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春だ!既存プロダクトのWebアクセシビリティ改善ことはじめ

Rikiya Ihara
April 09, 2021
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 春だ!既存プロダクトのWebアクセシビリティ改善ことはじめ

Rikiya Ihara

April 09, 2021
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Transcript

  1. そのあとどうするか:「新規」プロダクトの場合
 6 • 三種の神器(人、合意、ツール)が揃えば自走し始める (freee Developers Blog) 
 • やっていこうという人がチーム内にいる


    • アクセシビリティが「満たすべき品質」としてキックオフ時に定義され、チーム内で 合意されている
 • アクセシビリティを高めるためのデザインシステム、ガイドライン、チェックリストを ベースに開発が進行できる

  2. 既存プロダクト改善における有効打(仮説)
 8 • まずは既存プロダクトに関わるチームで現状把握をする
 ◦ 自分たちが日々触っているところがどのレベルなのかを
 みんなで把握できることが土台となる
 • 機能的にコアなところを見定めて、そこからチェックする
 ◦

    現状把握するにしても、全部をチェックすると大変。
 使えないと詰むところを定義し、そこからチェックする
 • 「改善難易度」「ついでに乗れる波」「改善結果のまとまり」の
 バランスでロードマップを決める(後述)

  3. ①提供形態ご との画面リスト を作る
 ②使えないと 致命的かをス コア付けする
 ③Aに対して チェックリスト でチェックする
 ④結果をもと

    に対応難易度 を見積もる
 ⑥やっていき 順番を決める
 A:ユーザーサイド ⑤直近で手を 入れる予定を 確認する
 11 「現状把握する」 & 「対応箇所検討する」
 B:技術サイド
  4. ①提供形態ご との画面リスト を作る
 ②使えないと 致命的かをス コア付けする
 ③Aに対して チェックリスト でチェックする
 ④結果をもと

    に対応難易度 を見積もる
 ⑥やっていき 順番を決める
 A:ユーザーサイド ⑤直近で手を 入れる予定を 確認する
 12 「現状把握する」 & 「対応箇所検討する」
 B:技術サイド
  5. ①提供形態ご との画面リスト を作る
 ②使えないと 致命的かをス コア付けする
 ③Aに対して チェックリスト でチェックする
 ④結果をもと

    に対応難易度 を見積もる
 ⑥やっていき 順番を決める
 A:ユーザーサイド ⑤直近で手を 入れる予定を 確認する
 14 「現状把握する」 & 「対応箇所検討する」
 B:技術サイド
  6. ⑥やっていき順番を決める
 15 どの提供形態の Web-PC, Web-モバイル, iOSアプリ, Androidアプリ… どの機能単位(画面)の サインアップ、ログイン、チュートリアル、ホーム、エディタ、投稿管理、設定、記事本 文…

    どのアクセシビリティ観点を 例1:操作方法やモダリティ(視覚・聴覚…)の単位:キーボード操作、スクリーンリー ダー、コントラスト、拡大やhover、動画や音声の字幕 
 例2:「チェッカーで見つかった範囲を潰す」といった手法単位 どんなやりかたで、 
 いつまでにやるか 例1:機能追加やリニューアルに乗じていっしょに 
 例2:目標設定をして、時間を一定割いて 
 例3:品質改善活動や20%ルール的な時間を使って 
 例4:デザインシステムの適用と一緒に 
 (※この場合はデザインシステムのアクセシビリティ担保が先に必要) 対応結果をどう評価するか 例:チェッカーの通過、開発チーム内でチェックリストでチェック、QAチームによる チェック、障害当事者によるユーザビリティテスト
  7. ①提供形態ご との画面リスト を作る
 ②使えないと 致命的かをス コア付けする
 ③Aに対して チェックリスト でチェックする
 ④結果をもと

    に対応難易度 を見積もる
 ⑥やっていき 順番を決める
 A:ユーザーサイド ⑤直近で手を 入れる予定を 確認する
 18 「現状把握する」 & 「対応箇所検討する」
 B:技術サイド
  8. 33 きょうのチェック対象ページ
 • やまさんの森
 https://yama3nomori.jp/
 • VANDLE CARD
 https://vandle.jp/
 •

    宇部興産株式会社
 https://www.ube-ind.co.jp/ube/jp/index.html
 • きょうのConnpassイベントページ
 https://connpass.com/event/208365/ 

  9. アクセシビリティー・チェックに使うツール (1 / 2)
 • スクリーンリーダー
 ◦ freee では Chrome

    + NVDA の組み合わせを標準にしています
 ▪ PC-Talkerのほうがユーザーは多いかも(多いはず)
 ▪ WAI-ARIAの新しめの仕様が使えて無料
 ▪ しかし今日はMacのVoiceOverでデモします
 • axe
 ◦ アクセシビリティ上の問題を発見してくれるチェッカー
 ◦ LighthouseのAccessibilityも中身はaxe
 ◦ すべての問題が見つかるわけではないので過信しすぎないこと
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  10. アクセシビリティー・チェックに使うツール (2 / 2)
 • ブックマークレット
 ◦ 一部のチェックには専用ツールとして用意している
 • コントラストチェッカー


    ◦ カラーコードを入力するとコントラスト比を計算してくれる
 ◦ freeeでは WebAIM Contrast Checker を標準としている
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  11. チェックの流れ (1/4) – axe
 • ひとまずaxeを実行して、拾いやすいチェック項目を拾っていく
 ◦ 文字のコントラスト比
 ◦ フォームのラベル


    ◦ 画像やアイコンの代替テキスト
 • モーダルやアコーディオンなど、画面の一部が切り変わる場合は、
 切り変わりの前後でもaxeを実行してみる
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  12. チェックの流れ (2/4) – キーボード操作
 • 画面で行える操作がすべてキーボードで実行できるか試してみる
 ◦ Tab / Shift+Tab

    で自然な順序でフォーカス移動できるか
 ◦ どこにフォーカスがあるのかわかる表示になっているか
 ◦ マウスホバーで表示されるようなものを開閉できるか
 ◦ 画面のすべての機能をキーボード操作のみで操作できるか
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  13. チェックの流れ (3/4) – スクリーンリーダー
 • きちんとしたチェックでは、Chrome + NVDA を使用してください
 ◦

    NVDAの操作方法については「スクリーン・リーダーを用いたチェックの実施 方法」というページにまとめてあります
 • 特にスクリーンリーダーでしかなかなかチェックできないものをチェック
 ◦ メッセージの自動読み上げ
 ◦ 独自で作ったUIやライブラリのUIが操作できること
 ▪ セレクトボックスっぽいやつとか
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