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35分でわかるEffective Platform Engineering

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August 18, 2026

35分でわかるEffective Platform Engineering

このたび、はじめてマイナビ出版様より翻訳書を出版させていただくことになりました。原書は『Effective Platform Engineering』、邦題は『実践 プラットフォームエンジニアリング』です。

発売日は2026年8月24日、いよいよ来週です。ぜひご予約いただけると嬉しいです。
https://book.mynavi.jp/ec/products/detail/id=151794
https://amzn.asia/d/0d4hfBcx

これに合わせて、「『実践 プラットフォームエンジニアリング』翻訳者と考える、開発者体験を加速する基盤のセルフサービス化」というイベントに登壇させていただきます。いつも機会をくださる Findy 様には感謝しています。セッションタイトルは「35分でわかるEffective Platform Engineering」です。書籍を読む際のガイドラインとして機能する内容になればと思っています。

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August 18, 2026

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Transcript

  1. 日本語版『実践プラットフォームエンジニアリング』 開発者体験を加速する セルフサービス基盤の設計と構築 著者: Ajay Chankramath, Nic Cheneweth, Bryan Oliver,

    Sean Alvarez 翻訳: 株式会社スリーシェイク 日本語版: マイナビ出版、2026年8月24日発売 原書: Manning Publications, 2024 プラットフォームを「ツール置き場」ではなく、開発者が使い続ける社内プ ロダクトとして作り、測り、育てるための実践書。 8
  2. 本日の流れ 1. Part 1: 基礎 — なぜプラットフォームエンジニアリン 2. Part 2:

    構築 — どう作るか グか スケーリング — どう育てるか 4. まとめ — 何を持ち帰るか 3. Part 3: 「なぜ必要か」→「どう作るか」→「どう育てるか」の順で進みます 10
  3. 書籍は3つのパート・10章で構成されている Part 基礎 2. 構築 3. スケーリング 1. 章 Ch.1-3

    Ch.4-8 Ch.9-10 答える問い なぜ必要で、どう価値を測るのか 安全なセルフサービスをどう作るのか 組織と技術をどう育て続けるのか 手に入る視点 開発者を顧客として扱い、余分な負担を減らす ルール・観測・自動化をプロダクトへ組み込む 規模に合わせて設計と責任を変える 一貫する問いは「開発者の仕事は、本当に良くなったか?」 11
  4. ・ DevOps SRE 領域 ・開発者体験を置き換えない 目指すこと 開発と運用が一緒に価値を届ける DevOps SRE 信頼性を仕組みと計測で高める

    開発者体験 待ち時間や学習コストを減らす プラットフォームとの関係 その文化を実践しやすい共通基盤を提供する 信頼性の機能を再利用できる形にする プラットフォームの成果として測る 新しい流行へ乗り換える話ではない。既存の実践をつなぐ話。 15
  5. サービス実行に必要な4領域 # 1 2 3 4 領域 クラウドアカウント基盤 ネットワーク アイデンティティ

    コントロールプレーン 平たく言うと アカウント、課金、最小権限の出発点 サービス間を安全に接続する通信経路 人とサービスが誰かを確かめる仕組み 要求の受付・判断・実行・状態管理 開発者ポータルを作る前に、アカウント・ネットワーク・ID・制御APIを用意する。 21
  6. 次に、開発者が使う体験を作る # 5 6 7 8 領域 オブザーバビリティ アプリケーション配信 データ・セキュリティ

    開発者ポータル 平たく言うと 何が起きているか説明できる仕組み ビルド・テスト・リリースの実行手順 データと秘密情報を守る仕組み セルフサービスの入り口 各領域の設定をコード化し、テスト・リリース・運用を同じチームが担当する。 22
  7. ソフトウェア・デファインドのプロダクトとアーキ テクチャ Ch.2 ソフトウェア・デファインドとは、手作業ではなく、コードから同じ状態を再現できることです。インフラも、設 計・テスト・リリース・運用の対象にします。 作り方を変える 従来の作り方 手動運用の延長で作る ツール導入を単発案件にする 利用者と作る人を分ける

    起きること 再現できない作業が残る 使い方が変わっても直せない 使いづらさが設計へ戻らない 本書の提案 コード化し、変更をテストする 継続的に改善するプロダクトにする 同じチームが運用と改善まで担う コードは状態を再現する。価値の優先順位は、顧客の声から決める。 23
  8. プロダクトデリバリーモデル 開発者をプラットフォーム顧客として扱います。テクニカルプロダクトオーナー (TPO)は、要望を集める人ではなく、顧客の声を代弁して優先順位を決める人で す。 聞き取り、実際の利用状況、顧客体験、計測可能な価値を組み合わせて、バックログ とロードマップを作ります。期待した価値が得られなければ、ロードマップを変更し ます。 の役割 書籍 Figure

    2.1 より引用 TPO 顧客の声 体験オーナー ロードマップオーナー 誰がなぜ使い、何に価値を感じるのかを理 ステークホルダーの要件を、顧客体験を損 利用状況と顧客体験から、優先順位とリリ 解する。 なわずに満たす。 ース順を変える。 要望件数ではなく、利用状況・顧客体験・価値で決める。 24
  9. 進化的プラットフォームアーキテクチャ 最初から完成形を当てることはできません。 少数の利用者へ価値を届け、実際の利用から学び、変更できる状態を設計しま す。 進化のための設計原則 原則 抽象化 イベント駆動 境界の明確化 テスト可能

    意味 通常利用では、裏側の複雑さを見せない 相手の完了を待たず、変更の事実を受け渡す 約束を守れば、内側の実装を入れ替えられる インフラの変更も、自動テストを通して届ける 変えられるだけでは足りない。その変化が価値になったかを計測で確かめる。 26
  10. 測ると、待ち時間が見えてくる 計測の対象 指標 リードタイム デプロイ頻度 変更失敗率 MTTR フロー効率 何を見るか コミットから本番までの時間

    安全に頻繁にデプロイできるか デプロイの何%が問題を起こすか 障害から復旧までの平均時間 総リードタイムのうち、価値を生む実作業時間の割合 待ち時間を工程ごとに比べ、最も長い工程から改善する。 34
  11. Ch.4 ガバナンス、コンプライアンス、信頼 セルフサービスは、ルールをなくすことではありません。 人が毎回承認する代 わりに、守るべき条件をコードにし、変更が入る場所で自動確認します。 判定理由をその場で返せば、開発者は承認者を待たずに直せます。誰が、何を、 どのルールで確認したかも記録でき、監査の証拠になります。 書籍 Figure 4.3

    より引用 安全を仕組みにする3つの方法 方法 ポリシーアズコード プロベナンス(来歴) 信頼の管理 平たく言うと ルールをコードで表し、自動確認する 誰が何を作り、どこを通ったか記録する 誰が何をできるかを一貫して管理する 例 、 、 SLSA、署名付きアーティファクト ID連携、最小権限 OPA Gatekeeper Admission Controller 統制を弱めず、待ち時間だけを減らす。 37
  12. 開発者の自律性とガードレールの両立 作業する人と、完了を検証する仕組みを分けます。 開発チームは自分の流れでテストやスキャンを実行し、プラットフォームは デプロイ直前に必要な証拠があるかを確認します。 Before / After 観点 確認する時 問題の発見

    判断基準 ルールの見え方 ゲート型 リリース直前の会議 後から見つかり、手戻りが大きい 人や部署ごとに解釈が揺れる 手順書や暗黙知に分散する ガードレール型 コミット、PR、デプロイ時に自動確認 早く見つかり、その場で直せる 同じルールをすべての環境へ適用できる コードとして履歴を追える 承認を減らして、検証をコードにする。 38
  13. 用途に合うポリシーツールを選ぶ ツール OPA + Rego Gatekeeper Kyverno HashiCorp Sentinel 特徴

    適用範囲 汎用のポリシー判定エンジン Kubernetes、Terraform、API認可など OPAをKubernetes APIへの登録時に使う Kubernetesリソース検証 YAMLでKubernetesポリシーを書く Kubernetes中心 HashiCorp製品と組み合わせる IaC全般 事前 vs 事後 変更を適用する前に止める事前チェックと、稼働後に見つける事後スキャンを使い分けます。共通標準を選ぶと、 Kubernetes以外の領域にも同じ方法を広げられます。 ツール名より先に「どこで、何を、いつ確認するか」を決める。 40
  14. Ch.5 進化するオブザーバビリティ 書籍 Figure 5.1 より引用 ルールを自動化しても、実行後に何が起きたか分からなければ、その仕組みを信頼できま せん。 オブザーバビリティとは、外から得られるデータを使い、システムの中で何が起きている かを説明できることです。監視画面を作ること自体が目的ではありません。

    決めた異常を知らせる監視に加え、想定していなかった障害でも原因をたどれる状態を目 指します。メトリクス・ログ・トレースを、同じサービスやリクエストの文脈で結びつけ ることが重要です。 見えない自動化は、信頼できない。 41
  15. つのテレメトリを結びつける 3 テレメトリとは、システムの振る舞いを外から観測するために収集するデータです。 種類 メトリクス ログ トレース 答える問い 何が、いつ、どれくらい起きたか その場で何が起きたか

    リクエストがどこを通ったか 主な用途 傾向、アラート、SLO デバッグ、監査、セキュリティ調査 遅い場所や依存関係の特定 データを結びつけたら、「何を測るか」「どこを目標にするか」「何を約束するか」を決める 42
  16. とプラットフォームの責任 SLI/SLO/SLA :実際に測るもの 可用性、応答時間、エラー率など SLI :目指す水準 「 」「p99 200ms以下」など SLO

    99.9% :顧客との合意 未達時の影響や対応を含む SLA 書籍 Figure 5.11 より引用 測れない目標は、SLOではなく願望になる。 43
  17. Ch.6 エンジニアリングプラットフォームの構築 書籍 図6.1「真のセルフサービス体験を実現する社内プロダクト」より引用 安全と観測の条件が決まったら、次はそれらを一つのセルフサ ービス体験へまとめます。 セルフサービスは、開発者にすべてを任せることではありませ ん。 構想から運用まで、開発者が他チームを待たずに前へ進めるケ イパビリティを作ります。裏側では複数のツールが動いていて

    も、利用者からは一貫したプロダクトとして見える状態を目指 します。 よくある判断と作業をペイブドロード(舗装された道)へまと めます。これは、組織が推奨する標準的な実行経路です。例外 では、専門チームと相談できる余地を残します。 セルフサービスは自由放任ではない。安全な判断を再利用する仕組みだ。 45
  18. ツールは、つながり方と運用まで見て選ぶ ツール選定の評価軸 軸 組み合わせやすさ APIと拡張性 チームごとの分離 運用の重さ 自分たちでも使えるか 問い 他の部品と強く依存せずに接続できるか

    画面操作だけでなく、コードから自動化できるか 複数チームが安全に共用できるか プラットフォームチームが維持し続けられるか 利用者と同じ体験を自分たちで検証できるか 導入できるかより、運用し続けられるか。 46
  19. 認証情報は、使う場所へ自動で届ける 構成要素 役割 External Secrets Operator Kubernetes Argo CD /

    Flux の必要な場所へ自動同期する Gitを望ましい状態の正本にするGitOpsの手順へ組み込む ローテーションと配布を自動化すると、安全な運用を続けるコストが下がります。利用者の手作業を減らしながら、 統制はむしろ強くできます。 セルフサービスは、管理の放棄ではない。管理の自動化だ。 49
  20. イベントは「起きたこと」を後から届ける 同期APIは、その場で相手の返事を待つ。イベントは「何が起きたか」を記録し、必要な仕組みが後から受け取る。 同期APIとイベントの違い 観点 相手が停止中 変更の進め方 履歴 デバッグ 同期API 呼び出し元も待ちやすい

    相手との調整が増えやすい 複数のログをつなぐ 呼び出し順を追いやすい イベント 復旧後に処理しやすい それぞれのペースで変えやすい 起きたことを再確認しやすい 非同期の流れを追う工夫が必要 イベントは万能ではない。同期依存を減らす必要がある境界に絞って使う。 62
  21. Ch.10 プラットフォームプロダクトの進化 規模に合わせて分けても、利用者から学ぶ流れが止まれ ば、また「作ったのに使われない」へ戻ります。 Platform as a Productとは、明確なユーザー、解くべき課 題、計測可能な価値提案を持つプロダクトとして、プラッ トフォームを扱う考え方です。

    利用者の仕事、技術、規制が変われば、必要な体験も変わ ります。だから「完成」はありません。 MVPから始め、利用データと対話をフィードバックループ へ戻します。 使われない機能を廃止する判断も、プロダクトライフサイ 書籍 図 「 のライフサイクル」より引用 クルに含めます。 プラットフォームに完成はない。利用者の仕事が変わり続けるから。 10.4 Platform as a Product 63
  22. 成長段階で、見る数字を変える ポータルとIDPの役割を分けたら、成長段階に応じて、どちらへ投資するかも変えます。 段階 いま優先すること 立ち上げ MVPで価値仮説を検証する 拡大 ケイパビリティと対象チームを広げる 成熟 ポートフォリオと運用コストを最適化する

    確かめる数字 最初の本番デプロイまでの時間、初期利用率 ゴールデンパス(推奨する標準経路)の利用率、認知負荷、リードタイム 総保有コスト(TCO)、事業アウトカム、組織の健全性 同じ数字を追い続けるのではなく、次の課題に合わせて問いを変える。 65
  23. は、待ち時間と品質を変えた Epetech 「使われた」だけで終わらず、仕事と組織への効果まで測る。 指標 コミットからデプロイまで 本番環境の欠陥 開発者満足度 インフラ変更の受け渡し Before After

    数週間 数時間 導入前の水準 60%削減 導入前の水準 40%向上 最大4回のハンドオフ チーム内で完結 利用率ではなく、待ち時間・欠陥・満足度が変わったか。 66
  24. 技術だけでなく、チームの責任も変えた は、Team Topologiesの考え方を使って、チーム同士の関係も組み直した。 Epetech チーム ストリームアラインドチーム プラットフォームチーム イネーブリングチーム 担うこと 顧客価値のバリューストリームをエンドツーエンドで担当する

    共通基盤を、開発者向けのプロダクトとして提供する クラウド移行や新技術の習得を、一時的に伴走する セルフサービスは、画面だけでは作れない。責任の置き方まで設計する。 67
  25. 書籍全体のメッセージ 章を通じて一貫しているのは、「ツールを集める」のではなく「開発者の仕事を良くするプロダクトを育てる」 という考え方。 10 つを一緒に設計する 3 軸 プロダクト ソフトウェア 組織

    この本が答えること 誰のどんな問題を解くのか どう安全に自動化し、変更し続けるか 誰が責任を持ち、どう学び続けるか ・ルール・文書を、利用率・デプロイ時間・問い合わせ内容に合わせて更新する。 API 70
  26. あなたの詰まりは、どの章にある? 順番に読むと、考え方から実装、成長までを一つの物語として追える。いま困っている場所が明確なら、そこから入って もよい。 何から始めるか迷う 作ったのに使われない 利用拡大で詰まった Ch.1 → Ch.2 →

    Ch.6 Ch.3 → Ch.4 → Ch.5 Ch.7 → Ch.9 → Ch.10 定義 → プロダクトの考え方 → 構築 の起点 価値の計測 → 安全な利用 → 問題の 発見 制御の仕組み → 責任の分割 → 継続 的な進化 71
  27. 全部読む時間がないなら Ch.1 → Ch.3 → Ch.6 Ch.1 何を目指すか Ch.3 何を測るか

    Ch.6 どう作り始めるか 迷ったら、定義・計測・構築の順に読む。Ch.1 → Ch.3 → Ch.6。 72
  28. 本書の関連資料 Effective Platform Engineering - Ajay Chankramath, Sean Alvarez, Bryan

    Oliver, Nic Cheneweth 実践 プラットフォームエンジニアリング - マイナビ出版、株式会社スリーシェイク訳 Team Topologies - Matthew Skelton, Manuel Pais(IT Revolution, 2019) Platform Engineering - コミュニティとリソース The Psychology of Computer Programming - Gerald M. Weinberg(1971) (Manning, 2024) 73
  29. 参考資料:実践を深める ( Building Microservices, 2nd Edition - Sam Newman(O'Reilly, 2021)

    ) Accelerate - Nicole Forsgren, Jez Humble, Gene Kim IT Revolution, 2018 Wardley Maps - Simon Wardley ( Internal Developer Platform - IDPの定義とリファレンス ) The DevOps Handbook - Gene Kim et al. IT Revolution, 2021 74