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社内ワークショップで終わらせない 業務改善AIエージェント開発

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社内ワークショップで終わらせない 業務改善AIエージェント開発

2026年2月24日に開催された「LINEヤフー Development with Agents Meetup #2」の登壇資料です。
https://lycorptech-fukuoka.connpass.com/event/379537/

Jiraデータを活用したAIエージェント(ADK)を開発し、朝会を「報告の場」から「議論の場」へ転換した実践事例を紹介します。
AI導入と同時に業務フローそのものを再設計したリアルな改善プロセスです。

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Transcript

  1. 自己紹介: となかも © LY Corporation2 💻業務
 • Yahoo! JAPANトップページ開発のエンジニア
 ◦

    BFF (Backend For Frontend)がメイン
 ◦ iOS
 ◦ BCP (災害時のサービス継続)
 ✈趣味
 • 英語学習 
 ◦ TOEIC990点

  2. BCP(事業継続計画)の観点 災害時のサービス継続を目的とした複数拠点体制
 • 東京・名古屋・大阪・福岡
 背景:私たちのチーム構成 © LY Corporation3 󰳕󰳕 󰳕

    󰳕󰳕 󰳕 󰳕󰳕 󰳕 • Android/iOS/BFF(Backend for Frontend) 混合チーム
 • 複数拠点(福岡・東京)
 • iOS/Android それぞれのアプリリリースタイミングによる期限
 • 案件の締め切り
 • 複数案件並走

  3. 進捗数値は見えている。 でも「なぜ?」 が分からない。 現状 (Visible) 課題 (Invisible) タスクの進捗(バーンダウン) ベロシティの可視化 Jiraでのタスク管理

    なぜ遅れているのか?(要因) 今、どの判断が必要なのか? どこにリソースを集中すべきか? 直面した壁:数値だけではわからない「 WHY」 © LY Corporation4
  4. 分析精度の壁 朝会フローとの親和性 限られた朝会時間では「重すぎる」情報量 出力が一部的確でない(Context不足) チーム独自の事情が考慮されていない 生成に時間がかかり、タイミングを逃す ただの「背景」へ 最初のレポート(プロトタイプ)と課題 © LY

    Corporation7 スプリントバーンダウン分析レポート 🐌 停滞しているタスク(一定期間) タスクID タイトル 担当 停滞 理由 TASK-001 ビルド/テスト基盤の再確認 メンバーA 3日 技術的ブロッキングが未解消 TASK-002 目標: 基盤改善に向けた分析 メンバーA 3日 追加分析が必要 TASK-003 モバイル機能Aの連携対応 メンバーB 3日 インテグレーション待ち 根本原因: - 外部依存: 2 - 技術的な複雑性: 1 - リソース制約: 1 🚀 良好な進捗 タスクID タイトル 担当 成功要因 TASK-005 コア機能の実装 メンバーD 効率的な実行計画 TASK-006 ログ調査/解析 メンバーE 既存ツールの活用 TASK-008 データ永続化の実装/導入調査 メンバーG 強い技術的洞察 ⚠ リスク スプリント目標: 重要な経路で停滞タスクがありリスク。 ボトルネック: インテグレーションと分析プロセスがボトルネック。 重要なタスク: タスクID リスク 対策 TASK-001 高 優先事項の設定 TASK-003 高 インテグレーションの迅速化 💡 推奨事項 即時対応: 重要なインテグレーションおよびレビューに関わる複数タスクについて、未解決の分析と依存関係を見直し、ブロッカー解除を進める。 リソース: 停滞しているモバイル機能Aの対応に支援を集中し、進行を迅速化する。 プロセス: タスク追跡を強化し、遅延を未然に防ぐため定期的なステータスレビューを確保する。 Ji
  5. 🔍 既存の朝会の構造分析 会議構造のボトルネック・ AIによる改善ポテンシャルの特定 報告内容の分類 時間配分の現状 分析と改善の方向性 「Done」の報告 大部分を占める (約10分)

    アジェンダ変更・生成AIレポート集約で報告時間を大幅に圧縮可能 「進行中」の更新 一定の時間を維持 (約5分) 現状維持。やるべき事を決める重要なフェーズとして継続 「相談・ブロック」 短い(約3分) タスクを効率的に進めるために全体でも時間を確保したい領域 【課題の本質】 「事実の共有(過去)」にリソースが偏り、「課題の解決(未来)」への議論が不足している © LY Corporation 7 ※全体会終了後、サブチームごとにタスクの詳細や課題の解決方法について話し合う場を別途設けており、その中で相談する時間も確保しています。
  6. 改善:AIを活かせる朝会へ Done報告の短縮 Jiraダッシュボードの整理 朝会アジェンダの流れの変更 • • 朝会前に完了チケットを動かす運用へ
 ◦ 今までは朝会中に完了チケット確認
 •

    生成AIレポートを生成する時間確保
 • 朝会開始時にまとめて確認して会議時間短縮 • Jiraのダッシュボードを整理
 • 一部より詳細な集計なものは生成AIレポート に移管
 • 真に必要なものだけを確認対象へ
 © LY Corporation10 • 朝会のアジェンダ変更 ◦ 旧: ▪ 昨日のタスク確認 + 今日のタスク決定 ▪ → 振り返り & 締切確認 ◦ 新: ▪ 振り返り & 締切確認 ▪ 今日のタスク決定
  7. 精度の向上 タスクの変動サマリーを
 朝会で必要な詳細粒度で抽出 情報の分離 場合によって必要になる情報は
 朝会確認範囲から分離 簡潔な出力 分析結果は朝会の短い時間で
 把握可能に設計 改善:チームの朝会に合わせたレポートヘカスタマイズ

    © LY Corporation 1 ↕ タスク変動 ・変動合計: Yポイントで軽微な増減(内訳: 新規 +Yポイント / 追加 +0 / 削除 -Yポイント / Yポイント変更 ±0) ・変動サマリー  ・(担当者)「BFFサービスのリリース承認」「BFFサービスの結合テスト」などが新規作成、代わりに「UI機能の実装タスク」がスプリントから削除  ・(担当者)「XXXの実装」が新規作成 ・新規作成タスク  ・BFFサービスのリリース承認(Yポイント)-(担当者)  ・BFFサービスの結合テスト(Yポイント)-(担当者)  ・XXXの実装(Yポイント)-(担当者)  ・XXXの実装(レビュー)(Yポイント)-(担当者) ・スプリントへの追加  ・該当なし ・スプリントからの削除  ・UI機能の実装タスク(Yポイント)- 次スプリントへ移動 -(担当者) ・Yポイント変更  ・該当なし 📉 バーンダウン分析 ・進捗分析  ・今日の消化: Yポイント(理想: Yポイント/日)  ・進行中: Yポイント  ・残りを消化するための1日のYポイント: Yポイント/日  ・今日までの理想完了: Yポイント  ・実際の完了: Yポイント ・進捗状況(delay_points基準: 正の値=遅延、負の値=前倒し、0=計画通り)  ・✅ 前倒し(Yポイント分の前倒し) ・要因サマリー  ・結合テスト/リリース関連の完了がまとまって出たため(例:「BFFサービスの結合テスト」「結合テストのレビュー」) ・良かった点サマリー  ・検証・レビュー作業が短いサイクルでDoneまで流れたため(例:「モバイル向け検証」「結合テストレビュー」) 💡 NextAction案 ・「BFFサービスのリリース承認」を起点に、リリース可否が判断できる状態まで必要条件(結合テスト結果・差分影響)を揃える ・理由: 承認が固まると残タスクの優先度が確定し、後続の回帰テスト(「UI改修の回帰テスト」「安定化対応の回帰テスト・動作確認」)の着手判断がしやすくなるため ==== ここ以降は朝会や個人でチェック ==== ⚠ 懸念事項・今後の注意点 ・「内部コンポーネントの変換実装」が進行中のまま期限を跨いでいるため、完了条件と残作業の分解が必要 ・「UI改修の回帰テスト」「安定化対応の回帰テスト・動作確認」が未着手のため、対象範囲/完了条件(どのビルド・どの観点まで)を先に確定した方が手戻りが出にくい ・「運用改善に関する記入・提出タスク」等がまとまって残っているため、提出期限がある場合は作業順(影響→直接原因→要因整理→改善策)を固定して滞留を防ぐ 󰡸 詳細分析 (各メンバーの詳細タスク消化状況)
  8. 情報の最適化 • 必要最低限の提示 : 毎朝プロンプトを微修正し・意見を反映 • 朝会で読み切る量 : 出力に「30秒以内」の制約を課して認識できる量へ 自然な日本語と精度

    • ハイブリッド構成 : 思考は英語プロンプト、出力のみ日本語に固定 • 文化への適応 : 日本特有の「さん」付け、チームの文化を反映 チーム事情の注入 • 暗黙知の言語化 : 「勤務体系」「得意領域」等の事情をプロンプトへ • 優先順位の調整 : チーム特有の用語や文脈を踏まえた分析精度の向上 技術的な仕組み • Function Calling : 定型的な計算(Storypoint等)をToolへ分離 • 高速化: LLMの負荷を軽減し、レポート生成時間を大幅に短縮 具体的な改善施策のポイント © LY Corporation 2
  9. 結果:朝会の会議時間の質的転換 AI活用による「報告」から「対話」へのリソースシフト 報告時間を効率化で削減し、 「議論」 と「知見共有」 など対話が重要な時間へ配分をシフト © LY Corporation 12

    ▶ 導入前(Before) 導入後(After) アジェンダ:形式報告 必要な報告が多く 
 朝会時間を多く利用 アジェンダ:議論・検討 
 時間が足りない時も 
 アジェンダ:知見共有 残時間で対応 
 時間が足りない時も AI活用:報告集約 アジェンダの工夫 AI Agentの活用で効率化で時間短縮 本質的な議論 
 議論に使える時間増 コミュニケーション 
 対話に使える時間増