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Cursorを"導入"だけじゃなく"活用"まで メルカリ2000人展開のリアル

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June 06, 2025
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Cursorを"導入"だけじゃなく"活用"まで メルカリ2000人展開のリアル

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June 06, 2025
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  1. 2    Japan Region Mercari Group Fintech 2 会社概要 メルカリグループは、株式会社メルカリと、その連結子会社で構成されています。

    Marketplace 株式会社メルカリ ◼設立 ◼事業内容 ◼所在地 ◼拠点 ◼代表執行役 CEO ◼執行役 SVP of Japan Region ◼執行役員 CEO Marketplace     2013年2月1日     スマートフォン向けフリマアプリ     「メルカリ」の企画・開発・運営     〒106-6118 東京都港区六本木6-10-1     六本木ヒルズ森タワー     東京、福岡、大阪     山田進太郎     山本真人     迫俊亮 ①2017年11月20日 ②金融事業 ③永沢岳志 株式会社メルペイ ①2014年1月 ②US版メルカリの企画・開発・運営 ③山田進太郎 ④Palo Alto, California Mercari, Inc.(US) ①1991年10月1日 ②フットボールクラブ運営 ③小泉文明 ④茨城県立カシマサッカースタジアム 指定管理茨城県鹿嶋市 粟生東山2887番地 株式会社鹿島 アントラーズ・エフ・シー インド開発拠点 ①2022年6月 ②インターネットサービス開発 ③Carlos Donderis(取締役 Managing Director) ④Bangalore, Karnataka, India Mercari Software Technologies India Private Limited ①2021年4月28日 ②暗号資産・ブロックチェーン ③中村奎太 株式会社メルコイン ①設立 ②事業内容 ③CEO ④所在地
  2. 4 自己紹介 - Kuu • 株式会社メルカリ 2020年新卒入社 ◦ Software Engineer

    ◦ フリマアプリ、メルカリの開発 • Cursor Meetup Tokyo 運営 • Devin Meetup Tokyo 運営 • 趣味 ◦ Vibe coding ◦ 旅行, 明日󰑔行きます
  3. 5 メルカリでの Cursor利用状況 申請すれば誰でも使える 1. IT Service Agentへ “Cursorが欲しい” と投稿

    2. “はい” と回答 3. Cursor ライセンスゲット✌ 社内のSlack のCursor わいわいチャンネルは500人超え
  4. 6 メルカリでの他の AI開発ツールの利用状況 1. Cursor, 全員使える 2. GitHub Copilot, 全員使える

    3. Devin 徐々に規模拡大中 4. Junie PoC中 5. 内製LiteLLM経由で使えるツール類 a. Claude Code b. OpenAI Codex CLI c. Cline d. Aider
  5. 7 活用する上での課題の一つ、 MCP server Cursor等は、GitHubやドキュメント、チケットにアクセスできて力を100%発揮する 野良MCP server にはセキュリティリスクも存在する • ツールポイズニング攻撃

    Ref ◦ ユーザーに見えない悪意のある指示を埋め込める • ラグプル攻撃(サイレントツール再定義) Ref ◦ 悪意のあるツールが静かに悪意のある機能を埋め込まれる • 最新のMCP 仕様には、セキュリティ要件も Ref
  6. 8 社内MCP Server Security team が確認済みのMCP server list が存在する それとは別に...

    メルカリ内製 MCP server • Jira MCP Server • Confluence MCP Serve • Figma MCP Server • BigQuery MCP Server • Spanner MCP Server • Google Drive MCP Server • Google Calendar MCP Server • Datadog MCP Server • Slack MCP Server
  7. 11 Self-Introduction Shunta Komatsu @komatsu • 2022/04 - Merpay の

    Payment Core チームに Backend Engineer として join し、全社の決済基盤 の開発に従事 • 2024/08 - 同 TL • 2025/03 - 同 EM
  8. 14 組織全体を AI-Native にしてくのは簡単ではない 多くのエンジニアは AI に対してモチベーションを持っている。しかし、、、 • 学習機会の不足 ◦

    みんな日々の業務で忙しく、まとまった学習時間が取れない • 組織的な情報格差 ◦ ライセンスやセキュリティの整備状況が不透明 • 情報交換の機会不足 ◦ AI/LLM についてエンジニア間で気軽に情報交換する機会が限られている
  9. 15 組織全体を AI-Native にするために • 第一歩は全員が AI を知っている状況を作ること • PCP

    (Payment & Customer Platform) では、強制的に LLM を全エンジ ニアが触る “PCP LLM Week” を開催した ◦ 一週間、手でコードを書くのを 一切禁止 ◦ Cursor で日常業務 のコーディングをすべて行う 当時のスライド
  10. 17 成功事例とメンバーの声 • 92% のメンバーがイベントに満足 ◦ 初日にまとまった準備時間をとることで、細かい設定から MCP ツールの 導入まで準備ができた

    • 多くの “初心者” だったメンバーが “中級者” 以上へとレベルアップした ◦ 強制的な環境が良い学習機会となった • 96% のメンバーが今後も Cursor を使い続ける意思 ◦ 実際に直近の PCP における使用率はかなり高い水準 • ほとんどの参加者が一週間が適切だと感じている
  11. 18 成功事例とメンバーの声 • 現在の AI の性能の高さに対する理解 ◦ 全く触ったことがない状態だったが、 Copilot のときと同様に無くてはならないものになった

    。 簡単な仕事なら AI で完結できる感覚がある。 ◦ どのように指示するかでアウトプットのクオリティは変わるものの、 もう開発に使用できるレベ ルまで LLM の信頼性があったことに驚いた。 • AIの活用方法やマインドセットの変化 ◦ 元々かなり有用だという噂を聞いていた程度だったが、実際に使ってみてその効果を実感でき たため、どのように活用できるかをタスクごとに考えるようになってきた 。 • 制限や限界の理解 ◦ コード生成にはまだ一定の限界がある 。一発ではできない。 k8s や tf のレポジトリはファイル が多すぎるため LLM にとってはノイズになることもある。
  12. 19 マネージャー視点での学び • 強制力の重要性 ◦ 自走力の高いエンジニアが多い組織であってもそれに頼らず、組織的な取り組み期間を設ける ことで全員が AI に真剣に向き合う機会を創出 •

    情報共有の活性化 ◦ Slack での活発な知見共有が想定以上の効果を生み、継続的な学習コミュニティに発展 • スキルレベルの標準化 ◦ 全員で同じ体験を共有することで、組織全体の AI リテラシーが底上げされ、共通言語で議論 できる基盤を構築