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ハードとともに歩むアジャイル開発

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August 05, 2025
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 ハードとともに歩むアジャイル開発

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August 05, 2025
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  1. 自己紹介 玉置 洋 (たまき ひろし) • 2009年ソニー入社 • ほぼずっとモバイルアプリ開発 •

    2022年に認定スクラムマスター取得 町田 公佑 (まちだ こうすけ) • 2021年ソニー入社 • モバイルアプリ開発 / データ分析
  2. Sound Connect の特徴 2016年のアプリ公開以降、 50以上のモデルとの連携に対応 ヘッドホン機能の設定UIの提供だけでなく、 アプリとしての多くの付加価値を提供 イコライザー などの音設定 スマホのセンサーを

    活用し、様々なシーン での音楽の視聴履歴を 可視化 多くのモデル・多くの機能に対応 ヘッドホン機能への対応だけでなく、 アプリとしての付加価値機能も提供
  3. Sound Connect 現状の開発スタイル モデルAの◦◦機能開発 モデルBの▽▽機能開発 モデルCの市場問題対対応 モデルAの××機能開発 企画 企画 品証

    企画 アプリの◇◇機能開発 モデルCの利用率改善 アプリの◎◎機能改善 Product Backlog 2024年開発計画 年間リリース・開発計画 2週間サイクルのSprint開発
  4. アプリの◇◇ アプリの◎◎ アプリの△△ モデルAの◦◦ モデルBの▽▽ モデルCの☆☆ モデルAの×× モデルCの△△ モデルAの◦◦ モデルBの▽▽

    モデルCの☆☆ モデルAの×× アプリの◇◇ モデルCの△△ アプリの◎◎ 現在始めている改善施策 | 体制・プロセス ヘッドホン案件チーム アプリ改善案件チーム Waterfall開発で QCDしっかり守り、 ヘッドホン案件に集中 Agile型開発で、 アプリ付加価値機能の 素早いリリース・価値向上を 行っていく アプリ案件の 権限移譲を受けたPO ヘッドホン案件とアプリ改善案件で体制・プロセスを分け、 アプリ改善側では権限委譲してもらい、Agile型開発を進める
  5. 現在始めている改善施策 | リリース戦略 モデルAのWaterfall開発 モデルBのWaterfall開発 発売 発売 モデルAのWaterfall開発 モデルBのWaterfall開発 Agile

    開発 Agile 開発 Agile 開発 Agile 開発 Agile 開発 Agile 開発 連携開発 連携開発 リリース リリース リリース リリース リリース リリース ヘッドホンの発売に合わせたリリースに加え、アプリ改善のリリースを定期的に実施
  6. Discoverチーム • Sound Connectアプリ開発チームの1つであり Discover というタブの開発を担当 • Product Owner +

    設計 + 仕様(一部)の メンバーで1つのスクラムチームとして活動 機能・要件管理 Product Owner 企画 評価 仕様 デザイン チーム 仕様チーム 設計 設計チーム 評価チーム
  7. 立ち上がり史 | 概観 ここまでのふりかえり むきなおり & 決起飲み会 Product Vision決定 Waterfall期

    混乱期 統一期 PO・設計・仕様の責務分担 仕様チームを含めた 仕様検討プロセス策定 在るべき姿を目指すための ロードマップ作成 技術的負債の解消 本格化 Sprint Goalの 本格運用開始 Sprint Review 開始
  8. 立ち上がり史 | 混乱期 Waterfall期 混乱期 統一期 ここまでのふりかえり むきなおり & 決起飲み会

    Product Vision決定 Waterfall期 混乱期 統一期 PO・設計・仕様の責務分担 仕様チームを含めた 仕様検討プロセス策定 在るべき姿を目指すための ロードマップ作成 技術的負債の解消 本格化 Sprint Goalの 本格運用開始 Sprint Review 開始
  9. むきなおりの実施 | むきなおりとは? • 短サイクルでの改善を繰り返していると、気がついたら本来の在るべき姿を見失っていて そこから大きくズレたものを目指していたということがよくある Sprintでの 改善 現在の姿 (As-Is)

    Sprintでの 改善 このまま 進み続けた姿 本来 在るべき姿 (To-Be) いつの間にか 出来てしまったズレ 立ち止まって “本来の在るべき姿” と “現在の姿” を見つめ直す Waterfall期 混乱期 統一期
  10. むきなおりの実施 | やったこと プロダクトの在るべき姿(Product Vision)を再定義する • 叩き案を作ってきてもらい、全員参加で2時間ひたすら意見や想いをぶつけあった • この場は発散に終始して、収束は別場で少人数で実施 【叩き案】

    自分を理解してくれて、 訪れるたびに価値や気づきを 提供してくれる “楽しい” 場所・存在に アプリ全体のVisionと 繋がりが薄い Discoverの 一部機能の価値しか 表現できていない “楽しい” は手段で ゴールではない 達成・未達成が 測定しづらい Waterfall期 混乱期 統一期
  11. Product Visionの決定 【Product Vision】 アプリの再訪意欲を向上させて 訪れるたびに価値や気づきを最大限エンハンスしてくれる存在 • むきなおりでチーム内で出てきた意見を元に 最終的には POが判断して決定

    (全員で考えて、少人数で決め切る) • 決まった後も、ことあるごとに引っ張り出して 再確認することでチームに浸透していき 意思決定の拠り所 になっていった Waterfall期 混乱期 統一期
  12. 立ち上がり史 | 統一期 • チームの全員が プロダクトとプロセスの在るべき姿を共有 しているため、 それらが議論の拠り所になり、よりAgileで生産的な意思決定 が可能になった •

    目指したい姿に近づくためのアクションを洗い出して着実に実行していくのみ 目的や各自の役割期待が一致して、チームの関係性が安定した Product Goal 理想のプロセス Waterfall期 混乱期 統一期
  13. 立ち上がり史 | 概観 Waterfall期 混乱期 統一期 ここまでのふりかえり むきなおり & 決起飲み会

    Product Vision決定 Waterfall期 混乱期 統一期 PO・設計・仕様の責務分担 仕様チームを含めた 仕様検討プロセス策定 在るべき姿を目指すための ロードマップ作成 技術的負債の解消 本格化 Sprint Goalの 本格運用開始 Sprint Review 開始
  14. PO・設計・仕様の責務分担 | ドラッカー風エクササイズ • 全員が今の仕事・役割を洗い出して、① 引き続き取り組むこと ② 手伝ってもらうこと ③ 誰かに引き取ってもらうこと

    にマッピングする • ②と③については、メンバーの挙手性で誰が引き受けるかを決める チームの生活における全仕事・役割に対して、持つべき人を割り振った Waterfall期 混乱期 統一期
  15. 現在地と今後の展望 • Agileな組織として立ち上がったものの、まだ 統一期の前半 というステータスであり バリューを産むという観点ではスタートラインに立ったに過ぎない 1. 在るべき姿になるための多くのアクションがこれから 2. 市場からのフィードバックをプロダクトに反映できていない

    • ヘッドホンのスケジュールに影響されずに改善を回せる恵まれた環境を貰えているので 現状に満足することなく、今後もプロダクトとプロセスを磨いていく アプリ全体の体験価値や売上に貢献できるように改善を続ける
  16. なぜ素早く立ち上がることが出来たか? | 先人の知恵とプロのサポート • 身近に先行して上手くAgile開発を回している チームがいたため、取り組みを盗んで 自分たち向けにカスタム した • 混乱期を抜けるための議論は、発散しがちで決め切ることが出来ていなかったので

    外部のプロである スクラムコーチの支援 を受けた • ワークショップの開催とファシリテーション • チームが迷った時の都度のアドバイス すでに上手くいっている組織のプラクティスを真似したり 外部のプロのサポートを貰って困難を乗り越えることも効果的
  17. チームの成長に伴うパフォーマンスの向上 • 混乱期を超えたことで 消化チケット数・Velocity 共に大きく向上 した • 在るべき姿を共有して “迷い” が減った

    ことでパフォーマンス向上に繋がったと考える 混乱期 統一期 在るべき姿をチームで共有することは、パフォーマンス向上にも繋がる チームVelocity
  18. 後編まとめ • チームの立ち上がりには、まず “変化への議論と情熱がある” という混乱期を目指すが メンバーの相互理解を地道に進めて、 想ったことが言い合える透明性 があったことで すぐにそのフェーズに行くことが出来た •

    チームの混乱期におけるあらゆる意思決定を “誰かから答えが与えられた” のではなく “全員で立ち止まってアクションを考えた” ことで、結論への当事者意識が芽生えた (決め切るのに時間がかかる場合には 人数を絞る ことも効果的) • 立ち止まってプロダクトやプロセスの在るべき姿を考えるのには一定の時間がかかるが それらは より生産的かつAgileな意思決定の拠り所となってプロセスを早くする ので 長期的にチームのパフォーマンスを上げることに繋がる