Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
暴力・ハラスメントにおける認知症の理解について
Search
内田直樹(Naoki Uchida)
February 29, 2024
0
10
暴力・ハラスメントにおける認知症の理解について
訪問看護師が利用者・家族から受ける暴力・ハラスメント対策研修 Basicコースでお話しした内容です。
内田直樹(Naoki Uchida)
February 29, 2024
Tweet
Share
More Decks by 内田直樹(Naoki Uchida)
See All by 内田直樹(Naoki Uchida)
認知症フレンドリーテックの可能性について
naokiuc
0
14
在宅医療におけるテクノロジーの活用について
naokiuc
0
280
高齢者における向精神薬および抗認知症薬について
naokiuc
0
370
認知症フレンドリーテック
naokiuc
0
39
認知症フレンドリーテックのための認知症基礎知識
naokiuc
0
180
自作したwebアプリの医療介護現場での実装と運用について
naokiuc
0
180
プログラム未経験の医師が4ヶ月でwebアプリを開発した話とその後
naokiuc
0
140
医療現場から今後も作り続けるために
naokiuc
0
57
Featured
See All Featured
The Cost Of JavaScript in 2023
addyosmani
17
3.9k
5 minutes of I Can Smell Your CMS
philhawksworth
199
19k
Git: the NoSQL Database
bkeepers
PRO
423
63k
Fight the Zombie Pattern Library - RWD Summit 2016
marcelosomers
228
16k
Designing Dashboards & Data Visualisations in Web Apps
destraynor
226
51k
Learning to Love Humans: Emotional Interface Design
aarron
267
39k
We Have a Design System, Now What?
morganepeng
44
6.8k
Designing with Data
zakiwarfel
96
4.8k
10 Git Anti Patterns You Should be Aware of
lemiorhan
649
58k
Six Lessons from altMBA
skipperchong
22
3k
Keith and Marios Guide to Fast Websites
keithpitt
408
22k
Design by the Numbers
sachag
274
18k
Transcript
暴力・ハラスメントにおける 認知症の理解について 内田 直樹
None
令和 3 年度滋賀県委託事業 訪問看護師・訪問介護職員安全確保・離職防止対策事業 滋賀県 公益社団法人滋賀県看護協会 Ver.2 一部改訂版
「認知症だから仕方ない」と あきらめ、 「認知症だから何をするかわからない」と 恐れていませんか?
「血圧を測ろうとしたら拒否された」 「言っても忘れてしまう」 「入浴介助中、急に興奮した」 「夕方になるとそわそわ落ち着きがなくなる」 ↓ 「認知症だから仕方ない」とあきらめ、 「認知症だから何をするかわからない」と 恐れてしまう
「血圧を測ろうとしたら拒否された」 「言っても忘れてしまう」 「入浴介助中、急に興奮した」 「夕方になるとそわそわ落ち着きがなくなる」 ↓ 「認知症だから仕方ない」とあきらめ、 「認知症だから何をするかわからない」と 恐れてしまう 行動の背景にある理由がわかると 認知症に対する考えが変わる
そもそも、認知症って何?
認知症とは 脳の機能が低下 認知機能障害 (記憶障害、⾒当識障害、理解・判断⼒の低下) ⽣活障害 (ADLの低下) ©みんなの認知症情報学会 8
認知症とは 脳の機能が低下 ・脳の神経細胞が減少することで 脳の機能が低下している ・脳の神経細胞が減少する原因となる 病気は70以上あるが、 約6割を占めるのがアルツハイマー病
ੜ׆োͷධՁ • *"%- *OTUSVNFOUBM "DUJWJUJFT PE %BJMZ -JWJOH ՈࣄͳͲɺΒ͠Λҡ͍࣋ͯͨ͘͠Ίʹඞཁͳೳྗ •
#"%- ͷճΓͷ͜ͱΛཱࣗͯ͠ߦ͏ೳྗ
Ոఉ֎ͷ*"%-ͷো • ࣄ্Ͱϛεཱ͕ͭΑ͏ʹͳΔ • ͻͱΓͰങ͍ʹߦ͚ͳ͘ͳΔ • ͻͱΓͰਃॻɺ੫ۚͷਃࠂॻͳͲΛ࡞Ͱ͖ͳ͘ͳΔ • ͻͱΓͰަ௨ػؔΛͬͯ֎ग़Ͱ͖ͳ͘ͳΔ •
ͻͱΓͰՈެڞྉۚͷࢧ͍͕Ͱ͖ͳ͘ͳΔ • ͻͱΓͰ"5.Λར༻ͨ͠ΓɺஷۚΛԼΖ͢͜ͱ͕Ͱ͖ͳ͘ͳΔ
Ոఉͷ*"%-ͷো • ͻͱΓͰిΛ͔͚Δ͜ͱ͕Ͱ͖ͳ͍ • ͻͱΓͰ৯ࣄͷ४උ͕Ͱ͖ͳ͍ • ͻͱΓͰༀΛܾΊΒΕͨ௨ΓʹͰ͖ͳ͍ • ͻͱΓͰআɺચ୕Λ͢Δ͜ͱ͕Ͱ͖ͳ͍ •
ͻͱΓͰΤΞίϯɺͦͷଞͷՈిΛదʹར༻Ͱ͖ͳ͍ • ͻͱΓͰ໘ʹ͋ͬͨ༸ΛબͿ͜ͱ͕Ͱ͖ͳ͍
#"%-ͷো • #"%-ͷো͕ೝΊΒΕΔΑ͏ʹͳΔͱɺͷճΓͷ ͜ͱΛཱࣗͯ͠ߦ͏͜ͱ͕Ͱ͖ͳ͘ͳΔ • ͻͱΓͰ৯ࣄ͕৯ΒΕͳ͘ͳΔ • ഉᔔ্͕खʹͰ͖ͳ͘ͳΔ • ೖཋ͕Ͱ͖ͳ͘ͳΔ
• ચ໘ࣃຏ͖ɺ༰Λอͭ͜ͱ͕Ͱ͖ͳ͘ͳΔ
ೝͱ ͷػೳ͕Լ ೝػೳো ʢهԱোɺݟࣝোɺཧղɾஅྗͷԼʣ ੜ׆ো ʢ"%-ͷԼʣ ©ΈΜͳͷೝใֶձ 14
දతͳೝػೳো • هԱͷোʢهྗͱ࡞ۀهԱʣ • පࣝͷো • ݟࣝো • ҙো
هԱো • ظهԱ هԱͷΈʢهˠอ࣋ˠىʣ هͷো • ײ͕͏هԱΓ͍͢ • ܁Γฦ͢͜ͱͰ֮͑Δ 新しいことを覚えられない
言っても覚えられないから無駄!?
None
None
هԱো • ظهԱ هԱͷΈʢهˠอ࣋ˠىʣ هͷো • ܁Γฦ͢͜ͱͰ֮͑Δ • ײ͕͏هԱΓ͍͢
هԱো • ظهԱ هԱͷΈʢهˠอ࣋ˠىʣ هͷো อ࣋ɾىൺֱతอͨΕΔͷͷɺ ৽͘͠อ࣋͞ΕͨهԱ͔ΒࣦΘΕΔ
පࣝͷো • ೝɺಛʹΞϧπϋΠϚʔපͰਐߦʹͬͯප͕ࣝ Լ͢Δɻ • ͜ΕʹΑΓɺೝຊਓͱհޢऀͷධՁʹΪϟοϓ͕ ੜ͡ɺ༷ʑͳτϥϒϧͷݩͱͳΔɻ • ʮԿ͔͓͔͍͠ʯͱ͍͏පײൺֱతอͨΕΔɻ •
݂ੑೝͰප͕ࣝอͨΕΔ͜ͱ͕ଟ͍ɻ
هͷো පࣝͷো ෆ҆ ͷ౪ΒΕໝ
作業記憶(ワーキングメモリー) • 何かをしながら覚えておく力。 • 加齢に伴い低下し、認知症の状態になるとさらに低下する。 • 指示は一つずつ行う。
ݟࣝɿࣗͷपΓͷ͜ͱ͕Θ͔Δ͜ͱ ࣌ؒ ˠ࣌ࠁɺɺقઅͳͲ ॴ ˠ͕ࣗͲ͜ʹ͍Δͷ͔ ਓ ˠࣗͷपғʹ͍Δਓ͕୭͔
Ұൠతʹˠˠͷॱʹো͞ΕΔ
ݟࣝɿࣗͷपΓͷ͜ͱ͕Θ͔Δ͜ͱ ࣌ؒ ˠ࣌ࠁɺɺقઅͳͲ ॴ ˠ͕ࣗͲ͜ʹ͍Δͷ͔ ਓ ˠࣗͷपғʹ͍Δਓ͕୭͔
Ұൠతʹˠˠͷॱʹো͞ΕΔ
ҙো • ݟ͍͑ͯΔΑ͏Ͱݟ͓͑ͯΒͣɺฉ͍͑ͯ͜ΔΑ͏Ͱฉ ͍͑ͯ͜ͳ͍ɻ • ·ͣҙΛΩϟον͢Δɻ
None
None
認知症とは 脳の機能が低下 認知機能障害 (記憶障害、⾒当識障害、理解・判断⼒の低下) ⽣活障害 (ADLの低下) ©みんなの認知症情報学会 29 ① ②
改善可能な認知症 まだ神経細胞が減少していない 脳の機能低下 (まだ神経細胞は減少していない) 認知機能障害 (記憶障害、見当識障害、理解・判断力の低下) 生活障害 (ADLの低下) ©みんなの認知症情報学会 30
©みんなの認知症情報学会 31 認 知 症 (ふつうの)認知症 アルツハイマー型認知症 レビー小体型認知症 脳血管性認知症 前頭側頭型認知症
など 改善可能な認知症 正常圧水頭症 慢性硬膜下血腫 甲状腺機能低下症 など
正常圧水頭症 脳脊髄液による脳の圧迫で 脳の機能が低下 認知機能障害 (記憶障害、見当識障害、理解・判断力の低下) 生活障害 (ADLの低下) ©みんなの認知症情報学会 32
改善可能な認知機能障害・精神症状 ©みんなの認知症情報学会 33 疾患 気づきのポイント 薬剤の副作用 薬の内服内容のチェック うつ病、精神的ストレス うつ病の症状があるか。二質問票法 甲状腺機能低下症
むくみ、食欲がないのに体重が増える、 皮膚の乾燥、寒がりになる、無気力など ビタミンB1、 B12 欠乏 食事をきちんとしていない 正常圧水頭症 三主徴(認知症、歩行障害、尿失禁) 慢性硬膜下血腫 麻痺、ふらつき、意識障害など 脳腫瘍 様々な症状、無症状のこともあり 意識障害・せん妄状態 状態の時間的変動
うつ病と認知症 n うつ病が認知症の初期症状であること がある n うつ病で一見認知症のような状態にな ることがある(仮性認知症) n うつ病と認知症が合併する場合もある n
うつ病が治療で改善して いても、長期的には認知症へ 移行する可能性がある 89 ©みんなの認知症情報学会
うつ病のスクリニーニング検査 2質問票法 n 不眠、食欲低下がある場合 n「この1ヵ月、気分が沈んだり、憂鬱になることがよくあった か」 n「この1ヵ月、物事に対して興味がわかない、あるいはこころ から楽しめない感じがよくあったか」(ほとんど1日中、ほぼ 毎日が原則) →どちらかがあれば、「うつ病」とする
n 感度96% 特異度57% ©みんなの認知症情報学会 24
アルコールと認知症 n ごく少量(週に56g未満:グラスワイン4杯)であれ ば予防効果があるかもしれない n しかし、それ以上の長年の 飲酒は脳を萎縮させる n 断酒後6-7週間で脳体積が 増加したという報告もあり、
可能な限り断酒する 36 ©みんなの認知症情報学会
高齢てんかんの特徴 n 高齢者の100人に1-2人が発症 n 認知症患者におけるてんかんの発症リスクは一般人口の 5-10倍 n 高齢発症でけいれん発作は少ない n 脳波の異常は発作時のみで診断されにくい
30 ©みんなの認知症情報学会
高齢てんかんの症状 n 発作が起きると突然意識が途切れ通常の動作が停止する n 同時に多くの場合、口がもぐもぐ動いたり手足が勝手に動い たりする自動症がみられる n 発作は数十秒から数分で終わるが、この間に話しかけられて も反応しない n
発作が終わったあと数分から数時間もうろう状態が続き、こ の間は何か話しても筋が通らず攻撃的になって暴言を吐くこと もある 31 ©みんなの認知症情報学会 38
改善可能な認知機能障害・精神症状 ©みんなの認知症情報学会 39 疾患 鑑別のための検査 薬剤の副作用 うつ病、精神的ストレス 甲状腺機能低下症 甲状腺ホルモン測定(TSH, F-T3,
F-T4) ビタミンB1、 B12 欠乏 ビタミンB1、B12測定 正常圧水頭症 CT, MRI, タップテスト、システルノグラ フィ 慢性硬膜下血腫 CT, MRI 脳腫瘍 CT, MRI 意識障害・せん妄状態 AIUEO TIPS
せん妄状態 n 軽度から中等度の意識障害が背景 n 不安、いらいら、不眠、精神運動興奮を伴い、 幻覚(特に幻視)や妄想を認めることが多い状態 → 経過は比較的急激に始まり、 動揺する ©みんなの認知症情報学会
40
3-3-9度方式 Japan Coma Scale (JCS) I 覚醒している状態 1:見当識は保たれているが、意識清明ではない。 2:見当識障害がある。 3:自分の名前、生年月日が言えない。
II 刺激に応じて一時的に覚醒する状態 10:普通の呼びかけで容易に開眼する。 20:大声で呼びかけたり強く揺すったりすることなどで 開眼する。 30:痛み刺激を加えつつ、呼びかけを続けると辛うじて 開眼する III 刺激をしても覚醒しない状態 100:痛みに対して払いのけるなどの動作をする。 200:痛み刺激で手足を動かしたり、顔をしかめたりする 300:痛み刺激に全く反応しない ©みんなの認知症情報学会 41
せん妄状態のスクリーニング → 意識障害があるかどうか n 状態が短時間のうちに変動するかどうか n 夕方~夜間にかけて増悪するかどうか ©みんなの認知症情報学会 42
せん妄状態 せん妄の準備状態 誘 因 せん妄状態 ©みんなの認知症情報学会 43
せん妄の準備状態 (脳の機能低下状態) n 認知症などで脳の機能が低下しているとき ~特に脳血管障害~ n 身体的な病気が重症のとき ©みんなの認知症情報学会 44
せん妄の誘因 n 身体的誘因 → 薬剤の内服(抗パ剤、抗不安薬、三環系抗う つ薬、H2 ブロッカー、ステロイド剤等々)、血圧 の一時的変動、心肺機能の低下、発熱、下痢、脱 水状態、貧血、手術直後、飲酒及び断酒 n
心因、環境因 → 急激な環境変化、離別、死別、経済的問題、 感覚遮断状況(周囲からの孤立感)、睡眠遮断、 身体抑制 夕方・夜間になること ©みんなの認知症情報学会 45
意識障害・せん妄の原因と なりやすい薬物 n 緩和精神安定剤(抗不安薬、睡眠導入剤) n 消化性潰瘍治療薬(H2 ブロッカー) n 抗パーキンソン病薬 n
抗生物質、合成抗菌薬、解熱鎮痛剤、抗 ウィルス薬 n ステロイド剤 ©みんなの認知症情報学会 46
せん妄状態 n 誰でもなりうる n 認知症の人に起きた場合、せん妄ではなく BPSDの悪化、もしくは認知症自体の進行と捉え られがちで注意が必要である ©みんなの認知症情報学会 47
認知症における見立て n 第一段階 状態の評価 認知機能障害の評価(記憶障害、見当識障害) 生活障害の側面 精神症状の側面 n 第二段階 改善可能な部分の検討
~改善可能な認知機能障害 n 第三段階 認知症の原因疾患の検討 ~どのくらいの寄与割合があるか? 脳血管性認知症、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症 アルツハイマー型認知症 ©みんなの認知症情報学会 48
認知症の病型分類について n 病型によって経過が異なる n多くの抗認知症薬の適応はアルツハイマー型認知症のみ n アルツハイマー型認知症は最後に診断 n 確定診断には剖検が必要で、専門医間にもばらつきが あり病型診断は難しい ©みんなの認知症情報学会
51
認知症の病型分類について n 病型によって経過が異なる n多くの抗認知症薬の適応はアルツハイマー型認知症のみ n アルツハイマー型認知症は最後に診断 n 確定診断には剖検が必要で、専門医間にもばらつきが あり病型診断は難しい ©みんなの認知症情報学会
51 認知症を見逃さない すぐに薬を出さない 典型例を見逃さない
認知症の人の精神症状 n まず、せん妄が合併していないかどうか n 次に、他の精神症状がないか n 最後に、認知症に伴う行動・心理症状 ©みんなの認知症情報学会 86
うつ病のスクリーニング検査 2質問票法 n 不眠、食欲低下がある場合 n「この1ヵ月、気分が沈んだり、憂うつになる ことがよくあったか」 n「この1ヵ月、物事に対して興味がわかない、 あるいはこころから楽しめない感じがよくあった か」 (ほとんど1日中、ほとんど毎日が原則)
→どちらかがあれば、「うつ病」とする n 感度96% 特異度57% ©みんなの認知症情報学会 90
認知症の人の精神症状 n まず、せん妄が合併していないかどうか n 次に、他の精神症状がないか n 最後に、認知症に伴う行動・心理症状 ©みんなの認知症情報学会 91
認知症に伴う行動・心理症状 n 認知症のある人 → 認知機能障害 記憶障害、見当識障害、 理解・判断力の障害、実行機能障害 → 周囲の状況に適応ができずに混乱 n
言葉で表現するのが苦手な認知症の人の言葉にならないメッ セージとしての行動・心理症状 → チャレンジング行動として捉えなおす ©みんなの認知症情報学会 54
チャレンジング行動とは 知的障害、発達障害の人の支援現場から出てきた考え方です。今 まで私たちは、知的障害、発達障害のある人の精神症状を、たと えば「強度行動障害」などとラベルを貼って「問題行動」として とらえていました。 ©みんなの認知症情報学会 55
チャレンジング行動とは しかし、考えてみれば、知的障害、発達障害がある人は、健常者 と同じく懸命に周囲の環境に適応しようと生きているのです。今 まで「問題行動」としてとらえていた行動は「環境に適応できな いことを訴えている行動」であるととらえなおす必要があります。 ©みんなの認知症情報学会 56
チャレンジング行動とは 「チャレンジング行動」とは、「正しい対応を要求する行動」と いう意味です。チャレンジされているのは、周囲の環境であり、 支援者なのです。BPSDではなく、「チャレンジング行動」とい う用語を使うことには、言葉によってつくられている支援現場の 意識、文化を変えるという意義もあります。 ©みんなの認知症情報学会 57
チャレンジング行動 認知機能障害 (記憶障害、見当識障害、理解・判断力の低下) 生活障害 苦痛 行動・心理症状 ニーズや想いを伝えられない ©みんなの認知症情報学会 95
「血圧を測ろうとしたら拒否された」 「言っても忘れてしまう」 「入浴介助中、急に興奮した」 「夕方になるとそわそわ落ち着きがなくなる」 ↓ 「認知症だから仕方ない」とあきらめ、 「認知症だから何をするかわからない」と 恐れてしまう 行動の背景にある理由がわかると 認知症に対する考えが変わる
高次脳機能 東京都福祉局 高次脳機能障害 改訂第六版より
高次脳機能 東京都福祉局 高次脳機能障害 改訂第六版より 前頭葉機能障害を認める場合、 暴力・ハラスメントのリスクが高い
前頭葉機能障害をどこで判断するか • 若年発症の認知症は前頭側頭型認知症が多い • 頭部外傷の既往 • はじめての対面時、きちんと挨拶ができない、失礼な言動が 多いなど、いわゆる社会性の欠如を認める場合 • 飲酒
• そもそも、どういう性格なのか
妄想への対応 • 妄想:事実と異なることを事実と思い込むこと • ほんとうに事実ではないのか • 否定しても、本人は事実だと確信しており関係構築できない • 肯定すると妄想が強化されてしまう •
妄想が事実であったら大変だろうと共感しながら、目の前にあ る事実について共有していく 「泥棒が屋根裏にいたら気が休まりませんね」 「見に行きましたが、今は泥棒いませんね」 • 特に、統合失調症に伴う妄想の場合は注意が必要
暴力・ハラスメントにおける認知症の理解について • 記銘力障害、注意障害といった認知機能障害 • せん妄や、てんかん、妄想など、精神症状の評価 • チャレンジング行動という視点 • 前頭葉機能障害 •
精神病に伴う妄想
暴力・ハラスメントにおける認知症の理解について • 記銘力障害、注意障害といった認知機能障害 • せん妄や、てんかん、妄想など、精神症状の評価 • チャレンジング行動という視点 • 前頭葉機能障害 •
精神病に伴う妄想 「認知症になると何もわからなくなる」 ではなく、 認知症のある人に何が起きているかを 私たちがわかる必要がある そのために認知症についての知識と、 認知症のある人との対話が重要
None
None
みんなのケア情報学会
None