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【Oracle Developer Day 2026】作って学んだ、OCIで実現するマルチ...

【Oracle Developer Day 2026】作って学んだ、OCIで実現するマルチエージェントシステム

2026/05/21
Oracle Developer Day 2026
[T3-4]作って学んだ、OCIで実現するマルチエージェントシステム

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AIエージェントが注目されてきている中で、その次のフェーズとしてマルチAIエージェントが期待され始めています。
その一方で、AIエージェントではどのようなことが可能なのか、どうやって開発を行うのかまだ具体的なイメージを持ちづらい方も多いのではないでしょうか。

そこで、本セッションではOCI 運用支援エージェントの開発を例として、マルチAIエージェントシステムをOCI上で実現するための具体的な方法をご紹介します。
「AIエージェントとは何か?」という基礎から、マルチAIエージェントが必要とされる背景、実際のアーキテクチャ、開発・運用基盤の設計までを体系的に整理します。さらに、実際に開発してみて見えてきた課題や工夫についてもお届けします。
AIエージェントの基礎を知りたい方から、実際にエージェントシステム開発に取り組んでみたい方まで、幅広くお楽しみいただける内容です。

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oracle4engineer PRO

May 21, 2026

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Transcript

  1. Speakers Yuki Sogawa Cloud Engineer (CloudNative, AI/ML) Tomoki Utsunomiya Cloud

    Engineer (IaaS) Koichiro Ishii Cloud Engineer (Security) 2 Copyright © 2026, Oracle and/or its affiliates
  2. アジェンダ 3 Copyright © 2026, Oracle and/or its affiliates 1

    2 3 4 AIエージェントとは マルチエージェントとは 実例から見るマルチエージェント トークセッション
  3. AIエージェントとは 定義(*Gartner) AIエージェントは、アプリやクラウドといったデジタル環境、そしてロボットやセンサー機器といった物理的な環境で、AIの手 法を使って状況を把握し、判断し、行動し、目標を達成できる自律(または半自律)のソフトウェアです 従来のAIツールとの違い 5 Copyright © 2026, Oracle

    and/or its affiliates ※ https://www.gartner.co.jp/ja/articles/ai-agents チャットボット ルールベース 事前定義されたルールに沿って、一 問一答で応答。推論・学習は基本 的に行わない LLMを利用したもの 回答に最適化 ユーザーの質問に柔軟に応答。ただ し、単体では計画立案から実行ま では担いにくい AIエージェント 自律実行 目標を元に計画を立て、ツールを使 い分け、結果を評価しながら自己 修正して完遂
  4. AIエージェントの構成要素 5つのコンポーネント 6 Copyright © 2026, Oracle and/or its affiliates

    ユーザー モデル GPT, Llama, Grok,.. ツール MCP, CLI, WebAPI メモリ 短期メモリ、長期メモリ ナレッジストア DBなど オーケストレーション エージェントのロジック 1 2 3 4 5
  5. OCIを活用したエージェント構築 7 Copyright © 2026, Oracle and/or its affiliates ユーザーは業務固有のオーケストレーションに集中し、他はOCIに任せられる

    ユーザーが作る部分 オーケストレーション エージェントのロジック 1 エージェントアプリのコアロジック • 業務ルール • 判断ロジック • プロンプト • 呼び出し順序 OCI Enterprise AI モデル GPT, Llama, Grok, .. ツール MCP, CLI, WebAPI メモリ 短期・長期メモリ ナレッジストア DBなど 2 3 4 5 エージェントアプリに共通して必要な機能を提供 API呼び出し
  6. シングルエージェントの限界 シングルエージェント = 1つのコンテキスト・1セットのツール群 8 Copyright © 2026, Oracle and/or

    its affiliates 限界1 コンテキストの飽和 知識・ツール定義・会話履歴・ツール出力を 全て1つの文脈に詰め込む 入り切ったとしても、劣化する恐れがある • 使用率が一定を超えると精度が低下 • 中盤の情報が埋もれる(lost in the middle) • 古い情報がノイズになり判断がブレる 限界2 過度に多いツールの抱え込み 1つのエージェントが、タスクに必要な すべてのツールと権限を抱え込む 選択肢が増えるほど、ツール選択を誤る • 似たツールが多いと呼び出しを取り違える • 全権限を集約すると、最小権限が崩れる 1体で抱えきれないコンテキストとツールを、役割ごとに分けて持たせる
  7. マルチエージェントとは 複数の自律エージェントが協調するシステム 役割ごとにエージェントを分け、協調して一つのタスクをこなす 10 Copyright © 2026, Oracle and/or its

    affiliates 調査エージェント 実装エージェント 評価エージェント 情報収集に必要な 文脈とツールだけを持つ コード生成に必要な 文脈とツールだけを持つ 評価に必要な 文脈とツールだけを持つ 1つのタスク 上記の分け方は一例 ー 役割の分け方はタスク次第なので、対象に応じて設計が必要
  8. エージェントの繋げ方 11 Copyright © 2026, Oracle and/or its affiliates 協調の方法は大きく2つ

    スーパーバイザー型 調整役のエージェントが、タスクを分解して各担当に 振り分ける スウォーム型 調整役を置かずに、エージェント同士が直接や りとりして処理を渡し合う 調整 エージェント エージェントA エージェントB エージェントC エージェントA エージェントB エージェントC 実装手段: MCPのToolsとしてエージェントを公開したり、A2Aプロトコルで繋ぐことが多い
  9. 今回作成したエージェント 13 Copyright © 2026, Oracle and/or its affiliates OCI運用を、役割を分けたエージェントが分担

    ユーザーの窓口・調整役 OCI環境の調査役 権限管理の担当 ECサイトの監視役 できること 依頼内容を判定し、どの エージェントをどの順で動か すか決定。結果を統合 できること コンパートメントを横断してリ ソースを検索。依存関係マッ プや作成者も明らかに できること ユーザー作成、グループ・ポリ シー割り当て、権限の棚卸 しなどを実行 できること 収集したメトリクス・ログ・ト レースを参照し、ボトルネック や障害原因の候補を提示 利用イメージ やりたいことを伝えるだけで、裏の 分担はORCHが組み立て 利用イメージ 「〇〇というインスタンスの情報 は?」に答える 利用イメージ 新メンバー参加時のIAM作業 を、承認を挟みつつ任せる 利用イメージ 「サイトが重い、なぜ?」に、データ を集めて原因を調査 ORCH orchestrator RI Resource Intelligence IAM IAM Management TA Telemetry Analyst それぞれ独立したエージェントなので単体でも使えるが、ORCHが束ねることで横断的なリクエストに答える
  10. アーキテクチャ 14 Copyright © 2026, Oracle and/or its affiliates OCI

    Region (Osaka) Oracle Services Network VCN User OCI Enterprise AI OCI IAM Identity Domains OCI Kubernetes Engine Load Balancer ORCH IAM RI TA A2A
  11. 今回作成したエージェント 15 Copyright © 2026, Oracle and/or its affiliates OCI運用を、役割を分けたエージェントが分担

    ユーザーの窓口・調整役 OCI環境の調査役 権限管理の担当 ECサイトの監視役 できること 依頼内容を判定し、どの エージェントをどの順で動か すか決定。結果の統合を行 う できること コンパートメントを横断してリ ソースを検索。依存関係マッ プや作成者も明らかにする できること ユーザー作成、グループ・ポリ シー割り当て、権限の棚卸 しなどを行う できること 収集したメトリクス・ログ・ト レースを参照し、ボトルネック や障害原因の候補を提示 する 利用イメージ やりたいことを伝えるだけで、裏の 分担はORCHが組み立て 利用イメージ 「〇〇というインスタンスの情報 は?」に答える 利用イメージ 新メンバー参加時のIAM作業を、 承認を挟みつつ任せる 利用イメージ 「サイトが重い、なぜ?」に、データ を集めて原因を調査 ORCH orchestrator RI Resource Intelligence IAM IAM Management TA Telemetry Analyst 特に権限まわりは考慮が必要になる
  12. 権限設計の整理 誰のIDで、どの操作範囲まで、どの承認条件で実行するか を 明確に決める必要がある 16 Copyright © 2026, Oracle and/or

    its affiliates 方式 説明 向いている用途 主なリスク ダイレクトアクセス エージェント自身のID・ロール・ ポリシーでアクセス 監視、公開・共有データの参照、シ ステム保守、エージェント所有リソース の操作 権限が広いとユーザーに関係なく実行で きる。最小権限、環境・データ境界の分 離、監査ログが必要 委任アクセス ユーザーの委任済みトークンをもとに、 下流API用のトークンを取得 メール、カレンダーなどユーザー固有 データの参照・変更 actor と subject を記録しないと監査 が曖昧に。また、下流 API が対応してい るとは限らない ハイブリッド 追加権限が必要な時だけ承認・ 追加認可・管理者承認を要求 実運用のエージェント設計 設計とUXが複雑に。操作リスク分類、承 認条件、詳細な監査設計が 必要 AIエージェントは固定された処理だけを実行するわけではない ため、どのような問合せを行うか事前に予測しにくい
  13. リソース 今回のエージェントにおける権限設計 OCI 運用支援エージェントではコンパートメントを AI サンドボックスとし、アイデンティティ管理を含めたリソースを集約 エージェント単位の許可セットを作成し、万が一の誤操作の波及範囲をエージェント単位に閉じる 17 Copyright ©

    2026, Oracle and/or its affiliates OCI IAM ポリシー AI サンドボックス・コンパートメント Identity Domain 固有IDを付与 Agent 別許可セット 環境および対象リソース Agent Agent Policy Policy コンピュート ロード・バランサ VCN Oracle Database エージェントごとに「固有ID」「権限」「監査粒度」を分離 ほかのエージェントやユーザーの作業領域へ波及させない
  14. デモ① IAM管理とリソース検索を横断するタスク 1. Orchestratorが入力を受け取る 2. IAMとResource Intelligenceに振り分ける Orchestrator がA2Aで各エージェントにメッセージを送信 し、回答を受け取る。

    3. 最終回答を返す Orchestratorが集約した情報をもとに最終回答を作成し、 ユーザーに返答する。 Copyright © 2026, Oracle and/or its affiliates 18 Orchestratorがユーザーの質問を入力として受け取る。
  15. デモ② アプリケーション監視とリソース検索を横断するタスク 1. Orchestratorが入力を受け取る Orchestratorがユーザーの質問を入力として受け取る。 2. Telemetry AnalystとResource Intelligence に振り分ける

    Orchestrator がA2Aで各エージェントにメッセージを送信 し、回答を受け取る。 3. 最終回答を返す Orchestratorが集約した情報をもとに最終回答を作成し、 ユーザーに返答する。 Copyright © 2026, Oracle and/or its affiliates 19
  16. Speakers Tomoki Utsunomiya Cloud Engineer (IaaS) Koichiro Ishii Cloud Engineer

    (Security) 21 Copyright © 2026, Oracle and/or its affiliates