Upgrade to Pro — share decks privately, control downloads, hide ads and more …

IPsecを用いた鍵管理プロトコルと VPNルータの開発

IPsecを用いた鍵管理プロトコルと VPNルータの開発

OSC/Kyoto 2016

Ren Kimura

July 29, 2016
Tweet

More Decks by Ren Kimura

Other Decks in Programming

Transcript

  1. 話すこと • IPsec-VPNルーターの自作 • ルーターの開発(ARPの実装) • IPsecデーモンの開発 - IKEv2 [RFC5996],

    - PFKeyv2 [RFC2376], - ESP [RFC4303] の実装 RKX1209/OpenVpnRouter https://github.com/RKX1209/OpenVpnRouter
  2. ESP(Encapsulating Security Payload) • データの機密性確保 - トンネルモードの場合はIPパケット全体を、トランスポートモードの場合 はIPペイロード部を暗号化 (3DES, RC5,

    IDEA, CAST-128, Blowfish-CBC….) • データ送信元の認証 - 共有秘密鍵を用いた送信相手の認証 (HMAC-SHA-1-96) • 送信データの完全性の確保 - 初期ベクトルIVを用いた認証付き暗号が利用できる (AES-GCM, AES-CCM) どのアルゴリズムを使用するのか選択する必要がある
  3. SA(Security Association) IPsecで使用される単方向コネクション。SPIで判別 • SPD (Security Policy Database) - IPパケットを受信した際、まず最初に参照されるポリシーデー

    タベース。 該当パケットにIPsecを適用するか否かを決定する • SAD (Security Association Database) - 次にSPIなどをキーとして該当するコネクションSAを検索。SA が存在しない場合はIKEv2などの鍵管理プロトコルによって SAが生成される。
  4. IKEv2(Internet Key Exchange version2) • SAの管理と選択 - 提案されたSAパラメータを元にIKE_SA, CHILD_SAを作 成。CHILD_SAがIPsecのSA。IKE_SAは2本のCHILD_SAから

    なる。 • 共有秘密鍵の管理 - 定期的な二者間での鍵の共有,変更を行う。鍵の変更はDiffie- Hellman鍵共有アルゴリズムを用いる。 • 相手の認証 - 事前共有方式かデジタル署名により相手を認証 SAの作成や暗号化,認証アルゴリズムの決定,通知を二者間で行うプロトコル
  5. IKEv2(Internet Key Exchange version2) IKEv2 header Initiator cookie: 送信者のIKE_SA SPI

    Responder cookie: 応答者のIKE_SA SPI Next Payload: 次ペイロード番号(種類) ヘッダの後に数種類のペイロードが次々とつながっている。 ペイロードにはSA作成や鍵交換用途など様々な種類があり、 必要になったペイロードをヘッダの後につなげて送信する。
  6. OpenSwan • KLIPS - カーネルにIPsec機能を実装するための パッチ郡(メインラインマージ済み) • PLUTO - IKE鍵交換,

    PFKey鍵管理をつかさどるデーモン • 管理用コマンド/スクリプト - KLIPSとPLUTOのための管理用スクリプト VPNルータの実装はOpenSwanのコードを参考にした
  7. Reference • 馬場達也 “マスタリング IPsec” O'REILLY ジャパン2006 • RFC 5996:

    Internet Key Exchange Protocol Version 2 (IKEv2) • RFC2367: PF_KEY Key Management API, Version 2 • RFC 4303: IP Encapsulating Security Payload (ESP) • WIDE Project “第XIV部 IPパケットの暗号化と認証” 2004