体験を守るためのデザイン計測

プロダクト/サービス開発の現場では計測しにくく、数値化しにくいと言われがちな「デザイン」の領域。
だからこそ、数値的な価値証明に頭を悩ませるプロダクトデザイナーも多いのではないでしょうか？
そんなとっつきにくい「デザインを測る」という行為に対し、”プロダクト”と”組織”の2側面でアプローチしているdoda ダイレクトの取り組みを実践知として紹介していきます。

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1. © PERSOL CAREER CO., LTD. 近藤 鷹冶 パーソルキャリア株式会社 プロダクトデザイナー 体験を守るための デザイン計測
2. © PERSOL CAREER CO., LTD. 2 自己紹介 パーソルキャリア株式会社 NUTION 兼 クライアントプロダクト本 部 テクノロジー統括部 クライアントサービスデザイン部 スカウト プロダクトデザイングループ 2021年 4月新卒入社。 2021/04 ~ 2022/09まで、転職サービス「doda」でデザイン/コー ディングを担当。 2022/10 ~ 現在、ダイレクトリクルーティングサービス「doda ダ イレクト」のプロダクトデザイナーとしてジョイン。 X (旧Twitter)：@nazotui7462
3. © PERSOL CAREER CO., LTD. 3 NUTION（ニューション）は、パーソル キャリアに設立された「はたらく」をデザ インする組織です。 デザインの力で「はたらいて、笑おう。」 の世界を前へ進め、誰もが自分らしいはた らき方と生き方を叶えられる、キャリア オーナーシップの実現を後押しする社会を 目指しています
4. © PERSOL CAREER CO., LTD. doda ダイレクトについて INDEX 01 プロダクトデザイナーに深く関わる2つの数字 02 1つ目の数字：デザインの可視化 03 2つ目の数字：デザイナーの可視化 04 おわりに 05 4
5. © PERSOL CAREER CO., LTD. doda ダイレクトについて 5
6. © PERSOL CAREER CO., LTD. 6
7. © PERSOL CAREER CO., LTD. 7 どんなサービス？ doda ダイレクトは、約406万人(※)のスカウ ト会員データベースに企業が直接検索し、転 職希望者にスカウトメールを送ることができ るダイレクト・リクルーティングサービスで す。 人材紹介に比べアプローチできるユーザーが 広く、企業様が能動的にアクションを起こせ るのが他の採用手法との違いです。 ※ 2024年12月末時点の累計スカウト会員登録者数（会員数はdoda/doda X会員DBの合算であり、 定額プランはdodaの会員DBのみ閲覧/送信できます） 引用元：https://www.saiyo-doda.jp/lp/DR/001/
8. © PERSOL CAREER CO., LTD. 8 doda ダイレクトのデザイナーの役割は？ 機能改善・価値探索 デザインシステム構築 DesignOps
9. © PERSOL CAREER CO., LTD. プロダクトデザイナーに深く 関わる2つの数字 9
10. © PERSOL CAREER CO., LTD. 10 “デザイナー”の可視化 “デザイン”の可視化 様々な観点からプロダクトのUI/UXを スコアリング化し計測可能な指標を開 発し、主観軸でしか判断し難いプロダ クトデザインの健康状態を可視化して いく。 多岐のプロジェクトに関わることが多 いプロダクトデザイナーは工数が逼迫 しやすいため、その抱えるタスク量を 相対的に可視化していく。 -No.1- -No.2-
11. © PERSOL CAREER CO., LTD. -No.1- デザインの可視化 11
12. © PERSOL CAREER CO., LTD. 12 ※社内で登壇した際のスライドを引用しつつお話させていただきます
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29. © PERSOL CAREER CO., LTD. -No.2- デザイナーの可視化 31
30. © PERSOL CAREER CO., LTD. デザイナーのタスクが宙に浮くことってありません か？ 私たちの組織では、別にデザイナーが軽視されてい るわけではないのですがスクラム開発とプロジェク ト系が並行することも多く、工数や負担がブラック ボックス化してしまうことが多かったのでそこに自 分なりに取り組みを考えて実践してみました。 32 “デザイナー”の可視化 -No.2-
31. © PERSOL CAREER CO., LTD. インナー 施策 デザイン 指標 MCPの 検討 デザイン システム エンハンス 施策 プロダクトデザイナーの抱える課題 流動的な動きを求められるプロダクトだと、どこでどれくらいの作業が発生していて、逼迫している原因がわからずその ままブラックボックス化されてしまい、他職種も依頼が難しい状況に… LLM開発 etc… etc… etc… 機能改善・価値探索 デザインシステム構築 DesignOps 33
32. © PERSOL CAREER CO., LTD. インナー 施策 デザイン 指標 MCPの 検討 デザイン システム エンハンス 施策 各PJTで同じリソースを求められる LLM開発 etc… etc… etc… 稼働：10h 稼働：10h 稼働：15h 稼働：8h 稼働：8h 稼働：6h 合計稼働：57h/weekで稼働する前提になってしまう… 機能改善・価値探索 デザインシステム構築 DesignOps 34
33. © PERSOL CAREER CO., LTD. そこで… 適切なタスク量を管理すること 自分たちのベロシティを算出すること この2つを目的に設定し、デザイナーのタスク量可視化を目指していきました。 001- 002- 35
34. © PERSOL CAREER CO., LTD. フロー 実測 まずは自分たちが1 稼働日でのタスク 消化量を計測 計算 消化タスク量を元 にストーリーポイ ントを設計 検証 一旦、スプリント 単位でタスクを消 化する形を検証 開発 ベロシティを計測 するためのアプリ ケーションを作成 運用 日々のタスク振り 分け等で利用し、 振り返っていく Step1 Step2 Step3 Step4 Step5 001：ベロシティを算出 002：タスク量の管理 36
35. © PERSOL CAREER CO., LTD. フロー 実測 まずは自分たちが1 稼働日でのタスク 消化量を計測 計算 消化タスク量を元 にストーリーポイ ントを設計 検証 一旦、スプリント 単位でタスクを消 化する形を検証 開発 ベロシティを計測 するためのアプリ ケーションを作成 運用 日々のタスク振り 分け等で利用し、 振り返っていく Step1 Step2 Step3 Step4 Step5 001：ベロシティを算出 002：タスク量の管理 37
36. © PERSOL CAREER CO., LTD. Step1：実測 タスク集中時間として1日ブロック （MTGは実用に応じてOK） 終日集中タイム 38
37. © PERSOL CAREER CO., LTD. Step1：実測 こんな感じで1日の終わりに集計 する このあと、これらの作業を相対 的なストーリーポイントに変換 する そうすると大体1週間で消化でき るストーリーポイントが算出で きる それを「ベース」の消化可能ス ピードとして定義してベロシ ティを見つけ出していく 42
38. © PERSOL CAREER CO., LTD. Step1：実測 43 集計段階では時間からの換算で問題ないが、 あくまで最終的には「相対的なポイント」と して落とし込むことが重要。 ここで、しっかりとメンバー全員で「どう いったタスクがどれくらいのポイントを使っ て消化できそうか？」という共通認識をきち んと合わせておくことが重要。
39. © PERSOL CAREER CO., LTD. Step2：計算 1SPで僕らが消化できるストーリーポイント数 1SPで消化できる ストーリーポイント数 基準値の計算式 メンバー数 定例のMTG時間 （2時間で1ptと換算） 上のポイント数を合計稼働日で割ればベロシティが算出可能に！ 44
40. © PERSOL CAREER CO., LTD. Step2：計算 1SPで僕らが消化できるストーリーポイント数： 45pt 1SPで消化できるストーリーポイント数 19pt メンバー 3人 45ptを稼働日(3人×4営業日)で割ると3.75ptに！ 定例のMTG時間 12pt 基準値の計算式 45
41. © PERSOL CAREER CO., LTD. Step2：計算 基準値となるベロシティは3.75pt に決定！ 46
42. © PERSOL CAREER CO., LTD. フロー 実測 まずは自分たちが1 稼働日でのタスク 消化量を計測 計算 消化タスク量を元 にストーリーポイ ントを設計 検証 一旦、スプリント 単位でタスクを消 化する形を検証 開発 ベロシティを計測 するためのアプリ ケーションを作成 運用 日々のタスク振り 分け等で利用し、 振り返っていく Step1 Step2 Step3 Step4 Step5 001：ベロシティを算出 002：タスク量の管理 47
43. © PERSOL CAREER CO., LTD. Step3：検証 タスクの管理自体はどのサービスでも良かっ たので、まずはjiraを導入してみることに。 実際タスクの管理は楽だけど、ベロシティと の紐付けでどうしても一元的に管理が難しい 形に… TODO WIP DONE 48
44. © PERSOL CAREER CO., LTD. Step4：開発 ほしい機能要件を全て含んだアプリケーショ ンをVibe Codingで作ってみることに。 社内のデザイナーしか使わないアプリケー ションなので要件のみを満たせば良いアプリ ケーションの作成でよかったので気軽に挑戦 を行なっていきました。 Wowは考えられていなかったかもしれません 49
45. © PERSOL CAREER CO., LTD. Step5：運用 これで我々デザイナーのベロシティを計測す ることができるアプリケーションが完成！ これによりタスクの集中化を避けつつ、適切 な分配でいろいろなタスクをメンバーに振れ るように！ さらに大規模案件の概算見積もりも可能にな り、スケジューリングの正確性向上に貢献！ 50
46. © PERSOL CAREER CO., LTD. おわりに：学びのまとめ 51
47. © PERSOL CAREER CO., LTD. まとめ1：ないものは作る まず、今回どちらも”ない”ものを作ろう！という気持ちで 作りました。 世の中探せば似たようなものはたくさんあったのですが まずは自分たちのために作ってみる努力から変えられる ことがたくさんあり多くを学ぶことができました。 52
48. © PERSOL CAREER CO., LTD. 数字があると数字で測れないものと向き合いやすくなり ます。 特にデザイン指標に関しては、”デザイン”を完璧に数値化 できているとは思っていません。 ですが、あることで気づけるインサイトや思いつける改 善もきっとあるはずと思っています。 まとめ2：計測は体験の質を守る 53
49. © PERSOL CAREER CO., LTD. まとめ3：AIによる拡張性 個人的な意見として、AIによって変化した私たちのスタンスは 「攻め」の部分ではなく「守り」であると思っています。 自分がやっていたことやできなかったことをAIがやってくれる ことで遵守できる様々な事象が拡張された（≒守れることが増 えた）と考えています。 54
50. © PERSOL CAREER CO., LTD. ご清聴ありがとうございました！ 55