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2024/06/4 星が見えない時の星空案内 -公開天文台を例に-

2024/06/4 星が見えない時の星空案内 -公開天文台を例に-

星のソムリエ何でも情報交換会(06月)にて発表した内容です。

日時 2024年06月4日 火曜 20:00-21:00
場所 zoom 会議
情報提供:
「星が見えない時の星空案内 ~公開天文台を例に~」 米澤 樹 (みさと天文台)

本内容は、所属組織の見解ではありません。
調査へ回答頂いたみなさま本当にありがとうございました。

Tatsuki Yonezawa

June 04, 2024
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Transcript

  1. 米澤 樹(よねざわ たつき) • 2021年4月みさと天文台にて勤務 星空案内 3年 • 2023年8月 日本公開天文台協会理事

    • 和歌山大学観光学研究科(専門職)観光地域マ ネジメント専攻 専門職学位課程 みさと天文台 研究員
  2. 悪天候時のお客様都合でのキャンセル料の有無 (n=26) 悪天候時(警報級でない)のお客様都合でキャンセルがあった 場合のキャンセル料の有無を尋ねた。 すべての施設において当日のキャンセルが可能 唯一キャンセル料を明記している1施設は 無断キャンセル防止のため、100%としているが、 住所等を取得していないため、 実際には請求することができていない。 キャンセル料を取っていない理由

    ・そもそも無料のため ・現地支払いや現地受付のため ・キャンセル料対応が施設の負担となる ▪まとめ 天候に左右される公開天文台では、すべての施設において 当日のキャンセルが可能で、基本的にキャンセル料は 発生しない。 一方で、無断キャンセルが発生しやすいと言う課題もある。
  3. 自由記述(読みやすい用一部改変) • 観望会の有無を16時をめどにHPへ掲示している。 • 雨天の告知はせず、雨天時のプログラムを勧めている。 • 基本、雨天時のプログラムでも満足して頂いている。 • 中止判断はイベント内容や予約人数、曇りや雨でも実施して欲しいというご要望が多い時などによって 判断は色々異なる。

    • 天候不良時でも他館の中継を活用してイベントを実施。 • 無料が故に無断・直前キャンセルも多い。仕方のないことだと諦めている。 • 雨天時のスライドショーは複数のプログラムがあり、季節やお客様のご要望等でプログラムを選んでい る。概ねご満足いただいている。 • 多少の曇や雨なら、当然晴れ間待ち。既に家を出てしまっている人もおられるので、ともかく開けてお く。 • 仮に絶望的でも、お客さんの気持ちの側に立つ、強気の方が好結果と声を掛けつつ、最大限説明したり すると好感度が爆上がりする。 • そもそもお客がほとんどいない状態なので、過剰な負担にもならない。
  4. 自由記述(読みやすい用一部改変) • 悪天候予報を見ての実施可否は時と場合による。少しでも晴れの見込みがある場合は、野生の感で実 施に踏み切る場合もあり、それが良かったときもあれば、悪い判断になったこともある • (天候予測はできないので)天候判断が難しい場合は、とりあえず開催にして天気次第で "無料" 対応 • 曇っていても、無料にすると苦情はほぼ無い。

    • 悪天候予報を信じて中止にしたけど、実際には晴れて苦情案件になったという事案も過去にはあるの で、よほどの悪天候でない限り、なるべく中止にはしない方針。 • 気温が暖かい時期はお客様も多く来場するので、実施しても良いかなと思いますが、冬場は極端に来 場客が15名以下と減少するので、コスト面で完全に中止と割り切っています。 • 最近では悪天候時にプラネタリウムを活用して、流星群や月食YouTubeライブ映像などを活用でき ないか模索しています。プラネタリウムなら解説しながら楽しめるかなと考えています。ただ著作権問 題が解決できればいいのですが! • 流星群や月食等の天文現象の観察会の開催の有無を、16時までに判断・周知するというルールで現在 運用している。 • 他の施設はどのように判断しているのか。判断材料として何を参照しているのか。
  5. まとめ(観望会) 予約 支払 実施 その後 • 54%の施設が予 約制 • 予約制であって

    も現地支払いが 多い。 実施判断 • 判断は難しい • 実施可否をHPへ 掲載する施設も ある • 中止にしたら晴 れて苦情が来る こともある • よほどの悪天候 でない限り92% が中止にしない • そもそも無料の 施設が31%ある • そのため、無断 キャンセルもある • すべての施設で キャンセル料は 発生しない • 直前でのキャン セルも可能 • 85%が「望遠鏡 の見学」を実施 • 73%が「プラネ タリウム」等で星 空解説をしてい る • オリジナルスライ ド等を用い、天文 のお話をする施 設も多い • 他館のライブ配 信等も活用 • 雨天時のプログ ラムでも満足度 は高い! • 悪天候時に割引 券を配布してい る施設はリピー ターが望める 予測が難しいので、 有料館の約3割が減額
  6. 雨天時の主なプログラムについて • 望遠鏡の説明 • 望遠鏡の仕組みを説明。屈折望遠鏡と反射望遠鏡の違いなどを 虫眼鏡や凹面鏡を用いて説明する。 • 遠くにノートPCを置いて、それを望遠鏡で観察してもらう。 • 大型望遠鏡の見学

    • 動く姿を見てもらう。迫力があるので、意外と好評。 • 鏡を見てもらう。どちらかと言うとあまり受けが良くない。個人 的にはもう少し伝え方を考えたい。 • 望遠鏡の仕組みを知った後だとより満足してもらえる。 • プラネタリウム • その日に見るはずだった星座について解説。可能ならば次に来 るときにいつが良いか伝える(季節による違いや月齢、惑星の見 える時期について案内)
  7. まとめ • 悪天候の判断はとても難しい • 悪天候のことを想定しておく • 雨天時でも基本的には満足してもらうことはできる • 望遠鏡の話をする •

    プラネタリウムソフトを使用する • パワーポイント(話題)を用意しておく • 質問タイムにする など 皆さんはどうしていますか。ヒントをください。