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「マルチテナント」で SaaS を作るってどういうことなんですか?

NemOps
January 21, 2025
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「マルチテナント」で SaaS を作るってどういうことなんですか?

マルチテナントSaaSアーキテクチャの構築 - Forkwell Library #79 の登壇資料です
https://forkwell.connpass.com/event/341298/

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January 21, 2025
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  1. © 2025, Amazon Web Services, Inc. or its affiliates. All

    rights reserved. © 2025, Amazon Web Services, Inc. or its affiliates. All rights reserved. 「マルチテナント」で SaaS を 作るってどういうことなんですか︖ Hiroto Sakuraya Senior Partner Solutions Architect, SaaS Amazon Web Services Japan G.K.
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    rights reserved. © 2025, Amazon Web Services, Inc. or its affiliates. All rights reserved. ⾃⼰紹介 櫻⾕ 広⼈ Senior Partner Solutions Architect, SaaS Amazon Web Services Japan G.K. さ く ら や 主な仕事 AWS パートナー (特に ISV/SaaS 企業) の 技術⽀援、パートナープログラムおよび 共同マーケティング/販売に関する⽀援を担当 ひ ろ と 専⾨分野 SaaS、サーバーレス、マイクロサービス界隈
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    rights reserved. © 2025, Amazon Web Services, Inc. or its affiliates. All rights reserved. “SaaS(Software as a Service)とは、ソフト ウェアをクラウド環境などでホストし、ユー ザーにサービスとして提供する形態のビジネ スモデルです。マルチテナントとは、複数の ユーザーが同⼀のリソースを共有するモデル や、それらを統⼀された体験を通じて管理す る仕組みを指します。セキュリティや可⽤性、 運⽤⾯などで独⾃の考慮事項が必要となりま すが、インフラストラクチャコストの削減や 運⽤効率の向上が⾒込めるため、近年その採 ⽤件数は右肩上がりに増加しています …”
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    rights reserved. © 2025, Amazon Web Services, Inc. or its affiliates. All rights reserved. 1. SaaS とは何か 2. マルチテナントとは何か 今⽇お伝えしたいこと
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    rights reserved. © 2025, Amazon Web Services, Inc. or its affiliates. All rights reserved. オオミミギツネ • イヌ科オオミミギツネ属 • 約12万年前から存在する最古の⽝の⼀種 • 主に東部、南部アフリカに⽣息 • 現在⽇本では飼育されていない (たぶん) • 国⽴科学博物館に剥製あり
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    rights reserved. © 2025, Amazon Web Services, Inc. or its affiliates. All rights reserved. 「マルチテナント SaaS を開発するオオミミギツネ」 Powered by Adobe Firefly
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    rights reserved. © 2025, Amazon Web Services, Inc. or its affiliates. All rights reserved. • 「SaaS である」とはどういうことか • MSP (マネージドサービスプロバイダー) との違い • SaaS の本質はビジネスモデル • 製品 (Product) ではなくサービス (Service) 1章 SaaS マインドセット
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    rights reserved. 提供形態としての SaaS ソフトウェアパッケージを購⼊し、 ⼿元の PC や会社のサーバーにインストール 従来のパッケージ販売のモデル SaaS モデル ブラウザなどからネットワーク越しに利⽤ ソフトウェアの実体は SaaS 事業者側に存在 SaaS 事業者の環境 場所を問わず利⽤可能 モバイル端末からも
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    rights reserved. ビジネスモデルとしての SaaS イノベーション 運⽤効率 俊敏性 成⻑ 特定のビジネス⽬標を達成するための⼿段、⽅法として導⼊するもの スムーズな オンボーディング レベニュー 特定の技術要素やツールを指す概念ではない
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    rights reserved. ソフトウェアは上物に過ぎない 事業計画 営業 マーケティング CS (カスタマーサポート/サクセス) 開発 運⽤ ソフトウェア ü ビジネスで実現したいことがベース ü ソフトウェアは⼿段
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    rights reserved. なぜ人類は SaaS ビジネスをやろうとするのか? • 最近のトレンドだから︖ • 顧客に頼まれたから︖ • 競合が SaaS をやってるから︖ • 利益率を向上させたいから︖ • 社⻑が「でぃーえっくすだ︕」って⾔ってるから︖
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    rights reserved. 中小企業、社長の7割が「SaaS聞いたことがない」 デジタル化はなぜ進まない? 近年、多くの⽇本企業が労働⽣産性を上げるために「DX」「リスキ リング」「SaaS」などに投資をしてきた。 ビジネス領域において、これらのキーワードの存在感も⾼まってい るように思えるが、Chatwork(東京都港区)の調査から、中⼩企業 (従業員規模300⼈未満)の4割以上が、DX、リスキリング、SaaSそ れぞれに対して「聞いたことがない」と回答していることが分かった。 SaaSについては70.6%が「聞いたことがない」と回答。DXとリスキリ ングと⽐較して、⼀層認知度が低いことが明らかになった。 https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2312/04/news041.html ITmedia ビジネスオンライン
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    rights reserved. あらゆる SaaS に共通する目的 ◯◯◯◯ の ◯◯◯◯
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    rights reserved. あらゆる SaaS に共通する目的 ビジネス の スケール
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    rights reserved. なぜスケールが重要なのか︖ ソフトウェアの販売、導⼊、運⽤には⼈⼿がかかる → ビジネスを成⻑させるためには⼈的リソースのスケールが不可⽋ → 成⻑に応じて既存顧客のサポートの負荷も増え続ける → イノベーションに投資できる時間が少なくなる → 顧客体験が向上せず、離反が増える ⾃動化 標準化 SaaS
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    rights reserved. MSP モデル 顧客A専⽤の アプリケーション 顧客A専⽤の運⽤ + 顧客B専⽤の アプリケーション 顧客B専⽤の運⽤ + 顧客C専⽤の アプリケーション 顧客C専⽤の運⽤ + 顧客D専⽤の アプリケーション 顧客D専⽤の運⽤ + Pros: 顧客ごとの要件に柔軟に対応できる Cons:個別の運⽤管理によってコストや複雑性が増す v1.0 v1.2 v1.3 v2.0
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    rights reserved. SaaS モデル 共通の アプリケーション 共通の運⽤ 全ての顧客に対して共通のアプリケーションを運⽤し、 標準化された業務ナレッジをサービスとして提供する 管理の効率化 ビジネスのスケーラビリティ
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    rights reserved. 朝オフィスに着き、仕事を始めようとしたら、昨晩 10,000 社から 契約の申込みが来ていることに気づきました。これらの顧客全員に 対して迅速に導⼊作業を進め、サービスを提供し始めることができ ますか︖ 御社の SaaS、それ本当に SaaS ですか︖
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    rights reserved. それ、SaaS だったらできるはずですよ u 各顧客と商談して契約を結ぶのに時間がかかる… → なぜセルフサインアップの仕組みがないんですか︖ → なぜ料⾦プランが公開されていないんですか︖ u 導⼊作業を⾏う担当者が⾜りない… → なぜ⾃動化されていないんですか︖ u インフラのリソースが⾜りない… → なぜ⾃動でスケールしないんですか︖ u 顧客と話さないと提供すべきものがわからない… → なぜカスタマイズ前提なんですか︖ソフトウェアは標準化されてないんですか︖
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    rights reserved. © 2025, Amazon Web Services, Inc. or its affiliates. All rights reserved. • 「テナント」という概念の導⼊ • SaaS アーキテクチャの 2 つの要素 - コントロールプレーン - アプリケーションプレーン • ティアリングをうまく活⽤する • テナントコンテキストの取り回し⽅ • SaaS における「ユーザー」の役割 2章 マルチテナントアーキテクチャの基礎
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    rights reserved. “テナント”とは︖ SaaS 企業A 企業B システムが取り扱う SaaS を利⽤する顧客の論理的な単位。実体はサービスによって様々。 1 つのテナントが企業を表す場合もあれば、事業部、ユーザーといった単位になる場合も 例︓企業がテナント SaaS 事業部X 事業部Y 例︓事業部がテナント 企業A
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    rights reserved. SaaS を作るとはどういうことか ü システムにテナントの概念を導⼊し、セキュリティ、パフォーマン ス、可⽤性、コスト、運⽤など、さまざまな観点からテナントが もたらす課題に取り組み、効率的にテナントを取り扱えるようにす ること。 ü それでも、開発者にテナントの存在を意識させないようにすること。 ü テナントをすべての考慮事項の中⼼に置き、データドリブンで意思 決定ができるようにすること。その根拠となるオブザーバビリティ をテナントレベルで確保すること。
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    rights reserved. SaaS アーキテクチャを構成する 2 つのパーツ コントロールプレーン 管理コンソール オンボーディング 請求 テナント管理 ID 管理 監視 デプロイ ユーザー管理 分析 マイクロサービス Web フロントエンド マイクロサービス マイクロサービス マイクロサービス アプリケーションプレーン
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    rights reserved. SaaS Builder Toolkit for AWS (SBT) • SaaS のベストプラクティスを実装するために使⽤できる開発者向けツールキット • AWS Cloud Development Kit (CDK) をベースに構成されている • 再利⽤可能なコンポーネントを使⽤して、AWS 上にコントロールプレーンの リソースを構築 • アプリケーションプレーンとの接続をサポートするライブラリも提供 • サードパーティの ISV 製品との連携も • オープンソース (Apache-2.0 ライセンス) GitHub: awslabs/sbt-aws
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    rights reserved. SBT で構築されるコントロールプレーン Amazon API Gateway UserMgmt TenantDetails Amazon Cognito Amazon EventBridge Iauth Interface TenantMgmt CLI / API SaaS 管理者 TenantConfig Amazon CloudFront Amazon S3 AWS WAF 管理画⾯ (オプション) AWS Lambda Amazon DynamoDB プロビジョニングなど 各種イベントを通知 アプリケーション プレーン
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    rights reserved. 詳しくは YouTube の解説動画で YouTube | SaaS Builder Toolkit for AWS (SBT) の紹介【AWS Black Belt】
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    rights reserved. ティアリング (tiering) による体験の差別化 SaaS テナント1︓数千名規模のエンタープライズ企業 テナント2︓10~15 名のスタートアップ • データは他のテナントとは物理的に 分離してほしい • プライベートなネットワークで サービスを利⽤したい • 可⽤性は 99.999 %以上が必要 • コストは惜しまない • セキュリティは最低限でOK • 可⽤性は 99 % 以上であればよい • なるべくコストを抑えたい • ⼀度に⼤量のデータをアップロード できるようにしてほしい
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    rights reserved. ティアリング (tiering) による体験の差別化 テナント1︓数千名規模のエンタープライズ企業 テナント2︓10~15 名のスタートアップ • データは他のテナントとは物理的に 分離してほしい • プライベートなネットワークで サービスを利⽤したい • 可⽤性は 99.999 %以上が必要 • コストは惜しまない • セキュリティは最低限でOK • 可⽤性は 99 % 以上であればよい • なるべくコストを抑えたい • ⼀度に⼤量のデータをアップロード できるようにしてほしい Enterprise ティア Basic ティア ティア → 契約プラン と読み替えるとわかりやすい
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    rights reserved. © 2025, Amazon Web Services, Inc. or its affiliates. All rights reserved. • デプロイモデルの種類とPros/Cons - サイロモデル - プールモデル - ハイブリッドモデル • ティアリングとデプロイモデルの関係性 • ポッドベースのデプロイ (≒セルベース) 3章 マルチテナントのデプロイモデル
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    rights reserved. デプロイモデルの考え⽅ サイロモデル プールモデル
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    rights reserved. 現実はもっと複雑なわけで
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    rights reserved. 「シングルテナント」って⾔葉やめませんか サイロモデル コントロールプレーン 管理コンソール オンボーディング 請求 テナント管理 ID 管理 監視 デプロイ ユーザー管理 分析 アプリケーションプレーン 中央管理
  33. © 2025, Amazon Web Services, Inc. or its affiliates. All

    rights reserved. ティアリングとデプロイモデルの設計 上位のティアの顧客にはサイロモデルで提供 下位のティアの顧客にはプールモデルで提供
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    rights reserved. © 2025, Amazon Web Services, Inc. or its affiliates. All rights reserved. • マルチテナントの出発点 • テナントの導⼊をいかにスムーズに⾏うか - オンボーディングの基本要素、パターン - モニタリング - テスト • これまでのアイデンティティの概念を拡張する - テナントコンテキストの付与 - フェデレーション - テナントとのマッピング 4章 オンボーディングとアイデンティティ
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    rights reserved. スムーズなオンボーディングフローの確⽴が鍵 • オンボーディングにかかる時間はユーザー体験 の質を⼤きく左右する。Time to Value (TTV) を最⼩化するためにも、可能な限りフロー全体 を⾃動化するのが望ましい • テナントがセルフサービスでサインアップでき る⽅式と、SaaS 事業者が管理者⽤のコンソール から登録する⽅式の 2 種類が考えられる • フローに含まれる各ステップは、システムによ って異なる ex. データベースのプロビジョニング、初期デー タの登録、外部の請求プロバイダーの設定
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    rights reserved. 例: オンボーディングのワークフロー 登録サービス /reg • ユーザープール • 管理ユーザー • カスタムクレーム ID プロバイダー ユーザー管理サービス • リソースへのアクセス • ロール テナント分離ポリシー テナント管理サービス プロビジョニングサービス 1 3 4 2 8 5 請求管理サービス 6 7 テナント 登録画⾯ 請求プロバイダー
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    rights reserved. SaaS アイデンティティの作成 ユーザーアイデンティティ テナントアイデンティティ • テナント ID • 会社名 • ステータス • ティア (契約プラン) SaaS アイデンティティ • ユーザーとテナントに 関する情報を集約し、 IdP で中央管理 • トークンベースの認証 で複数サービス間での 利⽤をサポートする • 名前 • 電話番号 • メールアドレス • ロール
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    rights reserved. JWT を活⽤したテナントコンテキストの伝達 IdP リダイレクト 3 Web サーバー 2 1 4 5 テナント 初回アクセス 認証成功 認証済み アクセス Ø ヘッダーでトークンを共有するだけでサービス間でのコンテキストの受け渡しが可能 Ø テナント管理サービスへの問い合わせ、データベースのクエリが不要で軽量に バックエンドの 呼び出し HTTP ヘッダー Authorization: Bearer <Token> マイクロ サービス マイクロ サービス テナントのメタデータを 合わせて IdP に登録しておく { "custom:tenant_id": "tenant1", "custom:tenant_tier": "basic" … }
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    rights reserved. • このユーザーはどのテナントに属しているか︖ • このテナントがアクセス可能なデータの範囲は︖ • システムに⼤きな負荷をかけているのはどのテナントか︖ • このログレコードはどのテナントの操作によるものか︖ • 1テナントあたりのインフラコストはどれくらいか︖ etc. システムのあらゆる側⾯を”テナント”という コンテキストを通して捉えるようにする あらゆるビジネス上の意思決定には テナント単位でのデータポイントが不可⽋
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    rights reserved. © 2025, Amazon Web Services, Inc. or its affiliates. All rights reserved. • テナント管理サービスの導⼊ - メタデータの保存 - API の公開 - 構成管理 - テナントのステータス管理 (有効/無効化、ティア変更) 5章 テナント管理
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    rights reserved. © 2025, Amazon Web Services, Inc. or its affiliates. All rights reserved. • サインインページの設計 • テナントコンテキストをどう解決するか • 認証フローのカスタマイズ • 顧客が持つ IdP とのフェデレーション • サーバーレスやコンテナにおける ルーティング実装の違い 6章 テナントの認証とルーティング
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    rights reserved. © 2025, Amazon Web Services, Inc. or its affiliates. All rights reserved. • 何をマルチテナントにするべきか • ノイジーネイバーへの対策 • マイクロサービス化のすゝめ • テナントの隠蔽と⼀元管理 - アスペクト - サイドカー - ミドルウェア - Lambda レイヤー/Extensions 7章 マルチテナントサービスの構築
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    rights reserved. © 2025, Amazon Web Services, Inc. or its affiliates. All rights reserved. • テナントのデータをどのように分割するか • サービスごとのパーティショニングモデル - リレーショナルデータベース - NoSQL - オブジェクトストレージ - OpenSearch • データのライフサイクル管理 8章 データパーティショニング
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    rights reserved. データパーティショニングとは Product Id Name SKU Cost 1940-939-94 Glove 939301 12.39 3538-819-11 Shirt 194193 7.83 1464-992-12 Hat 539294 15.41 8810-098-53 Scarf 793891 130.84 商品データ Oder Id Product Id Qty 9314-114-91 1940-939-94 1 7544-325-98 8810-098-53 4 8755-069-24 1940-939-94 2 4991-630-04 3538-819-11 1 注⽂データ テナント1 テナント2 テナント3 テナント4 各テナントのデータをどこに、どの ように分離して保存するかに関する 検討事項。 物理的または論理的にどのように 分離されているかによって、テナン ト分離の⽅法や、ユーザーに提供で きる体験も変わってくる。 また、利⽤できるパーティショニン グの戦略は、データベースやスト レージの性質にも左右され、サービ ス特有の機能が活⽤できることも。
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    rights reserved. RDS のデータパーティショニングモデル サイロモデル テナント1 テナント2 テナントごとに個別のインスタンス/データベース プールモデル テナント1 テナント2 TenantID Name SKU Cost Tenant1 Glove 939301 12.39 Tenant2 Shirt 194193 7.83 Tenant1 Hat 539294 15.41 Tenant2 Pants 490023 17.45 すべてのテナントで共通のデータベース テナント ID を使ってパーティショニング
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    rights reserved. S3 のデータパーティショニングモデル バケット単位 テナント1 テナント2 プレフィックスベース テナント1 テナント2 /my-bucket/tenant1 /my-bucket/tenant2 オブジェクトタグ 個別のアクセスポイント テナント1 テナント2 Tenant1 テナント1 アクセスポイント Tenant3 テナント2 アクセスポイント
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    rights reserved. © 2025, Amazon Web Services, Inc. or its affiliates. All rights reserved. • 認証/認可とテナント分離の違い • 静的な分離と動的な分離 • AWS IAM と AWS STS の活⽤ • 分離ポリシーの実例 - フルスタック - リソースレベル - アイテムレベル 9章 テナント分離
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    rights reserved. プールモデルにおけるテナント分離の課題 • アプリケーションはすべてのテナントからのリクエストを ⼀箇所で引き受けている • データベースはすべてのテナントで共有されている • つまりアプリケーションは、すべてのテナントのデータに アクセスできる状態として構成しなければならない (リクエスト元のテナントが特定されるまで) Web サーバー App サーバー DB すべてのテナント TenantID Name SKU Cost Tenant1 Glove 939301 12.39 Tenant2 Shirt 194193 7.83 Tenant1 Hat 539294 15.41 Tenant3 Scarf 793891 130.84 Tenant2 Pants 490023 17.45
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    rights reserved. Amazon DynamoDB におけるプール分離モデル { "Sid": "TenantReadOnlyOrderTable", "Effect": "Allow", "Action": [ "dynamodb:GetItem", "dynamodb:BatchGetItem", "dynamodb:Query", "dynamodb:DescribeTable" ], "Resource": [ "arn:aws:dynamodb:[region]:table/Order" ], "Condition": { "ForAllValues:StringEquals": { "dynamodb:LeadingKeys": [ "tenant1" ] } } } Partition Key SKU Name Tenant1 93529-94 Black T-shirt Tenant2 24411-01 Blue hoodie Tenant1 76235-92 Wool socks Tenant3 95419-37 Green polo Tenant2 88314-99 White hat Tenant1 24598-72 Tennis shoes DynamoDB テーブル
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    rights reserved. © 2025, Amazon Web Services, Inc. or its affiliates. All rights reserved. • EKS を使⽤したリファレンスアーキテクチャ - Namespace による分離 - Ingress ルーティング - Helm によるオンボーディング - Argo/Flux によるデプロイ⾃動化 • ノードタイプの選択 • サーバーレスコンピューティングとの相性 10章 EKS SaaS: アーキテクチャパターンと戦略
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    rights reserved. © 2025, Amazon Web Services, Inc. or its affiliates. All rights reserved. • サーバーレスを使⽤したリファレンスアーキテクチャ - Lambda 関数のデプロイモデル - API Gateway によるルーティング実装 - 使⽤量プランによるスロットリング - 予約済み同時実⾏数によるノイジーネイバー対策 - 動的ポリシーによるテナント分離 • サーバーレスと SaaS は相性が良い 11章 サーバーレス SaaS: アーキテクチャパターンと戦略
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    rights reserved. AWS リファレンスアーキテクチャの紹介 https://aws.amazon.com/jp/builders-flash/202501/eks-multi-tenant-saas-pattern/ https://aws.amazon.com/jp/builders-flash/202410/multi-tenant-saas-pattern/ (来⽉、サーバーレス編も出るよ)
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    rights reserved. © 2025, Amazon Web Services, Inc. or its affiliates. All rights reserved. • 運⽤におけるマインドセット • 収集すべき重要なメトリクスは何か • テナントを意識したログ、メトリクスの計装⽅法 • どのようなダッシュボードが必要か • デプロイ戦略 12章 テナントを意識した運⽤
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    rights reserved. © 2025, Amazon Web Services, Inc. or its affiliates. All rights reserved. • 移⾏の⽬的/⽬標を明確にする • フィッシュモデルとは • ⽬標に合わせた移⾏パターン - サイロ型リフトアンドシフト - レイヤー型移⾏ - サービスごとの移⾏ - 段階的なハイブリット型 • 移⾏対象をどう選定するか 13章 SaaS 移⾏戦略
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    rights reserved. © 2025, Amazon Web Services, Inc. or its affiliates. All rights reserved. • 何を基準にテナントを階層化するか • ティアリングと請求の紐付け • フリーティアは必要︖ • アプリケーション実装への影響、考慮事項 • 運⽤への影響、考慮事項 14章 ティアリング戦略
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    rights reserved. © 2025, Amazon Web Services, Inc. or its affiliates. All rights reserved. • SaaS の境界線を拡張する • アーキテクチャパターン - リモートデータ - リモートアプリケーションサービス - リモートアプリケーションプレーン • リソースの管理、アクセスコントロール、運⽤ • オーナーシップの考え⽅ 15章 SaaS Anywhere
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    rights reserved. © 2025, Amazon Web Services, Inc. or its affiliates. All rights reserved. • SaaS と⽣成 AI の可能性 • テナントごとのカスタマイズをどのように導⼊するか - RAG - ファインチューニング • ノイジーネイバー対策、テナント分離 • ⽣成 AI の価値をどのように値付けするか 16章 ⽣成 AI とマルチテナント
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    rights reserved. © 2025, Amazon Web Services, Inc. or its affiliates. All rights reserved. • SaaS ビジネスを成功させるための 3 つの柱 - ビジョン - 戦略 - 組織 • 最適なテナンシーをモデリングする • 能動的な運⽤体制の構築 17章 指針となる原則
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    rights reserved. © 2025, Amazon Web Services, Inc. or its affiliates. All rights reserved. • SaaS の認識をチームでちゃんと合わせようね • SaaS では「テナント」がすべて。 あらゆることをテナントを中⼼に考えよう • 細かいこたぁ、全部ここに書いてあるってばよ まとめ
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