスが劣化するデータやクエリのパターン分析 •

    ボトルネックを明らかにし、現行アーキテクチャの限界を見定める ◦ 中長期ではどういった課題に発展しうるか? 02|分解-再統合パターンでの技術イネイブリング実践 | 分解フェーズ
  6. © 2025 Loglass Inc. 02|分解-再統合パターンでの技術イネイブリング実践 | 分解-再統合パターン フィーチャー チーム イネイブラー

    フィーチャー チーム イネイブラー フィーチャー チーム イネイブラー 分解 導出 再統合 導出フェーズ
  7. © 2025 Loglass Inc. 解決策の探索と検証 複数案を探索し、意思決定への情報を集める 02|分解-再統合パターンでの技術イネイブリング実践 | 導出フェーズ パフォーマンス課題のため

    定量情報を重視 実際に近いデータ、 クエリ傾向でPoC実装、性能検証 現行体験とのトレードオフを整理 PdM、CSとの対話、議論
  8. © 2025 Loglass Inc. 解決方法の意思決定 02|分解-再統合パターンでの技術イネイブリング実践 | 導出フェーズ 短期的な視点 今の課題が解決可能か?

    中長期的な視点 今後の課題解決につながるか? 既にお客様影響が出ているため 早急に対応する必要があるが、 パフォーマンス、キャッチアップコスト 共に検証により可能と判断 分解フェーズでの調査から、 パフォーマンス課題は今後 より高度化する可能性が高い。 高いチューニング性が必要と判断 Rustによるクエリエンジンの実装
  9. © 2025 Loglass Inc. 02|分解-再統合パターンでの技術イネイブリング実践 | 分解-再統合パターン フィーチャー チーム イネイブラー

    フィーチャー チーム イネイブラー フィーチャー チーム イネイブラー 分解 導出 再統合 再統合フェーズ
  10. © 2025 Loglass Inc. オーナーシップの醸成 • 実装の主体はフィーチャーチーム • イネイブラーはペアプロなどはするが主体にはならないように •

    フィーチャーチームのオーナーシップがそもそも強い • 導出フェーズのADRをベースに背景のキャッチアップ ◦ 透明性の高いADRの効果 • 新技術も書籍などから主体的に情報インプット • チームで開発、運用、改善できるようにするという認識が揃っている 02|分解-再統合パターンでの技術イネイブリング実践 | 再統合フェーズ
  11. © 2025 Loglass Inc. 新技術のキャッチアップの負荷への対策 • コア実装ではないがリリースまでに必要な部分を巻き取ることで フィーチャーチームが新技術のキャッチアップに集中できるように • 例)

    新旧アーキテクチャを比較する機能、性能テスト • Shadow Testingの仕組みを実装フェーズから整備 • 本番のトラフィックで同一の結果かつ高速に レスポンス出来ていることを確認 • 安心して本番リリースに向かえるように 02|分解-再統合パターンでの技術イネイブリング実践 | 再統合フェーズ
  12. © 2025 Loglass Inc. 今回の技術的リーダーシップのポイント • 意思決定の透明性を高める • ADR、詳細な検証ログ •

    実装自体はフィーチャーチームの責務として任せる • 新しいアーキテクチャ、技術をチームのものにする • キャッチアップのため足場を作る • コア実装以外の技術的不安要素の取り除き • 新しい能力獲得に集中できる環境を整える 03|実践から考える技術的リーダーシップ
  13. © 2025 Loglass Inc. まとめ • 分解-再統合パターンで技術難易度の高いパフォーマンス課題を解決 • イネイブリングにおける技術的リーダーシップのポイント •

    意思決定の透明性 • チームにオーナーシップを委譲 • キャッチアップに集中する足場づくり • 技術リーダーシップとフォロワーシップによってより高度な課題解決 04 | まとめ