Upgrade to Pro — share decks privately, control downloads, hide ads and more …

コンプライアンス分野におけるデータマネジメントの課題

 コンプライアンス分野におけるデータマネジメントの課題

講師:
JDMC会員
コンプライアンス・データラボ株式会社 代表取締役 CEO
山崎博史

JDMC「MDMとデータガバナンス研究会」主催のオープン研究会にて発表の資料

※研究会ページ
https://japan-dmc.org/?p=21771
※オープン研究会実施概要
https://jdmc.connpass.com/event/284036/

More Decks by Japan Data Management Consotrium

Transcript

  1. Confidential アジェンダ Copyright © Compliance Data Lab, Inc. 2 第1部:コンプライアンス分野におけるデータマネジメントの課題

    講演者:山崎博史(20分) 第2部:データマネジメント技術の最新情報 講演者:Warwick Matthews (70分)
  2. Confidential 会社紹介:概要 会社名 コンプライアンス・データラボ株式会社 住所 東京都千代田区丸の内3-2-2 二重橋ビル2F 電話番号 03-6837-9665 代表者

    山崎 博史 事業内容 コンプライアンスに関するデータサービス提供 ・コンサルティング・システム導入 ・業務代行サービスの提供 Email [email protected] URL https://www.c-datalab.com/ 皇居外苑 KITTE 東京駅丸の内 駅前広場 東京ビル トキア コンプライアンス・データラボ 丸の内二重橋ビル2F 丸ビル M 二重橋前 新東京ビル 東京駅 代表取締役, CEO 山崎 博史 Hirofumi Yamazaki 富士通、NTTデータにてERPや環境規制関連システムの企画、開発に従事した後、米国系コンサルティングファームにてリスクマネ ジメントに関するコンサルティングを多数の金融機関等へ展開。2012年米国Dun & Bradstreet社の日本法人に入社し、プロ ダクトマーケティング責任者として、リスクマネジメントやコンプライアンス関連製品の国内リリース及び販売を推進。2020年より東 京商工リサーチに転籍し、ソリューション開発部長としてコンプライアンス分野を中心にソリューションを展開、現在に至る。 ⚫ 公認アンチ・マネーロンダリング・スペシャリスト(CAMS) ⚫ 公認グローバル制裁スペシャリスト(CGSS) ⚫ 公認情報システム監査人(CISA) ⚫ 米国ジョンズ・ホプキンス大工学修士(MSE) 取締役, COO 笠井 麻矢子 Mayako Kasai 上智大学比較文化学部卒業。在学中のインターンを含め約 20年に渡り世界最大級の企業信用調査会社Dun & Bradstreet社の日本法人にて、データ統合および国内及び 海外のデータマネジメント分野でデータコンサルタントとして多 数のプロジェクトに従事。日本語マッチングエンジンの開発にも 携わり、特許を取得。データフルフィルメントチームでは、顧客 ニーズに合わせたデータデリバリをリード。その他、米国系航空 会社における機内通訳、米国系IT企業でのパートナーマネジ メント、東京商工リサーチにてプロダクトマネジメントの経験を持 つ。アメリカを主に海外在住13年、日英バイリンガル。 影山 泰仁 Yasuhito Kageyama 外資系大手総合ファームのシステムコンサルタントとして銀行 業界を含め多岐に渡る領域でIT・経営・リスク管理などのコン サルティングを実施。その後もBIG4にてパートナーとしてヨー ロッパ総責任者(ロンドン、アムステルダム)を務めた他、複 数の国内外のコンサルティング会社でパートナーを歴任し3 0年超の経験を持つ。また、外資系銀行の管理本部や日 系IT会社営業・ソリューション本部での統括経験もある。 Anthony Scriffignano 国際的に認められたデータサイエンティストであり、異常検知、 計算言語学、高度な推論アルゴリズムの分野で幅広い経歴 を持つ。米国政府、民間企業、および学界のさまざまな諮問 委員会に参加。また、ビッグデータ、人工知能、ビジネスIDに おける多言語の課題、商業および公共部門における不正行 為などの専門家としても知られている。 元Dun & Bradstreet社, SVP, Chief Data Scientist 顧問 (Advisory Board) CTO兼CDO ウオリック・マセウス Warwick Matthews 15年以上に渡り、Dun & Bradstreet社の豪州法人及び米 国本社にてPM、プログラムマネージャー、コンサルタントとして多 言語データフローの設計と運用に従事。複雑な非線形問題を 解決するための人工知能の実用化にも精通、中国のビジネス IDデータの翻訳と音訳の分野でAIを活用した案件にも携わる。 また、アジア言語のビジネスID解決、言語的な音訳、非構造化 データのキュレーション、地理的な企業の名寄せなど、いくつかの 分野で数多くの特許を共同保有。Loblaw Companies Limited社にて、Identity Data Management, Senior Director として従事した後、現在に至る。 経営陣 (Management Team) Copyright © Compliance Data Lab, Inc. 3
  3. Confidential 会社紹介:ミッション ビジョン Copyright © Compliance Data Lab, Inc. 4

    ミッション CDLが追及する社会への使命 ビジョン CDLが追及する社会へのミッション達成のため目指す方向 実験室で液体の中の特定の物質を抽出するように、 データを使ってコンプライアンス・リスクを可視化していきたい という想いを込めてこのロゴを作成しました。 データを使ったコンプライアンス管理の No.1ソリューションベンダーになる 高度なコンプライアンス管理を身近なものに ~そして、安心・安全・持続可能な社会へ~ ロゴ・ストーリー
  4. Confidential 背景:社会課題 Copyright © Compliance Data Lab, Inc. 6 犯罪者が、法人や取引を隠れ蓑にしていることが、大きな要因

    マネー・ローンダリングの規模: 世界全体でGDPの2~5%(約240~600兆円) IMF(国際通貨基金)推計 UNDOC(国連薬物犯罪事務所)推計 凍結、差押えが出来ている割合: 約0.2%
  5. Confidential 背景:コンプライアンスの領域の広がり Copyright © Compliance Data Lab, Inc. 7 企業にとって、遵守すべきコンプライアンスの領域は年々広がっていき、取引先(顧客、仕入先な

    ど)のデューデリジェンスの重要性が高まっている 輸出入規制 制裁 大量破壊兵器拡散 紛争鉱物 テロ資金供与 租税回避 マネーロンダリング 環境犯罪 贈収賄 違法野生動物取引 人身売買 人権問題 強制労働 企業 反社会的勢力 違法薬物 違法廃棄物
  6. Confidential 背景:コンプライアンスチェック対象の広がり Copyright © Compliance Data Lab, Inc. 金融機関やその他特定事業者は、顧客(法人)の背後にいる企業・人物、取引先のチェックま で求められている

    ⚫ 法人の透明性の向上(コンプライアンス2.0) ⚫ 取引関係(サプライチェーン)の透明性向上(大量破壊兵器拡散金融、人権、環境問題等)(コンプライアンス3.0) 8 代表者 個人株主 親会社 コンプライアンス1.0 コンプライアンス2.0 コンプライアンス3.0 自社 顧客 チェック対象範囲 顧客 法人(顧客、親会社、子会社、取引先) 個人(代表者、役員、株主) 資 本 系 列 サプライチェーン 資 本 系 列 ★現在の課題 近い将来 チェック対象範囲 チェック対象範囲 取引先 親会社 代表者 N次取引先 個人株主 !リスク !リスク !リスク !リスク 実質的支配者 (UBO)
  7. Confidential 背景:犯罪者の法人を使った手口例 犯罪者は複雑な資本構造で自らを隠す Copyright © Compliance Data Lab, Inc. 9

    16%保有 10%保有 90%保有 100%保有 金融機関 金融機関 取引 取引 犯罪者X 犯罪者X 顧客 A社 Aの親会社 B社 Bの親会社 C社 UBO:犯罪者X 一見すると犯罪者X は、A社のUBOに見え ないが、犯収法の定義 に沿って間接保有比 率を算出するとA社を 26%保有していると判 断でき、UBOとなる。 UBO:犯罪者Y 犯罪者Yは、顧客C社 を1%しか保有してい ないように見えるが、C 社は、99%保有され ている親会社D社を 100%支配しているた め、D社の99%保有 は自社株と判断できる。 そのため、犯罪者Yは、 C社を100%保有する UBOとなる。 犯罪者Y 顧客 C社 Cの親会社 D社 100%保有 99%保有 1%保有 例1 例2 同一人物
  8. Confidential 背景:規制の流れ 2021年8月、国際機関であるFATFに指摘をされ、日本政府・金融機関はUBOの透明性向 上に取り組んでいる 2021年8月 2024年3月 2025年 FATF第4次対日審査報告書公表 メガバンク以外の金融機関及び金融 以外の業種で、マネロン・テロ資金対

    策対応が不十分であるとされた 左記の結果を踏まえて、 ⚫ 既存顧客のUBO情報の確認 ⚫ UBO情報の継続的管理(更新) が進められることに FATF第5次相互審査開始 (第4次より相当厳しい内容に) 現在 国の行動計画期限 Copyright © Compliance Data Lab, Inc. 10 • 大量破壊兵器拡散金融の対応 • 法人の透明性強化 • 環境犯罪への対応 など
  9. Confidential 背景:規制対象業種 銀行だけでなく幅広い業種がマネロン等対策の規制対象となっている Copyright © Compliance Data Lab, Inc. 11

    重要度 該当する業種 最も重要 • 銀行 重要 • 暗号資産交換業者 • 資金移動業者 • 信託会社 • 貸金業者 • 保険会社 • 金融商品取引業者 • 両替業者 • 不動産特定共同事業者 • クレジットカード事業者 • 宅地建物取引業者 • 宝石・貴金属等取扱事業者 • 法律・会計専門家 やや重要 • ファイナンスリース事業者 • 郵便物受取サービス業者 • 電話受付代行業者、及び電話転送サービス事業者 * FATF 第4次対日審査結果報告書IO.4金融庁仮訳
  10. Confidential 背景:事業者の課題 CDDに必要な情報が十分に収集・整備出来ていなく、適切なリスク評価が出来ていない 顧客データの取得 スクリーニング リスクの評価 カスタマー・デュー・デリジェンス (CDD) 顧客データを取得・整備する ⚫

    社名・住所 ⚫ 代表者・役員 ⚫ 実質的支配者(UBO) ⚫ 取引先等※近い将来 以下のようなソースからリスク を特定する ⚫ 反社DB ⚫ ネガティブ記事 ⚫ 制裁リスト ⚫ PEPs(公的要人) 等 リスクを総合的に評価する Copyright © Compliance Data Lab, Inc. 12 リスク 高・中・低・取引拒否 情報収集が困難 情報の欠落 データの未整備 適切なリスク評価が出来ない
  11. Confidential 背景:データマネジメント不備によるリスクの例 Copyright © Compliance Data Lab, Inc. 13 データマネジメントの不備は様々なリスクを引き起こす

    ストラクチャリング 無数のフォルスポジティブ(誤検知) 見えない資本関係 見えない取引関係 口座A 口座B 口座C 口座X 犯罪収益を分割して入金 別々の口座から入金 スクリーニング結果 山田太郎 1980 東京 窃盗 山田太郎 2000 神奈川 詐欺 山田太郎 ???? ?? 詐欺 ・ ・ ・ 検索「山田太郎」 A社 B社 B社 C社 C社 D社 !リスク 親会社 見える範囲 名寄せが出来ていなく同一人物 からの入金出金と認識できない B社 C社 A社 !制裁対象 仕入 仕入 仕入 E社 F社 D社 !制裁対象 販売 販売 販売 !リスク !リスク !リスク 検索「A社」
  12. Confidential ソリューション:目指す世界 Copyright © Compliance Data Lab, Inc. 14 人・企業が名寄せ、関連付けされ、顧客の背後までリスクが見える世界が求められる

    A A A A A’ A A A A A A A’ A’ B C B’ C B D’ D D’ E E’ E A A A A A’ A’ A’ B B 顧客 確認可能な 情報 !リスク !リスク 事業者 C C D B D’ E’ B E B’ !リスク !リスク リスク評価: リスクなし 顧客Aと関係ない情報 現在の情報検索 “顧客の背後のリスクが見えない” • 類似名称の判別が困難 • 検索対象と関連する企業、人の特定が困難 目指す世界 “顧客の背後までリスクが見える” • 人、企業が名寄せされている • 人、企業の関係性が紐づいている データマッチング 名寄せ 関係性の構築 検索 検索 Aとは関係なし (類似名など) A AのUBO AのUBO AのUBO A 顧客 事業者 リスク評価: 高リスク A 取引 取引
  13. Confidential ご参考:CDLサービス全体像 コンプライアンス・データ管理プラットフォーム 「コンプライアンス・ステーション®️ シリーズ️」 顧客データの取得・整備 スクリーニング リスクの評価 カスタマー・デュー・デリジェンス(CDD) コンプライアンス・ステーション®️

    UBO(実質的支配者) • 企業の実質的支配者を法令に沿って特定し情報提供 コンプライアンス・ステーション®️ コネクト • 拠点・部門等でバラバラになっている顧客マスタを統合 • 個人・企業情報とネガティブ記事・制裁リスト等を紐づける コンプライアンス・ステーション®️ BPO ・お客様に代わり対象企業のコンプライアンスチェックを実施 ・対象企業の情報収集から、スクリーニング、リスク評価基準の策定、対象企業のリスク評価、レポート作成まで実施 効率的・効果的なCDDを実現するため、データの取得・整備からリスクの評価まで支援 Copyright © Compliance Data Lab, Inc. 15 【リリース準備中】 コンプライアンス・ステーション®️ スクリーニング • 対象企業・個人に対し、制裁、反社、法令違反等の チェックを実施 【リリース準備中】 コンプライアンス・ステーション®️ リスク評価 • リスク評価基準を策定し、情報収集、スクリーニング結果 を踏まえリスクを評価
  14. Confidential ご参考:コンプライアンス・ステーションⓇUBOの概要 社名・住所等で検索すると、瞬時にUBO情報を提供 Copyright © Compliance Data Lab, Inc. 16

    社名等 で検索 マッチング UBOの特定 UBO データ取得 事業者 UBO DB 国内 グローバル 情報ソース ・情報プロバイダ ・公的情報 コンプライアンス・ステーションⓇUBO 資本系列 構築 間接保有%の 計算 ※大量データの一括処理も可能 国内最大級のカバレッジ 独自のアルゴリズム 大量データの高速処理
  15. Confidential Copyright © Compliance Data Lab, Inc. 17 ご清聴ありがとうございました。 【お問合せ先】

    コンプライアンス・データラボ株式会社 東京都千代田区丸の内3-2-2 丸の内二重橋ビル2F E-mail: [email protected] Tel: 03-6837-9665 Web: https://www.c-datalab.com