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【洋書和訳:さよならを待つふたりのために】第2章 ガン特典と実存的フリースロー
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柳沼諒平
November 21, 2025
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【洋書和訳:さよならを待つふたりのために】第2章 ガン特典と実存的フリースロー
柳沼諒平
November 21, 2025
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Transcript
『グリーン さよならを待つふたりのために』 第2 章:がん特典と実存的フリースロー 1
1. 恐怖のドライブと「がん特典」 オーガスタスの運転 壊滅的に下手(急発進・急ブレーキ) 免許試験に3 回落ちている 教官の評価: 「不快だが技術的に安全でないわけではない」 「がん特典(Cancer Perk
) 」 がんの子供が得られる「ちょっとした特別扱い」 例:実力に見合わない運転免許、有名人のサイン入りグッズ、宿題免除 ヘイゼルは彼の免許取得をこれだと疑う 2
2. ヘイゼルの「奇跡」の物語 オーガスタスに語った自身の病歴: 13 歳: ステージ4 の甲状腺がんと診断(肺に転移) 治療: 根治的頸部郭清術、放射線、抗がん剤 →
効果なし 14 歳: 肺に水が溜まり、ICU へ。死を覚悟する状況。 転機: 抗生物質が効き、実験的治験に参加。 奇跡の薬「ファランクシフォー」 70% の人には効かないが、ヘイゼルには劇的に効いた 腫瘍が縮小し、成長が止まる 現在: 酸素ボンベは必須だが、時間を「購入」できている状態 3
3. ウォーターズ家と「励まし」 家の様子 至る所に「励まし(Encouragements ) 」と呼ばれる格言入りの装飾 例: 「故郷は心がある場所」 「家族は永遠」 「痛みなくして、どうして喜びを知ることができよう
か?」 両親(ガスと呼ぶ) 温かく歓迎してくれる ヘイゼルの病気や酸素ボンベについてあえて触れない配慮 ヘイゼルの反応 シニカルな視点で見つつも、彼らの優しさを認める オーガスタスも「皮肉抜きでこれが好きだ」と認める 4
4. 地下室:バスケットボールと実存的危機 トロフィーの山 過去の栄光だが、彼にとっては「がん特典」でしかない バスケを辞めた理由(実存的フリースロー) フリースローを連続で決めていた時に襲われた虚無感 「球体をドーナツ状の物体に投げ入れる」行為の無意味さ 「ハードルを全部どけちゃえばもっと速く走れるのに」 アイザックとの重ね合わせ この虚無感を感じたのが、足を切断する直前だった
現在、目を失おうとしているアイザックの心境に思いを馳せる 5
5. 魂の交換:お気に入りの本 互いの「魂」とも言える本を紹介し合う。 ヘイゼルのお気に入り 『荘厳な苦悩(An Imperial Affliction ) 』 著者:ピーター・ヴァン・ホーテン
理由:自分のことを完全に理解してくれていると感じる「私の本」 内容:がんの少女の物語(ただし「がんの本」ではない) オーガスタスのお気に入り 『暁の代償(The Price of Dawn ) 』 内容:お気に入りのFPS ゲームのノベライズ 交換条件:ヘイゼルがこれを読むなら、彼も『荘厳な苦悩』を読む 6
6. 映画鑑賞と微妙な距離 映画: 『V フォー・ヴェンデッタ』 ナタリー・ポートマン(ヘイゼルのドッペルゲンガー?)が出演 リビングでの鑑賞 両親の介入により地下室ではなくリビングで ソファでの微妙な距離感(ヘイゼルは手を置くが、彼は握らない) 夕食
ウォーターズ家特製エンチラーダ ヘイゼルがベジタリアンであることを告白 理由: 「自分が原因で死ぬものの数を最小限にしたい」 7
7. 別れ際と次の約束 帰りの車内 『ヘクティック・グロー』の曲を聴く キスへの意識と緊張感( 「病気は人を遠ざける」という懸念) 次回の約束 オーガスタスはすぐに会いたがるが、ヘイゼルはいなす 「本を読み終わったら電話する」 ラストの駆け引き
「君は僕の番号を知らないじゃないか」 「本に書いたんじゃないかと強く疑ってるわ」 結果: オーガスタスの勝ち(実際に書いてあったことを示唆) 8