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「誰一人取り残されない」 AIエージェント時代のプロダクト設計思想 Product Management Summit 2026

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mizushimac

April 28, 2026

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  1. Product Management Summit 2026 デジタル庁特別講演 Digital Identityとその認証認可の仕組みで デジタルの治安もよい日本へ 1億人以上が保有するマイナンバーカード スマートフォンにセキュアに格納できているデジタルIDを実現

    厳格な本人確認や属性証明が実現する安心安全の社会、デジタルの治 安もよい日本へ OIDC準拠のAPIベースのデータ連携のための認証認可基盤 パスキーの発行、再発行時にマイナンバーカードを使うユースケース が増加中 ID/PWはパスキーに置き換えられ、ルートの鍵や厳格な本人確認はマ イナンバーカードとなる世界観 このDigital Identityを「AIエージェント時代の本人確認・認可手段」 として応用していくことが必要 デジタル認証アプリ マイナンバーカード対面確認アプリ
  2. Product Management Summit 2026 デジタル庁特別講演 マイナアプリ、まもなく提供開始 「デジタル認証アプリ」の機能を統合し、より使いやすく。 2026年夏を目標に「マイナポータルアプリ」をアップデート。 iPhone /

    Android のマイナンバーカードが数百サービスで使えるように AIエージェント時代にも必要なトラストアンカーとしてのDigital Identityへ プッシュ型行政の住民接点へ(お知らせ機能の開発中) 政府の住民向けの公式エージェントに最適な可能性(構想中) デザインはリリース時に変更される可能性があります。
  3. Product Management Summit 2026 デジタル庁特別講演 本日のTakeawayの予定 AIエージェント時代のプロダクトチームの役割は、 「UIベースの価値提供」に加え「ベストプラクティスとAPIの配置によるマシンスピードの体験価値の創出」へ。 AI UX

    Value AI Front Architecture The AI “Build Trap” 顧客のAIのリテラシーに依存せず、「マ シンスピード」で顧客価値を還流できて いるか? AIで自動化された顧客から見えないオペ レーションこそが、UXの源泉ではない か? W eb時代に特化した「レガシーログイン 認証」を放置していないか? 人間だけでなく「AIエージェント」が扱 えるAPI・認証基盤がどういう体験を作 るかを設計しているか? AI プロダクトのカンブリア紀を生き抜く 「勝てる布陣」はあるか? Buildが容易なら逆にBuyして最適配置 する「戦略的ポートフォリオ」を持って いるか? AIを顧客に押し付 けていないか? AI顧客を門前払い してないか? 作ることばかり 考えてないか?
  4. Product Management Summit 2026 デジタル庁特別講演 Agentic State : AIエージェント時代の行政のビジョン 政府は「申請する場所」から「自律的に

    動くエージェント」に進化するという仮 説 あらゆる行政プロセスが「マシンスピー ド」で行われていく世界 フロントサービスのAI化 行政手続きの審査 政策立案(府省調整、パブコメ) コンプライアンスとガバナンス 危機管理 公共調達(マーケットプレイス化) 行政に特化しているという部分はあまり なく民間でもこのビジョンは有用 セキュリティとレジリエンスは政府は民 間よりも高いものが求められる 権利を特定し、自律的に執行する行政の 新しい形 The Agentic State https://agenticstate.org/
  5. Product Management Summit 2026 デジタル庁特別講演 世界のベンチマーク: アブダビやウクライナのAIエージェント TAMM と Diia.AI

    が示すAIネイティブ行 政の先行事例 会話型の行政インタフェース パーソナライズされた手続きの提案、給 付、補助金 法的効力のある書類の作成 複数省庁をまたがったバックヤードの審 査の高速化 写真投稿によるインフラ報告や家屋補償 AIエージェントが背後でAPIを叩き切 り、ユーザーの意図を完結させる体験 https://digitalstate.gov.ua https://www.tamm.abudhabi/
  6. Product Management Summit 2026 デジタル庁特別講演 AI Agent in GUI “and”

    GUI in AI Agent デジタルデバイドが少しづつ取れてきた と思ったら激しいAIデバイド より幅広いリテラシーに対応していく必 要 ①GUIの先のアカウントがそのままAI エージェントになる体験 AIリテラシーが不要でAIが活用でき ている状態に近い 何が業務の対象で何がエージェント なのかをわかりやすくする ②チャットだと辛いときにAIエージェン トがサッとWeb画面を持ってくる体験 チャットは万能UIではない 直感的な情報や整理された情報は引 き続きUI価値が残る パーソナルエージェントへの依存が 高まるとこちらが自然 使い分けと共通化を考えていくべき githubやIDE的な用途 CLI的な用途 AI Agent in GUI GUI in AI Agent Generated by Nano Banana2 コラボ型・アシスト型 ソフトウェア上のアカウントが 人間からAIに変わる体験設計 初心者向け・複雑で情報が多い定型業務 Generated by Nano Banana2 パーソナルエージェント型 GUIが必要な時だけエージェントが GUIを差し出す体験設計 上級者向け・インタラクティブな非定型業務
  7. Product Management Summit 2026 デジタル庁特別講演 参考: 行政のフロントサービスを 公式エージェント化(構想) 昨年度マイナポータルの行政手続きの検索にLLMを利用した簡単な実証を 実施

    行政サービスにログイン後に公式エージェントが最適な手続きを見つけて くれる体験(検索の補完としてスタート) 行政サービスのWeb UIから公式エージェントを利用できるように(AI Agent in GUI) 検索や申請の入力アシスト等して更に便利に 対話型公式エージェントがPartialに行政フロントのWeb UIを出しながら操 作ができるように(GUI in AI Agent) 対話だけで検索や申請が完結し、重要な情報入力や確認画面だけが Web UI等 バックヤードの申請審査はマシンスピードで行われて不備がないか結果が すぐにわかる(これが本当のUX価値)
  8. Product Management Summit 2026 デジタル庁特別講演 顧客の待ち時間は減っているか?圧倒的な「スピード」という価値 職員の生産性向上も大事ですが、スピー ドは最強のUX、顧客価値への転換を考 える必要 現時点でAIリテラシーを顧客に求めるの

    はむしろペインの増大 人間の介在を減らし、ミリ秒単位の判断 へ移行することが、ユーザーにとっての 「早い、安い、安心」に直結する。 最初は人間の承認が必要に感じるが、時 間価値とのトレードオフになる プロダクトのバックステージにあるオペ レーションを完全自動化 / 半自動化する ことが真のUX価値 事業の展開スピード(メニューの開発) も大事だが、既存価値のデリバリー(調 理)のスピードが最も大事 Generated by Nano Banana2
  9. Product Management Summit 2026 デジタル庁特別講演 参考: 半自動化がもたらす顧客価値@pmconf2019 by ラクスル 生成AIが来る以前から半自動化に着目し

    たプロダクト開発について詳説 オペレーションを半自動化すると、「安 心、廉価、便利」の顧客価値が提供でき る 手法は2つ 神業bot化(今で言うAIエージェン ト) セルフサービス化(AIアシストに近 い) オペレーションを徹底的に観察して自動 化の範囲を決めてMVP作成 まずは隅っこで試して、オペレーターの トリガー(今で言うHuman in the Loop)で試してからオペレーターの介 在を徐々になくす 機械のミスに対する組織の反作用と向き 合う pm c on f2019 R ebui ld the In d u s t ry 〜産 業の半自動化を 実現 するプロダクト開発手法 〜
 https://speakerdeck.com/mizushimac/pmconf2019-rebuild-the-industry-chan-ye-falseban-zi-dong-hua-woshi-xian-surupurodakutokai-fa-shou-fa
  10. Product Management Summit 2026 デジタル庁特別講演 誰一人取り残されないフロントアーキテクチャ 人間としての顧客だけでなく、AI Agent も顧客 or

    3P Appとして考える必要 AI Agentの向こう側に本当のユー ザーがいる ユーザー(人間)との接点は大きく3つ Official Web/App 3P App 3P AI Agent すべての接点は共通APIに繋がり、用途 やリテラシーに応じてユーザーが選択で きる構造 APIデザイン、APIの認証認可体験の重要 性 あなたのプロダクトが持っている素晴ら しいベストプラクティスとデータ・リ ソース、これをAI経由で顧客に提供する ことで対価を得るビジネス ToCもToB/ToGもToEも基本的には同じ 形に収れんするのではないか Human 3P App 3P AI Agent API Platform / Auth / Business Logic & Constraints REST Database / Service Mesh / Base Registry Official Web/App REST Official AI Agent / Knowledge Your Product Official Remote MCP MCP A2A? MCP
  11. Product Management Summit 2026 デジタル庁特別講演 AIエージェント時代の認証認可:OIDC x MCP/A2A 対話の文脈で走る認可フロー 対話中にAIエージェントへのAPI実行権

    限をユーザーが認可する体験 APIベースのデータ連携における認証認 可基盤はAIエージェントのエコシステム に参入する上で重要性を増していく MCP / A2A も中身はJSON-RPCのかたま りのようなもの、APIの認証認可基盤が 活きてくる領域 政府のプロダクトもマイナンバーカード やGビズIDで認証認可しながらAIエー ジェントを動かす基礎はできている(技 術的に) どこまでRawデータをAIエージェントに 渡すべきか、議論を尽くす必要 データそのものを渡すべきか データはサービス側にとどめ、操作 する権限のみ渡すべきか
  12. Product Management Summit 2026 デジタル庁特別講演 参考:AIエージェントが最適な補助金制度を見つけてくれる未来 Jグランツという政府の補助金申請シス テムのAPIをラップしたMCPサーバーの サンプル実装をテックブログで公開 補助金のレジストリーデータをAIエー

    ジェントが検索できるようにすると、最 適な補助金をAIが提案してくれる世界 GビズIDによる認証を挟んで申請APIを 組み込めば、「今すぐ申請しますか?」 というところまでAIがアシストしてくれ る可能性 MCP(Model Context Protocol)を活用したJグランツ補助金検索システムの実装例
 https://digital-gov.note.jp/n/n09dfb9fa4e8e
  13. Product Management Summit 2026 デジタル庁特別講演 AI時代の添付ファイル: PDFや画像ではない検証可能な証明書 AIによる偽情報時代の「真正なデータ」 ニッチなユースケースではAPI連携が高 コストになるのでより簡易な添付方式が

    向いている可能性 たとえばAIエージェントが確定申告をす る時の様々な民間発行の証明書はAPI連 携だけでなくVerifiable Credentials(以 下、VC)で行うこともあるかもしれな い マイナンバーカードでVCを発行するた めの認証認可機能への拡張のニーズを調 査研究(OID4VC規格等) 選択的属性開示に対応すると必要な情報 だけをAIに渡すことができることも大き な価値 余計な情報はAIエージェントに渡さ なくていい安心感 VC発行認証要求 (OID4VCI等) 行政機関等 (VC発行者) VC発行 VC発行 マイナアプリ認証サーバー (OID4VCI等対応) ワクチン 接種証明VC 住宅ローン 残高証明VC マイナ アプリ etc. VC検証 VC利用を許可
 (OID4VP等) マイナンバーカードによる認証 店舗予約システム等 行政手続きシステム等 VCを添付して手続き パーソナル AIエージェント 金融機関 (VC発行者) ユーザー端末 スマートフォン
  14. Product Management Summit 2026 デジタル庁特別講演 公共向けSaaSもヘッドレス化してAIエージェントとの連携重視 生成AIの調達・利活用ガイドライン準拠 優れたUIUXのSaaSは、データ構造やビ ジネスプロセスが柔軟な証左 AIエージェントから呼び出すためのビジ

    ネスプロセスとデータベースのベストプ ラクティスとしてSaaSを組み込むこと になっていく ワークフロー化すべき公共のあらゆる業 務をSaaSとしてモデリングし、画面・ 帳票ファーストではなく、APIファース トで整備していく必要 SaaSは政府が求めるセキュリティとAI エージェントとの統合しやすさで評価さ れていく ISMAP準拠相当 ※1 生成AIの調達・利活用ガイドライン への準拠 ※2 AIフレンドリーなAPIのラインナップ AIエージェントが複数のヘッドレス SaaSを連携させてDXとAXを同時に進行 させる よろしく ISMAP準拠相当 AIエー ジェント with SaaS Management Skills Office & Too l系
 Saa S 行政事 務スタッフ Applications 電子申請・オンライン手続 WF & Biz Logic Database Contracting & Digital Signature 電子契約 WF & Biz Logic Database Facility & Fleet Management 施設予約・公用車管理 WF & Biz Logic Database Disaster Prevention & Infra 防災・インフラ管理 WF & Biz Logic Database Pu blic Relations & Resi dent 広報・ 住民コミュニケー ション WF & Biz Logic ISMAP準拠相当 Database SaaS &
 Data Layer ※1 政府情報シ ステム のためのセキュリティ評価制度( Inform ation system Security Man agement and Assessment Progr am: 通称 、ISMAP( イスマ ップ)) https://www.ismap.go.jp/csm ※2 DS-920 行政の進化と革新 のための生成AIの調達・利活用に係 るガイドライン https://www.digital.go.jp/resources/standard_guidelines
  15. Product Management Summit 2026 デジタル庁特別講演 toE向けAIプロダクト配置マップ (Build or Buy) 頻度×業務の特殊性

    SaaS(Buy)、独自開発(Build)、AI tool武 装(Buy)、市民開発(Build on Platform) BPRによる「標準化、定型化へのシフ ト」の重要性。 BPRやデータの標準化なきAI導入はアン チパターン RPAとExcelマクロに似た状況 AIでBPRを加速させることを考えたほう がよい 独自業務と標準業務の差分を検出す る 非定型業務のデータやヒアリング結 果からAIで定型化フローを作る等 利用頻度
 利用者数 定型・標準業務 AI + SaaS利用
 (Buy) ニッチ業務 AI市民開発 + マーケットプレイス
 (B uil d on Pl atf orm) 標準化 B PR 定型・独自業務 AI + 自前SaaS
 (Build) 定型化 B PR 非定型業務 AI + office tool 系
 (Buy) 業務の特殊性
  16. Product Management Summit 2026 デジタル庁特別講演 参考:ガバメントAI ワークスペースの取り組み 定型化する努力をすべき省庁共通の独自 業務のみを対象とする 各府省向け共通業務の自前SaaS

    + AI エージェントで解決を試みる 行政の審議会運営、行政特有の近距離交 通費精算他 etc. 従来と変わらぬユーザー観察とユーザー ヒアリングからプロダクトアイデアを創 出 業務SaaSとして設計し、MCP公開も視 野にAPIファースト開発を行う AIエージェント開発でエンジニア数名で 高速プロトタイピング ベンダーさんともAIエージェント開発で の共創し開発を少人数でスケール デジタル行財政改革会議(第13回)会議資料(内閣官房HP) 資料3 総務大臣提出資料より https://www.kantei.go.jp/jp/pages/20260420choukan_digitalgyouzaisei.html
  17. Product Management Summit 2026 デジタル庁特別講演 ディスカバリーとデリバリーの両輪でプロダクト開発をAX ガバメントクラウド上で稼働するセキュ アなLLMに接続して、プロダクト開発に おけるAI活用の実証を今年度から開始 非構造化データを構造化データに変換し

    てAI Readyなシステムを構築 ディスカバリーでのAI活用 プロトタイピング 顧客の声を分析して機能に落とし込 む 基本的な現場観察・インタビューは 引き続き必要 デリバリーでのAI活用 既存のWordやExcelの非構造化デー タを解析して元に正規化してデータ モデリング 仕様駆動開発の徹底 設計/アーキテクチャーの洗練、拡張 はProduct Teamの意思 非構造化データ 構造化データ 顧客の声を分析して 仮説に落とし込む ディスカバリー プロトタイピング Product Team 開発用AIエージェント on ガバメントクラウド デリバリー 既存のWord/Excelを解 析してデータモデリング 仕様駆動開発の徹底 現場観察やヒアリング は変わらず人間 設計/アーキテクチャー の洗練、拡張性は人間
  18. Product Management Summit 2026 デジタル庁特別講演 プロダクトナレッジAIとModernizationのベンダー共創 大量の仕様書とソースコードをAIナレッ ジ化し、大規模開発の構造をベンダーと 共に変革する議論 ようやくSIの世界でも脱Excel仕様書が

    進みそう(悲願) プロダクトナレッジAIの導入によって属 人性を一気に減らせる機運 いかに人間の意思決定や品質保証のレ ビューを省略できるかに「問い」は移っ ている 詳細設計の隅々まで人間がレビュー しないといけないのか? コードレビューはどこまで上級エン ジニアのレビューが必要なのか? テストの結果は全部人間がレビュー しないといけないのか? 適切なリスク管理とWinWinの関係を重 視した共創が重要 代行 代行 代行 代行 簡単な調査、PR作成 変更規模の見積もり 問い合わせ対応 改善提案 ナレッジ化 プロダクト ナレッジAI 大規模システムの大量の仕様書 VoC、過去の議事録、関連法案等 バックログ、ソースコード Word/Excel to md 属人性の排除 属人的なプロダクト運営を減らし 大規模開発の構造をベンダーと共に変革 ↓ いかに人間のレビューを減らして品質担保するか 開発のAX
  19. Product Management Summit 2026 デジタル庁特別講演 本日のTakeawayの予定でしたが...いかがでしょうか AIエージェント時代のプロダクトチームの役割は、 「UIベースの価値提供」に加え「ベストプラクティスとAPIの配置によるマシンスピードの体験価値の創出」へ。 AI UX

    Value AI Front Architecture The AI “Build Trap” 顧客のAIのリテラシーに依存せず、「マ シンスピード」で顧客価値を還流できて いるか? AIで自動化された顧客から見えないオペ レーションこそが、UXの源泉ではない か? W eb時代に特化した「レガシーログイン 認証」を放置していないか? 人間だけでなく「AIエージェント」が扱 えるAPI・認証基盤がどういう体験を作 るかを設計しているか? AI プロダクトのカンブリア紀を生き抜く 「勝てる布陣」はあるか? Buildが容易なら逆にBuyして最適配置 する「戦略的ポートフォリオ」を持って いるか? AIが生み出す価値 を顧客に届ける AI化する顧客を受 け入れていく 本当に作るべきも のだけをAIで作る