Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
ふつうのJavaアプリ開発のための自動テスト戦略 / JJUG CCC 2018 Fall
Search
Ryo Shindo
December 14, 2018
Programming
9
4.8k
ふつうのJavaアプリ開発のための自動テスト戦略 / JJUG CCC 2018 Fall
JJUG CCC 2018 Spring #ccc_l1a
Ryo Shindo
December 14, 2018
Tweet
Share
More Decks by Ryo Shindo
See All by Ryo Shindo
今こそ知りたいSpring Test / Spring Fest 2020
rshindo
11
5.7k
こわくないソースコードリーディング生活 / JJUG CCC 2019 Fall
rshindo
15
9.2k
開発者のためのSpring Boot Actuator入門 / jsug-2019-08
rshindo
5
5.7k
早わかりSpring Data JDBC / jsug-2019-01
rshindo
5
4.1k
Spring WebFluxで学ぶReactive Application / Introduction to Reactive
rshindo
1
2.2k
まだまだ間に合う!JUnit 5入門 / JJUG CCC 2018 Spring
rshindo
6
3.2k
Spring Data JDBCを使い倒す! / Intruduction to Spring Data JDBC
rshindo
4
2.2k
Other Decks in Programming
See All in Programming
OSSで起業してもうすぐ10年 / Open Source Conference 2024 Shimane
furukawayasuto
0
110
とにかくAWS GameDay!AWSは世界の共通言語! / Anyway, AWS GameDay! AWS is the world's lingua franca!
seike460
PRO
1
880
ActiveSupport::Notifications supporting instrumentation of Rails apps with OpenTelemetry
ymtdzzz
1
230
CSC509 Lecture 11
javiergs
PRO
0
180
Click-free releases & the making of a CLI app
oheyadam
2
120
リアーキテクチャxDDD 1年間の取り組みと進化
hsawaji
1
220
2024/11/8 関西Kaggler会 2024 #3 / Kaggle Kernel で Gemma 2 × vLLM を動かす。
kohecchi
5
930
Nurturing OpenJDK distribution: Eclipse Temurin Success History and plan
ivargrimstad
0
940
Jakarta EE meets AI
ivargrimstad
0
110
subpath importsで始めるモック生活
10tera
0
310
Duckdb-Wasmでローカルダッシュボードを作ってみた
nkforwork
0
130
3rd party scriptでもReactを使いたい! Preact + Reactのハイブリッド開発
righttouch
PRO
1
600
Featured
See All Featured
How GitHub (no longer) Works
holman
310
140k
Building Flexible Design Systems
yeseniaperezcruz
327
38k
GraphQLの誤解/rethinking-graphql
sonatard
67
10k
It's Worth the Effort
3n
183
27k
The Cult of Friendly URLs
andyhume
78
6k
Practical Tips for Bootstrapping Information Extraction Pipelines
honnibal
PRO
10
720
XXLCSS - How to scale CSS and keep your sanity
sugarenia
246
1.3M
Visualizing Your Data: Incorporating Mongo into Loggly Infrastructure
mongodb
42
9.2k
Testing 201, or: Great Expectations
jmmastey
38
7.1k
Scaling GitHub
holman
458
140k
Art, The Web, and Tiny UX
lynnandtonic
297
20k
Building Adaptive Systems
keathley
38
2.3k
Transcript
Copyright © Acroquest Technology Co., Ltd. All rights reserved. 1
ふつうのJavaアプリ開発のための 自動テスト戦略 JJUG CCC 2018 Fall #ccc_l1a Acroquest Technology株式会社 進藤 遼 (@shindo_ryo)
自己紹介 • 進藤 遼 • Acroquest Technology株式会社 • アーキテクチャ考えたり コード書いたり
• 前回のJJUG CCCではJUnit 5について話しました 後輩からは「またテストの話してる・・・」とか言われたよ! • Twitter: @shindo_ryo Copyright © Acroquest Technology Co., Ltd. All rights reserved. 2 『Java本格入門』発売中!
今日話すこと • 開発者目線で考えた、より良い自動テストについて • 経験談を交えたテストコードの設計 今日話さないこと • QA目線での、テスト設計について (テストケースの作成など) •
CIのベストプラクティス的なこと Copyright © Acroquest Technology Co., Ltd. All rights reserved. 3
問題の背景 ◼ とある大規模なECサイトのバックエンド開発 • お客様のチームのほかに大きなベンダが数社 開発を担当している • 各APIがHTTPで相互に通信している - マイクロサービス的だが、そこまでマイクロでもない
• Java 8 + Spring Boot - DBアクセスはMyBatisで、割と一般的なつくり • 開発の途中から参画 - 他ベンダが開発したモジュールの品質改善に取り組むことに Copyright © Acroquest Technology Co., Ltd. All rights reserved. 4
問題の背景 構成図 Copyright © Acroquest Technology Co., Ltd. All rights
reserved. 5 Front API DB Cache Service API DB Cache Service API DB Cache Service
何はともあれまずは テストを動かしてみよう! Copyright © Acroquest Technology Co., Ltd. All rights
reserved. 6
問題の背景 大量に失敗するテスト Copyright © Acroquest Technology Co., Ltd. All rights
reserved. 7
どうしてこうなった・・・ 実装者がローカルでテストしてるかどうかすら 怪しい(多分してない) テストの実行に時間がかかり過ぎる - 1時間以上かかるプロジェクトも存在した JenkinsでCIを動かしていたが、 テストが失敗しても放置 - -DskipTests=true
←やめろ!! Copyright © Acroquest Technology Co., Ltd. All rights reserved. 8
閑話休題 割れ窓理論 割れ窓理論とは、軽微な犯罪も徹底的に取り締まることで、凶悪 犯罪を含めた犯罪を抑止できるとする環境犯罪学上の理論。「建 物の窓が壊れているのを放置すると、誰も注意を払っていないと いう象徴になり、やがて他の窓もまもなく全て壊される」との考 え方からこの名がある。(Wikipediaより) →壊れたテストを放置すると、「テストが失敗する」 ことへの警戒が下がってしまう Copyright
© Acroquest Technology Co., Ltd. All rights reserved. 9
どこから手を付ければええねん!! Copyright © Acroquest Technology Co., Ltd. All rights reserved.
10
問題の整理 ◼ そもそもなぜテストを自動化するのか? • リグレッションテストの工数を減らしたい - 簡単にテストを繰り返し実行したい • テストの再現性を高めたい -
誰がやっても同じテストになるように - 属人性の排除 • そして何よりフィードバックを高速化したい! - プルリクごと、コミットごとに壊れていないかを確認 Copyright © Acroquest Technology Co., Ltd. All rights reserved. 11
問題の整理 ◼ よいテストコードとは スコープが整理されている - クラス名、パッケージ名、構造などからテスト対象、 スコープがわかる 環境依存が最小限 - 「Aさんの環境では動くのにBさんの環境では動かない」
で右往左往するのは時間のムダ テストの実行が速い - 速ければ速いほど、気軽にテストを実行できるようになる Copyright © Acroquest Technology Co., Ltd. All rights reserved. 12
自動テストは、効率的な開発サイクルを支え、 開発者への素早いフィードバックを可能にする Copyright © Acroquest Technology Co., Ltd. All rights
reserved. 13 セットアップ 実装 テストコード作成 テスト実行 欠陥を早期に知る 修正 そのために自動テスト自体が高速で容易に 実行できるものになっていなければならない
テストをオールグリーン にすることは大事 Copyright © Acroquest Technology Co., Ltd. All rights
reserved. 14
それと同時に背景にある問題に 対処することも大事 Copyright © Acroquest Technology Co., Ltd. All rights
reserved. 15
テストコードの構造を見直す 脱・環境依存 テストの高速化 Copyright © Acroquest Technology Co., Ltd. All
rights reserved. 16 Step 1 Step 2 Step 3
Step 1: テストコードの構造を見直す Copyright © Acroquest Technology Co., Ltd. All
rights reserved. 17
Step 1: 構造を見直す ◼ テストにはフェーズに応じたスコープがある • おそらく最も使われる分類が、単体テスト、結合テスト、 システムテスト、ユーザ受け入れテスト、etc… - 「単体」とは?クラス単体?API単体?
- プロジェクトで合意が取れていれば問題ないが、 往々にして認識がずれがち • Googleは「テストサイズ」という分類でスコープを定義し ている - S(small)テスト、M(medium)テスト、L(large)テスト Copyright © Acroquest Technology Co., Ltd. All rights reserved. 18
• テストサイズ by Google Step 1: 構造を見直す Sテスト Mテスト Lテスト
ネットワークアクセス モック localhostのみ ◦ データベース モック ◦ ◦ ファイルアクセス モック ◦ ◦ 外部システム モック 非推奨 ◦ マルチスレッド × ◦ ◦ スリープ文 × ◦ ◦ システムプロパティ × ◦ ◦ 実行時間の上限 60秒 300秒 900秒以上 Copyright © Acroquest Technology Co., Ltd. All rights reserved. 19 https://testing.googleblog.com/2010/12/test-sizes.html Sサイズテストでは モックを多用する
Step 1: 構造を見直す • レイヤーごとに役割を確認する Copyright © Acroquest Technology Co.,
Ltd. All rights reserved. 20 Controller Service Repository バリデーション JSONバインディング 業務ロジック DBアクセス(SQL) DB API
Step 1: 構造を見直す • Sサイズテストはレイヤごとの役割のテスト に集中する Copyright © Acroquest Technology
Co., Ltd. All rights reserved. 21 Controller Service Repository DB @WebMvcTest POJOとしてテスト @MybatisTest
Step 1: 構造を見直す • Mサイズテストとして、 すべてのレイヤを結合 してテストする Copyright © Acroquest
Technology Co., Ltd. All rights reserved. 22 Controller Service Repository DB API Request/Responseを 実際に投げてテスト (@SpringBootTest)
Step 2: 脱・環境依存 Copyright © Acroquest Technology Co., Ltd. All
rights reserved. 23
Step 2: 脱・環境依存 ◼ どれだけ手順を簡単にできるかを考える • 大抵変わらない設定はデフォルト値をセットしておく - DBの接続先など -
人によって変わるものは環境変数で切り替えられるようにする • セットアップが必要であればREADMEに収まる程度で - 長大なセットアップ手順書←読まれない&更新されないやつ • DBテストの環境をどうするかは悩ましい・・・ - 組み込みDB?外部DB? Copyright © Acroquest Technology Co., Ltd. All rights reserved. 24
Step 2: 脱・環境依存 利点 欠点 モック ・最も高速 ・SQLのテストができない 組み込みDB (H2,
HSQL) ・起動が高速 ・再現性が低い (SQLの互換性など) 外部DB ・本番DBとほぼ同じ構成 の環境を使える ・環境依存になる ・複数人が同時にテスト すると更新が競合する ことがある Dockerコンテナ (ローカル) ・本番DBと同じプロダクト、 バージョンを使える ・Docker自体の問題に ハマる Copyright © Acroquest Technology Co., Ltd. All rights reserved. 25 Dockerコンテナを選択
Step 3: テストの高速化 Copyright © Acroquest Technology Co., Ltd. All
rights reserved. 26
Step 3: テストの高速化 ◼ 問題点の確認 計測したところ、Springコンテナの起動時間が テスト実行時間の大部分を占めていた。 なおかつテストクラスごとにコンテナを 起動するようになっていた Springコンテナの1回の起動
・・・ 30秒 Springコンテナを使っていたテストクラス ・・・ 200個 起動時間だけで30秒 × 200クラス = 100分 テストの結果待ちでたくさんTwitterできるね! Copyright © Acroquest Technology Co., Ltd. All rights reserved. 27
Step 3: テストの高速化 ◼ あとは地道に改善していく • 可能な限りテストクラスはフレームワークのサポート無しの POJOテストにする • Springコンテナの起動時間の短縮
• Springコンテナのキャッシュを有効にする 起動時間が20秒、起動回数が10回になれば・・・ 100分 ▶ 20秒 × 10回 = 200秒 Copyright © Acroquest Technology Co., Ltd. All rights reserved. 28
まとめ テストはオールグリーンにするだけではなくて 継続しやすい(=速い、簡単)なものにする 必要があるよ! そのためにはテストコード自体の設計が大事だよ! Java, Spring Bootでモダンな開発を やりたい仲間を募集しているよ!!(後づけ) Copyright
© Acroquest Technology Co., Ltd. All rights reserved. 29
Evolve the Earth with Emotion of Technology Copyright © Acroquest
Technology Co., Ltd. All rights reserved. 30 効果的な自動テストで開発効率↑↑