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10年物のRailsアプリにキャッチアップ!〜コードを読まずに理解したかった〜
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ima1zumi
October 15, 2024
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10年物のRailsアプリにキャッチアップ!〜コードを読まずに理解したかった〜
https://storesinc.tech/conf/2024
ima1zumi
October 15, 2024
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Transcript
10年物のRailsアプリにキャッチアップ! 〜コードを読まずに理解したかった〜 STORES Tech Conf 2024 "New Engineering" 2024-09-25 Mari
Imaizumi @ima1zumi
自己紹介 2 - Mari Imaizumi @ima1zumi - 2024/04入社 - STORES
予約 の開発をしている - ruby/irb, ruby/relineのコミッタ
STORES 予約 とは 3 予約、決済、顧客管理ができるシステム
STORES 予約 とは 4 - バックエンドはRuby on Rails - First
commitから11年目 - コアな開発者約13人
STORES 予約 - 予約者画面 5
STORES 予約 - 予約者画面 6
STORES 予約 - 予約者画面 7
STORES 予約 - 予約者画面 8
STORES 予約 - 事業者側 9
STORES 予約 にジョインする前に思っていたこと 10 - 予約サービス、想像つきそう - Railsは経験ある - Newなプロジェクトでも何とかなるのでは
予約サービスは想像できるしいけるでしょう! 11
触り始めて分かった STORES 予約 の難しさ 12 - 多機能さ - 例: 月謝・回数券ごとに有効期限や予約可能回数
- 他サービス連携 - 移行過程の複雑さ - 例: 店舗アカウントが三世代存在 - ロジックの難しさ - 例: 予約可否の計算
PR: 予約枠計算の複雑さを体感するならこれ! 13
触り始めて分かった STORES 予約 の難しさ:11年分のコード 14 - 47万行 - Code 14万
- Test 23万 - 1087 Models - 705 Controllers
触り始めて分かった STORES 予約 の難しさ 15 思ってたより 難しい
それでも仲良くなりたい 16 1日の大半を共に過ごすアプリのことは知っておきたい いいところも悪いところも知って仲良くなりたい 健康でいてほしい
どうやったら予約のことを知れる? 17 コードを読めば分かる?
どうやったら予約のことを知れる? 18 プログラマの三大美徳 - 🦥 怠惰 - Laziness - 😡
短気 - Impatience - 👺 傲慢 - Hubris
どうやったら予約のことを知れる? 19 プログラマの三大美徳 - 🦥 怠惰 - Laziness - 知らないコードを読みとくのは面倒
- 😡 短気 - Impatience - コードを読むのは時間がかかる - 👺 傲慢 - Hubris - コードを読まなくてもきっと理解できる
どうやったら予約のことを知れる? 20 コードを読まずに STORES 予約 を 理解したい!
コードを読まずに STORES 予約 を理解したい 21 なるべくコードを読まずに理解するにはどうしたらいいか 自分がやったことや予約チームの知見を話す
コードを読まずに STORES 予約 を理解したい 22 - STORES 予約 ブートキャンプ -
ER図 - ドキュメントを読む - 教えてもらう
コードを読まずに STORES 予約 を理解したい 23 - STORES 予約 ブートキャンプ -
ER図 - ドキュメントを読む - 教えてもらう
STORES 予約 ブートキャンプ 24 - アプリの操作に慣れるためのクイズ集 - 初級・中級・上級・超上級
STORES 予約 ブートキャンプ 25 - 機能に触りながら慣れる - 自分の欲しいデータを作る方法がわかる - ニッチな機能をカバーできるように作られている
コードを読まずに STORES 予約 を理解したい 26 - STORES 予約 ブートキャンプ -
ER図 - ドキュメントを読む - 教えてもらう
ER図 27 概要のER図と全てを網羅したER図がある
概要のER図 28 - 主要13モデルに絞ったER図 - 最も重要なモデルと関係がわかる - コード上で出会った時に気をつけるべきモデルがわかる
すべてを網羅したER図 29 - rails-mermaid_erd - Mermaid記法でER図を自動生成するgem - https://github.com/koedame/rails-mermaid_erd
すべてを網羅したER図 30 - モデル数が約1000個あるので必要なモデルに絞ってリ レーションを確認
すべてを網羅したER図 31 - GitHub ActionsでS3に自動デプロイしている - 社内認証を通して閲覧可能 - 手元でビルドしなくても常に最新版が引けて快適
コードを読まずに STORES 予約 を理解したい 32 - STORES 予約 ブートキャンプ -
ER図 - ドキュメントを読む - 教えてもらう
ドキュメントを読む 33 - STORES 予約 のドキュメントは大きく3箇所にある - esa, Cosense, GitHub
ドキュメントを読む 34 - esa - 全社共通 - 現在15万件ほどの記事があり日々増加中 - STORES
予約 開発チームでは開発ドキュメントは Cosenseに置かれる事が多い - PRD、日報などはesa
35 - Cosense (旧Scrapbox) - STORES 予約 開発チームが最もよく使う - 開発に関わることなんでも書くページ
- フロー情報もストック情報もある - チームのふりかえりからDesign Docまで - 現在約3000ページ ドキュメントを読む
ドキュメントを読む 36 - GitHub - ドキュメント用のリポジトリを切っている - ADRや意思決定の絡むドキュメントを共有 - Cosenseのコンテンツをエクスポート
- Copilot Chat, ドキュメント検索botの参照先 - 詳しくはポスター発表「LLMを活用したくなったので過去 の類似Issuesを調べてくれる君を作った話」を参照
ドキュメントを読む: やっていること 37 - 知らないことがあったらまずCosenseを調べる - モデル名、Job名、知らない概念 - ヒットしなければCosenseにその名前でページを作る -
Relineという単語がわからなければ、「Reline」 「Pure Ruby で書かれたGNU Readline互換のライン エディタ。IRBやDebugで使われている」
ドキュメントを読む: やっていること 38 - 一言でも書いておくことが重要 - 名前を付けることで育つ - Ref: https://scrapbox.io/support-doc-jp/必ずCosenseで探す
コードを読まずに STORES 予約 を理解したい 39 - STORES 予約 ブートキャンプ -
ER図 - ドキュメントを読む - 教えてもらう
教えてもらう 40 - 知っている人がいるならこれが最も手っ取り早く正確 - 1on1で教えてもらった場合はドキュメントに残す - 知識を広げるため - 話しながら書くとその場でレビューもされて便利
教えてもらう 41 - LTしてもらう - STORES 予約 開発チームには毎週LTの場がある - 知りたい概念を知ってそうな人にLTしてもらう
- 体系的にわかる - わかる人が増える
コードを読まずに理解したかった 42 - コードを読まずに分かったこと - 機能の概要 - 主要モデル・モデル間の関係 - ドキュメントにあること
触り始めて分かった STORES 予約 の難しさ 43 - 多機能さ - ドキュメントである程度カバー -
移行過程の複雑さ - 詳細を知っている人に聞く - ロジックの難しさ - ドキュメントになっていない箇所 - 🤔
44 ここまでではまだ知り合い、友達の友達
45 ここまでではまだ知り合い、友達の友達 少し混みいった話になると...
46 コードを読まずに理解したかった - 例: CSV出力内容の変更 - 「複数CSVをまとめたCSVの右端に出力しているカ ラムを左端にして、CSVをまとめない場合も左端に 出力してほしい」 -
修正した結果がどこに影響するのか分からない - ドキュメントなし
47 コードを読まずに理解したかった
コードを読まずに理解したかった 48 - コードを読まないと分からないこと - ドキュメントになっていないこと - 細かいふるまい - 変更を加えたいときにどうすればいいのか
49 仲良くなるためにはもう一歩踏み込まなければ
50 読むか...
51 どうやってコードを読むか
どうやってコードを読むか 52 - 解きたいことを明らかにする - 何を解決したくてコードを読むのか - ex: 引数に何を渡しているのか分からない -
コードの中で迷子になる - 関連情報がないか探す - Git blameから実装時のPRを見て実装時のドキュメ ントや設計を探す
どうやってコードを読むか 53 - ざっと処理の流れを追うとき - クラスやメソッド名に着目 - 詳細に知りたいとき - プリントデバッグ
- 値がどう渡ってどう変化していくのかを目的地まで 見る
読んでみよう 54 - 実際に知らない機能を調べてみよう - 問い合わせ例:STORES 予約 と連携しているGoogleカ レンダーに予約が連携されない -
予約番号: 0の予約がGoogleカレンダー側に連携さ れていない
読んでみよう:STORES 予約 と連携しているGoogleカレンダーに予約が連携されない 55 こたえ: Google カレンダーの権限が読み取りのみになって いた
読んでみよう:STORES 予約 と連携しているGoogleカレンダーに予約が連携されない 56 - まずは機能の概要をCosenseで把握する
読んでみよう:STORES 予約 と連携しているGoogleカレンダーに予約が連携されない 57 - まずは機能の概要をCosenseで把握する STORES 予約 の Google
カレンダー 連携は2種類ある
読んでみよう:STORES 予約 と連携しているGoogleカレンダーに予約が連携されない 58 - 問題の切り分け - Googleカレンダー連携されているか - Cosenseからどのモデルで管理しているか探す
Shop GoogleCalendar
読んでみよう:STORES 予約 と連携しているGoogleカレンダーに予約が連携されない 59 - どこまでは成功しているんだろう? - リクエスト・レスポンスログの探し方が分からない - ログ出してるところ追ってみよう
読んでみよう:STORES 予約 と連携しているGoogleカレンダーに予約が連携されない 60 - どこからリクエストしてるのかわからない... - calendar_idが何らかの形でログに出ているのでは
読んでみよう:STORES 予約 と連携しているGoogleカレンダーに予約が連携されない 61 - ログからcalendar_idで検索してそれらしきログを発見 - Job名が判明して出力内容もわかる
読んでみよう:STORES 予約 と連携しているGoogleカレンダーに予約が連携されない 62 連携成功したログしか残ってない
読んでみよう:STORES 予約 と連携しているGoogleカレンダーに予約が連携されない 63 - 該当の予約に対してGoogle カレンダーへの連携状態が どうなってるかみてみよう - 連携状態をどこで管理しているかCosenseで探す
Reservation GoogleCalendarEvent
読んでみよう:STORES 予約 と連携しているGoogleカレンダーに予約が連携されない 64 - schema.rbを見てそのモデルがどんな情報を持っている か確認 Reservation GoogleCalendarEvent
読んでみよう:STORES 予約 と連携しているGoogleカレンダーに予約が連携されない 65 - event_idがnilだった - おや?
読んでみよう:STORES 予約 と連携しているGoogleカレンダーに予約が連携されない 66 - どんなときにevent_idがnilになるのか
読んでみよう:STORES 予約 と連携しているGoogleカレンダーに予約が連携されない 67 - event_idの更新箇所や使われ方をgrepして探す - insert_to_google_calendar!の条件にnilがあるという ことは連携前ステータスを表現している可能性が高そう
読んでみよう:STORES 予約 と連携しているGoogleカレンダーに予約が連携されない 68 - 同期失敗してる可能性がある?
読んでみよう:STORES 予約 と連携しているGoogleカレンダーに予約が連携されない 69 - 同期失敗してる可能性が高い
読んでみよう:STORES 予約 と連携しているGoogleカレンダーに予約が連携されない 70 - 同期失敗してる可能性が高い - レコードを見るとsuspended? == true
読んでみよう:STORES 予約 と連携しているGoogleカレンダーに予約が連携されない 71 - suspended? == true になる条件は? -
Cosenseにあった - 連携失敗するパターンがいろいろあり見落としていた
コードを読む 72 仮説を立てる、コードを見る、コードを書き換える、コー ドを実行する、結果を見る、のループ
コードを読む 73 これはお仕事以外でやったことがある! OSSのコードリーディングと同じ
コードを読む 74 - OSSでのコードリーディング - 作者不在だったり気軽に聞けないこともある - ドメイン知識がない - わかるまで分解するために大量にコメントした
- インプットとして何を入れたら何が起こるのかを見た - お仕事のコードリーディングも同じ
コードを読む 75 - 読んで触ると理解が進む - コードベースのクセに慣れる - でもコードを読まずに分かることもたくさんある - アプリの挙動を知っていればコードをみたときに挙
動から何をしているのか想像がつく - 事前情報によってコードの可能性が狭まる
コードを読む 76 - 概要はコードを読まずに理解! - 詳細はコードを読んで理解! - コードを読んだら次は読まなくて良いようにドキュメン トを残したりリファクタリングしたりしよう
コードを読む 77 基本に忠実であることが New Engineering に繋がる
デバッグ 78 - binding.irb - 対話環境を起動 - RSpec経由で実行することが多い - Debugにシームレスに移行することもできる
- grep - LSP - Solargraph
読んでみよう:STORES 予約 と連携しているGoogleカレンダーに予約が連携されない 79 - 問題の切り分け - 連携日時前の予約に関する問い合わせではないか - STORES
予約 の仕様上連携日時開始前の予約は 連携されない - 連携日時開始前ではない