Sumire Aoki

「ラムダ式をHowではなくWhyで理解しよう！」
2023/11/11 JJUG CCC Fall にて登壇したときのスライド資料です

Transcript

1. ラムダ式を Howではなく Whyで 理解しよう！ SUMIRE AOKI(JAVA子） 2023/11/11
2. Agenda • 自己紹介 • 今日の狙い • ラムダ式とは？（How） • ラムダ式はなぜできたのか(Why)
3. 青木 澄怜 Aoki Sumire 職歴 ：SE１年目 コミュニティ ：JPIN すきなもの① ：Java すきなもの② ：チーズ あだ名 ：Java子
4. Agenda • 自己紹介 • 今日の狙い • ラムダ式とは？（How） • ラムダ式はなぜできたのか(Why)
5. 私、ラムダ式 すっごい苦手でした！！
6. Howだけ説明されても分からないんです • 例）傘を知らない人に傘を説明してみよう（How） 開けば使えます。 は…はぁ （盾か何かなのか？）
7. Howだけ説明されても分からないんです • 例）傘を知らない人に傘を説明してみよう（Why・How） なるほど～！ 開けば使えます。 雨が降ったとき、 体を濡らさないための ものです。
8. Howだけ説明されても分からないんです ラムダ式もそう!!!（How） ！？？ ラムダ式はこう書けば 使えます! Hoge h = ()-> System.out.print(“hoge”);
9. ということでラムダ式を Whyで説明します！ (ちょっとでもラムダ式って 面白いって思ってほしい!)
10. Agenda • 自己紹介 • 今日の狙い • ラムダ式とは？（How） • ラムダ式はなぜできたのか(Why)
11. 関数型インタフェースをアロー演算子を使って簡潔に記述したもの。 抽象メソッドを一つしか持たないインタフェース。 ラムダ式とは（How） ＜基本構文＞ (type args, …) -> { statements } type：引数の型 args：引数の名前 statements：処理本体
12. public interface Hoge { public void hoge(); } インタフェース 使う側のクラス ラムダ式とは（How）実際のコード public class User { public static void main(String[] args) { Hoge h = () -> System.out.println("hoge"); h.hoge();//hogeと表示される } }
13. Agenda • 自己紹介 • 今日の狙い • ラムダ式とは？（How） • ラムダ式はなぜできたのか(Why）
14. ラムダ式のWhyを一言で言うと 情報隠蔽の終着点
15. 「何に困ってラムダ式が生まれたんだろう？」 Why
16. そもそもラムダ式が無い場合は どう書くか見ていきましょう！
17. <<interface>> CheeseInterface MozzarellaCheese User
18. そもそも インタフェースがなぜ存在するか 考えたことありますか…？
19. ラムダ式の理解には インタフェースの理解が 大前提なんです
20. インタフェースはなぜ存在するか 使う側への思いやり
21. インタフェース・・・規約、ルール(扱い方)を定めたもの イメージ例）スマホの充電器
22. インタフェースが無いとどうなるか？ iPhone8 iPhoneX iPhone8用 iPhoneX用・・・
23. 「iPhoneの充電器は これ！！」 iPhone8 iPhoneX どのiPhoneでも 同じ充電器で良くなる！！
24. Javaのコードで言うと？ User MozzarellaCheese CamembertCheese
25. Javaのコードで言うと？ public class User { public static void main(String[] args) { //モッツァレラチーズの仕様の場合 MozzarellaCheese m = new MozzarellaCheese(); //カマンベールチーズの仕様の場合 CamembertCheese c = new CamembertCheese(); いちいち型（扱い方）を変えないといけなくて面倒…
26. Cheeseインタフェースを用意してみましょう！ User MozzarellaCheese CamembertCheese
27. <<interface>> CheeseInterface User MozzarellaCheese CamembertCheese Cheeseインタフェースを用意しましょう！
28. 型を気にしなくてよくなりました！
29. インタフェースはなぜ存在するか 使う側への思いやり
30. 実装クラスや変更を見せる必要無いですよね… こんな時使える 便利なデザインパターンが あるんです！！
31. オブジェクト生成を専門に担当するクラスを導入することで、 使う側のクラスが生成のプロセス（変更）を意識する必要が無くなる設計。 Factoryデザインパターン Factory User A B
32. 今回のコードに当てはめると・・・ <<interface>> CheeseInterface User MozzarellaCheese CamembertCheese
33. こんな感じ <<interface>> CheeseInterface User MozzarellaCheese CamembertCheese Factory
34. Factoryクラスを作る前 User mozzarellaChees e
35. Factoryクラス作成後 User mozzarellaChees e CamembertCheese 使う側のクラスから変更を何も意識しなくてよくなった！！
36. これでクライアントとオブジェクトの具体的な実装を 分離することができました！
37. 大変お待たせしました ここからラムダ式の話します （遅い）
38. 「このMozzarellaCheeseクラス、危険だな」
39. 何かのクラス 別のクラス Factoryクラス以外から アクセスできないように してしまいたい
40. 「これをいっそのこと・・・」
41. 「Factoryクラスに隠しちゃえ！」 ※インナークラス ※privateなインナークラス
42. 「これで他からアクセスできない！」 何かのクラス 別のクラス ※privateなインナークラス
43. public class Factory { public static CheeseInterface create() { return new MozzarellaCheese(); } private static class MozzarellaCheese implements CheeseInterface{ @Override public void desc() { System.out.println("mozzarellaCheese"); } } }
44. 「このクラスcreateメソッドからしか 使われてないなぁ…」 Factoryクラス createメソッド MozzarellaCheeseクラス（インナークラス）
45. 「複数のメソッドから使われてる わけでもないし・・・」 Factoryクラス createメソッド MozzarellaCheeseクラス（インナークラス） 他のメソッド
46. 「createメソッドに隠しちゃえ！」 Factoryクラス createメソッド MozzarellaCheeseクラス（インナークラス）
47. Factoryクラス createメソッド MozzarellaCheeseクラス 「createメソッドに隠しちゃえ！」 ※ローカルクラス
48. コードで書くとこんな感じです ※ローカルクラス
49. 「ここでしか使わないならクラスの名前つける必要ないな・・・」
50. 「名無しで処理だけ定義しちゃえ！」 ※匿名クラス
51. 匿名クラスとは・・・新しくクラスを作成せずに インタフェース（抽象クラス）を実装できるもの インタフェース 実装クラス 使う側のクラス インタフェース 使う側のクラス ＜匿名クラス＞ ＜従来の実装方法＞ ※インタフェース（抽象クラス） のメソッド数に制限はありません
52. インナークラスから匿名クラスの コードの変化を 見てみましょう！
53. public class Factory { public static CheeseInterface create() { return new MozzarellaCheese(); } private static class MozzarellaCheese implements CheeseInterface{ @Override public void desc() { System.out.println("mozzarellaCheese"); } } } インナークラス 「createメソッドに隠したいな」
54. public class Factory { public static CheeseInterface create() { class MozzarellaCheese implements CheeseInterface{ @Override public void desc() { System.out.println("mozzarellaCheese"); } } return new MozzarellaCheese(); } } ローカルクラス 「クラスの名前つける必要ないな」
55. public class Factory { public static CheeseInterface create() { class MozzarellaCheese implements CheeseInterface{ @Override public void desc() { System.out.println("mozzarellaCheese"); } } return c; } } ローカルクラス
56. public class Factory { public static CheeseInterface create() { CheeseInterface c = new CheeseInterface() { @Override public void desc() { System.out.println("mozzarellaCheese"); } }; return c; } } 匿名クラス
57. 「あー、かなりコードがすっきりした！ …いや、待てよ？」 public class Factory { public static CheeseInterface create() { CheeseInterface c = new CheeseInterface() { @Override public void desc() { System.out.println("mozzarellaCheese"); } }; return new MozzarellaCheese(); } }
58. 「インタフェースの メソッドが一つなら、 もっと省略出来るのでは…？」
59. public interface CheeseInterface { public void desc(); } CheeseInterface c = new CheeseInterface() { @Override public void desc() { System.out.println("mozzarellaCheese"); } }; ←インタフェース ↓匿名クラス
60. public interface CheeseInterface { public void desc(); } CheeseInterface c = new CheeseInterface() { @Override public void desc() { System.out.println("mozzarellaCheese"); } }; ←インタフェース ↓匿名クラス
61. public interface CheeseInterface { public void desc(); } CheeseInterface c = new CheeseInterface() { @Override public void desc() { System.out.println("mozzarellaCheese"); } }; ←インタフェース ↓匿名クラス
62. お待たせしました！ラムダ式の登場です！
63. ラムダ式のWhyを一言で言うと 情報隠蔽の終着点
64. Whyから理解することで ラムダ式のイメージは 変わりましたか？
65. Whyを理解した今だからこそ、 Howを知りたくなりませんか？
66. ありがとうございました X @Sumirecheese