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情報教育に関する 学校現場の実践事例

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情報教育に関する 学校現場の実践事例

みんなのコード

April 22, 2025
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  1. 2 2.4 宮城教育大学附属小学校 これまでの取り組み 小学校情報で目指す姿 2018年 プログラミング教育に着手 課題 • コンピュータの特性・良さを捉えられていない •

    仕組みを意識していない、直感に頼った操作 2020年 CS科の研究開始 • 各学年10時間(20年)→ 20時間(21,22年) • K-12 Computer Science Frameworkを参考に したカリキュラム 2023年 研究開発学校の指定を受け、小学校情報科の 研究開始 • 各学年20〜35時間 • コンピュータを活用した問題解決・情報技術の仕組み・ 情報社会とのかかわりの3内容領域 仕組みを理解した上で情報技術を活用し、自ら問題を 発見・解決する姿 ◀ 情報科単元と内容項目の関連表 情報手段の効果的な活用は高学年では 薄く、情報社会とのかかわりは高学年に 向け厚くするなど、発達段階に応じた体 系的なカリキュラムを構成 児童の姿 6年生 「卒業制作」の様子 ▲ 解決したい課題について仕様書 にまとめ解決の見通しをもつ ▲ 6年間の経験を生かしながら問題解決の ための作品を考え、試行錯誤を繰り返す 情報の科学的理解に着目しながら、体系的な「小学校情報科」カリキュラム開発に取り 組む。卒業時には6年間の経験を生かし、情報技術を用いた日常の課題解決が可能に ▲ 児童の作品例
  2. 3 2.4 印西市立原山小学校 2018年 情報教育に力を入れ始める 課題 • CS系のスキルを体系的に高めたい • 各教科の中で情報活用能力の育成することの限界 2023年 「情報探究科」開始【授業時数特例学校】

    • コンピュータネットワーク、プログラミング、 メディア表現、情報デザイン、データサイエンス、デジタ ル・シティズンシップの6分野 2024年 教育課程特例校の指定を受ける • 「情報探究科」各学年70〜105時間 情報とテクノロジーを巧みに活用し、創造的なアイデア を生み出し、多様性を尊重しながら積極的に持続可能な 未来を築く姿 コンピュータ・サイエンスを含めた情報活用能力育成のため、各学年に「情報探究科」を 設定。初出場のFLL*でも、世界大会出場を果たすなどの成果をあげる ▲ コンセプト立案のための調査 ▲ 課題解決のためのコンテンツ制作 ▲ チームごとに、ロボットのデザインや プログラムの設計・改善を行う ▲ 東京予選会から全国大会に出場、 世界大会出場権を獲得 原山小 情報教育 カリキュラム (試作段階) 抜粋 * ロボットゲームと、社会課題の解決策のプレゼンなどを実施する 教育プログラム兼 競技大会。FIRST LEGO League。 これまでの取り組み 情報科で目指す姿 児童の姿 6年生 「FLLにチャレンジしよう」の様子
  3. 4 2.4 日本女子大学附属中学校 課題 • 技術・家庭科 技術分野のカリキュラムを、より情報活用 能力を高める魅力的なものにしたい • 伝統的に被服・調理を強みにしているカリキュラムが、

    情報分野のジェンダーギャップに続いている可能性 2023年9月 みんなのコードと「教科横断的な情報活用能 力の育成に関する連携協定」を締結 • 全ての学年の技術科で、「D 情報の技術」の内容を扱う 多様な教材を用いて創造的かつ体系的な学びを通して 課題解決する、学校の特色である生徒の個性を活かせ るカリキュラムの作成 生徒の姿 生成AIを学ぶ・活用する3年生の様子 実証研究の目標 全学年の技術科で「情報」を扱い、創造的・体系的な学びを通じた情報活用能力の 育成を目指す。技術科の学びが、他教科の学びを深める姿も見られている 技術科でAIのしくみや 特徴、効果的な活用方法 などを学ぶ 社会科(公民)の授業で 生成AIとディベートを 行いながら、自 分の意 見 を深めていく実践 これまでの取り組み
  4. 5 2.4 町田市立南成瀬中学校 課題 • 情報活用能力育成の中核である、技術・家庭科(技術 分野)の授業時数が少なく、情報教育の積み重ねが難 しい 2024年 授業時数特例校の指定を受ける

    • 3年生の技術科の授業時数を、17.5時間から35時間 に増やす(隔週実施から、毎週実施へ) • 授業内容・方法も見直し、情報活用能力育成の強化に 取り組む 「A 材料と加工の技術」など、「D 情報の技術」以外でも デジタルものづくりの活動を取り入れるなど、 技術科の3年間を通じた情報活用能力育成の在り方を 模索 生徒の姿 ハードウェア教材を用いた課題解決に取り組む3年生の様子 今後の展望 技術科の時間数が不足しており、情報教育の積み重ねが難しかったため、特例制度を 活用。内容・方法等も見直した結果、生徒の積極性等に変化が見られている これまでの取り組み • 3年生の技術科が隔週実施だった頃と比較して、生 徒から進んでプログラミングなどをやりたいという 声が聞かれるようになった • 女子生徒が技術系の分野に進みたいと希望する ケースがあるなど、進路選択の幅が広がったように 思われる 管理職・担当教員から見た生徒の変化 ▲ タコラッチを用いて、グループごとに学校生活の課題解決に取り組む