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行動変容 自分と世界を変える技術 / Behavior change techniques

行動変容 自分と世界を変える技術 / Behavior change techniques

<Ver.1.0>
社会の変化や、サステナビリティの観点で注目されている「行動変容」についてまとめています。
<シェア・共有歓迎です>

■解説&ディスカッション会
こちらの資料をベースに、簡単な解説&皆さんとのディスカッションをしました。
10/18(水)

上のイベントはすでに終了しましたが、今後も様々な形で機会を作っていきますので、
参加ご希望の方はこちらのフォームから登録をお願いします
https://forms.gle/hE2TdftWWmYa2xa36

松村 大貴|ハルモニア

September 29, 2023
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Transcript

  1. ⾏動変容
    ⾃分と世界を変える技術
    松村 ⼤貴 / @dmattsun
    1

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  2. スライドの流れ
    1.なぜ⼈の⾏動は変わりづらいの?
    2.どのように⾏動変容を促せる?
    3.実際に社会を変えるために何ができる?
    4.⾃分⾃⾝の⾏動を変えるには?
    おまけ.⾏動変容をスケールさせるには?
    2

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  3. ⾏動を変えるのって、むずかしい
    個⼈でも 集団でも
    3

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  4. けれど、
    ⾏動やライフスタイルを
    変えられないと
    悲劇的な結末を迎えることも
    4

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  5. イースター島 1600年頃
    モアイ像の制作‧運搬のために
    ⼤量の⽊材を伐採

    森林破壊‧作物が不⾜

    ⼈⼝増⼤を⽀えきれなくなる

    ⽂明崩壊
    諸説あります ジャレド・ダイアモンド『⽂明崩壊』
    5

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  6. ⼀⽅で、セーブできた事例も
    ⽇本 江⼾時代
    城や街づくりで⽊材需要が爆増
    危機的状況に

    徳川幕府が
    森林保護政策を徹底

    ⼆世紀をかけて少しずつ回復
    6

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  7. 僕たちもいま、
    その途上にいるのかも
    7

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  8. 変化を始める世界
    「世界の平均気温上昇を1.5℃未満に抑える」
    2021 グラスゴー合意
    8

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  9. 9
    積極的に変化する
    オランダ‧アムステルダム
    「成⻑」を⽬指す経済から⽬標を変更
    2020 サーキュラーシティ+ ドーナツ経済モデルを発表

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  10. ⽇本は
    いまのところ
    出遅れ気味
    10

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  11. サステナビリティ系課題は
    まるで⼈類レベルの
    夏休みの宿題
    11
    先送り→ハードランディングよりは
    意図的な⾏動変容→ソフトランディングを⽬指したい

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  12. まずは、
    なぜ変わるのが難しいのか
    を理解する
    12

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  13. なぜ⼈の⾏動は
    変わりづらいのか
    13
    1.

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  14. 空気による⽀配
    「空気を読むこと」が
    良しとされる

    周りと違う思考、
    これまでと違う⾏動、
    をしづらくなる
    14

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  15. あきらめ感
    課題を感じていても、
    ⾃分が何かをすることで社会
    を変えられる感覚が持ててい
    ない
    18歳を対象に国際⽐較した調査でも、
    全世代向けの調査でも同様の傾向
    ⽇本財団「18歳意識調査」第20回 テーマ:「国や社会に対する意識」(9カ国調査)
    電通総研‧電通未来予測⽀援ラボ「クオリティ‧オブ‧ソサエティ年次調査2022」
    15

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  16. 現状維持バイアス
    ⼈ 間 は 新 し い 選 択 肢 が
    あっても変化を避け、
    現状の⽅法や⾏動に固執
    する傾向がある
    (⼼理学⽤語)
    16

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  17. トレードオフ
    Aをやりたいけれど
    Bをやめたくない
    という損得勘定
    短期で良い⾏動 vs ⻑期で良い⾏動
    の図式になったとき、⻑期的に最適
    な選択をするのはなかなか難しい
    今⽇の美味し
    いもの
    未来の健康
    短期的願望 ⻑期的願望
    経済性
    再⽣可能エネ
    ルギー
    17

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  18. そもそもの情報不⾜
    ⽇本については、情報収集するメディアがテレビに偏っているとの指摘も
    18

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  19. つまるところ、
    だからこそ、⾏動変容にナレッジが必要になる
    理想的には… 現実は…
    19

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  20. どのように
    ⾏動変容を促せるか
    20
    2.

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  21. ⾏動には
    プラスの要因:動機 と
    マイナスの要因:コスト
    がある
    21

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  22. 動機
    コスト




    etc





    etc
    22

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  23. ⾏動が変わっていないならば
    まだ、
    新しい⾏動の 動機<コスト
    の状態‧構造だということ
    (裏を返せば 旧⾏動の 動機>コスト の状態とも⾔える)
    23

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  24. 動機
    コスト
    良いことだと
    思うけれど‧‧‧
    これまでに
    前例がない
    申込⽤紙を
    送るのが⾯倒
    24

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  25. 基本的には、
    これまで通りの⾏動が
    最もラクな環境‧社会構造=現状

    だからこそ、シーソーを逆に傾けるためには
    ⼤きなパワーと緻密な設計が必要
    25

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  26. そのための
    テクニック‧アプローチ
    をいくつか紹介
    26

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  27. 27

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  28. 28

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  29. • インセンティブ
    • ゲーミフィケーション
    • 啓発、キャンペーン
    • 道徳、エシカル教育
    • ナッジ
    • プライシング
    • ⾏動を変えるデザイン
    • トランジションデザイン
    • 炭素税
    • ⾏動法学
    • ルールデザイン
    分類はわかりやすさを重視。実際には複数の⾯で活⽤できるテクニックもある。 29

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  30. ゲーミフィケーション
    ゲームデザインの要素を使って、
    ある作業やサービス利⽤、勉強
    などの動機を⾼めること
    継続して⾏動するとポイントが貯まる、
    評価される、ランキングが上がる、
    などが主な例
    30

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  31. ゲーミフィケーションの活⽤事例
    ごみ拾いSNS ピリカ
    https://corp.pirika.org/sns-pirika/
    街に落ちているごみを拾い、写真を
    投稿すると、他のユーザーから感謝
    が届く。ユーザー同⼠の交流機能も。
    31

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  32. 啓発キャンペーン、エシカル教育
    まだ認知されていない社会課題や、ソー
    シャルグッドな取り組みを⼈々に理解し
    てもらう、動画‧読み物‧イベントなど
    による啓発活動
    広告賞で評価されるような⼤型キャンペーンから、
    ⾃社顧客へのメッセージレター、国や⾃治体の取り
    組みまで、その規模や形態は様々
    ⾔⾏⼀致しない企業‧キャンペーンは“グリーンウォッシュ”
    や“WOKE”として批判されることもあり注意が必要
    32

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  33. 啓発キャンペーンの事例
    パタゴニア Don’t Buy This Jacket
    2011年の新聞広告で、⾃社の商品を「買わない
    で」というメッセージで、ファッション製品を買
    う前に熟考することを訴えた。
    ” 最も困難でありながら重要な要素というのは、環境フットプリントを削
    減するためには、あらゆる⼈びとが消費を抑える必要があるということで
    す。(中略)パタゴニアのウェアのひとつひとつが、たとえそれがオーガ
    ニックであれリサイクル素材を使ったものであれ、その重さに対して何倍
    もの温室ガスを排出し、最低でも半分の廃棄物を⽣み、地球上のあらゆる
    場所でだんだんと希少になっていく淡⽔を⼤量に使⽤しているのです。”
    33
    https://www.patagonia.jp/stories/dont-buy-this-jacket-black-friday-and-the-new-york-times/story-18615.html

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  34. インセンティブ
    ある⾏動や成果の⾒返りと
    して直接的な報酬を設定し、
    その⾏動を促すこと
    ボーナス、昇進、キャッシュバック、減
    税、低⾦利、表彰、会員ランク向上など、
    設定されるインセンティブは⾦銭的なも
    のに限らない
    ⾦銭的
    インセン
    ティブ
    ⾮⾦銭的
    インセン
    ティブ
    34
    ※経済学ではより広い意味でインセンティブという⾔葉は使われる

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  35. インセンティブの活⽤事例
    住友⽣命 Vitality
    https://vitality.sumitomolife.co.jp/
    “Vitalityは、「運動や健康診断などの取組みをポイント化し
    評価する」という仕組みを通じてリスクそのものを減らす健
    康プログラムです。従来の⽣命保険に、Vitality健康プログラ
    ムをプラスした保険、それが住友⽣命「Vitality」。「リスク
    に備え、リスクを減らす」新しい発想の保険です。”
    35
    Vitality WEBサイトより

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  36. ナッジ
    ⾏動科学の知⾒を使ってある環境をデ
    ザイン‧⼯夫し、強制ではなく、⼈々
    がより良い選択をするよう促すこと
    ナッジの例:グリーンデフォルト
    電⼒を選ぶ際に、初期設定で再⽣可能エネルギー
    がチェックされていると、そのまま選択する⼈の
    割合が⼤きく増える
    36

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  37. ナッジ設計のコツ
    F E A S T フレームワーク
    Fun 楽しい
    Easy 簡単で⼿間がかからない
    Attractive 魅⼒的で注⽬を集める
    Social 社会規範や互恵性に訴える
    Timely 意思決定のタイミングに合わせる
    37
    Fun
    Easy
    Attractive
    Social
    Timely

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  38. ナッジ設計のコツ
    ナッジは公共政策‧医療
    などでの活⽤研究も進む
    ⾃治体向け‧医療関係者向けなど
    テーマ別のナッジ施策ガイドも
    38

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  39. プライシング
    ある⾏動や商品‧サービスの
    価格(コスト)を安くし、⾏
    動変容を促すこと
    気候変動問題においては
    炭素ゼロ商品 > 化⽯燃料商品 の価格差
    = グリーン‧プレミアム と呼ばれ、
    これが最も重要とビル‧ゲイツも著書で記している
    39

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  40. プライシングの活⽤事例
    Harmoniaロスフリー
    https://www.harmoniainc.jp/release/lossfree-launch/
    40
    ※本資料作成者が代表を務めるハルモニア株式会社のサービスです

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  41. プライシングの活⽤事例
    JR東⽇本 オフピーク定期券
    https://www.jreast.co.jp/offpeak_teiki/
    2023
    10%
    1.4%
    41

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  42. ⾏動を変えるデザイン
    ⾏動経済学‧⼼理学+データ分
    析+UXデザインを組み合わせ、
    効果的にユーザーの⾏動変容を
    促すデザインの考え⽅
    健康増進スマートデバイス、アプリなどを
    使い続けてもらうためのフレームワークが
    紹介される
    42

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  43. 炭素税、カーボンプライシング
    ⽯油‧⽯炭などの使⽤と⼆酸化炭素
    の排出量に対して課税し、無駄な排
    出を減らしたり、よりエコな技術開
    発‧利⽤を促すこと
    ⽇本でも「地球温暖化対策のための税」
    という名称で2012年から導⼊されている
    専⾨的には外部不経済の内部化と呼ばれ、たばこ税など他
    の⾏動変容テーマでも活⽤される
    43

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  44. ⾏動法学
    ⾏動科学の知⾒を法学に適⽤
    し、犯罪を抑⽌するためのよ
    り有効な法律を設計すること
    刑罰だけでなく、社会規範(皆がどうしてい
    るか)やルールの納得感など、道徳⾯‧⼼理
    ⾯の影響まで踏まえた研究がなされている
    44

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  45. どのように
    社会を動かしていくか
    45
    3.

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  46. 前提:⾏動変容に関わる3つの⽴場がある

    企業 個⼈
    46

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  47. ただ、三すくみの関係で動きづらくなりがち

    企業 個⼈
    公平なルールを決め
    てくれたら従う
    サステナブルな商品を
    買ってくれないから
    投資できない
    魅⼒的な選択肢がな
    い‧お⾦に余裕がない
    期待が持てないから
    声を上げない
    求める声が
    ⼤きくなれば動ける
    勝⼿に決めて業界の
    反発を招きたくない
    47

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  48. それぞれに気掛かりな
    外圧‧プレッシャーも

    企業 個⼈
    友⼈や
    周りの⼈
    国連や
    他の国
    他企業
    や株主
    48

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  49. 三すくみを超えて包括するマインドセットが重要
    “鶏と卵”ではなく、バトンリレーと捉えるのはどうか
    時間軸
    インパクト
    の⼤きさ
    個⼈
    スタート
    アップ
    ⼤企業‧
    伝統企業

    実験や起業
    モデルケース
    づくり
    仕組み化と
    スケール
    ルール
    メイキング
    49

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  50. トランジションマネジメント、トランジションデザイン
    新しい社会への移⾏を⽬指して
    参加者を巻き込み、問題を構造
    化し、変化の道程を描く⽅法論
    オランダのエネルギー政策等で活⽤‧研究が進む
    単発の施策、ばらばらの活動ではなく、実現可能
    な移⾏を複数のステークホルダーで構想する
    50
    ⽇⽴製作所&Takram「サステナブルな未来のためのトランジション」

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  51. 企業の⽴場でできること
    51

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  52. 企業の⽴場でできること
    52
    新しい⾏動=
    ⾃社の存続条件
    と位置付けた
    積極投資
    対象者の世代
    ‧価値観に
    合わせた
    複合的な施策
    社内と社外の
    ⾏動変容を
    同時に進める

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  53. 新しい⾏動=⾃社の存続条件と位置付けた積極投資
    国際的な取り決めや、⽇本がこれから設定する
    ルールへの対応を企業は求められる
    その時に、顧客の⾏動が変わっていないと損をす
    るのは企業側
    逆に、先⾏して⾏動変容への投資を⾏い、新しい
    ⾏動習慣‧ライフスタイルの顧客をつかんでおく
    ことは新時代における優位性となる
    ⾃社の⻑期投資として、“鶏と卵”を打破するための⼀歩を
    企業が踏み出していくマインドセットを持つ
    53

    企業 個⼈

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  54. 対象者の世代‧価値観に合わせた複合的な施策
    同じ社会課題、促したい
    ⾏動であっても、世代や
    価値観によって⾏動変容
    の理由は異なる
    幅広い顧客層や、社員層がいる場合には、
    それぞれに合った施策や伝え⽅の設計が重要
    54
    https://news.mynavi.jp/article/20230711-2724691/

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  55. 対象者の世代‧価値観に合わせた複合的な施策
    ⾏動変容のテクニックは単独
    ではなく複数を組み合わせて
    施策を設計する
    例えば、消費期限の近い⾷品を安くする(プライ
    シング)だけでなく、なぜそれが環境に良いかを
    伝え(啓発)、ポイントが貯まるようにする(イ
    ンセンティブ)
    55

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  56. 社内と社外の⾏動変容を同時に進める
    伝統企業であるほど、社内の⽂化‧
    ⾏動変容が課題になることも多い
    顧客に働きかけると同時に、
    社員の⾏動変容にもナレッジを活⽤
    して取り組む
    例 え ば 、 イ ギ リ ス の ビ ー ル メ ー カ ー Brewdog は 、
    Pawprintと協働して、全従業員がカーボンフットプリン
    トを測定し、減らすことをサポート
    56
    https://www.pawprint.eco/

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  57. 国‧⾏政の⽴場でできること
    57

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  58. 国‧⾏政の⽴場でできること
    58
    正しい
    ビジョンと
    ゴール設定
    ⾏動科学的に
    有効な施策‧
    ルール設計
    デザイン‧
    ⾏動変容の
    専⾨家を招いて
    効果的な仕上げ

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  59. 正しいビジョンとゴール設定
    ⾏動変容の設計は
    ⽬指すインパクト、ビジョンの
    設定から始まる
    何が正しいかは未来になるまでわからない、けれど、
    既存の価値観に囚われず、複数⼈の観点で議論を重ね
    ることでその確率を⾼めることはできる
    ゴールへの道筋をわかりやすく描き、⽰すためのフ
    レームワークも活⽤する
    59

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  60. ⾏動科学的に有効な施策‧ルール設計
    ⼈間の⼼理は複雑で、⾏動変容
    のための施策が効かないことや、
    逆効果となることもある
    ある国の保育園でお迎えの遅刻に対して罰⾦を設定したと
    ころ、「⾦を払えば遅れても良い」という認知に変わって
    しまい、かえって遅刻が増えたというのが有名な事例
    慎重な設計と、⼀度で完璧を⽬指さずに試⾏と改善を
    繰り返すことが⼤事
    60

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  61. デザイン‧⾏動変容の専⾨家を招いて効果的な仕上げ
    よい施策が考えられても、
    わかりづらい‧使いづらいと
    ⼈々に届かない
    制度設計や、UX(市⺠の体験、申込み⽅
    法、伝え⽅etc)に落とし込む際に、積
    極的にデザインのプロ‧⾏動変容のプロ
    を活⽤する
    61

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  62. 国‧⾏政の⽴場で
    さらにひとつ、重要な観点‧役割は
    ⾏動変容の持続
    62

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  63. 動機
    コスト
    63
    動機の
    持続
    例:習慣化
    コスト軽減
    の持続
    例:ポイント原資

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  64. 動機
    コスト
    64
    道徳性
    の柱
    経済性
    の柱
    戻ろうと
    する⼒
    • 補助⾦の⾒直し
    • コストイノベーション
    • 炭素税 etc.
    ( 経 済 的 に 続 け て い け る 構 造 に 変 え る )
    国にしかできない
    ことがある

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  65. ⾃分⾃⾝の⾏動を変えるには
    65
    4.

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  66. 現代は、変わっていったほうが良い時代
    社会の変化が速くなり、⼀⽣
    のうちに何度も変化に直⾯す
    ることが想定される時代
    価値観が変わる、多様化するというこ
    とは、それだけ迷う時代とも⾔える
    66

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  67. 何かに触れて
    価値観や考え⽅が先に変わる

    でも、忙しくて
    ⽇常や⾏動がなかなか変わらない

    ずっともやもやする
    67

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  68. 気持ちと⾏動の乖離

    メンタル不調にも繋がっていく
    なにより、充⾜感や幸せを感じづらい
    68

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  69. ⾃分⾃⾝こそ、
    直接⾏動を変えられる唯⼀の存在
    でも、それがとてもむずかしい

    どうすれば⾃分の⾏動を変えられるか
    69

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  70. ⾃分⾃⾝の⾏動を変えるためにできること
    70
    ⾃分に何が
    できるか
    を知る
    ⾃分の頭で
    考える‧
    学び続ける
    完璧よりも
    Betterを
    始める

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  71. ⾃分になにができるかを知る
    71

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  72. ⾃分になにができるかを知る
    72
    消費‧⾏動
    (しないことも)
    政治参加
    転職‧
    職業選択

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  73. 消費‧⾏動(しないことも)
    個⼈の消費選択の積み重ねでも、炭素排出量‧
    気候に与える影響を抑えられることがある
    書籍で紹介される例:
    ⾷事
    通常の⾷事をビーガンや菜⾷主義の⾷事に切り替える
    (個⼈のカーボンフットプリントを年間 約800~1000kg削減)
    電⼒
    家庭で再⽣可能エネルギー、グリーン電⼒に切り替え(同500kg削減)
    移動
    ガソリン⾞から電気⾃動⾞に乗り換え(同800~1000kg削減)
    ⾶⾏機から電⾞に切り替え(同500kg削減)
    73

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  74. 政治参加
    投票などの政治参加は、個⼈の消費を変
    えるよりもインパクトが⼤きい
    投票で政治を動かせると、⾃分だけでなく社会全
    体‧他の⼈々の⾏動を変えることができるから
    (ただし、よりグリーンな政策の政党‧選択肢がある場合)
    投票以外にも、平和的なデモやオンライン署名サイ
    トなど政治参加の⽅法は様々
    最も⾝近な⽅法は周りの⼈と考えを話してみること
    74

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  75. 転職‧職業選択
    転職は、個⼈的なようで実は⼤きな
    ⾃分も、会社も、社会のムードも
    変えていける⼀歩
    何より⼈材が希少な時代において社員が去っていくこ
    とは、変わらなきゃいけないという強い危機感を経営
    者や業界に抱かせることに繋がる
    空気を読み、所属するコミュニティにすぐ⾏動を合わせられる
    僕らの特徴を活かせる⽅法かも
    75

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  76. ⾃分の頭で考える
    学び続ける
    76

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  77. ⾃分の頭で考える‧学び続ける
    77
    リベラル
    アーツ
    原理原則思考
    ⽣の体験
    を取り戻す

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  78. リベラルアーツ
    ⼈⽂学や歴史、哲学、芸術など
    のリベラルアーツは、今の常識
    を疑い、幅広い選択肢を知るこ
    とに繋がる
    特に歴史(世界史だけでなく、興味あるテーマの
    ⻑期の変遷)は現状を相対化し、そうではない世
    界を想像するためにおすすめの学問
    78

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  79. 原理原則思考
    常識や空気に流されないよう、絶対
    的なところから⾃分の頭で考え直し、
    ⾏動につなげること
    例えば、法律や常識よりも⼤切なものを考える
    『空気の研究』では、空気を打破するための根本主義
    (ファンダメンタリズム)が挙げられる
    イーロン‧マスクは、物理学的な第⼀原理思考を実践して
    いるとインタビューで答えている
    79

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  80. ⽣の体験を取り戻す
    “消費者”だけじゃない⾃分になる
    『暇と退屈の倫理学』によれば、
    消費はいつまでも満⾜が得られず、退屈が終わることが
    ない。⾃分を訓練して眼前のものをきちんと受け取り、
    深く享受することが必要。
    すばらしい芸術や⾃然に触れる
    それも、写真を撮って終わりではなく、じっくりと⼼を
    その場に置いて深く味わう
    ふだん買っているだけの⾷材も、⽣産の過程に携わった
    り、⾃分で何かを育てたり、命に触れる体験によって世
    界の⾒え⽅も変わってくる
    80

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  81. 完璧よりもBetterを始める
    81

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  82. 完璧主義は⾜を⽌めてしまう
    完璧を⽬指したり、できてない部
    分を批判し合ったりしてしまうと、
    変化はむしろ遅くなってしまう
    例えば、ベジタリアンの⼈から⾒ると、フレキシタリアン
    (ときには⾁や⿂を⾷べる)の⼈は不完全に思える。それ
    でも、批判するより褒めたほうが、その⼈が菜⾷中⼼の⾷
    ⽣活を続けてくれる可能性は⾼くなる。
    完璧さや純粋さに悩む前に、
    まずはBetterを始めることが⼤切
    82

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  83. 完璧じゃなくていい
    利⼰的でもいい
    偽善でもいい
    ⾏動していることを肯定する
    83

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  84. ⼀⽅で、
    コツコツ、ささやかな⾏動に
    満⾜していては間に合わないほどの
    ⼤きな⾏動変容‧社会変容が
    必要とされていることも事実
    84

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  85. バックキャスト思考と⼀歩⼀歩の肯定を両⽴させる
    個⼈や社会のレベルでこのふたつを両⽴させることが
    ⾏動の⼗分なインパクトと継続の要となるのでは
    85
    Future
    Vision
    Today
    できたことの肯定と
    前向きな反省
    ビジョンからの
    バックキャスト
    Impact

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  86. ⾃分と世界は、創意⼯夫で
    変えていくことができる

    あとは
    ⽴ち上がること と
    あかるい未来を想像すること だけ
    86

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  87. 可能性はいつも開かれている
    ことを⼤⼈は忘れがち
    絶対的な未来に囚われず
    いくつもの未来を想像する
    87

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  88. Tomorrow is in your hands
    未来は僕等の⼿の中
    88

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  89. CEO
    CEO
    https://twitter.com/dmattsun
    https://note.com/mattsun
    https://www.linkedin.com/in/daikimatsumura/
    89

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  90. ⾏動しよう!と思った⽅へ
    参加できるコミュニティ‧勉強会
    Climate Tech Discord「ホライゾン」
    https://future.takaumada.com/
    Climate Designers Japan
    https://www.climatedesigners.org/japan
    環境エネルギーイノベーションコミュニティ
    https://jp.cic.com/news/announce/ee_community/
    サステナビリティカレッジ
    https://www.sustainability-college.com/
    90

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  91. 参考⽂献‧紹介した書籍のリスト
    1.なぜ⼈の⾏動は変わりづらいの?
    • 『⽂明崩壊 滅亡と存続の命運を分けるもの』ジャレド‧ダイアモンド
    • https://www.kateraworth.com/2020/04/08/amsterdam-city-doughnut/
    • BCG https://www.bcg.com/ja-jp/publications/2023/understanding-a-sustainable-society
    • 『「超」⼊⾨ 空気の研究』鈴⽊ 博毅
    • 『現代経済学の直観的⽅法』⻑沼 伸⼀郎
    • 『FACTFULNESS』ハンス‧ロスリング
    • 『事実はなぜ⼈の意⾒を変えられないのか』ターリ‧シャーロット
    • 『予想どおりに不合理 ⾏動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」』ダン‧アリエリー
    2.どのように⾏動変容を促せる?
    • 『ウォートン‧スクール ゲーミフィケーション集中講義』ケビン‧ワーバック
    • 『WOKE CAPITALISM 「意識⾼い系」資本主義が⺠主主義を滅ぼす』カール‧ローズ
    • 『インセンティブ ⾃分と世界をうまく動かす』タイラー‧コーエン
    • 『NUDGE 実践 ⾏動経済学 完全版』リチャード‧セイラー、キャス‧サンスティーン
    • 『⾃治体職員のためのナッジ⼊⾨: どうすれば望ましい⾏動を後押しできるか?』特定⾮営利活動法⼈Policy Garage
    • 『地球の未来のため僕が決断したこと 気候⼤災害は防げる』ビル ゲイツ
    • 『世界を変えるデザイン――ものづくりには夢がある』シンシア スミス
    • 『⾏動を変えるデザイン ―⼼理学と⾏動経済学をプロダクトデザインに活⽤する』Stephen Wendel
    • 『社会規範はどのように迷惑⾏為に影響を及ぼすのか』⾼⽊ 彩
    • 『⼈を動かすルールをつくる――⾏動法学の冒険』ベンヤミン‧ファン‧ロイ
    91

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  92. 参考⽂献‧紹介した書籍のリスト
    3.実際に社会を変えるために何ができる?
    • ⽇⽴製作所&Takram https://www.sustainability-transitions.com/jp
    • 『トランジション 社会の「あたりまえ」を変える⽅法』松浦 正浩
    • 『Net Positive ネットポジティブ 「与える>奪う」で地球に貢献する会社』ポール‧ポルマン
    • 『未来を実装する――テクノロジーで社会を変⾰する4つの原則』⾺⽥隆明
    • 『数理モデル思考で紐解くRULE DESIGN -組織と⼈の⾏動を科学する-』江崎貴裕
    • 『モラル‧エコノミー:インセンティブか善き市⺠か』サミュエル‧ボウルズ
    • 『EBPM エビデンスに基づく政策形成の導⼊と実践』⼤⽵⽂雄、内⼭融、⼩林庸平
    4.⾃分⾃⾝の⾏動を変えるには?
    • 『LIFE SHIFT』リンダ‧グラットン
    • 『Speed & Scale 気候危機を解決するための』ジョン‧ドーア
    • 『ザ‧キルスコア 資本主義とサステナビリティーのジレンマ』ヤコブ‧トーメ
    • 『ワーク‧シフト ─孤独と貧困から⾃由になる働き⽅の未来図<2025>』リンダ グラットン
    • 『サピエンス全史 ⽂明の構造と⼈類の幸福』ユヴァル‧ノア‧ハラリ
    • 『世界史を俯瞰して、思い込みから⾃分を解放する 歴史思考』深井 ⿓之介
    • COTEN RADIO 歴史を⾯⽩く学ぶコテンラジオ
    • 『「空気」の研究』⼭本 七平
    • 『⽣きるということ』エーリッヒ‧フロム
    • 『暇と退屈の倫理学』國分功⼀郎
    • 『BETTER, NOT PERFECT すこしでも確実に社会に役⽴つ選択をする』マックス‧H‧ベイザーマン
    • 『それしか ないわけ ないでしょう』ヨシタケ シンスケ
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  93. 補論:ちょっと突っ込んだ話
    ⾏動変容のスケールと持続
    ミクロの変化とマクロの変化をつなぐ
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  94. 課題①
    「1⼈の⾏動」は変えられても
    社会全体の変化までいかないと

    インパクトの規模‧速さ‧持続性
    が不⼗分
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  95. 課題②
    「⾏動」は変えられても

    その次に課題になるのは
    「価値観」
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  96. 新しい⾏動習慣と価値観のギャップがあるままでは
    真にサステナブルとは⾔えない
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    新しいライフ
    スタイル
    ‧社会規範
    価値観
    本当の望み
    マッチしている⼈々

    満⾜
    ギャップがある⼈々

    不満‧我慢している状態
    (例︓禁酒法の時代)

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  97. どのように
    個⼈の⾏動→集団→国や社会へ
    変容とインパクトを拡⼤させていくか

    1回の⾏動→⾏動習慣→価値観へ
    変容を深く‧持続可能にしていくか
    97

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  98. ⾏動変容の全体像を考える
    ワンアクション 定着 本質変化
    国‧社会 施策 ルール‧法律 構造変容
    ‧社会システム
    集団 流⾏ 社会規範 思想
    個⼈ ⾏動変容 習慣変化 価値観変容
    98

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  99. ⾏動変容の全体像:ライフスタイル‧個⼈軸
    ワンアクション 定着 本質変化
    国‧社会 施策 ルール‧法律 構造変容
    ‧社会システム
    集団 流⾏ 社会規範 思想
    個⼈ ⾏動変容 習慣変化 価値観変容
    99
    刺激‧仕掛け

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  100. ⾏動変容の全体像:ビジネスモデル‧経済軸
    ワンアクション 定着 本質変化
    国‧社会 施策 ルール‧法律 構造変容
    ‧社会システム
    企業‧業界 プロジェクト 事業構造変容
    続けられるビジネスモデル
    パーパス変容
    個⼈ ⾏動変容 習慣変化 価値観変容
    100
    刺激‧仕掛け

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  101. の1つ1つに⽅法論や議論が必要
    それぞれをテーマにした研究や書籍も存在
    ワンアクション 定着 本質変化
    国‧社会 施策 ルール‧法律 構造変容
    ‧社会システム
    集団 流⾏ 社会規範 思想
    個⼈ ⾏動変容 習慣変化 価値観変容
    101

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  102. Let’s talk!
    ⼀⼈で考えるにはあまりに⼤きな問題
    ぜひ⼀緒に話しましょう
    この資料でカバーしきれなかった論点
    • 具体的な施策のデザインプロセス
    • 企業や家庭での合意形成
    • 価値観の変容
    • テクニック活⽤のリスクヘッジ、ガイドライン
    • ビジネスとしての持続可能性(コスト問題)etc.
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  103. 最後までお読みいただきありがとうございました。
    松村 ⼤貴 / @dmattsun
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