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自分から始めるアジャイルの道 ~内発的動機をきっかけに変わった価値観~

Takaichi00
June 22, 2024
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自分から始めるアジャイルの道 ~内発的動機をきっかけに変わった価値観~

Takaichi00

June 22, 2024
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Transcript

  1. ❏ 自分の能力を繰り返し証明せずにはいられない ❏ 自分は有能であると思われたい ❏ 自分に欠陥があるとは思いたくない ❏ 他者の成功は脅威 ❏ 新しいことに挑戦しない

    ❏ 失敗するということは自己の否定につながる ❏ 努力は頭が悪い人がするものなので忌まわしいもの 「硬直マインドセット」の特徴
  2. ❏ アメとムチ: 簡単な作業をこなすだけの仕事には効果を発揮する が、クリエイティブな仕事にはむしろマイナスに作用する ❏ クリエイティビティが問われる課題の例 ❏ 報酬を1回目だけ与えるチーム / 与えないチーム

    ❏ 報酬が発生するチームは2回目以降、報酬がないと途端に課題に対するモ チベーションがなくなる ❏ 報酬が発生しないチームは2回目以降もモチベーションを失わずに課題を 試行錯誤しながらこなす モチベーション2.0の弊害 www.amazon.co.jp/dp/4062144492
  3. → 自分自身を X 理論で管理してしまっていた タイプ X とタイプ I タイプ X(X

    理論) タイプ I(Y 理論) • 外部からの欲求によってエネルギーを得 る → 報酬に結びついている • 本質的に仕事が嫌い • 強制/制御/命令/脅迫しないと成果は出 せない • 野心を抱かない、責任を取りたがらな い、命令されたい • 内部からの欲求をエネルギーの源とする • 活動そのものから生じる満足感 • 自然に努力し働く • コミットした目標のために自己管理、自 己統制を行う • 適切な環境が与えられれば、人は責任を 回避するよりむしろ責任を求める 引用: https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/51+igEK3VPL._SX352_BO1,204,203,200_.jpg
  4. 「周囲の目」を気にする少年時代 ~家庭や学校~ ❏ 集団に馴染めない、皆は楽しそうに学校生活を送っているのに自分は 楽しくない → 自分に問題がある → どうしたらいいだろう? →

    周りを みて浮かないように行動する ❏ 「自分はうまく動けているか?」「自分は特別な存在だろうか?」→ 周 りの環境に対して自分はどうか? を気にする日々 ❏ 常に両親の顔色を伺うような生活 ❏ 機嫌が良ければ楽しいし、悪ければ叱られる ※ お金をかけて育てていただいた両親には感謝しています
  5. ❏ このプロジェクトが成功しないのは君たちの思いが足りないからだ ❏ 納期に間に合わせられられないのはエンジニアとして失格だ ❏ プロのエンジニアたるもの、休まず努力し続けなければいけない。 今のスキルのままだと市場に取り残される。 ❏ 「x年目なのにこんなこともできないのか?」 ❏

    「y さんはこの会社に染まってしまったからもうだめ」/ 「君は xx 大学だからそんなもんか」/ 「さすが xx 大学出身だね」/ 「A く んは成功したけど君は失敗だったな」 ※ どの会社・先輩方も研修など惜しみない投資はしてくださいました 社会人時代に体験したり目にしたこと
  6. ❏ モチベーション3.0 (=タイプ I) は、「新しい時代の組織・思考 ・実行に対応するために必要なアップグレード版」 ❏ ほとんどの場合タイプ X をしのぐ成果を上げる

    ❏ ただし、不安にならない程度の報酬は必要 モチベーション3.0の特徴 タイプ X(X 理論) タイプ I(Y 理論) • 本質的に仕事が嫌い • 強制/制御/命令/脅迫しないと成果は出せな い • 外部からの欲求によってエネルギーを得る • 報酬に結びついている • 野心を抱かない、責任を取りたがらない、命 令されたい • 内部からの欲求をエネルギーの源とする • 活動そのものから生じる満足感 • 自然に努力し働く • コミットした目標のために自己管理、自己統 制を行う • 適切な環境が与えられれば、人は責任を回避 するよりむしろ責任を求める
  7. 対処法 ~Y 理論 (タイプ I) を信じる~ ❏ X 理論 と

    Y 理論、実際はどちらが正しいのだろうか? ❏ ⇒ どちらも正しい ❏ X 理論を前提に接すると X 理論の振る舞いをするようになるし、Y 理 論を前提に接すると Y 理論の振る舞いをするようになる タイプ X(X 理論) タイプ I(Y 理論) • 本質的に仕事が嫌い • 強制/制御/命令/脅迫しないと成果は出せな い • 外部からの欲求によってエネルギーを得る • 報酬に結びついている • 野心を抱かない、責任を取りたがらない、命 令されたい • 内部からの欲求をエネルギーの源とする • 活動そのものから生じる満足感 • 自然に努力し働く • コミットした目標のために自己管理、自己統 制を行う • 適切な環境が与えられれば、人は責任を回避 するよりむしろ責任を求める
  8. 対処法 ~硬直マインドセット / X 理論から解放する~ ❏ まずは「しなやかマインドセット」「タイプ I (Y理論)」を信じる ❏

    「自分を含む人類は、全員努力次第で成長できる」 ❏ 「自分を含む人類には内側から発生する欲求があり、その活動によって満 たされる」 ❏ タイプ X (X 理論) を前提とした自分の管理をやめた ❏ (怠けてないかを確認するために) 英語の勉強をx分したか? ❏ (周囲へのアピールのため) Github の草をはやしたか? ❏ …
  9. 対処法 ~周囲への対応に気をつける~ ❏ 自分のなかから出てくる タイプX の考えを見つめ直す ❏ 「あの人はこういう人だからしょうがない」 ❏ ⇒

    改善するために自分ができるふるまいはないだろうか? ❏ ⇒ 何か自分でサポートできることはないか? ❏ 「こんなこともわからないのか、努力していないんだな」 ❏ ⇒ 自分の伝え方に問題はないだろうか? ❏ ⇒ 自分も最初はわからなかった。どうやってわかるようになっただろう か。
  10. 対処法 ~周囲への対応に気をつける~ ❏ 褒め方に注意する - 結果や特性ではなく努力を褒める ❏ 結果を褒めると成績がさがる ❏ ✗

    すごい早くできたね! 一つも間違えなくてすごいね! ❏ ◯ 一生懸命作業をしてくれてありがとう! ❏ 失敗したときの言葉のかけ方に注意する ❏ 決めてつけてかかるような批判を避ける ❏ ✗「君は本当にドジな人だなあ」
  11. ❏ 先に結果に注目するのではなく、良い関係を築くところから注目する 好循環サイクル: (関係)お互いに尊重し一緒に考える (思考)気づきがあり面白い (行動)自分で考え、自発的に行動する (結果)成果が得られる (関係)信頼関係が高まる 悪循環サイクル: (結果)成果が上がらない

    (関係)対立が生じ、押しつけや命令が増える (思考)面白くなく受け身になる (行動)自発的・積極的な行動が起きない (結果)さらに成果が上がらない 対処法 ~成功の循環モデルを意識する~ 関係の質 思考の質 行動の質 結果の質 ◦ 良い起点 × 悪い起点
  12. 対処法 ~まとめ~ ❏ しなやかマインドセット / タイプ I (Y 理論) を信じることにした

    ❏ 自分が突き詰めたいと思えるもの探し、徹底的に時間を使うように した ❏ しなやかマインドセット / タイプ I の文化形成のため、周囲との関 わり方を意識するようにした
  13. ❏ CSM の講師の方がポロッと言っていた言葉。当時は意味不明 だったが、今は少し理解できる気がする。 ❏ 開発手法として WF でも、考え方はアジャイルにできるのでは ないか? ❏

    「硬直マインドセット」「モチベーション2.0」の文化の組織が「アジャ イル開発」を実践してもうまくいかないかも ❏ ウォーターフォールでも「しなやかマインドセット」「モチベーション 3.0」の文化ならうまくいくかも ❏ 「アジャイル = 開発手法」 という広まり方をしてしまった側面 があるのではないか? ウォーターフォールとアジャイルは共存できる?
  14. 組織の発達段階 引用: https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/41qCziK8B5L._SX307_BO1,204,203,200_.jpg 衝動型 (レッド) マフィア・ギャングなど 暴力・恐怖による支配 順応型 (アンバー) ピラミッド建設などの公共事業

    上下関係・指示命令系統で人を動かす 達成型 (オレンジ) 科学技術の発展 実力主義、出世という概念を発明 単位時間の生産量を伸ばすために PDCA サイクルを回す 多元型 (グリーン) 多様性と平等 承認プロセスではなく話し合って物事を決める 進化型 (ティール) 信頼に基づき、一人ひとりが自由に意思決定をする 自主経営・全体性・進化する存在目的 ⇒モチベーション1.0, 2.0, 3.0 に似ている