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サステナビリティと価格の壁 / Price Challenges to Sustainability

サステナビリティと価格の壁 / Price Challenges to Sustainability

<Ver 0.1>
サステナビリティと価格の壁
超訳!「GXリーグ グリーン商材の付加価値付け検討WG 最終報告書」

松村 大貴 / @dmattsun
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Transcript

  1. 6つの提⾔と今後の展開(資料から転載) • 提⾔1 企業の脱炭素等の取組みを進めるため、商材のグリーン価値が市場から適切に評価され、経済活 ⽤される仕組みづくりを⾏うこと。 • 提⾔2 グリーン商材の普及を推進するため、これまで着⽬されてきた CO2 排出の絶対量に加え、基準

    値からの排出削減量(以下、ΔCO2)を指標として適切に認識‧活⽤すること。その際、「マスバランス ⽅式」の考え⽅を参考に、グリーン商材への投資を促すなど ΔCO2 のグリーン価値を有効活⽤すること。 • 提⾔3 サプライチェーン全体のグリーン価値を評価すること。特に、調達、製造、製品利⽤における ΔCO2を評価に組みこむこと、プラスチックなどのリサイクルにおけるΔCO2排出量についてライフサイ クル全体での評価が重要であること。 • 提⾔4 CO2 削減を推進する上で重要⾦属資源の資源セキュリティーが益々重要となること。特に、⽇本 では、域内循環を⽀援することが重要であること。 • 提⾔5 グリーン商材の市場拡⼤に向けては、カーボンプライシングの導⼊以外にも様々なインセンティ ブの仕組みが必要であること。 • 提⾔6 グリーン商材に関するルールについては、本提⾔をベースとして、業界ごとの取組みや国際標準 化の取組みにつなげていくこと。 6
  2. グリーン商材が浸透しない課題構造(仮説) 8 企業の積極的なグリー ン投資が増えない 産業のグリーン 変⾰が進まない 流通する商材のグリー ン⽐率が上がらない リサイクル‧資源循環 率が上がらない

    投資回収が 不透明 価格転嫁が 難しい グリーンプレミアム (持続可能な商材 の追加コスト) グリーン商材の 規模の経済が働かない 消費者‧企業の 購⼊シフトが進まない
  3. 9

  4. 価格転嫁がなぜ難しいか (グリーンな商材を⾼めの価格で販売すること) 10 個⼈ 企業 持続可能な製造‧流通に 切り替えても 商材によっては 機能的価値が変わらない (例:鉄鋼)

    気候変動などの 良い結果も悪い結果も 全員に降りかかる (外部性がある) (規制‧炭素税がなければ) 従来品が まだ安く変える ▼ 積極的に購⼊する個⼈‧企業が得をする、評価制度‧インセンティブを設計する必要がある あえて⾼い⽅を 買う理由が (感情‧倫理⾯しか) ない‧‧‧
  5. 提⾔で⽬指す変化と施策 11 企業の積極的なグリー ン投資が増える 産業のグリーン 変⾰が進む 流通する商材のグリー ン⽐率が上がる リサイクル‧資源循環 率が上がる

    投資回収の 期待ができる 価格転嫁が 進む グリーンプレミアム (持続可能な商材の追加 コスト)が減る グリーン インセンティブ グリーン ファイナンス 納得感のある測 定‧評価制度 グリーン商材の 規模の経済が働く 消費者‧企業の 購⼊シフトが進む カーボンクレジット ‧優先調達 ΔCO2、削減貢献量 エコラベル 購⼊補助⾦ サステナビリティ‧リ ンク‧ファイナンス
  6. 追記版‧課題構造(仮説) 14 企業の積極的なグリー ン投資が増えない 産業のグリーン 変⾰が進まない 流通する商材のグリー ン⽐率が上がらない リサイクル‧資源循環 率が上がらない

    投資回収が 不透明 価格転嫁が 難しい グリーンプレミアム (持続可能な商材 の追加コスト) グリーン インセンティブ 納得感のある測 定‧評価制度 グリーン商材の 規模の経済 消費者‧企業の 購⼊シフトが進まない みんなで負担の 合意形成が難しい 社会‧経済の不安 可処分所得縮⼩ 政治信頼感‧推せ るビジョンの不⾜ ⾼齢化‧ ⼈⼝動態の変化 ⼈⼿不⾜‧ 専⾨⼈材不⾜ 組織ケイパビリ ティの不⾜ グリーン ファイナンス 変わる世代‧ 価値観&⾏動変容の可能性 背景にある社会‧経 済モデルの課題 問題の種類とアプ ローチの整合性 ⼈材‧組織開発 の課題
  7. 購⼊シフトがどう進むかも、 2040~2050年の価値観を想像して考える 18 変わる世代‧ 価値観&⾏動変容の可能性 ベビーブーマー世代 (≒団塊世代) X世代 (≒団塊ジュニア) Y世代(ミレニアル)

    Z世代 α世代 ベビーブーマー世代 (≒団塊世代) X世代 (≒団塊ジュニア) Y世代(ミレニアル) Z世代 α世代 ??世代 各産業の中核を担うのはミレニアル世代‧Z世代となっていく ▼ 例えば「GXリーグ U-40」(40歳以下の分科会‧勉強会)をやってみるのはどうか
  8. 施策が散発的にならないよう、 全体をシステムとして捉え、取り組んでいく 20 『⾏政とデザイン: 公共セクターに変化を もたらすデザイン思考の使い⽅』 アンドレ・シャミネー 利⽤できる情報 が豊富 知識の不⾜

    コンセンサス がない コンセンサス がある 単純な問題 ▼ カイゼン・効率化 倫理的な問題 ▼ 話し合い・調整 科学的/専⾨的な問題 ▼ ロジカルシンキング ・仮説検証 複雑/厄介な問題 ▼ ︖︖︖ 問題の種類とアプ ローチの整合性 複雑な問題には新しい アプローチが必要 「施策ありき」「個別に実 験」という進め⽅にならない よう、 システムチェンジやデザイン の専⾨家をプロジェクトに⼊ れていく
  9. より詳しい⽅法論に興味のある⽅は、 過去のスライドもご覧ください 22 ⇤⇧⇥⌅ ⌃ ◆ # .( ) ⇣⇢⇧

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