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共テ前日からでも間に合う確率分布

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December 12, 2022

 共テ前日からでも間に合う確率分布

※前日からやって間に合わなかったという苦情は受け付けません

共テの確率分布簡単だからみんなやろうぜという布教のために作りました。
確率分布なんもわからんという人でも公式を覚えて多少演習を積めばできるようになると思います。
皆も確率分布、解こう!

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しーぴー

December 12, 2022
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Transcript

  1. 確率分布ってなんだ 例えば... - しーぴー君はとあるガチャを引くことにしました - そのガチャの★5の排出率は0.8%です - しーぴー君はこのガチャを200回分回しました という状況のとき -

    ★5を1回も引けない確率を求めなさい / ★5をただ1回引く確率を求めなさい とすると、ただの確率の問題(計算めんどいけど...) 3
  2. わかると何が嬉しいの? 世の中に確率分布はいっぱいある - ガチャはその代表例 - その他にもダイス、偏差値、etc… 共テに役立つ! - 今回のメインのテーマ -

    数列・ベクトルに比べれば遥かに簡単 - ただし個別入試では範囲から除かれていることが多いので役に立たない 5
  3. 1. 期待値・分散の計算 ー 用語の確認 - 期待値:これぐらい出るんじゃね?っていう値 例:サイコロの出目の期待値は 1×⅙+2×⅙+3×⅙+4×⅙+5×⅙+6×⅙ = 3.5

    - 分散:どれぐらい値がバラバラなのかな?っていう値 例:さっきの分散は (3.5-1)²+(3.5-2)²+(3.5-3)²+(3.5-4)²+(3.5-5)²+(3.5-6)² = 35/12 - 標準偏差:分散の平方根 例:さっきの標準偏差は √(35/12) 9
  4. 1. 期待値・分散の計算 ー 公式集 - 期待値 - E(X+Y) = E(X)+E(Y)

    - E(XY) = E(X)×E(Y) - E(aX+b) = aE(X)+b(a, bは定数) - 分散 - V(X+Y) = V(X)+V(Y) ← XとYが無関係なら - V(aX+b)=a²V(X) ← 二乗されるので注意! - V(X) = E(X²)-{E(X)}² 10 - 標準偏差 - σ(aX) = |a|σ(X) 字が薄いものは重要度低め
  5. 1. 期待値・分散の計算 ー 練習問題 - 1から10までの数が書いてるカードが1枚ずつある。そこから無作為に1枚取り出した ときのカードの数字をXとする。Xの期待値・分散・標準偏差を求めよ (解答) E(X) =

    (1+2+3+4+5+6+7+8+9+10) ÷ 10 = ½×10×(10+1) ÷ 10 = 11/2 V(X) = (1²+2²+3²+4²+5²+6²+7²+8²+9²+10²) ÷ 10 - {E(X)}² = ⅙×10×11×21 ÷ 10 - (11/2)² = 33/4 σ(X) = √{V(X)} = √(73/4) = √33/2 11
  6. 2. 二項分布の正規分布への近似 ー 用語の確認 - 二項分布 B(n, p):確率pで起こることをn回やってみた時の確率分布 例:0.8%の確率で当たるガチャを200回引く確率分布は B(200,

    0.008) - 正規分布 N(m, σ²):いろいろ応用できるいい感じの分布 二項分布はNが十分に大きいとき正規分布に近似できる 13
  7. 2. 二項分布の正規分布への近似 ー 公式 - Xが二項分布 B(n, p) に従うとき E(X)

    = np, V(X) = np(1-p), σ(X) = √{np(1-p)} - nが十分大きいとき B(n, p) ≒ N(np, np(1-p)) or B(回数, 確率) ≒ N(期待値, 分散) 14
  8. 3. 正規分布表の見方 ー 公式 Xが N(m, σ²) に従うとき Z =

    (X - m) / σ とするとZは N(0, 1) に従う 18 E(X-m) = E(X) - m V(aX) = a²V(X)
  9. 3. 正規分布表の見方 ー 正規分布表を見る - 正規分布表を見ると、標準正規分布Zに対して 0≦Z≦n となる確率がわかる - この確率を

    p(n) と表記することが多い - 左の行が小数点1桁以上、上の列が小数点2桁目を指定している - 例えば p(0.84) は□の部分 19
  10. 3. 正規分布表の見方 ー 公式その2 20 - P(0≦Z≦n) = p(n)(定義) →

    ▪ の部分 - P(Z≧n) = 0.5 - p(n) → (▪ + ▪) - ▪ - P(|Z|≦n) = 2×p(n) → (▪ + ▪) - P(|Z|≧n) = 1 - 2×p(n) ※p(n)は正規分布表のnの値
  11. 3. 正規分布表の見方 ー 練習問題 - Xが正規分布 N(20, 25) に従うとき、X≧25 となる確率を正規分布表を用いて答え

    よ (解答) 標準化すると Z = (X - 20) / 5 なので  P(X≧25) = P(Z≧1) = 0.5 - p(1) 正規分布表より  p(1) = 0.1587 21
  12. 4. 信頼区間 ー 標本調査 今までは - (母集団の)期待値 → 確率分布 を考えていたが、標本調査は

    - 確率分布 → (母集団の)期待値 を求めるものである 23 母集団 標本
  13. 4. 信頼区間 ー 母標準偏差と標本標準偏差 - 母標準偏差 σ:母集団の標準偏差 - 標本標準偏差 σ’:標本の標準偏差

    標本の大きさをnとすると σ’ = σ / √n が成り立つ ※ 標本を沢山とってきた方が正確性が上がるイメージ 24
  14. 4. 信頼区間 ー 公式 平均値をm、標準偏差をσ、標本数をnとすると - 95%の信頼区間:[m - 1.96×σ÷√n, m

    + 1.96×σ÷√n] - 95%の信頼区間の幅: 2×1.96×σ÷√n 母比率をp、標本数をnとすると - 95%の信頼区間:[m - 1.96×√{p(1-p)}÷√n, m + 1.96×√{p(1-p)}÷√n] - 95%の信頼区間の幅: 2×1.96×√{p(1-p)}÷√n ※99%の場合は1.96ではなく2.58を使う 26 標本標準偏差でも 母標準偏差でもOK
  15. 5. 確率密度関数による期待値 ー 公式 確率密度関数 f(x) (a≦x≦b) とすると - ∫[a,b]

    f(x) dx = 1 ← 確率密度関数の条件 - E(X) = ∫[a,b] x×f(x) dx - V(X) = ∫[a,b] (x-m)²×f(x) dx 30
  16. 5. 確率密度関数による期待値 ー 練習問題 - 確率変数Xが確率密度関数 f(x) = 2x (0≦x≦1)

    に従うとき、期待値E(X)と分散V(X) を求めよ (解答) E(X) = ∫[0,1] (x×2x) dx = ⅔ V(X) = ∫[0,1] {(x-⅔)²×2x} dx = 1/18 積分は頑張ってください ... 31
  17. 令和3年度 共通テスト 本試 2B 第3問 出典:https://www.dnc.ac.jp/kyotsu/kako_shiken_jouhou/r3/r3_jisshikekka/r3_dai1_mondai.html 34 オ:p₅ = P(X≦36)

    = P(Z≦-14/5) = 0.5 - p(2.8) ≒ 0.003 カ:p₄ = P(Y≦36) = P(Z≦-√6/3) > P(Z≦-14/5) ∴p₄ > p₅ XはN(50, 25)に従う →Z=(X-50) / 5 YはB(100, 0.4) YはN(40, 24)に従う →Z=(Y-40) / 2√6
  18. 令和3年度 共通テスト 本試 2B 第3問 出典:https://www.dnc.ac.jp/kyotsu/kako_shiken_jouhou/r3/r3_jisshikekka/r3_dai1_mondai.html 35 キクケ:  C₁ +

    C₂ = 2×m = 408 コサ.シ:  C₂ - C₁ = 2×1.96×150÷√(100) = 58.8 ス:③ 信頼区間の中に95%の確率でmが入っているだ けでどちらも必ず成り立つとは限らない
  19. 追加問題 ー 解答・解説 (1) Xは B(400, ½) に従うので、近似的に N(200, 100)

    に従うので、   Z = (X / n) - ½ とするとZは N(0, (0.025)²) に従う  P(|Z|≦0.01) = 2×p(0.4) = 0.310 (2) 信頼区間の幅は  2 × 1.96 × √{½(1-½)} ÷ √n ≦ 0.01 ⇔ 196 ≦ √n ⇔ 38416 ≦ n よって求めるnは 38400 39
  20. 偏差値ってなんだろう 自分がどれぐらいすごいのかを数値化したもの - 偏差値 = (x - m) ×10 ÷

    σ + 50(x:自分の点数, m:平均点, σ:標準偏差) この仕組みを知っていると偏差値に関する疑問が解決する - 偏差値ってマイナスになるの? → 理論上は可能(下位約0.00003%) - 偏差値が60って上位何%? → 15.9%ぐらい( ∵p(1.0) = 0.3413 ) 41
  21. - 正規分布の標準化:Z = (X - m) / σ - Xが

    N(m, σ²) に従うとき、この変換を行うとZは N(0, 1) に従う - 二項分布:B(n, p) ≒ N(np, np(1-p)) or B(回数, 確率) ≒ N(期待値, 分散) - 95%の信頼区間:[m - 1.96×σ÷√n, m + 1.96×σ÷√n] - 99%のときは1.96ではなく2.58 - 分散の求め方:V(X) = E(X²) - {E(X)}² - 定義から求めるより早い(ことが多い) - 確率密度関数:∫[a,b] x×f(x) dx = 1 E(X) = ∫[a,b] x×f(x) dx 43 でる順 ー 確率分布の公式集