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行動変容 自分と世界を変える技術 / Behavior change techniques

行動変容 自分と世界を変える技術 / Behavior change techniques

<Ver.2>
社会の変化や、サステナビリティの観点で注目されている「行動変容」についてまとめています。
<シェア・共有歓迎です>

2024/07/01
行動変容のフレームワークとワークショップの進め方に関する章を追加しました。

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Transcript

  1. 現状維持バイアス ⼈ 間 は 新 し い 選 択 肢

    が あっても変化を避け、 現状の⽅法や⾏動に固執 する傾向がある (⼼理学⽤語) 16
  2. 27

  3. 28

  4. • インセンティブ • ゲーミフィケーション • 啓発、キャンペーン • 道徳、エシカル教育 • ナッジ

    • プライシング • ⾏動を変えるデザイン • トランジションデザイン • 炭素税 • ⾏動法学 • ルールデザイン 分類はわかりやすさを重視。実際には複数の⾯で活⽤できるテクニックもある。 29
  5. 啓発キャンペーンの事例 パタゴニア Don’t Buy This Jacket 2011年の新聞広告で、⾃社の商品を「買わない で」というメッセージで、ファッション製品を買 う前に熟考することを訴えた。 ”

    最も困難でありながら重要な要素というのは、環境フットプリントを削 減するためには、あらゆる⼈びとが消費を抑える必要があるということで す。(中略)パタゴニアのウェアのひとつひとつが、たとえそれがオーガ ニックであれリサイクル素材を使ったものであれ、その重さに対して何倍 もの温室ガスを排出し、最低でも半分の廃棄物を⽣み、地球上のあらゆる 場所でだんだんと希少になっていく淡⽔を⼤量に使⽤しているのです。” https://www.patagonia.jp/stories/dont-buy-this-jacket-black-friday-and-the-new-york-times/story-18615.html 33
  6. ナッジ設計のコツ F E A S T フレームワーク Fun 楽しい Easy

    簡単で⼿間がかからない Attractive 魅⼒的で注⽬を集める Social 社会規範や互恵性に訴える Timely 意思決定のタイミングに合わせる Fun Easy Attractive Social Timely 37
  7. ただ、三すくみの関係で動きづらくなりがち 国 企業 個⼈ 公平なルールを決め てくれたら従う サステナブルな商品を 買ってくれないから 投資できない 魅⼒的な選択肢がな

    い‧お⾦に余裕がない 期待が持てないから 声を上げない 求める声が ⼤きくなれば動ける 勝⼿に決めて業界の 反発を招きたくない 47
  8. 社内と社外の⾏動変容を同時に進める 伝統企業であるほど、社内の⽂化‧ ⾏動変容が課題になることも多い 顧客に働きかけると同時に、 社員の⾏動変容にもナレッジを活⽤ して取り組む 例 え ば 、

    イ ギ リ ス の ビ ー ル メ ー カ ー Brewdog は 、 Pawprintと協働して、全従業員がカーボンフットプリン トを測定し、減らすことをサポート https://www.pawprint.eco/ 56
  9. 動機 コスト 道徳性 の柱 経済性 の柱 戻ろうと する⼒ • 補助⾦の⾒直し

    • コストイノベーション • 炭素税 etc. ( 経 済 的 に 続 け て い け る 構 造 に 変 え る ) 国にしかできない ことがある 64
  10. ⾏動しよう!と思った⽅へ 参加できるコミュニティ‧勉強会 Climate Tech Discord「ホライゾン」 https://future.takaumada.com/ Climate Designers Japan https://www.climatedesigners.org/japan

    環境エネルギーイノベーションコミュニティ https://jp.cic.com/news/announce/ee_community/ サステナビリティカレッジ https://www.sustainability-college.com/ 90
  11. 参考⽂献‧紹介した書籍のリスト 1.なぜ⼈の⾏動は変わりづらいの? • 『⽂明崩壊 滅亡と存続の命運を分けるもの』ジャレド‧ダイアモンド • https://www.kateraworth.com/2020/04/08/amsterdam-city-doughnut/ • BCG https://www.bcg.com/ja-jp/publications/2023/understanding-a-sustainable-society

    • 『「超」⼊⾨ 空気の研究』鈴⽊ 博毅 • 『現代経済学の直観的⽅法』⻑沼 伸⼀郎 • 『FACTFULNESS』ハンス‧ロスリング • 『事実はなぜ⼈の意⾒を変えられないのか』ターリ‧シャーロット • 『予想どおりに不合理 ⾏動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」』ダン‧アリエリー 2.どのように⾏動変容を促せる? • 『ウォートン‧スクール ゲーミフィケーション集中講義』ケビン‧ワーバック • 『WOKE CAPITALISM 「意識⾼い系」資本主義が⺠主主義を滅ぼす』カール‧ローズ • 『インセンティブ ⾃分と世界をうまく動かす』タイラー‧コーエン • 『NUDGE 実践 ⾏動経済学 完全版』リチャード‧セイラー、キャス‧サンスティーン • 『⾃治体職員のためのナッジ⼊⾨: どうすれば望ましい⾏動を後押しできるか?』特定⾮営利活動法⼈Policy Garage • 『地球の未来のため僕が決断したこと 気候⼤災害は防げる』ビル ゲイツ • 『世界を変えるデザイン――ものづくりには夢がある』シンシア スミス • 『⾏動を変えるデザイン ―⼼理学と⾏動経済学をプロダクトデザインに活⽤する』Stephen Wendel • 『社会規範はどのように迷惑⾏為に影響を及ぼすのか』⾼⽊ 彩 • 『⼈を動かすルールをつくる――⾏動法学の冒険』ベンヤミン‧ファン‧ロイ 91
  12. 参考⽂献‧紹介した書籍のリスト 3.実際に社会を変えるために何ができる? • ⽇⽴製作所&Takram https://www.sustainability-transitions.com/jp • 『トランジション 社会の「あたりまえ」を変える⽅法』松浦 正浩 •

    『Net Positive ネットポジティブ 「与える>奪う」で地球に貢献する会社』ポール‧ポルマン • 『未来を実装する――テクノロジーで社会を変⾰する4つの原則』⾺⽥隆明 • 『数理モデル思考で紐解くRULE DESIGN -組織と⼈の⾏動を科学する-』江崎貴裕 • 『モラル‧エコノミー:インセンティブか善き市⺠か』サミュエル‧ボウルズ • 『EBPM エビデンスに基づく政策形成の導⼊と実践』⼤⽵⽂雄、内⼭融、⼩林庸平 4.⾃分⾃⾝の⾏動を変えるには? • 『LIFE SHIFT』リンダ‧グラットン • 『Speed & Scale 気候危機を解決するための』ジョン‧ドーア • 『ザ‧キルスコア 資本主義とサステナビリティーのジレンマ』ヤコブ‧トーメ • 『ワーク‧シフト ─孤独と貧困から⾃由になる働き⽅の未来図<2025>』リンダ グラットン • 『サピエンス全史 ⽂明の構造と⼈類の幸福』ユヴァル‧ノア‧ハラリ • 『世界史を俯瞰して、思い込みから⾃分を解放する 歴史思考』深井 ⿓之介 • COTEN RADIO 歴史を⾯⽩く学ぶコテンラジオ • 『「空気」の研究』⼭本 七平 • 『⽣きるということ』エーリッヒ‧フロム • 『暇と退屈の倫理学』國分功⼀郎 • 『BETTER, NOT PERFECT すこしでも確実に社会に役⽴つ選択をする』マックス‧H‧ベイザーマン • 『それしか ないわけ ないでしょう』ヨシタケ シンスケ 92
  13. ワークショップ参加者の声 74% 53% 47% 37% 32% 26% 16% ⾏動変容の考え⽅や向き合い⽅が⾝に付いた 具体的な⾏動変容施策やそのヒントが思い付いた

    今やっている取り組みの解像度‧理解度が⾼まった 想定外のアイディアや適⽤できそうなテーマが思い付いた チームが話しやすくなった、議論しやすくなった 取り組みへのやる気や⾃信が⾼まった チームの認識が揃った ワークショップを通じて感じた効果 ターゲットとなる当事者のことを思った以上に理解で きておらず、⽐較的表⾯的な施策を考えていたことに 気づかされました。 ⼋⽅塞がりのように感じていたものの打開策があるこ とを感じました。 頭がすごく疲れましたが、楽しかったです。 ⾏動を変えていくために、影響を与える要素同⼠のつ ながりを考えて構造化することの重要性を感じました。 担当範囲は異なるものの共通の⽬的(会社の変⾰)を ミッションとしているメンバー同⼠で会話できること は、相互理解の向上にもなり良かったです。 ⾏動変容は意識していたが、具体的なフレームワーク に落とし込み、構造化するステップを踏めたことは、 良い経験になった。 今抱えている課題に対し、最優先で取り組むべきこと が明確になりました。 96
  14. ⾏動変容設計のフレームワーク 1.Define 定義 • どんな⾏動をどんな⾏動に変えたいか?を定義 2.Observe 観察 • 現状の「理想の⾏動が起きづらい」構造的要因を観察し、可視化する 3.Reverse

    逆転 • ワンアクション起こしてもらうために、変化させる要素と、施策を考える 4.Structure 構造化 • 新しい⾏動が持続するように、構造として成り⽴つ⽅法を考える 5.Transition 移⾏ • 新しい構造にスムーズに移⾏するための、戦略やプロセス、推進⼒‧抵抗⼒を考える 98
  15. ワークショップと取り組みの流れ 1.Define 定義 • どんな⾏動をどんな⾏動に変えたいか?を 定義 2.Observe 観察 • 現状の「理想の⾏動が起きづらい」構造的

    要因を観察し、可視化する 3.Reverse 逆転 • ワンアクション起こしてもらうために、変 化させる要素と、施策を考える 4.Structure 構造化 • 新しい⾏動が持続するように、構造として 成り⽴つ⽅法を考える 5.Transition 移⾏ • 新しい構造にスムーズに移⾏するための、 戦略やプロセス、推進⼒‧抵抗⼒を考える 全 体 像 と 考 え ⽅ を つ か む 巻 き 込 む ⼈ 数 を 増 や し て い く それぞれのステップに 改めて取り組みながら 仮説を更新していく (数ヶ⽉〜数年間) 仮説 検証 仮説 検証 仮説 検証 仮説 検証 99
  16. 動機 コスト etc etc 嫌な結果‧負債 良い結果‧報酬 促したい⾏動 好 循 環

    悪 循 環 Step.1 102 理想(To Be)の⾏動を シート中央に書き込む
  17. 「システム思考」で課題を捉え、可視化できるとBetter …だけど難しい 107 ▶個⼈‧グループで取り組める 簡易的なワークに Robert A. Taylor, U.S. Department

    of Energy - "Feedback". In: U.S. Department of Energy's Introduction to System Dynamics. https://en.wikipedia.org/wiki/Causal_loop_diagram
  18. 動機 コスト etc etc 嫌な結果‧負債 良い結果‧報酬 促したい⾏動 好 循 環

    悪 循 環 Step.2 Observe ②⾏動が起きない‧変わらないことによる 嫌な結果を書き出す ③ダメがダメを呼ぶ悪循環を ⾒つけたら⽮印でつなぐ ①コスト要因を書き出す 109
  19. • インセンティブ • ゲーミフィケーション • 啓発、キャンペーン • 道徳、エシカル教育 • ナッジ

    • プライシング • ⾏動を変えるデザイン • トランジションデザイン • 炭素税 • ⾏動法学 • ルールデザイン 分類はわかりやすさを重視。実際には複数の⾯で活⽤できるテクニックもある。 112
  20. 動機 コスト etc etc 嫌な結果‧負債 良い結果‧報酬 促したい⾏動 好 循 環

    悪 循 環 Step.3 Reverse ⾏動の動機を増やす施策、 コストを減らす‧取り除く施策を考え、 書き⾜していく 113
  21. 動機 コスト 道徳性 の柱 経済性 の柱 戻ろうと する⼒ • 補助⾦の⾒直し

    • コストイノベーション • 炭素税 etc. ( 経 済 的 に 続 け て い け る 構 造 に 変 え る ) 国にしかできない こともある 118
  22. 動機 コスト etc etc 嫌な結果‧負債 良い結果‧報酬 促したい⾏動 好 循 環

    悪 循 環 Step.4 Structure ⾏動の動機を持続させる好循環をつくるための 施策や仕組み、新しいステークホルダー などを書き加える。 悪循環を断つための 仕組みも書き加え、 新しい全体構造を描いていく。 119
  23. 動機 コスト etc etc 嫌な結果‧負債 良い結果‧報酬 促したい⾏動 好 循 環

    悪 循 環 Step.2 Observe ~ 4. Structureで可視化された、新しい構造 122
  24. 動機 コスト etc etc 嫌な結果‧負債 良い結果‧報酬 促したい⾏動 好 循 環

    悪 循 環 Step.2 Observe ~ 4. Structureで可視化された、新しい構造 123 Step.2~4
  25. Step.5 Transition 従 来 の ⾏ 動 を 減 ら

    す 新 し い ⾏ 動 を 増 や す ゆらぎ‧流動化 ムーブメント‧規範化 安定化 ティッピング‧ポイント システムチェンジ Action Action Action Milestone Milestone 126 変容のステップ
  26. Step.5 Transition 従 来 の ⾏ 動 を 減 ら

    す 新 し い ⾏ 動 を 増 や す ゆらぎ‧流動化 ムーブメント‧規範化 安定化 ティッピング‧ポイント システムチェンジ Action Action Action Milestone Milestone 127 従来の⾏動を減らし、新しい⾏動を増やす 戦略‧アクションと、マイルストーンを設定。 ▼ 巻き込む⼈数を増やしながら、仮説検証を重ねていく。 変容のステップ
  27. まずは最初のマイルストーンを⽬指す 従 来 の ⾏ 動 を 減 ら す

    新 し い ⾏ 動 を 増 や す ゆらぎ‧流動化 ティッピング‧ポイント Action Milestone 128
  28. 動機 コスト etc etc 嫌な結果‧負債 良い結果‧報酬 促したい⾏動 好 循 環

    悪 循 環 最後に:変化のなかに⾃分⾃⾝を位置付ける 130 me me me ①⾃分の名前を書いてワークシート上に位置付ける ②⾃分の1stアクションを宣⾔し合う
  29. 構想:⾏動変容の考え⽅を広げられる⼈を増やす ⾏動変容 リーダー ⾏動変容 デザイナー ⾏動変容思考 を⾝につけた⼈ • 短時間研修やワークショップの体験者 •

    各業界、企業で⾏動変容や応⽤に取り組む • ⾏動変容の研修やワークショップの進⾏ができて、 考え⽅を広げられる⼈ • 様々な業界、企業のプロジェクトを⽀援 • ⾃らがソースとなり、⾏動変容や社会システム 変容に挑む⼈ 133