IRへの活用を目的とした大学学内の情報収集は,IR担当者が最初に直面する困難とされている.この課題は,日本にIRが紹介された2006年あたりから今日まで,継続的に指摘されているにも関わらず,一般的な解決が未だ見られないようである.原因として,組織論的な要素と技術的な要素の2つに分類できるが,後者の技術的な要素の中にも大学が抱える組織論的な問題が見受けられる.この考察では,情報収集における技術的な課題の中に見られる大学組織特有の事情について報告し,その解決策の一つを提示する