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広く複雑なプロダクトの 高速キャッチアップに取り組む

moai
July 11, 2018
7.7k

広く複雑なプロダクトの 高速キャッチアップに取り組む

今回はプロダクトの領域が広く、複雑な場合に、効率的に業務知識を得るために、どのような取り組みをしているのかということについて話したいと思います。 現在私が、開発メンバーとして加わっている人事労務freeeもプロダクトとして大きくなってきており、またプロダクトに関わるメンバーも増えてきました。そうなってきたとき、プロダクト領域の広さと複雑性から必要な業務知識の量も多くなってきました。結果として、当時、多くの問題が起こっていました。今、その問題を解決するために、『DDDなどの設計手法を用いて、実装と業務が一致したモジュールに分割することで必要な業務知識を少なくする』という取り組みを行っていますが、そこに至る道筋は単純ではありませんでした。
今回はこの取り組みに至るまでの仮説検証をどのように行ってきたのかということについて話していきたいと思います。 

moai

July 11, 2018
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  1. 7 書類が多い 入社手続きにおいては、最低11枚の書類を取り扱う • 雇用条件通知書 • 雇用保険被保険者証 • 年金手帳 •

    源泉徴収票 • マイナンバー • 扶養控除等異動申告書 • 給与支払報告・特別徴収にかかる給与所得者異動届出書 • 被保険者資格取得届(健康保険) • 健康保険被扶養者(異動)届・ 国民年金第3号被保険者 資格取得等届 • 被保険者資格取得届(厚生年金) • 資格取得届(雇用保険)
  2. 8 ステークホルダーが多い 書類のやり取りするステークホルダーは大まかに6つもある。 一人の従業員を入社したら、従業員+5つの機関とやり取りする。 • 雇用条件通知書 • 雇用保険被保険者証 • 年金手帳

    • 源泉徴収票 • マイナンバー • 扶養控除等異動申告書 • 給与支払報告・特別徴収にかかる給与所得者異動届出書 • 被保険者資格取得届(健康保険) • 健康保険被扶養者(異動)届・ 国民年金第3号被保険者 資格取得等届 • 被保険者資格取得届(厚生年金) • 資格取得届(雇用保険) 従業員 税務署 市区町村 健康保険組合 年金事務所 ハローワーク このやり取りを従 業員の人数分
  3. 29 29 検証:業務知識と実装理解は同時に進んだのか? 以下の事実が判明した。 • 実装の変更方法や、 アーキテクチャの理解は深まった。 ◦ モデル構成 ◦

    他システムとの連携 • 体系的な業務知識はつかない。 ◦ 必要なものだけを覚える ◦ 業務について自発的には 勉強しない
  4. 43 これまでの状況まとめ 原因 原因の詳細/対策 業務知識が足りない • 人事労務freeeの開発には 暗記が必要な項目が多く、しかも多岐に渡る。 • 勤怠、給与計算、社保の手続き、年末調整などの

    機能の実装が密接に入り混じっているソフト。 • エンジニアは区切られて業務単体なら理解できる が、人事労務は連結してるから難しい。 人事労務freeeの実装方法へ の理解が足りない コードリーディングを行えば実装理解はできる。
  5. 給与明細 50 人事労務freeeがカバーする(将来も含む)複雑な部分 住民税の税額 従業員の住所 扶養控除親族の情報 従業員控除設定 基本給設定 割増賃金の基礎 勤怠控除の基礎

    週次勤怠 日次勤怠 打刻 割増率 月次勤怠 住民税 基本給 手当 年末調整 会計連携 賃金台帳 所得税 勤怠控除 割増賃金 労働時間制度 算定基礎届 月額変更届 いろんな数字 出勤簿 労働保険の 年度更新 従業員の標準報酬月額 従業員銀行口座情報 算定基礎賃 金集計表 給与明細 一覧表 住民税の 納付 非課税通勤手当 課税通勤手当 健康保険料 こども・ 子育て拠出金 介護保険料 通勤手当設定 従業員手当設定 その他 の控除 総合振込 ファイル (労災保険料) 雇用保険料 雇用保険の 賃金額 月の源泉控 除税額 月の社会保 険等の控除 額の合計 月の課税 対象支給額 複数時給 差し引き支給額 社会保険の賃金額 厚生年金保料 •設定 •勤怠 •支給額 •控除 •集計された数字 •出力される書類など 締め日支払い日の 影響を避けられない エリア
  6. 57 目指している将来の姿 原因 原因の詳細/対策 業務知識が足りない • 人事労務freeeの開発には 暗記が必要な項目が多く、しかも多岐に渡る。 • 勤怠、給与計算、社保の手続き、年末調整などの

    機能の実装が密接に入り混じっているソフト。 • しかし実装が業務に沿って分割されているため、実 は個別の開発に必要となる知識は多くない。 人事労務freeeの実装方法へ の理解が足りない コードリーディングを行えば、実装理解はできる。