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AIが変えた"品質の守り方"
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kkakizaki
May 28, 2026
Technology
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AIが変えた"品質の守り方"
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kkakizaki
May 28, 2026
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Transcript
第26回 QUES AIが変えた”品質の守り⽅” QAの責任領域はどこまで広がるのか 1 2026.5.28 株式会社GA technologies 柿崎 憲
会社紹介 & 自己紹介
GA technologies GROUP 3 不動産(国内/海外)・M&Aなど、複雑で高額な意思決定を扱うサービス群 ※2025年11月現在 58社 ユーザー体験や業務フローが複雑で、品質の影響も大きい領域
自己紹介 4 • 柿崎 憲 • 2018年入社 • 主席アーキテクト ◦ QA部門
◦ エンジニア組織・採用 • QUESとの付き合い ◦ 第1回『ミクシィの QA 歴史と未来』 ◦ 第10回『今、QAに求められていること』
今日話したいこと 5 「AIでこんなに便利になりました」という成功談 AIによって、以前から存在していた問題が、 急速に無視できなくなり始めている • AIによって、以前から存在していた技術負債が、より明確になる • AIによって、以前から QAに求められていたことが、より明確になる
この2つと向き合うきっかけを、今日持ち帰ってもらえたら嬉しいです
Agenda 6 1. 生成AI活用の現在地 2. AIが露出させた品質の構造問題 3. QAの責任領域の再定義
1. 生成AI活用の現在地
GA technologies での生成AI利用状況 8 プルリクベースの調査 生成AIは浸透している プログラミング(場所によっては人が書いていない )・調査・レビュー テストコード生成・ドキュメント生成 など ユーザーアカウントベースで調査
※(注) グラフはイメージです
開発や品質保証が楽になったか? 9 そんな単純な話でもなさそう ...... • レビューが滞留しがち • レビュー負荷が増えている • 品質判断の難易度が上がっている
AI利用量↑ リードタイムは下がらない ※(注) グラフはイメージです
2. AIが露出させた品質の構造問題
AIによって先送りしていた構造的な問題が露出している (実感中) 11 “動くコード ”と”信頼できるシステム ”のギャップが拡大している 生成AI浸透による 開発速度の向上 「構造問題の顕在化・ 品質問題発生」の高速化
AIは実装速度だけを先行加速させた 12 AIで高速化 • コード生成 • テストコード生成 • 調査 •
ドキュメント生成 人間依存のまま • システム設計 • シナリオ設計 • 運用理解 • 品質判断・再現性 速度差によって “品質成立能力 ”の不足が露出する
13 AIは組織の「技術力や設計力」を増幅させる システム理解・設計力がある状態 : AIの力でさらに加速する 設計・品質観点が弱い状態 : AIへの丸投げにより ”早く壊れる ”
AI 品質を再現できない組織では、 AIによって実装速度だけが上がり、 システム全体の不安定性が増幅する
AIへの幻想「テスト自動化のハードルが下がる」 14 AI テスト コード テスト コード テスト コード テスト
コード テスト コー ド 品質を再現できない壁 • テスト環境 • テストデータ • シナリオ再現性 テ ス ト コ ー ド 本番 環境 生成AIを使ってテストコードを大量生産するのは簡単 しかし、システム側の設計が整っていなければ、そのテストは無意味 自動化は無意味ではない。前提(環境・データ・再現性)がないと、 AIは無駄なテストを速く作るだけ
シナリオが通らない構造的な問題 (RENOSYでの具体例 ) 15 シナリオがサービスの境目で途切れる 外部API・テストデータ・状態のせいで再現できない 原因はAIの性能ではなく「品質を再現できない環境」
本当の問題:基盤不在という負債 16 品質を再現できない設計は、単なる技術負債ではなく AI時代の事業運営上の制約になり始めている 品質再現基盤の不在 開発・リリース速度の低下 保守コストの増大 障害対応の遅延 AI活用の根本的な阻害 QAだけの問題ではなく、開発組織全体・事業全体へ波及
ただし!基盤再構築は始まっている! 17 限界が見えたからこそ、シナリオベースで 品質を再現できる基盤づくりが始まっている 品質再現基盤の不在 シナリオベース 基盤の構築 テストデータの整 備 品質再現性の
抜本的改善 問題が可視化されたことで、変化を促す動きが加速している!
3. QAの責任領域の再定義
結論 19 従来から、理想としての QAは 要件定義からリリース後まで品質をリードすべきだった ただしAI時代は、それが “理想論”ではなく“成立条件”になった
仕事から責任へ 20 これからの QAは「テストをする仕事」ではなく、 「品質の成立を担保する責任」へ変わる 仕事(タスク) 責任(ミッション) 「テストする人」から「品質成立を設計・牽引する人」へ 従来:不具合を見つけるタスク 現在:品質が成立する仕組み
そのものへの関与
QAの責任は「確認」から「品質成立・再現性設計」へシフトする 21 観点 これまでのQA AI時代のQA 役割 品質への早期関与が理想 早期関与が必須条件 主な責任 不具合検出・品質確認
品質成立・再現性設計 関与範囲 要件〜リリース後まで関与すべき 要件〜運用まで関与しないと 品質リスクを制御しにくい 技術関与 テスト中心でも成立する場面があった コード・データ・運用理解が 不可欠 AIとの関係 なし・限定的 AI生成物の判断・レビューが必要
QAは「最後の確認者」から「品質成立の接続点」へ 22 QAは品質を”自分で全部作る ”のではなく 品質が成立するように領域間を 接続・観測・牽引 する すべてを実行するのではなく、品質が成立するように関与・牽引する 従来:ゲートキーパー型 (最後の確認者)
AI時代:品質成立の接続点
運用品質との接続が、 AI時代の品質保証の鍵になる 23 AI時代は ”変更量”が増える • 想定外状態 • リアルデータ差分 •
環境差異 • 障害復旧 • 可観測性不足 が一気に重要になる なぜそれが 重要なのか? 変更量が増えるほど “運用でしか見えない品質 ”が増えていく
QAは品質を成立させるために、設計からプロダクションコードの 理解まで踏み込む必要がある (生成AIの助けを得ながら ) 24 設計領域 シナリオ設計 リスク分析 開発領域 テストデータ整備
AI生成コードのレビュー (テスト・リスク観点) 運用領域 SRE/CRE プロダクションコード理解 品質を成立させるため必要な領域へ生成 AIを活用して 関与(オーケストレーション )する
変化は新しくない。ただし、もう先延ばしできない 25 Shift Left DevOps Agile 提唱されてきた概念 自動化 AI普及 (先延ばし不可の現在)
AIの急速な進化がもたらした 半ば強制的なアップデート
26 • 生成AIツールを実際に使い “何が得意で何が苦手か ”を理解する • 他部門の仕事や制約を理解する(開発・ PdM・運用・ビジネスなど) • 自分の担当工程だけでなく、品質が成立していく流れ全体を俯瞰する
• 「何を品質として守るべきか」を、常にチームで問い直し続ける 明日からできること AI時代に必要なのは、 “より速く作ること ”だけではなく、 “何を品質として守るのか ”を考え続けること
27 • 品質を再現できないシステムは、 AIの効果すら制約してしまう。 AI活用の前提として、システムが品質を再現できる状態である必要がある • QAは"確認する役割"から"品質が成立する状態を設計・牽引する役割 "へ。 品質は誰か一人が守るものではなく、各職能で成立させるもの。 その中でQAは、品質観点から領域をつなぐ役割を担う
AIは、品質保証の責任を先送りできなくした AIによって 「品質を再現できなくても回る 」も「品質は後工程でなんとかなる 」も、 両方とも成立しなくなり始めている ご清聴ありがとうございました