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2026/9/22-23 関西学院大学イノベーション研究会 Future Living Lab...

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2026/9/22-23 関西学院大学イノベーション研究会 Future Living Lab Retreat2026 リビングラボと社会を変えていくための目線

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  1. 2026/9/22-23 関⻄学院⼤学イノベーション研究会 Future Living Lab Retreat2026 リビングラボと 社会を変えていくための⽬線 ⽊村 篤信

    ⽇本リビングラボネットワーク 代表理事 東京都市⼤学 准教授 地域創⽣Coデザイン研究所 地域創⽣アドバイザ Copyright 2026 Japanese Network of Living Labs 1
  2. ヒューマン・コンピュータ・インタラクション研究 ヴァーチャル・リアリティや仮想空間(メタバース)、それ にまつわるメディア研究に従事 サービスデザイン研究 テクノロジーを開発するだけでなく、⼈や社会の真のニーズ を⾒極め、使いやすく、こころを動かされる体験を設計する ための研究 ⽊村 篤信 Kimura

    Atsunobu ⽇本リビングラボネットワーク 代表理事 東京都市⼤学 准教授 地域創⽣Coデザイン研究所 地域創⽣アドバイザ JST RISTEXケアが根づく社会システム 領域アドバイザ ⽣駒市 緑の基本計画改定懇話会 有識者 デジタル庁 認定Well-beingファシリテータ 総務省 経営財務マネジメント強化事業 アドバイザ ⽇本デザイン学会 情報デザイン研究部会 幹事 ⼤牟⽥未来共創センター パーソンセンタードリサーチャ 京都⼤学デザインイノベーションコンソーシアム フェロー ソーシャルビジネスネットワーク フェロー ソーシャルデザイン研究(⼤牟⽥リビングラボ、奈良リビングラボ等) 企業だけでなく、地域や当事者といっしょにモノやコトを共 創する⽅法論(リビングラボ)の研究 地域創⽣Coデザイン研究所設⽴(社会システムデザイン⽅法論を提唱) NTTグループの地域創⽣専⾨組織新を⽴上げ、地域の市⺠団 体、⾃治体、企業が、それぞれの役割を超えて共創し、主体 的に地域づくり・地域経営に取り組むための研究、伴⾛ ⼀般社団法⼈ ⽇本リビングラボネットワーク設⽴ ⽇本全国で100以上のリビングラボが⽴ち上がる中で、欧⽶の借り物ではない、⽇本の 社会⽂化的な背景を踏まえた実践と⽅法論を探求するコミュニティを運営
  3. ⽇本のリビングラボの年表と分布 2005.03 仙台フィンランド健康福祉センター 2006.09 Lions Living Labo 2010.01-2014.03 湘南リビングラボ 2010.11

    経産省 情報政策課 リビングラボ紹介 「情報政策の要諦ー新成⻑戦略におけるIT・エレクトロニクス政策の⽅向性」 2011.10 2011.12 2012.08 2012.10 みんなの使いやすさラボ(みんラボ) BABAラボ 富⼠通総研 リビングラボ研究レポート おたがいさまコミュニティ 2013.02 Living Lab Tokyo 2013.07 Virtual Living Lab 凡例) オレンジ⾊︓⽇本全体の動き ⿊⾊︓他の⽇本での取り組み 2017.01 井⼟ヶ⾕アーバンデザインセンター(井⼟ヶ⾕リビングラボ) 2017.05 ともに育むサービスラボ(はぐラボ) 2017.06 福岡ヘルス・ラボ 2017.09 件) 経産省 ヴィンテージ・ソサエティ構築実証事業(リビングラボ4 2017.09 神奈川ME-BYOリビングラボ 2017.10 ⾼⽯・僥倖リビング・ラボ 2017.12 ドリームハイツ ヘルスケア リビングラボ(とつかリビングラボ) ほか9件 2018.02 ⼤牟⽥リビングラボ 2018.03 横浜リビングラボ創⽣会議 2018.04 第⼀回リビングラボネットワーク会議 2018.04 こまつしまリビングラボ 2018.07 経産省 「未来の教室」実証事業(⼤牟⽥リビングラボ含む4件) 2018.10 サイクル・リビングラボ 地域共創リビングラボ 2014.12 松本ヘルスラボ 2018.11 2015.01 2015.04 2015.09 三浦リビングラボラトリー ⼦育てママリビングラボ Cyber Living Lab 2019.02 Well Being リビングラボ 2019.03 第⼆回リビングラボネットワーク会議 2019.10 岡⼭リビングラボ 2016.01 第5期科学技術基本計画(Society5.0) 2016.01 ⼋千代リビングラボ 2016.06 みなまきラボ 2016.07 産総研スマートリビングラボ 2016.07 東急WISE Living Lab 2016.11 鎌倉リビング・ラボ ほか5件 ⽇本のリビングラボデータベース (100件以上のリビングラボが存在) ※⽇本リビングラボネットワーク 実践事例部会調べ ( 2023/04 時点 ) 佐渡⾃然共⽣ラボ ほか10件 ほか3件 ふじみ野LL ⼤牟⽥LL 2020.07 関内リビングラボ 2020.08 厚労省 「介護ロボットの開発実証普及のプラットフォーム事業」 (リビングラボ6件) 2020.03 2020.10 経産省 リビングラボにおける⾰新的な社会課題解決サービスの 創出に係る調査「リビングラボ導⼊ガイドブック」 おやまちリビングラボ 2020.11 奈良リビングラボ ほか8件 ※⽊村 (2021)「⾼齢者を⽀える技術と社会的課題」第5章 リビングラボの可能性と⽇本における構造的課題、 (調査資料2020-6)国⽴国会図書館調査及び⽴法考査局を元に作成 丹後LL むlabo TEN no KUNI Folke LLs Academy みんなのまちづ くりスタジオ おやまちLL 未来LL 磯⼦杉⽥LL 鎌倉LL はぐラボ
  4. リビングラボとは モノ・コトをつくるときに ⽣活者と⾏政・企業・⼤学が共に 暮らしの場(リビング)において 試⾏錯誤(ラボ)をする活動・場 デンマークのスマートシティ研 究者とともに、⽇本初のリビン グラボ書籍(教科書)を刊 ⾏。北海道から沖縄まで全 国30カ所で対話イベント実

    施中。 (⼈⼝減少時代の社会課題解決に必要な⽅法論 ≒コレクティブ・インパクト) 徳島県神⼭町(地域創⽣関係者) 官⺠共創HUB×東京⼤学(産官学⺠関係者) 4重螺旋モデル︓Quadruple Helix Model Carayannis, E.G., Campbell, D.F.J., 2009. “Mode 3″ and “Quadruple Helix”: toward a 21st century fractal innovation ecosystem. Int. J. Technol. Manag 46, 201. Copyright千葉⼯業⼤学(情報学部・デザイン学部) 2026 Japanese Network of Living Labs 関⻄学院⼤学(イノベーション研究会)9
  5. リビングラボが活⽤される場⾯ 欧州をはじめとしてさまざまなプロジェクトが取り組まれており(440+)※1⽇本では経産省・厚労省が活⽤し 始めている(100+)※2また、⼤きくは以下の4種の場⾯で活⽤されている※3 鎌倉リビングラボ みんラボ フューチャー・リビ ング・ラボ(⽇⽴) ノボ ノルディスク エーザイ韓国

    ・・・ ①サービス・技術開発 (utilizer-driven) -サービス検証 -サービスイノベーション創出 by⺠間企業・⼤学etc. おやまちリビングラボ ③地域活性化 寿リビングラボ (user-driven) WISEリビングラボ -地域関係者のつながり形成 -地域のにぎわいづくり(イベント) デルフト⼯科⼤ -持続的な住⺠⽣活の問題解決・価値向上 ・・・ by住⺠/NPO・デベロッパー・ ⾃治体 etc. ②⾏政サービス改善 松本ヘルスラボ (enabler-driven) ME-BYOリビングラボ 丹後リビングラボ 佐渡島⾃然共⽣ラボ by⾃治体・住⺠/NPO etc. イノベーション神⼾ Turinリビングラボ ・・・ -住⺠・NPOと⾃治体の関係性構築 -陳情や⾃治体の政策エビデンス獲得 -地域としての政策イノベーション ④⽅法論研究 東⼤ (provider-driven) KDDI研 NTT研 i-mec By⼤学・研究機関 etc. Publicintelligence ・・・ -⽅法論の実践 -⽅法論の体系化と展開 ※1︓European Network of Living Labs (ENoLL) 5⼤陸35カ国から151組織のアクティブメンバー(過去の登録メンバーは全 世界で500組織以上)(2023.04) ※2︓⽊村 (2021)「⾼齢者を⽀える技術と社会的課題」第5章 リビングラボの可能性と⽇本における構造的課題、(調査資料 2020-6)国⽴国会図書館調査及び⽴法考査局 ※3︓Leminen, S., Westerlund, M., & Nystrom, A. G.(2012).Living Labs as open open-innovation networks, Copyright 2026 Japanese Network of Living Labs Technology Innovation Management Review Review. 11
  6. ①サービス・技術開発 ②⾏政サービス改善 ③地域活性化 事例︓循環型都市の実験室 De Ceuvel 概要︓ 1世紀にわたる造船業によって荒廃し⼟壌汚染していた造船所跡地を改 善するため、アムステルダム市が⺠間公募して⽣まれた循環型都市開発 のためのリビングラボ。アムステルダム北部に位置する敷地⾯積1250m²

    の⼩さなエリアで、地域のエネルギー、栄養素、廃棄物サイクルの「ループを 閉じる」完全なリサイクルを実現する再⽣技術の開発や実証に、建築家、 芸術家、起業家、研究者、ボランティアなど多様な組織が協⼒して取り組 んでいる。アムステルダム市からの補助⾦(€250,000)と市の保証によ る銀⾏融資(€200,000)を受けて資⾦を調達している。14隻の貸し 出しハウスボード、ラボ&コミュニティ施設、レセプションスペース、カフェ・レス トランから構成され、⽂化的およびコミュニティのハブとなっている。 主体︓Metabolic社 (2014~2024) 活動︓ ハウスボートは廃船をアップサイクル利⽤し、根を通して汚染物質を吸収し て分解する特殊な植物で覆う「分散型葉緑素ろ過のシステム」を開発 再⽣可能エネルギーの地域⽣産と交換を促進するため、ブロックチェーン 技術を⽤いた仮想通貨のJouliette(ジュリエット)を導⼊ 温室で育てた植物、海藻バーガー、キノコで作ったミートボールなどを敷地 内レストランで提供 地域との関わり⽅︓ 毎年35,000⼈を超える訪問者(Covid-19前)。 作り⼿として関わるイベント(⼟壌を回復させる植物を植える、カフェやハウ スボートオフィスなどのテーブルなどに釘を打つ、オフィスのデザイン等) Copyright 2026 Japanese Network of Living Labs 12
  7. ②⾏政サービス改善 ③地域活性化 関係性から地域を問い直すヌティナム図書館(Neutinamu Library) 概要︓ Neutinamu Library は、韓国の市⺠主体で設⽴された⺠間公共図書館である。単なる蔵書・貸出施 設ではなく、「⼈々の暮らしを起点に公共をつくり直す場」として運営されている。 館⻑や司書は、地域の⼈々の悩みや関⼼、夢、問いを出発点に活動を育てることを重視し、⾏政・市⺠・

    研究者・⽂化実践者など多様な主体が交わるプラットフォームとして機能している。特徴的なのは、サービス を⼀⽅的に提供するのではなく、⼈が⾃ら動き出す“点⽕”を促すことを⽬的としている点である。 館内では、死の⾃⼰決定、孤⽴、障害、移⺠、地域の記憶、⼦どもの学びなどのテーマを、書棚・展⽰・対 話・イベントを通じて共有し、「答え」ではなく「問い」を公共空間に開く実践を⾏っている。また、DIYや野菜 づくり、飲み物づくりなど⾝体的な活動を重視しており、図書館を知識の保管庫ではなく、知識と関係性が ⽣成されるリビングラボ的プラットフォームと⾔える。 主体︓ ヌティナム図書館(ヌティナムはケヤキの意。枝を⼤きく広げて豊かな⽊陰を作るケヤキの⽊が「⼈々が集い憩う場所」の象徴とされている) その他の活動︓ ・地域の⼈の話や暮らしから活動を⽣み出すゲリラガーデニング、歓迎の⾷卓、朗読活動等 ・情報を与えるのではなく、問いを共有する書棚、展⽰、イベント、ウェブサイト ・蔵書を対話のきっかけとして活⽤する「Collection Busking(コレクション⼤道芸)」 ・地域の⼈の活動・記憶・語りをアーカイブ化(Neutinamuが出会った地域の⼈のナラティブ) 地域との関わり⽅︓ ヌティナム図書館では、「利⽤者」として参加するのではなく、市⺠が主体として公共を共につくることを重視 している。発達障害の⼦どもの家族、引きこもり経験者、⾼齢者、⽂化活動者、移⺠・難⺠⽀援者など、 多様な⼈々が役割を固定されずに関われる場を設計している。 また、歓迎された経験を持つ⼈が、今度は他者を歓迎する側へ回っていく循環を⼤切にしており、ケアを「⽀ 援する/される」の⼀⽅向の関係ではなく、相互に育ち合う関係性として捉えている。 さらに、図書館運動そのものを地域との協働プロセスとして位置づけ、司書、ボランティア、研究者、市⺠活 Copyright 2026 Japanese Network of Living Labs 動団体、⾏政関係者などが対話を重ねながら、図書館の役割や公共のあり⽅を継続的に更新している。 13
  8. 転換すべき社会システムの原理 認知症の⼈は拘束 → 安⼼して徘徊(外出)できる 閉じ込める・しばる・過剰な薬等ケアなきケア の時代 1990年代、当時は認知症⾼齢者の寝たきりが社会問題 となりつつありましたが、多くの病院や施設では⾝体 拘束が当たり前になっており、そこに疑問と憤りを感 じていました。(⼤⾕るみ⼦⽒)

    https://chiikisaisei.jp/organization/num-192 官⺠連携による安⼼して徘徊できるまちづくり ⼤牟⽥市介護サービス事業者協議会規約 第2条(⽬ 的) 協議会は、介護サービス事業者(以下「事業者」という。)の 資質の向上及び事業者間のネットワーク化を図ることにより、 円滑な介護サービスの提供を推進するとともに、介護を必要と する⼈の⽇常⽣活への復帰に努⼒し、本⼈の意思と能⼒を発揮 しうるような⼈⽣を最後まで⽀え続ける介護環境の確⽴を⽬的 とする。 Copyright 2026 Japanese Network of Living Labs 16
  9. ⼈の価値・可能性を信じる社会システムデザインへの転換 引き算のデザイン 保険など多くの社会制度 予測された未来 未来から逆算され現在 連続・均質な時間 ⾃分の視点で他者を判断 「逆算・先回り」 ⾜し算のデザイン ⽣きているからだ

    予測を超える未来 不連続な⽣成の先にある未来 不連続・不均質な時間 本⼈の視点で他者を評価 「可能性を評価,待ち」 ※介護フェスタ トークイベント「動物×⼈間×福祉=︖」(2019)伊藤亜紗さんの講演から引⽤ Copyright 2026 Japanese Network of Living Labs 18
  10. 原理を⽀える⼈間観︓パーソンセンタード※ ⽣活者(パーソン)の暮らしを、独⽴した個⼈の暮らしとして捉えるのではな く、周りの家族や地域の⼈との繋がりと、その繋がりの中で捉え直されるケイ パビリティに基づき、豊かで継続性を持ったナラティブによって成り⽴ってい ると捉えるもの 働く 【ビジネス】 マーケティング5.0 【教育】 未来の教室(経済産業省)

    つながり connection 好奇⼼ ⼈⽣ narrative 出会う 知る 潜在能⼒ capability 意欲 楽しむ 問題意識 つながる 【福祉】 地域共⽣社会(厚⽣労働省) Copyright 2026 Japanese Network of Living Labs 学ぶ ※⽊村ら(2019)パーソンセンタードデザイン︓その⼈らしい暮 らしを⽬指す⼈間観に基づくデザイン⽅法論,⽇本デザイン学会 19
  11. 「⼈々が主体的に共創できる社会」のモデルをつくる ⼤牟⽥市、奈良市での取り組みを、岡崎市,⽣駒市, ⼋丈町,神⼭町,天川村,佐渡市,⼩松市、尼崎市、 浦添市などに展開 対話を通じて住⺠の主体性 があたたまる定期イベント 「ぐるぐるダイアログ」 ⼈の意欲が発揮され⼈⼿不 ⾜を解消するムーブメントを ⽣み出す「労働供給制約社

    会・⼤牟⽥」 主体的なデジタル活⽤をサ ポートする⼈材 「インフォナビゲーター」養成 講座 「わたし」として扱われる場があたたまりを⽣む ⾼齢者の主体性を引き出す デジタル体験 「VRを活⽤した未来の福祉 プロジェクト」 ×東⼤等 ⼤牟⽥から未来をのぞき⾒る、 対話・体験・テクノロジー 「NINGEN Societal Festival」 多様な市⺠や内外の関係者がが集うイベン 社会の本質に迫る 問いと対話のメディア 「湯リイカ」 ×SMBC等 対話を通じて未来について考える仲間が集う 公営住宅モデルルームと住みこなしに必要な家具 DIY Well-being な住まいPJ ×有明⾼専等 みんなが⾃然と元 気になるまちPJ w/ モデル事業 ×NTTデータ等 ⼈の⼒を引き出 す職場づくり「超 短時間雇⽤」PJ ×東⼤等 ⽣産性と多様性 の両⽴する地域 企業への伴⾛⽀ 援PJ ・・・ 地域共創拠点︓ うずうずマイン(コワーキング,イベントスペース,チャレンジショップ等) 産官学⺠の共創プラットフォームを推進する主体︓ ⼤牟⽥未来共創センター(⼤牟⽥市との連携協定) 住⺠があたたまり地域内のキーパーソン同⼠がつ ながる場 ⾏政政策︓ 健康福祉総合計画策定・運⽤等 Copyright 2026 Japanese Network of Living Labs 健康福祉総合計画策定・運⽤ 21
  12. ⼤牟⽥未来共創センター(ポニポニ)の設⽴(2019) l 「認知症」や「⾼齢者」などの福祉に閉じた課題設定や取り組みでは、地域においてさまざまな領域で⽣み出される社会 課題や地域創⽣を視野に⼊れたアプローチが難しい状況であった l 認知症ケアで⾒出されたコンセプトを深め、セクターや領域における縦割りを横断し、既存の社会システムから“独⽴しな がら埋め込まれる主体”として官⺠協働で⼤牟⽥未来共創センターを設⽴した(2019年4⽉) 福 祉 教

    育 国 ⼤牟⽥市 産 業 縦割りの打破(調整)、政策展開⽀援 ビジョンの共有 地域内のアクター (市⺠団体、 地場企業など) 共創 ⼤牟⽥未来共創センター 地域外のアクター 共創 (国内外企業、 研究機関等) 基礎 ⾃治 体 予 算 モデル提案 制 度 事 業 予 算 制 度 事 業 ¥ ¥ ¥ ¥ ¥ ¥ ¥ ¥ 政策的統合 計画 ⽀ 援 ⼤牟⽥未来共創センター 地域資源の価値を再構築 地域・住⺠との協働 統合的 アプローチ 地域資源 地域 地域・住⺠ ¥ ¥ ¥ ¥ ¥ 実 践 取 組 ⽀ 援 統合的実践 対 象 Copyright 2026 Japanese Network of Living Labs 多世代・横断 22
  13. 忖度と縦割りによる 地域/組織における「議論・意思決定」のボトルネック 空気社会、縦割り構造の⽇本においては、特に、現場の価値に根差した議論が深まりず らい構造(ボトルネック)がある 地域/組織における「議論」 アイデア出し 意⾒交換 (ポジショントーク) ディスカッション 意思決定・優先順位付け

    ⽬標・⽬的/論理・根拠 ビジョン・判断基準・制約 磨かれた意見 議 論 の 広 が り アイデアの広がり 当事者参加:多 それぞれ、担う役割 としての意見はある (公式見解) 地域の 審議会 企業の 経営会議 (市民、現場担当者、ユーザ) 当事者参加:少 地域のイベント (WS等) 多くの審議会・協議会 ・業界団体内 選ばれた意見 決定された施策 議論の深まり 地域の 審議会 企業の 経営会議 当事者参加:ほとんど存在しない (「意⾒交換」化している) Copyright 2026 Japanese Network of Living Labs 当事者参加:なし 意思決定者が決定 26
  14. 地域の議論における構造的問題を解決する「会議シンギュラリ ティ」 地域には多くの「会議」がある ⼀⽅で、「議論」になりづらい (構造的な問題) テクノロジーが発展している 現状、効率化への活⽤ 労働供給制約と呼ばれる構造的な⼈⼿不⾜ 積極的な議論・意思決定 (やらないことを決める)

    「⼈の可能性を引き出す」 テクノロジーの活⽤ 知識はあるが⽂脈を読まない AIの発⾔機能 議論・意思決定が 必要な地域のテーマ ①⼤牟⽥における中 ⼩企業の⽣産性向上 に向けた施策の検討 ②⼤牟⽥における 介護予防施策の検討 Copyright 2026 Japanese Network of Living Labs 27
  15. 会議シンギュラリティの流れ テーマ:中⼩企業⽀援&介護予防 |開会 15分 ・本イベントの趣旨説明 ・⽣成AI技術についての説明 |会議前半 40分 ・AIたちによるアイデア出し (パート1)

    ・個⼈ワーク→グループ内共有→全体共有 |休憩 |会議後半 45分 ・AIたちによる議論 (パート2) ・個⼈ワーク→グループ内共有 ・グループワーク→全体共有 |閉会 5分 ・アンケート記⼊等 Copyright 2026 Japanese Network of Living Labs 28
  16. パーソンセンタードシティのコンセプト︓ どのような状態でも本⼈の存在が肯定され⼒が発揮されるまち コミュニティケア的視点 社会疫学的視点 暮らし その⼈らしく⽣きやすい環境を作る その⼈らしく⽣きることに向き合う 参加コミュニティ 社会資源 DB

    ナラティブ DB ⽣活者課題 DB 未参加コミュニティ 疫学知⾒ DB ⽀援者 (専⾨職等) 対話を通じて市⺠の主体性があたたまる 「わくわく⼈⽣サロン」 社会課題 DB 友⼈ 近所住⺠ マクロ ミクロ 家族 ⽀援者+モバイル 同僚 都市 保険業 通信 ⾦融業 テク ノロジー DB 集合住宅 モバイル ⼾建住宅 設計 ガイドライン DB 医療介護 建築 物流 保育教育 ⾼齢者の主体性を引き出すデジタル体験 「VRを活⽤した未来の福祉プロジェクト」 ×東⼤等 誰もが持てる⼒を⽣かし、参加できる社 会を理念とした「暮らしの総合計画」 (健康福祉総合計画) 交通 サービス業 技術 宿泊業 産業・テクノロジー的視点 Copyright 2026 Japanese Network of Living Labs その⼈と⽀える⼈を影ながら⽀える その⼈らしく住みこなすプロセスとスマートシティ設計指針 32 の研究開発「⼤牟⽥市営住宅モデルルームPJ」
  17. 系譜1︓シチズンサイエンス(現場で学びを得る科学へ) 1990年代から実験科学・市⺠科学の分野でLiving Labと名前の付い た活動が⾏われている • “The Living Lab is a

    pilot program teaching estuarine issues to junior and senior high school students.” (Short, 1992) • “The program has a room in the residence quarters of the YMCA called the ‘’Living Lab.” This laboratory is an opportunity for a youth to gain practical experience living on his or her own while receiving support from staff, DYFS and other agencies.” (State of New Jersey, 1993) • “From using the environment as a living lab to enhance your science and math studies to using it to help inspire your students to create poetry, there are many innovative ways to promote outdoor experiences with your students.” (Wood et. al., 1993) 実験科学[Lewin,1946;Kawakita,1967;Neisser,1978]や市⺠ 科学[Short,1992;Wood,1993]の分野では、限定的な環境での試 ⾏実験の限界に対して、アクションリサーチ、野外科学、PBLなどの実環 境での実践や検証が重要視された。 特徴 • 実環境下(real-life setting) • ⽣徒の巻き込み(student involvement) • エンパワーメント(empowerment) ※川喜⽥(1967)発想法―創造性開発のために, 中央公論社. Copyright 2026 Japanese Network of Living Labs 36
  18. 系譜2︓オープンイノベーション(みんなに開いてつくる⽂化へ) Human Computer Intaraciton(HCI)の分野では、ジョージア⼯科⼤学の Aware Home Projectが1999年にLiving Laboratoryという概念を取り上げ て研究を⾏った(Cory et

    al.1999) 欧州委員会は2013年のダブリン宣⾔で、オープンイノベーション2.0をオープンイノ ベーションの新たなパラダイムとして考え、欧州全体で推進していくこと ・ 世界に発信し ていくことが決議され、「Open Innovation 2.0 Yearbook」では、Living Lab が多く取り上げられている 1980年代にパーソナルコンピューターが普及したとき、⼈としての使いやすさに焦点を当てた ユーザ中⼼設計Norman(1986)が提唱された。これは限定的な関係者による設計の 限界に対して、実際のユーザの巻き込むアプローチであり、その後サービスデザイン [Stickdorn;2012]などに拡張されていった。また、企業イノベーションにおけるオープンイノ ベーション[Chesbrough;2003]や⾏政運営における市⺠参加の梯⼦ [Arnstein;1969]など、さまざまなセクターのモノづくり(コトづくり)においても、関係者に 開いてつくる⽂化(デザインの⺠主化)へのシフトが志向されている。 特徴 • ユーザの巻き込み(user involvement) • 共創(co-creation) • 価値協創(joint-value) • ガバナンス(governance) Copyright 2026 Japanese Network of Living Labs ※D.A. Norman, (1990)誰のためのデザイン︖,新曜社. 37
  19. 系譜3︓参加型デザイン(使うものを⾃らつくる権利へ) 職場の⽣産性を⾼めるために技術システムを導⼊したい経営者と、⾃分たちの 労働の現場に技術システムを⼊れることに不満を持つ労働者との対⽴に対して、 第3の道として、⺠主主義的な⽅法で問題解決を図ったのが参加型デザイン ノルウェー鉄・⾦属労組の技術プロジェクト(1970年〜) スウェーデンのDEMOSプロジェクト(1975〜1979年) デンマークのプロジェクトDUE(1977〜1980年)など 北欧リビングラボの源流と⾔われる参加型デザイン[Nygaard,1975]は、社会⺠ 主主義的な理念を持ち、⽣活者やユーザの権利として、⾃らが⾝の回りにある組 織構造やプロセス(社会技術システム︓Socio-technical

    system[Trist,1951])に対して主体的に関わっていくことが基本的な考え⽅と なっている。形を持つ製品から、形を持たないサービス、さらには組織や社会につい てまで、それを設計・運⽤することに主体的に関わる活動が展開されてきた。 特徴 • エンパワーメント(empowerment) • ⾃発性(Spontaneity) • ガバナンス(governance) • ラピッドプロトタイピングと評価(rapid prototyping & testing ) ※S. Bodker et al. (2021) Participatory Design, Copyright 2026 Japanese Network of Living Labs Springer. 38
  20. フェアな価値創出を促すCoデザイン/リビングラボのパラダイム 社会背景 ・⼈⼝ボーナス期 = 拡⼤・成⻑期 ・潤沢な供給リソース と需要 ・官僚組織による計画 的マネジメント ・⼈⼝オーナス

    = 定常期※ ・ひっ迫した供給リソー スと減らない需要 ・共創によるアジャイ ル・ガバナンス (デジタル活⽤、プラットフォー ムビルダー化) ※広井(2019)⼈⼝減少社会の デザイン, 東洋経済新報社. パラダイムの変化 0 1 (⼀ 2般 #的 $/ % & 'C (o &# )$ *% +& ⼀⽅的な提供者-利⽤者関係 客体的な関係性 (サービス提供/利⽤) 提供者 (企業/⾏政) 利⽤者 (市⺠) 協働をしても、セクターの枠組みに縛られ 部分的な問題解決になりやすい フェアなパートナー関係 利⽤者 (市⺠) 共に主体的な関係性 (学び合い相互に変容) 市⺠のアップデート 提供者 (企業/⾏政) 政策のアップデート セクターを超えて本質的な 価値を探索できる枠組み Copyright 2026 Japanese Network of Living Labs Techのアップデート 41
  21. 課題意識︓暮らしの質感を取りこぼした現状の社会システム 20260215 JST 公開シンポジウム資料 暮らしでの問題解決が効率的に発展し過ぎると、システムが⾃⼰⽬的化し、結果として、 暮らしが棄損される(第⼆の分⽔嶺) 暮らしの時間 キーワード ケアのあるべき姿 ・主観的、⽣成的、多様

    ・歴史的な絆、⼈間、世間 e.g. ⾃⽴共⽣的、⽣活世界 両⽅の構造に対して デザイン実践をする⽴ち位置 病や⽼い、死と共に ⽣きる⼒を⽀える医 療 健康が管理対象になり 患者が⽋陥と⾒なされ る医療 学びを通じて主体 的な⾃⼰形成を⽀ える学校 教えられないと学べない という学習不能感が蔓 延する学校 関係性の中での⽀ え合いから⽣まれる ケア キーワード 今の社会(システム) のボトルネック システムの時間 ・客観的、計画的、均質 ・政策的経緯、公論 e.g.操作的、システム 制度化され、関係とし てのケアの消失し、仕 事としてのケアになる Copyright 2026 Japanese Network of Living Labs 45 イヴァン イリイチ(2015)コンヴィヴィアリティのための道具,筑摩書房.
  22. 課題意識︓現状の社会システムに対するアプローチ 健康と福祉、不平等、世界の⺠主化、気候変動などの問題に対して、(問題再⽣産の構造延命にも 寄与する)部分的解決ではなく統合的に向き合うために、システム・トランジションなどの⽅法論が提 唱されている。 個別の⽳を防ぐ システムの転換 個別の地域活動や企業サービス、 領域ごとの政策による対応で ⽔漏れ(問題)を事後的に塞ぐ 問題を⽣み出す構造(システム)を

    転換することで⽔漏れ(問題)が ⽣まれづらい状態をつくる + e.g.本籍校に復帰できることを⽬標にする適応指導教室 e.g.学習計画を⼦どもたち⾃⾝が作るイエナプラン教育 e.g.⼈⼿が⾜りないので好待遇で採⽤活動 e.g.働く⼈が働きたい地域・⼒を発揮しやすい職場づくり Copyright 2026 Japanese Network of Living Labs e.g.クマが出てきたので駆除活動 e.g.クマと⼈が共⽣できる⾃然環境回復に向けた取り組み 46
  23. 20260215 JST 公開シンポジウム資料 社会システムの性質 •コミュニケーションのシステム (個⼈間の相互作⽤、組織、法、経済、 政治、宗教、科学、教育などの社会の 機能システム) •複雑性に選択を加えて営 為を⼀定範囲のパターン

    に制限する構造により,不 確実性のリスクを抑制 •内と外を区別し,境界を 維持するための内的秩序 が存在 •内的秩序は原理に基づ いて構成 【例】 ▼経済システム(原理=⽀払える/⽀払えない) あなたがAmazonで本を買うとき、個⼈の善意でも⽂化 の影響でもなく「⽀払可能か否か」で処理される顧客が 良い⼈でも、お⾦を払えなければ取引は成⽴しない ▼法システム(原理=合法/違法) 同じ⾏為(例えば道路への落書き)であっても、美術 的評価ではなく、「違法か合法か」で判断される ▼科学システム(原理=真/偽) ワクチンの安全性は、政治的判断でも宗教的信念でも なく、科学論⽂による「真/偽」の判定で決まる ※ニクラス・ルーマン, 1992, 『公式組織の機能とその派 ⽣的問題(上巻)』, 新泉社. Copyright 2026 Japanese Network of Living Labs 49
  24. 20260215 JST 公開シンポジウム資料 社会システムの性質 社会システム(サービス・制度・組 織等)は、個⼈の外側にある社 会システム単独では成り⽴たず、 個⼈が社会システムのルールを内 ⾯化することではじめて成り⽴つ (相互関係の構造)。

    そのため、外形的にサービス・制 度・組織等を変えるだけでなく、そ れに関わる個⼈の内⾯も同時に 変容していく必要がある。 図︓交通システムにおける相互関係の例 【例】 ▼交通システム ・社会に信号機が置いてあるだけはシステムは機能しない ・個⼈が「⾚信号では⽌まる」という交通ルールを守ることで機能する(内⾯化) 社会システムは その原理を個⼈が内⾯化することで成り⽴つ Copyright 2026 Japanese Network of Living Labs 51
  25. アプローチ1︓ ⽀配的な価値観から新たな価値観への変容 20260215 JST 公開シンポジウム資料 個⼈・コミュニティの価値観が変容していくメカニズムの分析モデル︓Two Loop Model Wheatley, Margaret

    and Frieze, D. (2011). Walk Out Walk On: A Learning Journey Network of Living Labs into Communities Daring Copyright to Live2026 theJapanese Future. Berrett-Koehler Publishers. 52
  26. 事例︓トランジションタウン・トットネス(2009〜) 20260215 JST 公開シンポジウム資料 概要︓ 2005年、化⽯燃料・気候変動・経済ショックへの対応として、地域の「レジリエンス」「リ ローカリゼーション」を掲げ、Rob Hopkinsら主導して住⺠主体で⾏われた変⾰運動。⾃ 治体は、資⾦・場所・制度の⽀援という形で 外部環境を整備する役割を担っていた。

    68世帯ごとに各家庭に集まり、個⼈レベルまたはコミュニティ レベルで実⾏できる実践的な ⾏動を検討し、コミュニティ果樹園、コミュニティシネマ、⼦どもたちが家の外で安全に遊べる プレイストリートセッション、交通渋滞のない路上であらゆる年齢の⼈が交流したりパーティー をしたりできるセッションなどを実施している(Transition Street)。また、住⺠主体の社会 的起業も⽣まれている。 主体︓Transition Town Totnes (2009~) 活動︓ ・エネルギー削減⾏動計画(Energy Descent Action Plan)を地域で作成・実⾏ ・市⺠主導で、⾷/エネルギー/交通施策などの地元消費プロジェクトを展開し、地域通 貨、スキル共有などを実施。 Transition Streetのほかにも以下がある。 ・Incredible Edible:コミュニティによる⾷料栽培の取り組み。 ・REconomy Centre︓⼈々が繋がり、スキルや知識を共有できるコワーキングスペース。 ・Inner Transition︓気候変動による不安や燃え尽き症候群を軽減するために、ボラ ンティアに精神的かつ包括的なサポートを提供するグループ。 その後の展開︓ 2011年には気候変動対策に貢献する取り組みを表彰する世界有数の賞の⼀つであるア シュデン賞を受賞。また、トランジションタウンの取り組みは世界43か国に広がり、1000以 上のイニシアティブがあると⾔われている。(⽇本では、旧藤野町、葉⼭町、東京都⼩⾦ 井市など) Copyright 2026 Japanese Network of Living Labs 53
  27. アプローチ2︓ 現⾏の社会システムから新たな社会システムへの組み替え 20260215 JST 公開シンポジウム資料 社会システムが変容していくメカニズムの分析モデル︓Multi-level Perspective ②⼀部が社会技術 レジームに組み込まれる ①ニッチがボトムアップ

    から複数⽴ち上がる ⼈々はしばしば、システム内のプ レイヤーを変えることが変化をも たらす⽅法だと考えがちだが、真 の梃⼦(レバレッジポイント)は プレイヤーを変えることではな い。それはルール、情報の流 れ、⽬標、そして特にシステムを ⽣み出す思考様式にある。 Donella H. Meadows(2008), Thinking in Systems: A Primer, Chelsea Green Publishing.(邦題︓世界はシステムで動 く) Copyright 2026 Japanese Network of Living Labs Geels, F. and Schot, J.(2007)Typology of Sociotechnical Transition Pathways, Research Policy,36(3),pp.399-417. 54
  28. 事例︓ドイツの電⼒転換(1986-2022) 2011︓福島を受けて原発フェー 1986︓チェルノブイリ → 原発撤 ズアウト決定(2022終了⽬標) 廃機運→市⺠、農家、反核活動家 (ランドスケープ圧⼒の⼀部) 促 進

    20260215 JST 公開シンポジウム資料 促 進 2000︓再エネ法(固定価格20 年間買取)導⼊ → 急速な太陽光 /⾵⼒発電導⼊ 1997︓既存電⼒会社によるロ ビー活動・政府がFIT引下げ提案→ 再エネ推進派の抗議活動の結果、ド イツ議会否決 2010–2022︓再エネ⽐率 急増、4⼤電⼒企業の純利益減少 1991–2000︓ドイツ再統 再エネ法EEGをトリガーとした国内普 及・市場形成は成功 中国⼤規模⽣産・価格⽀配によりモ ジュール製造の展開は失敗 ⼀の混乱の中、再エネ政策整備 (⼩売価格90%での買取義務 化)と初期ニッチの育成、導⼊促進 1980︓⽯油危機後の研究開発 (⾵⼒タービン/太陽光発電)→低性 能・⾼コストで限定的 2020︓太陽光発電、陸上・洋 上⾵⼒発電にかかるコストが、化⽯ 燃料とほぼ同等程度に低下 https://www.irena.org/Data/View-data-bytopic/Capacity-and-Generation/Country-Rankings Copyright 2026 Japanese Network of Living Labs Geels, F. and Schot, J.(2007)Typology of Sociotechnical Transition Pathways, Research Policy,36(3),pp.399-417. 55
  29. 事例︓⾺⾞から⾃動⾞への転換(1860〜1930) 1895︓⾃転⾞ブームと⾃動⾞ レースが拡⼤。⾃転⾞利⽤者が舗装 道路を要求し、個⼈・⾼速・⾃由な 移動という新しい価値観が形成。⽶ 国初の⾃動⾞レースも開催 1880︓厩舎、飼料、 鍛冶、道路、清掃など⾺を 中⼼とする巨⼤な⾺⾞交 通システムが成⽴。全⽶で

    約1.9万台の⾺⾞鉄道が 運⾏。 1888︓電気路⾯電⾞が実⽤市 場へ。RichmondでSpragueが導 ⼊。⾺の⾼コスト・糞尿問題を背景に 急成⻑し、1902年には⽶国路⾯鉄 道の97%が電化 1885︓安全型⾃転⾞が登場し 利⽤者層が拡⼤。同時期にBenz・ Daimlerらがガソリン⾃動⾞を試作。 新しい個⼈移動のニッチが形成 促 進 1920︓道路が⾃動⾞中⼼の空間へ転 換。交通規則・道路整備・歩⾏者教育が⾃ 動⾞を前提に再編され、歩⾏者は歩道へ。 ⾃動⾞中⼼レジームが定着 1916︓⼤量⽣産+道路制度が⾃動⾞ を後押し。Model Tは360ドルまで低価格 化。Federal Aid Road Act成⽴で連邦政 府が道路整備へ本格参⼊ 1908︓ Ford Model T発売(850ド ル)。軽量・頑丈・単純・低価格を組み合わ せ、⼤衆⾞の基本設計を確⽴。⾼級品から ⼤衆市場へ転換 1900︓⾃動⾞はまだ富裕層向けのニッ チ。年間販売は電気⾞1,575台、蒸気⾞ 1,681台、ガソリン⾞936台。どの⽅式が勝 つかはまだ決まっていない Copyright 2026 Japanese Network of Living Labs Geels, F. and Schot, J.(2007)Typology of Sociotechnical Transition Pathways, Research Policy,36(3),pp.399-417. 56
  30. 事例︓⽇本のリモートワーク(1860〜1930) 2020︓COVID-19・緊急事態宣⾔で在宅 勤務が急拡⼤――緊急事態宣⾔中の雇⽤型テ レワーク実施率は全国20.4%。制度等に基づくテ レワーカーも9.8%→19.7%へ倍増 2007︓「テレワーク⼈⼝倍増ア 2021︓厚労省がテレワークガイド クションプラン」策定――政府が 2010年までにテレワーカーを就業⼈ ⼝の2割とする⽬標を設定。実験的

    な働き⽅から政策的普及対象へ ラインを全⾯改定――労働時間管理、 安全衛⽣、費⽤負担、コミュニケーショ ン等を整理。「⾮常時の対応」から通常 の働き⽅としての制度整備へ 2022–2023︓全⾯リモートではな く「ハイブリッド勤務」へ――出社回帰する⼀ ⽅、在宅勤務、サテライトオフィス、オンライン 会議は残存。東京23区でもサテライトオフィ ス等の供給が増加 2017︓クラウド共同作業環境が成熟 ――Teams等で⽂書・チャット・会議を遠隔 で統合。⼀⽅、出社中⼼の働き⽅は維持 2009-︓ノマドワーキング が可視化――書籍「仕事する のにオフィスはいらない」。カフェ、 クラウド、スマホ等を使う働き⽅ 1988︓志⽊サテライトオフィス 実験――⼤企業6社が「都⼼本社に 通わず郊外で働く」職住近接を実験 1999-︓モバイル通信→スマホ が普及――iモード、3G、iPhone等 により「どこでもネット」が⽇常化 2010-︓コワーキングが 全国へ拡⼤――2010年に国 内初期施設、2015年約 300→2019年約799施設 2020年4⽉18⽇の調査結果 https://www.dreamarts.co.jp/n ews/press-release/pr200514/ Copyright 2026 Japanese Network of Living Labs Geels, F. and Schot, J.(2007)Typology of Sociotechnical Transition Pathways, Research Policy,36(3),pp.399-417. 57
  31. アプローチ2︓ 現⾏の社会システムから新たな社会システムへの組み替え 20260215 JST 公開シンポジウム資料 社会システムが変容していくメカニズムの分析モデル︓Multi-level Perspective 直接変えづらい対象 •⻑期⼈⼝動態 •気候変動・⾃然災害

    •国際地政学 •グローバル経済トレンド •社会の価値観の変化 •・・・ 直接変えうる対象 •電⼒市場制度・規制 •サプライチェーン •企業間の業界標準・ルール •⼤規模発電・電⼒網インフラ •消費者の使い⽅ •・・・ MLPモデルの要諦は、 直接変えづらいマクロ (Landscape)と、 ⼀⾒変えられないと思われて いるが直接変えうるメゾ (Socio-technical regime)を 分けて理解する視座 ⼩室直樹(1976)危機の構造 ――⽇本社会崩壊のモデル. ⼩室直樹は、制度や慣⾏ を所与のものとせず、過去 に⾃分たちが作ったもので あり、変えることができるも のとして認識する必要性を 述べている。 Copyright 2026 Japanese Network of Living Labs Geels, F. and Schot, J.(2007)Typology of Sociotechnical Transition Pathways, Research Policy,36(3),pp.399-417. 59
  32. 20260215 JST 公開シンポジウム資料 社会システム転換の⽅法論 「②既存システムの原理の分析」と「④新たな原理に基づいた実践」を意識しないと、社会シ ステムの根幹である原理を転換する実践につながらない 2 論⽂誌だけでなく、⼤企業組織変⾰パターンランゲージや、 違和感を起点に問いを⽴てる教育プログラムなどに展開 問い・対話への展開

    社会的背景の分析 1 違和感/ 当事者性 システムエラー 3 2 既存システムの構造・ 原理の把握 原理に向けた 問い・対話 開かれた 発信と参加 既存の原理 株式会社Muture(丸井グループ)の実践知 システムエラー 政策的 経緯 政 策 的 帰 結 既存の社会システム 転換に向け 社会システムを ハッキング 既存の社会シス テムからの解除 4 新たな 原理 海外論⽂誌採択 国際会議でのTop Paper受賞 組成・協働 新たな原理に基づいた 仕組みの実装(プロジェクト) プロジェクトに 参加 プロジェクトを リード 温まる 役割が解除され 存在が保障される位相 (社会システムが持続的に変⾰し続ける⼟壌) Copyright 2026 Japanese Network of Living Labs ※⽊村ら (2022)新たな社会構造に転換するための社会システムデザイ ン⽅法論, ⽇本デザイン学会 第69回春季研究発表⼤会. ※Kimura et al.(2023) Social System Design Methodology for Transitioning to a New Social Structure - A Holistic Urban Living Lab Approach to the Well-being City -, Front. 60 Sociol. Sec. Sociological Theory, Vol. 8.
  33. 社会システムデザイン⽅法論で⽤いる⾒取り図 ①.既存の社会システムの原理の措定 ④.新たなレジームの実装(社会モデルの変容) 原理 の 転換 ⑤.新たな価値観の連帯醸成(個⼈の変容) ②. 新たな社会システムの原理の発⾒ ③.新たな原理を志向するボトムアップの実践

    ③ʼ.新しい原理を志向していないボトムアップの実践 ※MLP︓Geels, F. and Schot, J.(2007)Typology of Sociotechnical Transition Pathways, Research Policy,36(3),pp.399-417. ※社会システムの原理︓ニクラス・ルーマン, 1992, 『公式組織の機能とその派⽣的問題(上巻)』, 新泉社. ※Kimura et al.(2023) Social System Design Methodology for Transitioning to a New Social Structure - A Holistic Urban Living Lab Approach to Copyright 2026 Japanese Network of Living Labs the Well-being City -, Front. Sociol. Sec. Sociological Theory, Vol. 8. 61
  34. リビングラボを起点に社会を変えていくメカニズム 現 場 ・ ⾃ 然 ①我ー汝の関係性を取り戻す (学び合い相互に変容できるフェアなパートナー関係) 統合的にコーディネートする リビングラボ

    企 業 / 研 究 機 関 分野 情 報 技 術 観 光 業 ⽣ 物 学 経 済 学 ⼼ 理 学 図︓地域や⽣活者の統合性を起点にビジネス・技術・学術的知⾒ が再統合されるリビングラボの構造 (書籍「地域コミュニティへのアプローチ」図版より筆者⼀部改変) ②客体的な技術的課題ではなく、 ⾃らも変容する適応課題として捉 える ③統合性のある⾝体・地域から⽴ ち上がる違和感を起点に社会シス テム(構造)を変えていく Copyright 2026 Japanese Network of Living Labs 62
  35. バイアスを壊す⽬線2︓ 社会システムデザイン⽅法論で⽤いる⾒取り図 ①.既存の社会システムの原理の措定 ④.新たなレジームの実装(社会モデルの変容) 原理 の 転換 ⑤.新たな価値観の連帯醸成(個⼈の変容) ②. 新たな社会システムの原理の発⾒

    ③.新たな原理を志向するボトムアップの実践 ③ʼ.新しい原理を志向していないボトムアップの実践 ※MLP︓Geels, F. and Schot, J.(2007)Typology of Sociotechnical Transition Pathways, Research Policy,36(3),pp.399-417. ※社会システムの原理︓ニクラス・ルーマン, 1992, 『公式組織の機能とその派⽣的問題(上巻)』, 新泉社. ※Kimura et al.(2023) Social System Design Methodology for Transitioning to a New Social Structure - A Holistic Urban Living Lab Approach to Copyright 2026 Japanese Network of Living Labs the Well-being City -, Front. Sociol. Sec. Sociological Theory, Vol. 8. 65