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contenteditableと向き合う

kichion
September 06, 2024

 contenteditableと向き合う

contenteditableと向き合うためにADRやDesign Docsを使って奮闘している様子を表現した資料です

フロントエンドカンファレンス北海道2024スポンサー企業の3社による非公式の有志イベントである「フロントエンドカンファレンス北海道2024後夜祭@東京」での登壇資料です
refs: https://yumemi.connpass.com/event/326311/

kichion

September 06, 2024
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Transcript

  1. © LayerX Inc. 4 菊池 翔(kichion) 自己紹介 • 株式会社LayerX ◦

    バクラク請求書発行 / バクラク電子帳簿保存 ▪ エンジニアリングマネージャー • バックエンド経験の方が長いにわかフロントエンド • プレイングマネージャーとして奔走 • 趣味: 二人の子供と遊んだり、エンタメ消費したり    @kichion • Podcast: 完全理解.FM
  2. © LayerX Inc. 5 菊池 翔(kichion) 自己紹介 • 株式会社LayerX ◦

    バクラク請求書発行 / バクラク電子帳簿保存 ▪ エンジニアリングマネージャー • バックエンド経験の方が長いにわかフロントエンド • プレイングマネージャーとして奔走 • 趣味: 二人の子供と遊んだり、エンタメ消費したり    @kichion • Podcast: 完全理解.FM with @nus3
  3. 10 © LayerX Inc. 事業紹介 稟議・支払申請・経費精算 仕訳・支払処理効率化 法人カードの発行・管理 帳票保存・ストレージ 帳票発行

    * 経費精算のSlack連携は申請内容の通知のみ ・AIが領収書を5秒でデータ化 ・スマホアプリとSlack連携あり ・領収書の重複申請などミス防止機能 ・AIが請求書を5秒でデータ化 ・仕訳・振込データを自動作成 ・稟議から会計までスムーズに連携 ・年会費無料で何枚でも発行可 ・インボイス制度・電帳法対応 ・すべての決済で1%以上の還元 ・AIが書類を5秒でデータ化 ・あらゆる書類の電子保管に対応 ・電子取引・スキャナ保存に完全対応 ・帳票の一括作成も個別作成も自由自在 ・帳票の作成・稟議・送付・保存を一本化 ・レイアウトや項目のカスタマイズも可能
  4. 11 © LayerX Inc. 事業紹介 稟議・支払申請・経費精算 仕訳・支払処理効率化 法人カードの発行・管理 帳票保存・ストレージ 帳票発行

    * 経費精算のSlack連携は申請内容の通知のみ ・AIが領収書を5秒でデータ化 ・スマホアプリとSlack連携あり ・領収書の重複申請などミス防止機能 ・AIが請求書を5秒でデータ化 ・仕訳・振込データを自動作成 ・稟議から会計までスムーズに連携 ・年会費無料で何枚でも発行可 ・インボイス制度・電帳法対応 ・すべての決済で1%以上の還元 ・AIが書類を5秒でデータ化 ・あらゆる書類の電子保管に対応 ・電子取引・スキャナ保存に完全対応 ・帳票の一括作成も個別作成も自由自在 ・帳票の作成・稟議・送付・保存を一本化 ・レイアウトや項目のカスタマイズも可能
  5. 13 © LayerX Inc. ADRで向き合う 稟議・支払申請・経費精算 仕訳・支払処理効率化 法人カードの発行・管理 帳票保存・ストレージ 帳票発行

    * 経費精算のSlack連携は申請内容の通知のみ ・AIが領収書を5秒でデータ化 ・スマホアプリとSlack連携あり ・領収書の重複申請などミス防止機能 ・AIが請求書を5秒でデータ化 ・仕訳・振込データを自動作成 ・稟議から会計までスムーズに連携 ・年会費無料で何枚でも発行可 ・インボイス制度・電帳法対応 ・すべての決済で1%以上の還元 ・AIが書類を5秒でデータ化 ・あらゆる書類の電子保管に対応 ・電子取引・スキャナ保存に完全対応 ・帳票の一括作成も個別作成も自由自在 ・帳票の作成・稟議・送付・保存を一本化 ・レイアウトや項目のカスタマイズも可能
  6. © LayerX Inc. 14 前提になる要望 商品などの金額を「単価×個数」で計算できる状態になっていたが、 一部のお客様では「単価×個数×(なにかの数値)」で金額を出したいケースがある 例: 新聞の契約に対する金額 =

    「新聞単価×部数×契約月数」 バクラク請求書発行での事例 ADRで向き合う ECなどの業種では相殺という考え方で金額を出したいケースがある - 請求金: [お客様] ー(システム利用料金)→ [EC] - 支払金: [お客様] ←(預かり金)ー [EC] ←(購入代金)ー [購入者] 例: 実際に請求する or 支払う金額 = 請求金 - 支払金        😱お客様ごとで金額を出すというだけでも多種多様な要求が出てきていた
  7. © LayerX Inc. 17 実際の完成形イメージ input(に見える部分)で - 数字 - 四則演算子

    - 括弧 の入力 選択式で変数を入力させる シンプルな構成 (実はキーボード入力から変数入力 させようとしたけど「誰が使うん だ?」ってなって辞めた) バクラク請求書発行での事例 ADRで向き合う
  8. © LayerX Inc. 25 キーボード操作の独自実装による対応 今までinput, textareaで気にしなくてよかったキー操作をほぼ再実装しないといけない… 矢印キーの操作・cmd+(any)・shift+(any)・backspace・Pgup/Pgdn・Home・etc... 大いなる力には、大いなる責任が伴う クリップボードへの独自実装による対応

    HTML属性のものは受け入れられてしまうので適切にコントロールしないといけない… WYSIWYGエディタなら適切に見出しやリストなどに置換しないと操作性に難が出る contenteditable 日本語 IME への独自実装による対応 OSSライブラリは多くあれど、日本語 IME 向けの対応は個別で行わないといけない… (後に知ったが、onCompositionStart/End 使うとコントロールしやすくて良さそう)
  9. © LayerX Inc. 28 選択肢1: inputを使って、変数はプレースホルダーで入力させる 選択肢を上げてみる ADRで向き合う pros 😆

    cons 🤮 - 式の視認性が悪い - 何かしらの拡張時は辛そう - 入力側の負担が辛そう - 爆楽ではない - 実装は簡単そう - キーボード操作も問題ない - 圧倒的シンプル 波括弧で括った内容を変数とみなした文字列で計算式を構築する 項目変数 ▼
  10. © LayerX Inc. 29 選択肢2: inputを使って、変数はスペースを表現したWeb fontで入力させる 選択肢を上げてみる ADRで向き合う pros

    😆 cons 🤮 - 文字数に合わせたfontを用意する - 項目名はユーザが指定する仕様 - 読み込み速度や FOIC/FOUC の問題 - 事例が多くないので不確定要素あり - 視認性は良さそう - キーボード操作も問題ない - シンプル 変数部分は幅調整したスペースを埋め込んで計算式を構築する (※ LINE Engineering Blogを大いに参考に[丸パクリ]) 個数 単価 項目変数 ▼
  11. © LayerX Inc. 30 選択肢3: contenteditableでいい感じにする 選択肢を上げてみる ADRで向き合う pros 😆

    cons 🤮 - キーボード操作の再現が必要 - キャレットなど細かな実装が必要 - コード上で複雑化しやすい - HTMLのスタイリングが適用できる自由度 - 実装の自由度が高い - 社内事例がある - (筆者がちょっとやってみたくなっている) 変数部分は<div>でスタイリングして計算式を構築する 個数 単価 項目変数 ▼
  12. © LayerX Inc. 31 決断 ADRで向き合ってみる ADRで向き合う 計算式で変数を伴う四則演算式を扱うWebエディタでは「contenteditable」を使う 計算式の特性上使う演算子や数字・変数が限られていることで細かなキーボード操作を再現しなくても良い とした

    💡文脈と決断をADRとして残すことで後続に意思を伝える バクラクでは複数プロダクトが展開されており、ほかプロダクトのUIを参考にするケースも多いため、文脈を 意識して使わないと思わぬ罠にハマる可能性もある → 不用意な転用を避ける意味でもADRで書き残しておくことが有効
  13. © LayerX Inc. 33 仕様 計算式リッチエディタを考えてみる ADRで向き合う テキストとして - 数字

    - 四則演算子 - 括弧 が入力できる 項目の変数が選択されると タグ的な表現で入力される あと、 なるべく楽に扱えるように…
  14. © LayerX Inc. 34 計算式リッチエディタを考えてみる ADRで向き合う 個数 単価 項目変数 ▼

    項目変数や演算子はdivで入力不可なブロック、テキスト部分はcontenteditableなブロックで考えると… (空白)    () (空白) × (空白) (空白) 個数 単価
  15. © LayerX Inc. 39 矢印キーやcommand + 矢印キーの入力 ADRで向き合う ブロックをまたぐ移動をしたいので、2区間 の移動を表現したり…

     例: 左矢印入力 青矢印の位置にいるとして、先頭に移動した いときは、入力不可のブロックをまたぐ (空白)    () (空白) × 123 個数 (空白)    () (空白) × 123 個数
  16. © LayerX Inc. 42 紹介してる以上にいろいろ考慮があって本当に大変 - 数値入力中のキャレット管理 - 演算子や数値をフォントとして見た目を整える -

    (やれたら)Undo, Redo でもなんかいい感じのエディタ作れたので満足です index、sections、キャレットの状態管理… 俺は何がしたかったんだろうか 😇 ADRで向き合う
  17. © LayerX Inc. 45 辛さはあれど、用法用量を守って使えば強いプロダクトの下地になる とはいえ辛いものは辛い… contenteditableで広がる可能性 終わりに 技術の向き合いとしてADR, Design

    Docsが重要 意思決定のプロセスや実装に隠された抽象概念はドキュメンテーションの意義が高く 過去を振り返り、現在の選択を見直すための重要な材料になる また、技術的であったりドメイン的に新規のものや慣れていないものだからこそ トレードオフを整理してみんなで改善できるような状態を作っていく Appendix
  18. © LayerX Inc. 46 LayerX Open Door アカウント登録が一切不要なカジュアル面談を公開しています。 ・私と雑談してみたい ・質問したいことがある

    ・選考に進むか悩んでいる などなど、お気軽にお申し込みください。 9/18(水)@東京&オンライン配信 LayerXがどのようにNext.jsを活用し、価値あるプロダクトを生み出すため に取り組んでいるか、その具体的な手法を紹介します。 ゲストとして、業界をリードするエンジニアの Hiroppy氏、Quramy氏をお迎えして開催!