Microsoft 365 Copilotエンドユーザー教育の世界

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Japan Microsoft 365 コミュニティ カンファレンス 2024での登壇資料

Transcript

1. #JapanM365CC2024 Nov, 28. -30. 2024 Microsoft 365 Copilot エンドユーザー教育の世界 Kaz Asada | しがない情シス Sumitomo Corporation #A09
2. #JapanM365CC2024 自己紹介 ▪ 大阪生まれ、大阪育ち。住友商事株式会社入社 後、広報部でグローバルコーポレートサイト運用、 SNS立ち上げ、イントラネットリニューアルプロ ジェクトなど制作系業務を経て、新聞・TV記者と 相対するメディアリレーションズ従事 ▪ 2022年10月よりIT企画推進部にて、Microsoft 365やイントラネット、生成AI等のコラボレーション システムを中心としたアプリケーション企画・運 用・保守に従事 ▪ 広報部の経験から、PR理論やユーザー感情起 因の発想を用いたCopilot展開を実施 Japan Microsoft 365 2024 コミュニティ カンファレンス 2 @kasada0901 @kazuaki asada Kaz Asada | しがない情シス Senior Associate, IT Planning & Promotion Dept., Sumitomo Corporation
3. #JapanM365CC2024 9000人の展開やってます。。。 Japan Microsoft 365 2024 コミュニティ カンファレンス 3 住友商事 Copilot Microsoft 365 Copilot
4. #JapanM365CC2024 1年で徹底定着まで持って行くデスマーチ Japan Microsoft 365 2024 コミュニティ カンファレンス 4 Empowering Every Employee with Copilot to 全ての役職員がCopilotを活用し、 各人のポテンシャルを開放する 2024年4月よりグローバル約9000 人の役職員で一斉利用開始 *国内: 約6,000人、海外: 約3,000人 「使わない人こそ使ってもらう」のもと、 1年間で全社員の活用・定着まで 持って行く
5. #JapanM365CC2024 Copilot、いまアツくていいですよね！ Japan Microsoft 365 2024 コミュニティ カンファレンス 5 Biz Chat 社内データをソースにしたマルチ ターンチャット Excel データの分析と視覚化 OneDrive ドキュメントの要約・比較 Loop コラボレーションコンテンツの要約 や再構成 コンテ や要 Word ドキュメントの自動生成や下書き 作成 Outlook メール内容の自動作成および応 答文の提案 SharePoint テキストの生成やページ内容の自 動生成 Teams 会議の要点やアクションアイテム のリアルタイム生成 PowerPoint プレゼンテーションスライドの自動 生成 Excel チャット内容の要約や情報整理 Biz Chat スケジュール設定されたプロンプト 応答 メール トの抽 Excel Copilot in Excel with Python による高度なデータ分析 Microsoft 365 Copilot
6. #JapanM365CC2024 でも、展開の話あんまり聞かなくない、、？ Japan Microsoft 365 2024 コミュニティ カンファレンス 6 ▪ 機能やビッグウェーブ感はワクワクする！ ▪ 日本はグローバルでもM365 Copilotの導入数 が多い（らしい） ▪ だけども展開や実際に活用している企業事例 なかなか聞かないのなんで？ A. みんなめちゃくちゃ苦労 してるから
7. #JapanM365CC2024 アジェンダ 1. 改めて考える Microsoft 365 Copilotとは 2. 脱！！！プロンプト・自社ユースケース 3. しがない情シス流 M365 Copilot展開の考え方 Japan Microsoft 365 2024 コミュニティ カンファレンス 7 本セッションは多分に私見が含まれます。 技術的な観点ではなく、展開の思想が中心になります。 苦労話はすべてお話ししますのでどんどん質問ください。
8. #JapanM365CC2024 改めて考える Microsoft 365 Copilotとは 生成AI、Copilotをどのように捉えていけばいいのか
9. #JapanM365CC2024 オフィスワーカーとテック Japan Microsoft 365 2024 コミュニティ カンファレンス 9 生成AI、Copilotは近い将来 1人に1ツールとなる未来が高い確度で予想される
10. #JapanM365CC2024 Satya全力のCopilot Japan Microsoft 365 2024 コミュニティ カンファレンス 10
11. #JapanM365CC2024 Officeツール組み込みの意義 Japan Microsoft 365 2024 コミュニティ カンファレンス 11 ナレッジワーカーのタスクに 占めるOfficeツールの利用割合 60% ナレッジワーカーは業務の60%をメールや社内会議、 情報検索、資料作成などに充てている（2012, McKinsey） The social economy: Unlocking value and productivity through social technologies | McKinsey Other Tools コンテキストスイッチ（アプリ間の移動）による Microsoft 365 Copilot
12. #JapanM365CC2024 Microsoft 365 Copilotの効果 Japan Microsoft 365 2024 コミュニティ カンファレンス 12 能力向上 Copilotとの日々の対話を通じて、 持ち合わせない知識や発想の 獲得につながる 情報活用 Copilotを通じて 社内(Microsoft 365)に散在する 情報を有効活用できる 心理的安定 Copilotの存在により 心理的ストレスの低減や 学習意欲の向上につながる 時間削減 Copilotにより情報検索や文書・資 料作成、分析業務における効率化 を実現する クオリティ向上 Copilotにより情報の幅・正確性を 向上させ、アウトプットの質を向上さ せる ROI 観 点 副 次 的 効 果
13. #JapanM365CC2024 とは言いながらも ▪ そもそもMicrosoft 365の使い方は人それぞれ ▪ 例えば、取引先との打ち合わせメモを作るとしても人によってさまざまなや り方がある Japan Microsoft 365 2024 コミュニティ カンファレンス 13 Outlook Teams Excel Word ▪ M365の正しい利用方法を正しく広めたものだけが、Copilotでユースケー スを追い求めなさい by しがない情シス
14. #JapanM365CC2024 ×Copilotでユースケースは無限大 Japan Microsoft 365 2024 コミュニティ カンファレンス 14 以下の一連のインシデントのやり取りから、部長 への報告メールを作成したいので、まずは観点を 整理して 観点は以下です。～～～ ありがとう。その観点に、◦◦も足して、報告メー ル文面を作成してください。 自然言語での扱いやすさ アップデートスピードの速さ・多さ
15. #JapanM365CC2024 ×Copilotでユースケースは無限大 Japan Microsoft 365 2024 コミュニティ カンファレンス 15 以下の一連のインシデントのやり取りから、部長 への報告メールを作成したいので、まずは観点を 整理して 観点は以下です。～～～ ありがとう。その観点に、◦◦も足して、報告メー ル文面を作成してください。 自然言語での扱いやすさ アップデートスピードの速さ・多さ ユースケースなんか特定できるわけもなければ 特定している間にアップデートで消えていく
16. #JapanM365CC2024 ワーストケースの例：自社の反省を添えて ▪ 自社専用のユースケースを特定するんじゃい！（私は発起人では ない。重要） ▪ 議事録で逐語訳作るためにトランスクリプトファイルをきれい にするんじゃい！（なぜなのか） ▪ 旧Copilot in Bingに添付してコードインタープリターで実行！ 専用長文プロンプトも完備！（危ないにおい） ▪ 9/16のCopilot Wave 2でCopilot in Bingの仕様が変わり、 実行できなくなり、一瞬でユースケース終了 Japan Microsoft 365 2024 コミュニティ カンファレンス 16 反省 心血注いで創り上げたプロンプトは、 モデルと機能のアップデートですぐに腐る
17. #JapanM365CC2024 脱！！！ プロンプト 自社ユースケース プロンプトエンジニアリングと自社専用ユース ケースはポケットにしまっておきましょうね。 エンドユーザーに提供するものではないよ。
18. #JapanM365CC2024 安直なユーザー教育やめませんか？ Japan Microsoft 365 2024 コミュニティ カンファレンス 18 授人以魚 不如授人以漁 by 老子 人に魚を与えれば一日で食べてしまうが、 釣り方を教えれば一生食べていける プロンプトやユースケース（≒餌）を与え続けると、社員は自分 でCopilotを使えなくなってしまう。 情シスがやるべきは、足元だけの利用 率向上ではなく、中長期的に見て、 Copilotを使って社員が、会社が変革し ていくようにすること =社員が操縦士となれるようにすること
19. #JapanM365CC2024 まずはユニバーサルタスクの効率化から ▪ Microsoft 365 Copilotは、Microsoft 365を「正しく」利用するケースを想 定されて作られたソリューション ▪ 自社のよくわからない独自利用方 法に無理矢理Copilotを適用させる のは無理がある ▪ まずは①ユニバーサルタスクでの活 用と②独自利用のRestructuringを すすめていくべし Japan Microsoft 365 2024 コミュニティ カンファレンス 19 ・一般オフィス業務 ・検索 ・学習 ・校閲 ・アイデアだし ・迅速な作成とレビュー ・規制/コンプライアンス ・ビジネスインテリジェンス ・法律アドバイス ・技術資料 ・プロダクションコード ・医学的診断 ・ニッチなアプリケーション ・ゲームやポエム、画像生成 ・専門的な技術的アドバイス 需要高 需要低 専門性低 専門性高 M365 Copilot ユニバーサルタスク 本当にその業務のやり方がいるのか？一般的なやり方に寄 せられないか？ Fit to Standardの重要性
20. #JapanM365CC2024 （余談）オンコパ紹介 Japan Microsoft 365 2024 コミュニティ カンファレンス 20 ▪ いままでは音声入力の情報ママ利用できず、音声入力の価値が低かった ▪ Copilotがある今、音声入力の精度が低い状態でも、Copilotでリライトできる！ ▪ 有効活用できていなかった時間を活用できるようになる！ こんちはスミトウ商事の さだです。 音声入力 リライト 端末側の音声認識 こんちはスミトウ商事の さだです。 こんにちは、 住友商事の浅田です。 音声入力 リライト 端末側の音声認識 文脈を理解して誤字 脱字を修正して 音声×Copilot オンコパの世界 - Speaker Deck
21. #JapanM365CC2024 21 Japan Microsoft 365 2024 コミュニティ カンファレンス 21 Created by パチンコフォントメーカー(jagarikinさん)
22. #JapanM365CC2024 しがない情シス流 M365 Copilot展開の考え方 この考え方はあくまでも私、しがない情シスの考え方です。
23. #JapanM365CC2024 バンドワゴン効果 Japan Microsoft 365 2024 コミュニティ カンファレンス 23 TED Talks 「How to start a movement」 https://www.ted.com/talks/derek_sivers_how_to_start_a_movement
24. #JapanM365CC2024 M365 Copilotを展開するならムーブメントを作れ Japan Microsoft 365 2024 コミュニティ カンファレンス 24 ムーブメントを作り、すべての社員がCopilotの話をし、 見聞き、利用する「当たり前」の状態を作り出す。 not「使わせる」, but「使いたくさせる」 マーケティング・PR理論を応用し、 ユーザーの理解度、活用度に応じた情報を、 適したタイミングで発信していく さまざまなチャネルを準備して、 タッチポイントを最大化することで、 ユーザーの多様な業務スタイルでも情報を届け きる 意欲のあるユーザーをChampionとして 巻き込み、全社のムーブメント拡大に 協力してもらい、カルチャー変革を起こす
25. #JapanM365CC2024 なぜムーブメントか Copilotの利用方法はさまざまで、す ぐに現行機能が変わったり、新機能 が追加されていく 01 情シスが頑張ってユースケース・プロ ンプトを準備しても、そもそも社員の 利用方法のほんの一握りになってし まう 02 加えて、ユースケースやプロンプトは すぐに腐ってしまう 03 Japan Microsoft 365 2024 コミュニティ カンファレンス 25 ▪ ムーブメントを創り上げることで、情シスの展開活動だけでなく、ユーザー間で の拡大による認知最大化を実現する ▪ ムーブメントの大きな動きの印象から、内発的動機を喚起する ▪ どうユーザーを巻き込むか、興味を持たせるかを先に考える
26. #JapanM365CC2024 ファネル理論 ▪ ユーザーのCopilot利用にはステップが存在することを認識する Japan Microsoft 365 2024 コミュニティ カンファレンス 26 認知 理解 活用・定着 変革・共有 変 容 前 ア ク シ ョ ン 例 変 容 後 • Copilotが何かわからない • Copilotがどのように利用できるかわ からない • メールマガジン • ポスター • イントラ通知 • マネジメントメッセージ • Copilotが何かわかる • 自分が利用できることがわかる • Copilotを試してみようと思う • Copilotの具体的な機能がわからな い • ユースケースがわからない • 理解を深めるための情報が足りない • メールマガジン • ポータル、コミュニティ • スキルアップセミナー • 各アプリでのCopilotの機能がわかる • ユースケースをイメージできる • Copilotを業務で実利用しようと思 う • 常にCopilotを活用する思考がない • 実業務において効果のあるCopilot の利用方法がわからない • 効果を感じられずCopilotの利用を やめる • メールマガジン • ポータル、コミュニティ • ハンズオンセミナー • 1on1コンサルテーション、FAQ会 • 常にCopilotを利用する意識を持つ • Copilotの効果を最大化するために 個々人での業務変革を行う • チームワークでCopilotを活用できな い・受容されない • モチベーション維持が難しい • ポータル、コミュニティ • 1on1コンサルテーション、FAQ会 • ネットワーキング • Copilotの機能・効果を正しく伝えら れ、組織レベルでのBPRを推進でき る • 活用事例を共有し、社内での発信 者となる
27. #JapanM365CC2024 キャズム理論 ▪ 社内のユーザーを一口にとらえるのではなく、キャズム理論に沿って、 Copilot利用開始までにラグがあることを認識する ▪ 利用開始前にはイノベーター層を取り込みつつも、後続の層を取り込むべ く継続して認知・理解活動は続けていく Japan Microsoft 365 2024 コミュニティ カンファレンス 27 ア ー リ ー ア ダ プ タ ー ア ー リ ー マ ジ ョ リ テ ィ レ イ ト マ ジ ョ リ テ ィ イ ノ ベ ー タ ー ラ ガ ー ド 2.5% 13.5% 34.0% 34.0% 16.0% キ ャ ズ ム （ 谷 ） ▪ イノベーター、アーリーアダプター は想起に取り込み、ムーブメントづ くりの仲間とする（=Champion） ▪ レイトマジョリティ・ラガードは、半 年たっても全く利用しない可能性 あり
28. #JapanM365CC2024 28 Japan Microsoft 365 2024 コミュニティ カンファレンス オンライン/対面での相談会や、大 手町各フロアごとの出張相談会、 個別組織向けセミナー、マネジメン ト向けハンズオンなど 外部パートナーよる初学者向けセミ ナー 各種アプリの機能やTips、 新機能を速やかに共有すべく 6月より週2(現在は週1)開催する オンラインセミナー 執務エリア内にポスターや、食堂・ EVサイネージで動画を掲載し、視覚 面からCopilotの認知拡大 週次のグローバルメールマガジン でCopilotの使い方や新機能、 セミナーなどの情報を共有 汎用的なユニバーサルタスクのケースを 日英合わせて共有するプロンプトアプリ Copilot専用のコミュニティ・ポータルで質疑やTips共 有、過去のセミナー録画などを共有 Microsoft 365 Copilot
29. #JapanM365CC2024 Copilot Championsの重要性 Japan Microsoft 365 2024 コミュニティ カンファレンス 29 事務局（ IT） Champions End Users • Copilotをよく使っている、Copilotが好きなど前向きな意欲のある、または業務課題感のあるユーザー を • 全社のムーブメントづくりの仲間・現場の隣人として、事務局からの させる 、レイトマジョリティやラガードなどの 教育 伝播・環流 雑談・相談 フィードバック
30. #JapanM365CC2024 推進担当者がすべきこと/持つべき姿勢 Japan Microsoft 365 2024 コミュニティ カンファレンス 30 ▪ 自社のペルソナを考える ▪ マネジメントを巻き込む ▪ 媒体を持つ組織（経企・人事・広報）を巻き込む ▪ クリエイティブから訴求する（わくわく感） ▪ 常に自分がピエロとなり認識される ▪ 積極的にコンサルしに行く ▪ 新機能共有など即時性がイベント感を出す ▪ 失敗は臆さない！ライブデモでライブ感を出して魅了する
31. #JapanM365CC2024 まとめ ▪ 生成AI（Copilot）は確実にすべてのオフィスワーカーに当たり前になる （ないと社員の不満につながったり、競争力の低下につながる） ▪ 今まで通りのシステムの展開活動はCopilotにフィットしない！ ▪ 情シスで活動するよりは、広報や社内インフルエンサーなど、話すことに臆 さない人を巻き込んだ方がいいかもしれない ▪ Copilot展開にはマーケティングの発想をもって、内発的動機を喚起できる 環境をまずは作り出す！ Japan Microsoft 365 2024 コミュニティ カンファレンス 31
32. #JapanM365CC2024 32 Japan Microsoft 365 2024 コミュニティ カンファレンス 32 Thank you...
33. #JapanM365CC2024 33 フィードバックにご協力ください ご視聴をありがとうございました! 運営チームメンバー、登壇者、サポートメンバーに対する 暖かいフィードバックをお待ちしております。 次回の開催は未定ですが、フィードバックの内容によっては次回の開催も検討いたします。 イベント全体に対するアンケート 本セッションついて参考になった点や 感銘を受けた点、もっと知りたかったことなどをお寄せください。 本セッションに対するアンケート