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組織のセキュリティって、どう確認するの?

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January 28, 2026
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 組織のセキュリティって、どう確認するの?

第一回しろおびセキュリティで発表させていただきました。

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KeeG

January 28, 2026
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Transcript

  1. 組織とは何か 「組織=⼈の集まり」ではない。「組織=⽬的を達成する仕組み」 7 ‧判断が⼈に依存 ‧ルールがない、守れない ‧連絡経路が曖昧 ⽬的を達成するために、役割‧ ルール‧意思決定‧情報の流れが 設計された仕組み セキュリティは「⼈」ではなく、「組織=⽬的を達成する仕組み」で担保

    デジタル⼤辞泉では、「⼀定の共通⽬標を達成するために、成員間の役割や機能が分化‧統合されている集団。」と定義 ⼈(属⼈) 組織(仕組み) 企業には顧客に価値を提供する 事業があり、その事業を継続す るためにセキュリティが必要 セキュリティ要件を満たす対策 は、⼀⼈の努⼒では限界があ り、仕組みで担保 組織(全体)の中に構造(設計)があり、構造を動かすために仕組み(実装)がある
  2. 組織を理解するための3つの視点 ( 1 / 2 ) 組織を理解するための3つの視点(セキュリティ限定の話じゃないです) 9 仕組み (設計)

    判断軸 (意思決定) 運⽤ (実⾏) 迷わない導線 迷ったときの 優先順位 決めた⼿順で 回っている 3つの視点で⾃分の組織を確認
  3. 組織を理解するための3つの視点 ( 2 / 2 ) 例. 従業員が不審メールのようなものを受信‧開封してしまった時(セキュリティのケース) 10 仕組み

    (設計) 判断軸 (意思決定) 運⽤ (実⾏) ワンクリック通報 迷ったら即報告 会社の⼿順に従う ⼈の判断を前提にせず、構造で初動が統⼀されてますか?
  4. 視点① 仕組みを⾒る ( 1 / 3 ) 組織の決まりごとは、バラバラに存在するのではなく、上から下へ”階層”になっています。上にあるほど抽 象的(原則‧⽅針)で、下に⾏くほど具体的(現場でどう動くかの⼿順)となります。 12

    法律‧省令‧ガイドライン 契約(取引‧委託など) 基本⽅針(ポリシー) 規程‧ルール(守るべき事項) ⼿順‧運⽤(現場の導線) 品質やセキュリティなど、軸ごとに“上位(原則)→下位(⼿順)”の上下がある 契約については、階層に含めるか悩みました。⼀旦、わかりやすい形ということで本構成とさせていただいております。
  5. 視点① 仕組みを⾒る ( 2 / 3 ) 情報セキュリティに当てはめた場合の参考例、⼤半の⽅は⻘ラインのところが⾒るべきポイント 13 階層

    名称 概要 例 責任(誰が決める) 社外のルール 法律・省令・ガイドライン 会社が必ず守る必要がある最低ライン 個人情報の扱い、事故報告の義務、 委託先管理など 国・監督官庁 社内外のルール 契約(取引、委託等) 契約とは、取引の約束。守られない場合 は法的な責任が生じるもの 秘密保持契約、監査対応、再委託の 条件など 会社の契約権限者 社内のルール① 情報セキュリティ基本方 針(ポリシー) 「自組織は何を守り、どういう考えでやる か」の宣言 守る対象(資産)、責任体制 社長、取締役会 社内のルール② 情報管理規則 “守らなきゃいけないルール ”を文章にした もの アクセス権限、持ち出し禁止 会社の規程の承認ルート 社内のルール③ 情報管理細則 ルールを「ここまでやる」に落とした最低ラ イン MFA必須、ログ保存期間 CISO、情シス責任者 チーム/プロジェク トのルール① PRJの設計書や運用設 計書 チームやプロジェクトのルールを文章にし たもの コーディング規約 PRJ/運用責任者 チーム/プロジェク トのルール② 手順書 “実際にどうやるか”のやり方メモ(行動の 手順) インシデント対応手順書 PRJ/運用責任者から権限 を委任された人 細則や⼿順書でわからないところは、ひとつ上の階層を確認
  6. 視点① 仕組みを⾒る ( 3 / 3 ) 14 ☑ 必要な⽂書(ポリシー、規則、細則、設計書、⼿順書)は、揃っていますか

    ☑ 内容が明確になっており、読んで適切に動けますか ☑ “現場がどう動けばよいか”、現場の⼈が分かっていますか 仕組みが整っているか、⾃分はどう動けばいいかを把握しましょう 例1  怪しいメールにひっかかったら、    対応⼿順がわかるか? 例2  マルウェアに感染して    警告メッセージが出た際の    ⾏動を理解しているか? チェックができなかった箇所は、上司や先輩(責任がある⼈)に相談しましょう!
  7. 視点② 判断軸を⾒る 判断軸がない組織では、現場が“勝⼿に判断”して事故が発⽣します。判断軸は、迷っ たときの優先順位と、例外を扱うルール(リスク受容‧承認)が明⽂化され、実際に 使われていることが重要です。 16 情報セキュリティ基本⽅針 情報セキュリティ管理規則/細則 ⼿順書、チェックリスト 現場の判断

    判断軸=「誰が‧何を根拠に‧どこまで決めてよいか」を組織として合意されていること! 迷 っ た ら 上 に 戻 る 例外は所定のルートにて、しかるべきところ (上⻑やCSIRT部隊)に判断してもらうこと ‧例外を報告せず、現場で勝⼿に判断 ‧判断者が誰かわからない ‧早く対応しないといけない焦りで勝⼿に判断 よくある失敗例 ‧協⼒会社から、サービスが提供できないため、⼀時的に「緊急で  管理者権限付与してほしい」→現場裁量にすると事故が起きます ‧アカウントが海外IPからログインされているが、本⼈が出張中  → 即ロックか、本⼈確認かが決まっていなかった場合 ありそうな例外ケース
  8. 定期的な学習と訓練で、 迷わず初動が 出る状態 にする 視点③ 運⽤を⾒る 運⽤では、「実際に動けるのか」を確認します。 18 ‧定期的に実施しているe-learning ‧標的型メール訓練

    定着度(擦り込み)の確認 シナリオで初動を確認し、 いざの時に⽌ まらない 状態にする a. ⾃分のPCがマルウェアに感染した時の初動 b. 怪しいメールを開いてしまった時の初動 再現性(シナリオでの⾏動)の確認 組織は、迷わず初動が出るように擦り込ませていますか?
  9. まとめ 組織を理解するための3つの視点 20 仕組み (設計) 判断軸 (意思決定) 運⽤ (実⾏) どう動くのかを

    明確にする 誰が‧どこまで判 断するかを揃える 実際に動けるか を確認する セキュリティを組織の⼒として捉える要点は、この3つ(仕組み‧判断軸‧ 運⽤)を⾒ることです。強みと弱みが⾒えたら、そこから⼀歩⾏動する と、現場の迷いが減り、⾃⾛できる⼈が増えて、組織のセキュリティは確 実に強くなります。