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企業における AIエージェント実装の現実戦略
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Daisuke Miyata
March 10, 2025
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企業における AIエージェント実装の現実戦略
2025年3月4日開催のPharmaX主催「LLM Night」の登壇資料
Daisuke Miyata
March 10, 2025
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Transcript
企業における AIエージェント実装の現実戦略 〜ワークフロー型 vs 完全⾃律型〜 株式会社エクスプラザ ⽣成AIエバンジェリスト / リードAIプロデューサー 宮⽥
⼤督
⾃⼰紹介 03 専⾨ AIxPM領域の知⾒発信 ⽣成AI技術の社会実装‧普及 02 経歴 令和トラベル:ノーコードAIでの⼤規模コンテンツ⽣成 Gaudiy:SNSエージェント実装 楽天‧メルカリでのPdM経験
01 宮⽥⼤督(みやた だいすけ)/ x: @miyatti ⽣成AIエバンジェリスト‧リードAIプロデューサー 株式会社エクスプラザ
取引先または取引先のサービス
令和トラベルでの旅⾏記事AIワークフロー開発 GaudiyでのSNSエージェント開発 観光地‧ホテルの魅⼒など旅⾏情報を⾃動で記事化 メジャー‧マイナー問わない多⽤な記事⽣成の実現 アイドルイベントSNSでのバーチャルアイドルボットの実装 キャラ設定を持ち、参加者の発⾔に⾃律的に返信。やりとりを記憶し投稿に反映する。 Dify(ワークフロー型)のエージェント設計 エンタメ要素として盛り上がる 令和トラベル以前のAIプロジェクト 引⽤
Generative Agents論⽂を参考にした⻑期記憶機構をもつLLMエージェント×⾮同期コミュニケーションの実装 https://techblog.gaudiy.com/entry/2023/09/20/091704 引⽤ ハナスト https://hanasuto.carekarte.jp/
例:Dify 事前にしっかり設計‧⼈間がある程度 コントロールするワークフロー型 ワークフロー型 例:Deep Research 指⽰を⼀度受けたら その後は⾃ら判断‧⾏動する⾃律型 完全⾃律型 AIエージェント:2つのアプローチ
どちらのタイプがいいのか?
【結論】「⻑期的なビジョン達成×短期的なクイックウィン」 理想: 「ドラえもんのように⾃律的なAGIエージェ ントが何でもやってくれる世界」 しかし、いきなりそこを⽬指すと⼤きな投資リスクと成 果の不透明さがつきまとう。 ビジョンとロードマップの両⽴が鍵
第1部: ⾃律型エージェント体験談 柔軟な判断と予想外のアクション
しかし、実は今いちばん⾝近に使える ⾃律型エージェントツール コーディング以外にも、仕様書の作成やリサーチ などのサポートをしてくれる エージェントモードというチャット機能がまさに 「⾃律型エージェント」のソリューション ⼀般的にはエンジニア向けのAIエディター チャットでAIに相談して、コードをかいてもらえ る コーディング中にプログラミングをアシストして
くれる Cursorとは?
こんこあとスーパーで買い物していく 今⽇の⼣⾷カレー やりたいことメモ 例:⼣飯の準備をCursorに丸ごと任せてみる 実際にCursorを使って「カレーの⼣飯を作る」タスクを丸ごとアシストしても らう
勝⼿にファイルの作成などをどんどんすすめる Cursorで⼣⾷の準備 ⼣⾷のおすすめレシピや、買い物リストなどのファイルを⾃動⽣成
事情変更:「19時以降しか調理できない」「にんじ んが切れていた」など AIが⾃動で勝⼿に、⼿元のメモファイルである plan.mdやtasks.mdの内容を編集して、保存してく れる プランの修正を依頼 ⾃律型エージェントなので臨機応変に判断し、 どんどん作業を進める
⾃律的な創造的⾏動が起きる 「タスク管理のなかで、⽇々の振り返りを⾏ってい るが、そこの反省から改善アプリをつくりはじめ る」など、予想外の成果 「勝⼿に頼んでもないのに、つまれた提案書作成タ スクをみて、実際にたたきを作り出した」 普段、Cursorをタスク管理に活⽤ 朝「おはよう」というと「今⽇のタスクはこちらで す」「締切が近いのでこちらをやりましょう」とタ スク管理やアドバイスをくれる。
毎⽇のTODO管理のアシストをCursorのエージェン トChatにお願いしている。 第1部:⾃律型エージェント体験談 (1/2) 1. 柔軟な判断と予想外のアクション
「Cursor(エージェント)がKPT(⽇々の振り返り)の反 省からTryとして、いくつか案をだしてくれた。その中で も、ToDoファイルを読み込んでリストとして表⽰するア プリを作ってくれたのにびっくりした。指⽰なしで『こう いうのが必要そうだから』と勝⼿に作ってくれた。これこ そ個⼈エージェントの理想形。悩みを解決するためにミニ マムなアプリを⾃ら作ってくれる。」(2025年2⽉20⽇) 実際のエピソード: KPTからミニアプリ開発へ 実例:⾃律型エージェントが
⽣み出したアプリ
None
LLMが誤情報を⾃信満々に⽣成 時には致命的なミスも引き起こす 指⽰が曖昧だと暴⾛しがち 「嘘情報で⾶⾏機に間に合わない」 「やばいファイル(レポジトリ)削除操作」 体験したやばかった例 第1部:⾃律型エージェント体験談 (2/2) 2. リスク‧制御の難しさ
「Cursorが重くなってしまい、エージェント とやりとりしてたら、いきなり暴⾛して数⽇ 分の作業データ、設定ファイル、チャット履 歴が全部消えた...バックアップもないし、完 全に無くなってしまった...」(2025年2⽉17 ⽇) 実際のエピソード:Cursorの暴⾛ ⾃律型エージェントの"じゃじゃ⾺"的側⾯
第2部: ビジネス現場での実装 ⼩さく成功例を作る
理想: 「ドラえもんのようにAGI的エージェントが 何でもやってくれる世界」 ビジョンは⼤事。
社内で「AIは結局使えない」という 認識が広まるリスク 1. なぜ"ビジョン型"だけでは危険? ⼤きな夢だけ追うと「成果が⾒えない」 → 失望が広がり、プロジェクトが⽌まる。 泥臭くともトップラインを伸ばす領域で 短期成果を⽬指す 2.
⼩さく成功例を作る クイックウィンを重ねていく → ⾃分も真似してみたいと、影響が広がる。 第2部:ビジネス現場での実装 (1/2)
2段階プロセスでクオリティアップ 記事⽣成サンプルを参考に、ワークフロー設計 Difyの活⽤ 品質がでない‧どこを直したらどう変わるか予測つかない 単純な⻑⽂プロンプト ChatGPT クイックウィンを⽬指して Difyとの出会い
Step1 記事構成の 設計をするブロック Step1 記事構成の 設計をするブロック Step2 構成にもとづき 実際に執筆するブロック まずは運⽤⾯が楽だった。⼀発プロンプトはどこをどうかえたらいいかがさっぱりわからない。構成までがお
かしいのか、その後記事⽣成がおかしいのか、区別がつきやすい ワークフローで構築された記事⽣成プロセス
クオリティの向上 ⼀発⽣成より明らかに⾼品質‧⾼⽣産性 CoTによるクオリティUP これが⾃然とCoT(思考連鎖)にな り、クオリティ向上が実現 記事⽣成というゴールに対し、良い 構成を考えるという戦略を検討 ⼈の介⼊を最⼩限に チャットのように何度もやり取りせ ずともよい
最初に1度⼈間がこういう記事を書 きたいとお願いする 他にもメリットが!
他社でも応⽤可能 クオリティの向上 ⼀発⽣成より明らかに⾼品質‧⾼⽣産性 ビジネスインパクト 検索流⼊も向上し売上アップへ直結 ⼈間による最終チェック1.5h/記事 → 安定的な品質確保 効率的なコンテンツ前後⽐10倍近くの⽣成速度向上 2か⽉で旅⾏ガイド400本をワークフロー型AIがサポート 令和トラベル事例 第2部:ビジネス現場での実装
(2/2)
エクスプラザのMark紹介 AIでのコンテンツ⽣成のオンボーディング(導⼊)が容易な ⽣成AIコンテンツ⽣成ツール「Mark」も内部的にはワークフロー型 UI/UXがシンプル 直感的な操作でスピーディにコンテンツを⽣成。プロ ンプト⼊⼒なくさくさくぽちぽち完成 ミニマムで効果的なパーソナライズ機能 過去の施策事例‧ターゲットのペルソナを簡単操作で 設定ができ、パーソナライズさせることが可能 プロによる導⼊‧オンボーディング⽀援
熟練したサクセスメンバーによる集中オンボーディン グで⽣産性向上までしっかりと伴⾛
ワークフロー型 完全自律型 おまかせ性 △ (部分自動) ◎ (理想の自動化) 危険性 ◎(コントロールしやすい) △
(誤動作対策コスト大) 開発難易度 低〜中(ノーコードOK) 高(技術,予算,責任所在問題) 適用範囲 複雑なコンテンツ/日常業務 予測不能タスク/創造性が必 要とされる場面 ワークフロー型 vs. 完全⾃律型 ⼿間はかかるがコントロールしやすいワークフロー型と おまかせだがリスクと難易度が⾼い⾃律型
第3部: ⼆軸戦略の提案 ワークフロー型と⾃律型を並⾏して進 化させ、最終的に統合する
Step1-A: ビジネス導⼊(ワークフロー型) Step1-B: パーソナルDX(⾃律型) コンテンツ⽣成‧ リード獲得など、 確実にROIが出せ る領域で開始 ノーコード(Dify) で誰でも改善
→ 早期の成功体験を 創出 クオリティコント ロールがしやす く、ビジネス展開 が容易 Cursor等を⾃分⽤ ツールとして⼩規 模にテスト ハルシネーション 許容範囲で実験 → 知⾒の蓄積 「有効プロンプ ト」「必要な制 御」を体感的に学 習 Step1 ワークフロー&⾃律型の⼆軸による並⾏スタート
Step2-A: ワークフロー型の組織展開 Step2-B: ⾃律型エージェントのチーム適⽤ 部⾨ごとにワーク フローを標準化、 ドメインスペシャ リストが⾃⾛ プロセスの洗練と ノウハウの共有‧
蓄積 個⼈実験で得た知 ⾒をチームに拡⼤ Cursorなどをつ かった業務⽀援の 仕組みを試験的に 導⼊ Step2 組織への横展開と拡張
将来的には完全なAGI 的⾃律型エージェント の活⽤を⽬指す 融合 社内DXでためた ⾃律型のノウハウと 実践で蓄積した ワークフローの知⾒ Step3 統合アプローチへの収束:
両アプローチの強みを⽣かした統合システム
⾃律型も「ゴール設計 + 実⾏ + フィードバック」というCoT的プロ セスが必要 エージェントが右往左往しないための事前仕様書(プロンプトド キュメント)が不可⽋ 完全⾃⽴型エージェントの開発も、結局⼈間が細かく事前設計する のは変わらない
チェインオブソウトなどのプロンプトエンジニアリングの考え⽅ → ⾃律型でも同様に重要 ワークフロー経験は無駄にならない ワークフロー型で学ぶエージェント制御の知⾒ ワークフローと⾃律型は融合する (1/2)
開発したワークフローは 無駄にならない ワークフローは⾃⽴型エージェントでも ツールとして再利⽤可能 インテリジェントワークフロー 既存のワークフローを⾃律型エージェント が最適な選択をする。 その場で、新た なワークフロー を⽣み出すこと
も。 ワークフローと⾃律型は融合する (2/2) ⾃律型エージェントがワークフロー型エージェントを指揮する
将来への布⽯ ⼀部では⾃律型PoCも並⾛し、 ⼿元での⽣産性改善の実験も⾏ う 確実なビジネス成果 Agentic Workflowで実務成果を 出し、社内外の期待を裏切らな い しかし、まずはクイッ
クウィンが必須 ビジョン(AGIエージェント)を確実に組織全体で強くもつ まとめ 夢に向かいながら現実的な⼆軸戦略で企業のAIエージェント活⽤を加速
パネルディスカッションもよろしくお願いします。 ご清聴ありがとうございました 「⼤きな夢を描きつ つ、今年はクイック ウィンで成果を出す」