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November 21, 2025

pmconf 2025 大阪「生成AI時代に未来を切り開くためのプロダクト戦略:圧倒的生産性を実現するためのプロダクトサイクロン」 / Product Cyclone for the Outstanding Productivity

https://2025.pmconf.jp/event-osaka/session-11

pmconf 2025 大阪 Track B (B05 ~ B07) 2025/11/21 16:45 – 17:05 プロダクト戦略

生成AI時代に未来を切り開くためのプロダクト戦略:圧倒的生産性を実現するためのプロダクトサイクロン

生成AIの台頭によってプロダクトマネジメントが変わってきた。具体的には、プロダクトそのものに生成AIの組み込みが進み、以前には考えられなかった圧倒的に便利なプロダクトが開発されている。はたして、プロダクト開発の真の生産性は上がっているのだろうか。本発表では、生成AI時代におけるプロダクト開発の真の生産性とは何なのか、生成AI時代に未来を切り開くためには何が必要なのかを整理し、生成AI時代に圧倒的生産性を実現するためのプロダクトサイクロンについて提案する。このプロセスは7つのシンプルなプロセスから構成される。これらは全体として循環しており竜巻のようにプロダクトとプロダクトチームを進化させ続ける。

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November 21, 2025
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Transcript

  1. 2 山崎 聡 / Satoshi Yamazaki @yamamuteking エムスリー株式会社 取締役 CPO

    / CAIO 大学院博士過程中退後、ベンチャー企業、フリーランスを経 て、2006年、臨床研究を手がけるメビックスに入社。 2009年、 メビックスのエムスリーグループ入り以降、グループ内で主に プロダクトマネジメントを担当。 2017年からVPoE。2018年から エムスリー執 行 役 員。 2020年からはエンジニア組 織に加え て、PdM組織の一部とデザイン組織も統括。 2020年より初代 CDOに就任。2022年よりCTO兼VPoP。2023年より取締役。 2025年より現職。pmconf 2019、2021、2022、2023登壇。 自己紹介
  2. エムスリーについて 7 社名 エムスリー株式会社 英文表記 M3, Inc. 設立 2000年9月 資本金

    293億51百万円(2025年3月31日現在) 上場取引所 東京証券取引所プライム市場 (証券コード 2413) 従業員数 704名(2025年3月31日現在) 連結従業員数 15,360名(2025年3月31日現在) インターネットを活用し、 健康で楽しく長生きする人を1人でも増やし、 不必要な医療コストを1円でも減らすこと 34 34 28
  3. (※) 2025年11月時点 日本の医師のエムスリー会員率 エムスリーが事業展開している国の数 エムスリーが占める全世界で医師会員の割合 全世界で医師会員合計 18 カ国 (※) 50

    %以上 (※) 700 万人以上 (※) 90 %以上 エムスリー が展開する医療従事者向け情報 サイト「m3.com」は34万人を突破、日本 の医師の9割以上が会員。(※) エムスリーは医療業界に対する圧倒的な影響力を活用して 医療問題の解決に取り組んでいます エムスリーについて 8
  4. エムスリーのプロダクトと事業領域の拡大 Platform × Product 健康で幸せな毎日を もっとよくするために 私たちはプラットフォームとプロダクトの力を用 いて様々な医療課題の解決に取り組んでいます。 主に医療従事者に対してアプローチしながらも、 同時にその先の一般の方々に対してもサービス提

    供を行い、総合的に人々の健康的な毎日を少しで も改善することを目指し様々なプロダクトの開発 を行っております。多くの医療者をユーザーに抱 えるエムスリーだからこそできるやり方で、多く の人々の健康に対して貢献しています。 9
  5. 労力と成果のマトリックス:pmconf 2023 再掲 32 楽 楽ではない 儲かる 儲からない ①楽だし儲かる ③楽だが儲からない

    ②楽ではないが儲かる ④楽ではなく儲からない 最も難易度が高い 陥りやすい罠
  6. 圧倒的生産性を実現する「プロダクトサイクロン」 39 圧倒的生産性を実現する 「プロダクトサイクロン」 ⑦強化 ①探す ④取掛る ②選ぶ ③語合う ⑥託す

    ⑤育てる ①探す ビジネスを前進させる複数の選択肢を探す 実践のポイント 自分たちのビジネスを大きく前進させる 筋の良い複数の選択肢を見つけます。 できるだけ幅広く 複数の軸や選択肢を見つけることが重要です。 それぞれの選択肢のインパクトを試算しながら とにかく筋の良い選択肢を見つけましょう。
  7. 圧倒的生産性を実現する「プロダクトサイクロン」 40 圧倒的生産性を実現する 「プロダクトサイクロン」 ⑦強化 ①探す ④取掛る ②選ぶ ③語合う ⑥託す

    ⑤育てる ②選ぶ その中からインパクトのある選択肢を選ぶ 実践のポイント ビジネスを前進させる複数の選択肢が見つかったら 実際に取掛る最も筋の良い選択肢を 1つ選びます。 開発の順序性を考慮して選ぶ場合もありますが できるだけ早期のインパクトの実現を狙います。 選んだ選択肢が本当にそれで良いのか 冷静にレビューします。
  8. 圧倒的生産性を実現する「プロダクトサイクロン」 41 圧倒的生産性を実現する 「プロダクトサイクロン」 ⑦強化 ①探す ④取掛る ②選ぶ ③語合う ⑥託す

    ⑤育てる ③語合う 語り合うことでアイディアの理解を深める 実践のポイント 取り組むべきアイディアが決まったら そのアイディアについてチームで十分語り合います。 PdMだけが一方的に語るのではなく チームで双方向に語り合うことが重要です。 より良いアイディアがあれば積極的に取り入れ 何度もバージョンアップしましょう。
  9. 圧倒的生産性を実現する「プロダクトサイクロン」 42 圧倒的生産性を実現する 「プロダクトサイクロン」 ⑦強化 ①探す ④取掛る ②選ぶ ③語合う ⑥託す

    ⑤育てる ④取掛る チーム一丸となって全力で取り掛かる 実践のポイント アイディアについて十分に語り合ったら 皆で一丸となって取り組みます。 実際に作ってみなければ分からないことが 必ずあります。 改善点や疑問点をしっかり記録しながら まずは全力でたたき台を仕上げます。
  10. 圧倒的生産性を実現する「プロダクトサイクロン」 43 圧倒的生産性を実現する 「プロダクトサイクロン」 ⑦強化 ①探す ④取掛る ②選ぶ ③語合う ⑥託す

    ⑤育てる ⑤育てる 改善案を取り込みアイディアを磨き込む 実践のポイント アイディアを評価するためのたたき台が出来たら 実際に利用してもらって徹底的に磨き込みます。 改善案やフィードバックは素早く取り込み 何度もバージョンアップすることが重要です。 利用者やステークホルダーから 十分な評価が得られたら次に進みます。
  11. 圧倒的生産性を実現する「プロダクトサイクロン」 44 圧倒的生産性を実現する 「プロダクトサイクロン」 ⑦強化 ①探す ④取掛る ②選ぶ ③語合う ⑥託す

    ⑤育てる ⑥託す 並行して磨き込んでくれる仲間に託す 実践のポイント 筋の良いアイディアが一定の形になったら 次のアイディアに取り掛かる段階です。 組織内に今取り掛かっているアイディアの 引き取り手がいないか探します。 引き取り手があればアイディアを託し 並行してプロダクトを強化していきます。
  12. 圧倒的生産性を実現する「プロダクトサイクロン」 45 圧倒的生産性を実現する 「プロダクトサイクロン」 ⑦強化 ①探す ④取掛る ②選ぶ ③語合う ⑥託す

    ⑤育てる ⑦強化 プロダクトが強化されたことを確認する 実践のポイント 次の回転に入る前に対象のプロダクトが 実際に強化されていることを確認しましょう。 KGI、KPI、NPS、受注率などの上昇がベストですが 売りやすくなったという定性的評価もありえます。 ステークホルダー全員がプロダクトの強化を 実感していることを確認してください。
  13. 圧倒的生産性を実現する「プロダクトサイクロン」 46 圧倒的生産性を実現する 「プロダクトサイクロン」 ⑦強化 ①探す ④取掛る ②選ぶ ③語合う ⑥託す

    ⑤育てる 7つの ステップ プロダクト強化への適用 ①探す ビジネスを前進させる複数の選択肢を探す ②選ぶ その中からインパクトのある選択肢を選ぶ ③語合う 語り合うことでアイディアの理解を深める ④取掛る チーム一丸となって全力で取り掛かる ⑤育てる 改善案を取り込みアイディアを磨き込む ⑥託す 並行して磨き込んでくれる仲間に託す ⑦強化 プロダクトが強化されたことを確認する
  14. 参考:正しい意思決定を助けるWRAPプロセス 47 決定力! 正解を導く4つのプロセス チップ・ハース(著)、ダン・ハース(著)、千葉敏生(翻訳) 大ヒット作『アイデアのちから』、『スイッチ! 』のハース兄弟が放つ新たなる全 米ベストセラー・ビジネス書。ロックバンド「ヴァン・ヘイレン」のツアーを成 功させた独創的な工夫から、命にかかわる選択を迫られた男性がとった行動ま で、目からウロコのヒントが満載。4つの「WRAP」プロセスを使えば、あなたの 仕事も人生もきっとうまくいく!

    • 選択に直面する。でも「視野の狭窄」によって選択肢を見逃してしまう。 • 選択肢を分析する。でも「確証バイアス」によって都合の良い情報ばかり 集めてしまう。 • 選択する。でも「一時的な感情」によって間違った選択をしがちになる。 • 選択の結果を受け入れる。でも未来の出来事について「自信過剰」になり やすい。 →W 選択肢を広げる(Widen Your Options) →R 仮説の現実性を確かめる(Reality-Test Your Assumptions) →A 決断の前に距離を置く(Attain Distance Before Deciding) →P 誤りに備える(Prepare To Be Wrong)
  15. 通常のPDCAと「プロダクトサイクロン」の違い 50 特徴 通常のPDCA プロダクトサイクロン ステップ数 4 7 専門性 汎用的

    プロダクト開発に特化 具体性 抽象的 具体的 1回転あたりのインパクト 一般に小規模 小規模から大規模まで
  16. 圧倒的生産性を実現する「プロダクトサイクロン」 52 圧倒的生産性を実現する 「プロダクトサイクロン」 ⑦強化 ①探す ④取掛る ②選ぶ ③語合う ⑥託す

    ⑤育てる 7つの ステップ プロダクトチーム 強化への適用 ①探す ビジネスを前進させる複数の 仲間を探す ②選ぶ その中からインパクトのある 仲間を選ぶ ③語合う 語り合うことで仲間同士 の理解を深める ④取掛る チーム一丸となって全力で取り掛かる ⑤育てる 改善案を取り込みチームワーク を磨き込む ⑥託す 並行して磨き込んでくれる仲間に託す ⑦強化 チームが強化されたことを確認する
  17. 「プロダクトサイクロン」適用別比較表 53 7つの ステップ プロダクト 強化への適用 プロダクトチーム 強化への適用 ①探す ビジネスを前進させる複数の

    選択肢を探す ビジネスを前進させる複数の 仲間を探す ②選ぶ その中からインパクトのある 選択肢を選ぶ その中からインパクトのある 仲間を選ぶ ③語合う 語り合うことでアイディア の理解を深める 語り合うことで仲間同士 の理解を深める ④取掛る チーム一丸となって全力で取り掛かる チーム一丸となって全力で取り掛かる ⑤育てる 改善案を取り込みアイディア を磨き込む 改善案を取り込みチームワーク を磨き込む ⑥託す 並行して磨き込んでくれる仲間に託す 並行して磨き込んでくれる仲間に託す ⑦強化 プロダクト が強化されたことを確認する チームが強化されたことを確認する
  18. 「プロダクトサイクロン」適用別比較表 61 7つの ステップ プロダクト 強化への適用 プロダクトチーム 強化への適用 ①探す ビジネスを前進させる複数の

    選択肢を探す ビジネスを前進させる複数の 仲間を探す ②選ぶ その中からインパクトのある 選択肢を選ぶ その中からインパクトのある 仲間を選ぶ ③語合う 語り合うことでアイディア の理解を深める 語り合うことで仲間同士 の理解を深める ④取掛る チーム一丸となって全力で取り掛かる チーム一丸となって全力で取り掛かる ⑤育てる 改善案を取り込みアイディア を磨き込む 改善案を取り込みチームワーク を磨き込む ⑥託す 並行して磨き込んでくれる仲間に託す 並行して磨き込んでくれる仲間に託す ⑦強化 プロダクト が強化されたことを確認する チームが強化されたことを確認する
  19. 65

  20. M3におけるプロダクトマネージャーの3つのレベル 68 代表的なスキル 事業規模 (年間利益) PdMとしての レベル感 レベル1 アジャイル開発を使いこなせる 1億円程度

    必要最低限 レベル2 +プロダクトマネジメントの基本を習得 1〜10億円 必要十分 レベル3 +商売センス 50〜100億円 超一流