Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
PTY on Rust
Search
Hibariya Hi
July 12, 2015
Programming
1
1.4k
PTY on Rust
Hibariya Hi
July 12, 2015
Tweet
Share
More Decks by Hibariya Hi
See All by Hibariya Hi
Creating an Active Job Adapter for Cloud Run
hibariya
0
630
Idobata on GKE - Moving an Ordinary Rails App
hibariya
0
110
Using Docker for your Rails Development Environment
hibariya
1
3k
GraphQL Subscription with Relay and Action Cable
hibariya
1
2.4k
Various Services
hibariya
1
320
Building a Web API with GraphQL
hibariya
2
3.5k
My recent troubles in using Ember Data
hibariya
0
1k
Idobata をもっと便利に 使うための tips
hibariya
0
1.4k
Control a Shell With pty-shell
hibariya
0
1.8k
Other Decks in Programming
See All in Programming
Claude Code派?Gemini CLI派? みんなで比較LT会!_20250716
junholee
1
800
QA x AIエコシステム段階構築作戦
osu
0
240
変化を楽しむエンジニアリング ~ いままでとこれから ~
murajun1978
0
660
技術的負債で信頼性が限界だったWordPress運用をShifterで完全復活させた話
rvirus0817
0
130
画像コンペでのベースラインモデルの育て方
tattaka
3
1.1k
decksh - a little language for decks
ajstarks
4
21k
Reactの歴史を振り返る
tutinoko
1
170
構造化・自動化・ガードレール - Vibe Coding実践記 -
tonegawa07
0
170
React 使いじゃなくても知っておきたい教養としての React
oukayuka
18
5.3k
Claude Code で Astro blog を Pages から Workers へ移行してみた
codehex
0
170
CIを整備してメンテナンスを生成AIに任せる
hazumirr
0
510
テスターからテストエンジニアへ ~新米テストエンジニアが歩んだ9ヶ月振り返り~
non0113
2
250
Featured
See All Featured
Documentation Writing (for coders)
carmenintech
73
5k
Build The Right Thing And Hit Your Dates
maggiecrowley
37
2.8k
Code Reviewing Like a Champion
maltzj
524
40k
Building Better People: How to give real-time feedback that sticks.
wjessup
367
19k
VelocityConf: Rendering Performance Case Studies
addyosmani
332
24k
Design and Strategy: How to Deal with People Who Don’t "Get" Design
morganepeng
130
19k
Connecting the Dots Between Site Speed, User Experience & Your Business [WebExpo 2025]
tammyeverts
8
420
Stop Working from a Prison Cell
hatefulcrawdad
271
21k
Performance Is Good for Brains [We Love Speed 2024]
tammyeverts
10
1k
Raft: Consensus for Rubyists
vanstee
140
7k
Building an army of robots
kneath
306
45k
Creating an realtime collaboration tool: Agile Flush - .NET Oxford
marcduiker
30
2.2k
Transcript
PTY on Rust 2015-07-12 Rust of Us - Chapter 2
@hibariya
やりたいこと • Rust で • PTY を使って • シェルの入出力を好きなようにする
こういうこと
こういうこと
入出力を好きなようにできると嬉しい • 何か入出力があるたびに音を鳴らせる • 出力を記録してあとで再現したりできる • ターミナルの表示を遠方の人と共有できる
方法 • パイプを使う • 親の端末につなぐ • システムコールを監視する • 新たな端末を割り付ける
方法 • パイプを使う • 親の端末につなぐ • システムコールを監視する • 新たな端末を割り付ける
パイプを使う 端末 <> 親 <> パイプ <> 子
パイプを使う • うまくいかない • デフォルトの端末はカノニカルモード (入力は行 ごとに親プロセスへ送られる) なので、改行が来 るまで入力を子プロセスへ送ることができない •
vi や nano が使えない • 端末に接続されていないのも都合が悪い
方法 • パイプを使う • 親の端末につなぐ • システムコールを監視する • 新たな端末を割り付ける
親の端末につなぐ 端末 <> 親 <> 子
親の端末につなぐ • うまくいかない • 入力はすぐに子プロセスへ届くが... • 親が子の入出力を捕捉できない • (方法を知らないだけ?)
方法 • パイプを使う • 親の端末につなぐ • システムコールを監視する • 新たな端末を割り付ける
システムコールを監視 自分 -> プロセス (write(2) を監視!)
システムコールを監視 github.com/hibariya/process_tail • ちょっと微妙 • 既に走っているプロセスにも使える • Linux と Mac
OS X で実装が別 • 環境によって微妙に動きが違うのができた • ちょっと重い気がする
方法 • パイプを使う • 親の端末につなぐ • システムコールを監視する • 新たな端末を割り付ける
新たな端末を割り付ける 端末 <> 親 <> 端末 <> 子 (親の端末は raw
モードに)
新たな端末を割り付ける note.hibariya.org/articles/20150628/pty.html • うまくいく • 既に走っているプロセスには使えない • 端末を想定しているコマンドも動作する • Linux
と Mac OS X でほぼ同じ実装 • 比較的シンプル
色々試した結果 • パイプを使う • 親の端末につなぐ • システムコールを監視する • 新たな端末を割り付ける
PTY (Pseudo terminal) • 疑似端末 • 端末をソフトウェアでエミュレートしたもの • ターミナルエミュレータなどが使っている •
/dev/pts/4 みたいな名前がついている
新たな端末を割り付ける 端末 <> 親 <> 端末 <> 子 (親の端末は raw
モードに)
Ruby で書くと1行 output, input, pid = PTY.spawn('bash')
Rust ではどうすれば • わからない • PTY.spawn は無かった • libc の
API を使えばやれそう • PTY の使い方を調べるところから
情報源 • script(1) のソース • Ruby の ext/pty/pty.c • APUE
第3版 18, 19章
PTY のしくみ • マスタとスレーブがある • 双方向パイプのように振る舞う • 親から子へ入力、子から親へ出力できる
PTY のしくみ マスタ <> スレーブ <> ラインディシプリン
PTY.spawn(‘bash’) のようなこと 1. 親でマスタ側を開いて fork 2. 子を新しいセッションに入れる 3. 子でスレーブ側を開く 4.
子でスレーブを標準入出力にする 5. 子で (bash を) exec 6. 親でマスタ越しに入出力を操作
PTY.spawn(‘bash’) のようなこと 1. 親でマスタ側を開いて fork 2. 子を新しいセッションに入れる 3. 子でスレーブ側を開く 4.
子でスレーブを標準入出力にする 5. 子で (bash を) exec 6. 親でマスタ越しに入出力を操作
親でマスタ側を開いて fork • posix_openpt (3) • スレーブを開くために grantpt (3), unlockpt
(3) も呼んでおく
PTY.spawn(‘bash’) のようなこと 1. 親でマスタ側を開いて fork 2. 子を新しいセッションに入れる 3. 子でスレーブ側を開く 4.
子でスレーブを標準入出力にする 5. 子で (bash を) exec 6. 親でマスタ越しに入出力を操作
子を新しいセッションに入れる • setsid (2) • セッションひとつにつき端末ひとつまで
PTY.spawn(‘bash’) のようなこと 1. 親でマスタ側を開いて fork 2. 子を新しいセッションに入れる 3. 子でスレーブ側を開く 4.
子でスレーブを標準入出力にする 5. 子で (bash を) exec 6. 親でマスタ越しに入出力を操作
子でスレーブ側を開く • ptsname (3) でスレーブの名前を得る • こっちは open(2) で開く
PTY.spawn(‘bash’) のようなこと 1. 親でマスタ側を開いて fork 2. 子を新しいセッションに入れる 3. 子でスレーブ側を開く 4.
子でスレーブを標準入出力にする 5. 子で (bash を) exec 6. 親でマスタ越しに入出力を操作
子でスレーブを標準入出力にする • dup (2) • この時点で入出力が端末につながる
PTY.spawn(‘bash’) のようなこと 1. 親でマスタ側を開いて fork 2. 子を新しいセッションに入れる 3. 子でスレーブ側を開く 4.
子でスレーブを標準入出力にする 5. 子で (bash を) exec 6. 親でマスタ越しに入出力を操作
PTY.spawn(‘bash’) のようなこと 1. 親でマスタ側を開いて fork 2. 子を新しいセッションに入れる 3. 子でスレーブ側を開く 4.
子でスレーブを標準入出力にする 5. 子で (bash を) exec 6. 親でマスタ越しに入出力を操作
できた • note.hibariya.org/articles/20150628/pty.html • Rust から同じものを FFI で呼べばよさそう
PTY on Rust FFI でライブラリの API を呼ぶ extern crate libc;
#[link(name = "c")] extern { pub fn posix_openpt(flags: libc::c_int) -> libc::c_int; pub fn grantpt(fd: libc::c_int) -> libc::c_int; pub fn unlockpt(fd: libc::c_int) -> libc::c_int; pub fn ptsname(fd: libc::c_int) -> *mut libc::c_schar; }
PTY on Rust • 目的の動作をするものはできた • unsafe 祭りになった • もっと簡単に書けるようにしたい
Crate にした • github.com/hibariya/pty-rs • let (child_process, pty_master) = pty::fork();
• おかしなところにパッチがほしい • もっといい API があれば改善したい
extern crate pty;