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あえて「手段を目的化する」AIプロダクトマネジメント@pmconf2025

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December 04, 2025
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 あえて「手段を目的化する」AIプロダクトマネジメント@pmconf2025

プロダクトマネジメントにおいて、技術はあくまで手段であり、目的はユーザー課題解決です。

...という定説を少し疑って、AIという手段のことを先に考えたほうがいいのかも?という話をします。

サイバーエージェントの「自由と自己責任」でやってみる文化。10年以上にわたって技術の最前線を走るAI Lab。これらを背景にした「手段を目的化する」考え方と実践について、私の担当するプロダクト「AI POS」の話を中心に紹介できればと思います。

現場のアイデアレベルから戦略やカルチャーのレベルまで。みなさんとも意見を交わせると嬉しいです。よろしくお願いします!

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y.hayakawa

December 04, 2025

Transcript

  1. サイバーエージェントとAI AIがクリエイ ターと協業 し、効果の高 い広告クリエ イティブを大量 に作成 実店舗での自 立型対話AIによ る調剤受付な

    ど、リアル世界 のAIも参入 AIが10億回 (人力なら 1900年分)プ レイしたの ち、サービス リリース レース状況に応 じた自動テ ロップ付与/残 りHPの表現な ど新しい映像 表現 業務効率化の枠を超えたAIプロダクト/機能たち WINTICKET ゲームのバランス調整支援システム 広告クリエイティブ 遠隔接客AIアシスタント
  2. PMやドメインエキスパートによる要求の分解/構造化が鍵 個別の要求・ AIのタスク → 世の中で名前のついているAIタスクとほぼ同じ
 (例:要約, 翻訳, 物体認識, 文字認識, ...)

    ベストプラクティスに準拠 → 明確なルールで解けそうな曖昧さのない要求/タスク AIを使わないことを検討 → その他の要求/タスクも色々出てくる
  3. 対策:要求を「最小粒度の曖昧性」まで分解してみる お題: 「商品の売上がどんな店 舗で伸びているかを分析 したい。人間がやってい るように。いい感じに」 分解1: 「どんな店舗」の軸は都 道府県/都心or郊外/業態 あたりからいい感じに選

    んでほしい。 分解2: 転売目的の大量購入は見 たうえで判断して除外し て分析したい。 = + + ... → 何をできるといいかがシンプルになり評価や検証がしやすい。 → 曖昧じゃない要求に分解できたら、それはルールベースでokとわかる。 → 分解した後、まとめて1機能にするのは比較的容易 PMやドメインエキスパートによる要求の分解/構造化が鍵
  4. Amazonの思考実験:Shipping then Shopping 全会員に商品を 送りつけるられる。 商品を送りつけても 返品されなくなる 完璧な購買予測精度 予測のコストが下がり 高速大量にアクセス可能

    返品コスト の期待値 購買機会が増える 売上増 < × 「予測のコスト低下」は「返品コスト低下」に。 勝手に配送してもの売上増分がコストを超える 
  5. Shipping then Shoppingフレームワーク 大量にできる アクション 回避できるリスク 高い予測/生成の性能 コストが下がり 高速大量にアクセス可能 リスクに起因する

    期待コスト アクションを増やす 売上/利益増分 < × このフレームで考えてみるとより業務効率を大きく超えた価値を創出できるかも? ※文末に付録として生成AIと考えるためのプロンプトをご用意しましたので試してみてくださいw
  6. 【再掲】サイバーエージェントとAI AIがクリエイ ターと協業 し、効果の高 い広告クリエ イティブを大量 に作成 実店舗での自 立型対話AIによ る調剤受付な

    ど、リアル世界 のAIも参入 AIが10億回 (人力なら 1900年分)プ レイしたの ち、サービス リリース レース状況に応 じた自動テ ロップ付与/残 りHPの表現な ど新しい映像 表現 業務効率化の枠を超えたAIプロダクト/機能たち WINTICKET ゲームのバランス調整支援システム 広告クリエイティブ 遠隔接客AIアシスタント
  7. まとめ AI手段をうまく取り入れながら、 業務効率化を大きく超えた価値を提供していきたい 意味のある AI機能を作りたい 1 PM現場業務 AIプロダクトで もっと価値 を生みたい

    2 プロダクト戦略 AI手段を 事業の競争力に したい 3 技術戦略/組織戦略 AI評価を手段とする 思考フレーム を手段とする 技術開発を 手段とする
  8. Shipping then Shoppingフレームワーク プロンプト 1. AIの予測や生成の性能があがると、あるリスク(例:返品/貸倒/システムダウンタイム)に基づく期待コスト(例:返送料/貸倒料金/ダウンタイムの保証料金)が下がります。 2. 全く新しいアクション(例:買う前に送る/審査前に売る/壊れる前に交換する)ことによる期待売上増分が1.のコストを上回りROIが正になります。 のような構造のビジネスや機能を探したいです。例を参考に以下のフォーマットに従って5つ記載してください 生成AIに関連するもの、ビジネス全体ではなく、プロダクトや機能レベルのものも積極的に記載してください

    ========================== 1. AIの性能向上により何の(予測/生成等)タスクの精度が改善するか? 2. どんなリスクに基づく期待コストが予測/生成によって下がるか?(ただしここでのリスクは顕在/潜在的問わず元々その事業やプロダクト周辺環境に存在するものであること) 3. 全く新しいアクションはなにか? 4. 全く新しいアクションによる期待売上増分はどうか? 5. 2.と4.を比較した結果4.が大きければ新しいアクションが正当化される ============================ 例:AmazonのShipping then Shoppnig 1.何の精度が改善するか?:ユーザの3日後の購買有無の予測 2.どんなリスクに基づく期待コストが予測によって下がるか?:購買前に配送したときの返品のリスクに基づく、返送料が減る。 3.全く新しいアクションはなにか?:購買前に配送 4.全く新しいアクションによる期待売上増分はどうか?:他の小売店ではなくAmazonで買ってくれる(シェアアップ) 5.返送料の期待値 < シェアアップによる期待売上増分になればShipping then Shoppingが正当化される。 例:BNPL(後払い / 即時与信) 1.何の精度が改善するか?   ユーザーの「返済不能になる確率」「継続利用・LTV」の予測 2.どんなリスクに基づく期待コストが予測によって下がるか?   貸倒リスクに基づく期待損失(デフォルトしたときの未回収分+回収コスト) 3.全く新しいアクションはなにか?   ・チェックアウト画面で数秒以内に「分割/後払いOK」を出す   ・少額&新規ユーザーにも広く BNPL を解放する(従来なら審査コスト的にやらなかったゾーン) 4.全く新しいアクションによる期待売上増分はどうか?   ・EC のカゴ落ち減少 → 決済コンバージョン向上   ・「今買えるなら買う」需要が掘り起こされ、平均注文額・購入頻度が上がる 5. 期待売上増分 −(予測が外れた分の貸倒コスト)がプラスなら、BNPL が成立