Upgrade to Pro — share decks privately, control downloads, hide ads and more …

CursorとDevinが仲間!?AI駆動で新規プロダクト開発に挑んだ3ヶ月を振り返る / A...

CursorとDevinが仲間!?AI駆動で新規プロダクト開発に挑んだ3ヶ月を振り返る / A Story of New Product Development with Cursor and Devin

2025/5/13に開催された「Cursor導入でログラス社の現場はどう変わったか - Forkwell AI Study #1」の登壇資料です
https://forkwell.connpass.com/event/350515/

Avatar for r-kagaya

r-kagaya

May 13, 2025
Tweet

More Decks by r-kagaya

Other Decks in Programming

Transcript

  1. © 2024 Loglass Inc. 0 © 2024 Loglass Inc. Cursor導入でログラス社の現場はどう変わったか

    - #Forkwell_AI_Study CursorとDevinが仲間!? AI駆動で新規プロダクト開発に挑んだ 3ヶ月を振り返る r.kagaya 2025.5.13
  2. © 2024 Loglass Inc. 6 「私たちが知っているプログラミングの終焉」 https://www.oreilly.com/radar/the-end-of-programming-as-we-know-it/ There’s a lot

    of chatter in the media that software developers will soon lose their jobs to AI. I don’t buy it. It is not the end of programming. It is the end of programming as we know it today. 訳)メディアでは、ソフトウェア開発者がすぐにAIに仕事を奪われるという噂 が広まっています。私はこれを信じません。 これはプログラミングの終わりではありません。現在知られている形での プログラミングの終わりなのです。
  3. © 2024 Loglass Inc. 11 当時の私(12月〜1月時点) AIコード生成に一定慣れてはいたが...? • 数年前からGithub Copilotはヘビーユーザー

    • Cursorは割と使っていた(2023年からだった様子) ◦ とはいえ個人開発や小さめなプロジェクト利用のみ ◦ サーバーサイドKotlin問題もあり、ログラスで顧客提供プロダクトでの開発には利用して いなかった • Devinは12月にPoCのための契約をもらい、年末に遊び倒していた
  4. © 2024 Loglass Inc. 16 当時考えていたこと 生産性を上げるには?(NOT MECE) • 自分がコードを「たくさん書ける」ようにする

    ◦ 単位時間あたりの生産性を上げる ◦ 開発してる時間を増やす • 自分がコードを「書かなくても済む」ようにする ◦ AIに生産させる 自分の生産性を上げる、自分が生産してる時間を増やす、AIが生産できるようにする
  5. © 2024 Loglass Inc. 17 当時考えていたこと 生産性を上げるには?(NOT MECE) • 自分がコードを「たくさん書ける」ようにする

    ◦ 単位時間あたりの生産性を上げる ◦ 開発してる時間を増やす • 自分がコードを「書かなくても済む」ようにする ◦ AIに生産させる 自分の生産性を上げる、自分が生産してる時間を増やす、AIが生産できるようにする on Cursorでのナレッジ/ルール、ドキュメント管理 ・検索の工夫が大部分 (時間の問題で触れられず)
  6. © 2024 Loglass Inc. 18 当時考えていたこと 生産性を上げるには?(NOT MECE) • 自分がコードを「たくさん書ける」ようにする

    ◦ 単位時間あたりの生産性を上げる ◦ 開発してる時間を増やす • 自分がコードを「書かなくても済む」ようにする ◦ AIに生産させる 自分の生産性を上げる、自分が生産してる時間を増やす、AIが生産できるようにする 実際には開発チーム人員の増加もHowだが AI駆動開発ではないので本スライドでは割愛
  7. © 2024 Loglass Inc. 19 開発してる時間を増やす 一番シンプルなのは開発してる時間そのものを増やすことだ!の発想 • 朝夕の移動時間やMTGの隙間時間こそDevinをできるだけ動かす ◦

    Devinに細かなタスクや実験的なリファレンス実装のタスクを指示しておく 会社のトイレで株価をチェックするデイトレーダー並みにずっとスマホを見ていた
  8. © 2024 Loglass Inc. 21 マルチタスクを追求した結果 「人間の集中力には限界がある」ということに気づく • Cursor +

    Devin 10セッションを同期的に扱えるようになるには時間がかかりそう • 一方で、24時間働けるAIを有効活用したいという発想 寝てる間にAIが仕事して欲しい
  9. © 2024 Loglass Inc. 22 発想の元) AirbnbのLLMワークフローを用いたマイグレPJ 当初1.5年の見積もりを6週間で完遂 • 4,000弱のテストをEnzymeからReact

    Testing Library に移行 • AgenticなLLMワークフローを構築 • コンテキストは10万トークン!シンプルに関 連するファイル・ドキュメントは突っ込む • 失敗したテストのリカバリープロセス含めるこ とで75%→97%移行完了 https://medium.com/airbnb-engineering/accelerating-large-scale-test-migration-with-llms-9565c208023b
  10. © 2024 Loglass Inc. 26 文言変更/小さなUI改善の自動化 細かな文言変更等の修正は、Slackで変更内容を書いて特定スタンプを押下したらPRが作成 可能 PdMが文言や細かいUI修正を行えるように なった

    (レビューはエンジニアだが、間接的にPdMが 出したPRマージもできるように) PdMが文言や細かいUI修正を行えるようになった (レビューはエンジニアだが、間接的にPdMが出したPR マージもできるように) PdMが自らフォームに補足文言を追加するなど
  11. © 2024 Loglass Inc. 33 ①AI生成コードへの自制心が弱まる • 徐々に自制心が弱まって、AIコードやYoloモードの承認やレビューに対する抵抗が少なく なっていった •

    「動いてるから、これでよし!」の世界 AIでたくさん コードを生成 レビューが ボトルネックに 徐々にコードを 追いきるのが辛くなる 承認ハードルが 下がる
  12. © 2024 Loglass Inc. 34 ②コードへのオーナーシップが低下 • 実質自分では書いてないので、記憶に残らない(個人的感想) ◦ 「自分が書いた」実感の希薄化

    ◦ 「借り物」感覚の増大 • 最終的には全てのコードをレビューし直した イメージは、写経をコードコピペでやってる状態?記憶に残りづらい
  13. © 2024 Loglass Inc. 35 ③AIが割れ窓の拡散器・ブースターに • AIが比較的苦手 / やりがちなコードがある

    ◦ e.g. 〇〇Serviceの乱用、Exceptionの握り潰し • 初期は調子に乗って、ひたすらバイブでコーディングしてた ◦ イケてないコードをAIが生成して、それを真似して、AIがさらにコードを生成する ◦ 人間がリファクタするスピードは追いつけない コード品質の担保の重要性が身に染みた。そこからはリファクタにAIを活用するように
  14. © 2024 Loglass Inc. 38 基本的にはWith AIなしでの開発には戻れない・戻らない AI駆動開発・ Vibe Codingは

    ”底なし沼”な体験 反復的タスクからの解放 PoCや新領域に挑戦する際の ハードル低下 • コードの生成量・スピードが向上しすぎて、爽快 感がすごい • 大半のコードは初手はAI Generated(レビュー や手直しはしてる) • 新しい技術やライブラリに取り組むハードルが大 いに下がった。コードリーディングも • 試すことのコストが低下 • AIが十分に知っていることに人間は敵わない • テストコード量産/カバレッジ上げ、定型的な実装 などはAIの恩恵を大いに受けた • 既存コードを参考にした賢いボイラーテンプレー ト生成(e.g. 新規エンドポイントの一連のコードを 生成)
  15. © 2024 Loglass Inc. 40 今改めてプロジェクトを始めるなら何をするか?(一例) 社内全体でドキュメント 管理も含めたモノレポに 向かう流れ 一方、大規模コードでの

    活用ハードルを踏まえる と、ドラスティックに小さ な単位にする選択肢 は? AI Dev Exへの投資 AIフレンドリーな アーキテクチャ Rulesの定義・整備から、 今だとMCPフル活用も視 野に 例:共通ライブラリの利用 ガイド、コーディング規約 for AI プレーンテキスト・検索 性の重要度 「AIのための仕様書」完 全情報ゲームを目指す 新たなボトルネック への備え AIリーダブルな ドキュメンテーション 設計/要件定義、品質保 証やレビューがボトル ネック コーディングだけ爆速に なってもどこかで詰まる
  16. © 2024 Loglass Inc. 43 • コードを書くのはAIかもしれない。しかし、その コードの責任は人間が負う • プロダクトへの情熱、品質へのこだわり、そして

    最終的な意思決定 AI駆動開発の時代に向けて AIにオーナーシップで負けない AI時代のToBeの言語化 ガードレール・評価を絡めた継続改善 AIが保持しないドメイン知識・コンテキス トを与える専門家に • まだAIは我々が本当に知ってほしいドメイン知識 やコンテキストを知らない • ドメイン理解やモデリング、それらを AIに渡すこと が重要な役割に? • AIに何かを語るに足る専門家になる • AIのためのアーキテクチャ・プロセス設計 • AI時代の「今と未来」を言語化する。ガードレー ルと評価で進化を促す
  17. © 2024 Loglass Inc. 47 まとめ • とにかく自分で手を動かす / 試してみるが正義

    ◦ 「〇〇できないかなぁ」を思ったら、実際にやってみる • 今のやり方を日々疑う / 定期的に見直す ◦ モデルの性能は日進月歩、3ヶ月前はできなくても今なら?がありえる • AIは人間より圧倒的に早くコーディングが可能、長期的にはその物量を前提とした世界にな る • このトレンドを楽しんで探求できるなら最高の時代