Upgrade to Pro — share decks privately, control downloads, hide ads and more …

ZOZOにおけるAI活用の現在 ~モバイルアプリ開発でのAI活用状況と事例~

ZOZOにおけるAI活用の現在 ~モバイルアプリ開発でのAI活用状況と事例~

Avatar for ZOZO Developers

ZOZO Developers PRO

November 28, 2025
Tweet

More Decks by ZOZO Developers

Other Decks in Programming

Transcript

  1. ZOZOにおけるAI活用の現在 ~モバイルアプリ開発でのAI活用状況と事例~ 2025年11月28日 Mobile App with AI Meetup Tokyo 株式会社ZOZO


    IT統括本部 技術戦略部 CTOブロック
 テックリード
 堀江 亮介
 
 Copyright © ZOZO, Inc. 1
  2. © ZOZO, Inc. 株式会社ZOZO IT統括本部 技術戦略部 CTOブロック テックリード 堀江 亮介

    2018年 M&Aに伴いZOZOテクノロジーズに入社 ZOZOグループの組織再編に伴い転籍し現職 全社横断での課題解決と採用および技術広報業務を担当 3
  3. © ZOZO, Inc. 今どんな仕事をしている? • 新規事業(ZOZOマッチ) • AI導入推進 • 技術広報

    • 社内勉強会企画 • 新卒・中途採用 • 社外との関係構築 • 開発ガイドライン作成 ・ ・ ・ 4 https://zozomatch.jp/
  4. © ZOZO, Inc. 5 目次 • ZOZOについて • モバイルアプリの開発体制 •

    モバイルアプリ開発でのAI利用状況 • AI活用事例の紹介 • 今後の課題 • まとめ
  5. © ZOZO, Inc. https://zozo.jp/ 7 • ファッションEC • 1,600以上のショップ、9,000以上のブランドの取り扱い •

    常時107万点以上の商品アイテム数と毎日平均2,700点以上の新着 商品を掲載(2025年9月末時点) • ブランド古着のファッションゾーン「ZOZOUSED」や コスメ専門モール「ZOZOCOSME」、シューズ専門ゾーン 「ZOZOSHOES」、ラグジュアリー&デザイナーズゾーン 「ZOZOVILLA」を展開 • 即日配送サービス • ギフトラッピングサービス • ツケ払い など
  6. © ZOZO, Inc. https://wear.jp/ 8 • あなたの「似合う」が探せるファッションコーディネートアプリ • 1,900万ダウンロード突破、コーディネート投稿総数は1,400万 件以上(2025年9月末時点)

    • コーディネートや最新トレンド、メイクなど豊富なファッション 情報をチェック • AIを活用したファッションジャンル診断や、フルメイクをARで試 せる「WEARお試しメイク」を提供 • コーディネート着用アイテムを公式サイトで購入可能 • WEAR公認の人気ユーザーをWEARISTAと認定。モデル・タレン ト・デザイナー・インフルエンサーといった各界著名人も参加
  7. 10

  8. © ZOZO, Inc. 16 モバイルアプリ開発者の数 • 全体の開発者数: 59名 (正社員のみ) ◦

    ZOZOTOWN ▪ iOS/Android: 27名 ◦ WEAR ▪ iOS/Android: 11名 ◦ FAANS ▪ iOS/Android: 5名 ◦ ZOZOFIT・ZOZOMETRY ▪ iOS/Android: 13名 ◦ ZOZOマッチ ▪ Flutter: 3名 ※2025年11月末時点
  9. © ZOZO, Inc. 19 ZOZOで利用可能な代表的AIツール 全般 • ChatGPT Enterprise •

    Gemini Advanced • NotebookLM Plus • Miro AI • Atlassian Rovo コーディングAI • GitHub Copilot (coding agent含む) • Claude Code • Gemini CLI • Codex 生成AIモデル基盤 • Amazon Bedrock • Gemini / Vertex AI Model Garden • OpenAI API その他(一部の部署でのみ利用中・利用開始準備中) • Cursor • Devin • Figma AI • Dify
  10. © ZOZO, Inc. 23 AI活用における満足度 • 満足している理由 ◦ 実装スピード・効率が圧倒的に向上 ◦

    調査やプランニング支援が強い ◦ 開発の初期段階(不確実性の除去)に役立つ ◦ 開発環境(制度)が整っていることへの満足 ◦ コードレビュー・品質面での気づきを促進 • 不満・課題として挙がった理由 ◦ AIを使いこなせていない(スキルの課題) ◦ 設計・モデリングはAIにはまだ難しい ◦ 部門間でAIツールが違い統一性がない ◦ レビュー負担の増加 ◦ AIに任せるかの判断が難しい
  11. © ZOZO, Inc. 31 モバイルアプリ開発でのAI利用状況 • 実装での活用が普及した状況 ◦ iOS/Android/Flutterで傾向の差なし ◦

    自律型AIエージェントの活用はこれから • 要件定義・計画・設計での活用が進行中 ◦ AIツールから各種リソースにアクセスできる環境が整いつつある ▪ JIRA/Confluenceのクラウド版移行など • ロールや担当業務によってAIを活用する場面や利用するAIツールの使い分けが存在 ◦ メンバー/EM/TechLeadでの差 • AIの利用率が低い場面へのケアが必要 ◦ 例: テスト・QAでのAI活用についての詳細調査、活用事例の横展開、勉強会の実施など
  12. © ZOZO, Inc. • Confluence上の要件定義書から設計書を作成 • AIとの共同作業で曖昧な点や矛盾点・考慮漏れを無くす • 既存コードを参照しつつ実装プランを検討、タスクへ分解 •

    MCP経由で設計書をConfluenceに保存、タスクはJIRAチケット化 • 実装と設計書に差が無いかの確認、設計書への反映などもAIに指示 33 要件定義書から設計書を作成
  13. © ZOZO, Inc. • APIがどの画面で使われているかの調査 • iOS/Androidでの機能差分が無いかの調査 • 実装しようとしている機能がiOS/Androidでどう実装されているか?の調査 •

    修正対象ファイルの洗い出しからチケット作成 • アプリ/バックエンドのコードを横断した実装コストの調査 • バグ調査 ◦ > このコミットでバグが発生するようになりました。発生しているバグは下記のような現象 です `XX画面で、YYすると、ZZなエラーが出る` 36 調査系の事例色々
  14. © ZOZO, Inc. • AIに大まかな実装をさせ引き継ぐ事例が主流 • 生成されたコードをそのまま使用するには精度の 向上が課題 • 精度を向上させるには?

    ◦ Code Connect CLI ◦ Code Connect UI ◦ デザインシステムの整備 • デザイナーとの協力が必須 ◦ デザインエンジニアが必要? 39 Figma Dev Mode MCP Server https://www.figma.com/ja-jp/dev-mode/
  15. © ZOZO, Inc. • 次の3種類が活用されている ◦ GitHub Copilot code review

    ◦ Claude Code Actions ◦ Codex • レビューでの指摘点の修正もAIに依頼 ◦ 例: Codexが指摘→Claude Codeが修正 40 AIによるコードレビュー
  16. © ZOZO, Inc. • ZOZO開発ガイドラインの準拠状況をレビューする機能を提供するClaude Codeプラグイン • ガイドラインはConfluenceで公開 ◦ iOS/Android/Flutter版あり

    • 社内共有用Repositoryに公開、インストールして利用 • /guideline-review で実行 ◦ Confluenceからガイドラインを取得 ◦ 項目ごとに適合・非適合をチェック ◦ 並列処理によるレビュー 41 開発ガイドラインに準拠しているかのレビュー
  17. © ZOZO, Inc. • SlackでのiOS/Androidに対する問い合わせの1次対応 • リアクションをトリガーにGitHubでissueを作成 • AIが問い合わせ内容について調査 ◦

    iOS/Androidのコードを参照 ◦ 実際のコードベースに即した回答が生成 • AIの一次回答を参考に開発者が対応することで効率化 43 問い合わせ一次対応のAIによる自動化
  18. © ZOZO, Inc. 46 • 自律型エージェントの活用 ◦ Devin, GitHub Copilot

    coding agent • AI前提の開発プロセスの模索と移行 ◦ 組織全体としてAIをどう活用して開発のリードタイムを短くしていくか • AI活用度の向上 ◦ 知見の横展開、社内勉強会の実施 ◦ 定量・定性面での効果測定指標の検討と確立 ◦ ZOZO独自のAI活用指標の策定 今後の課題
  19. © ZOZO, Inc. 48 まとめ • ZOZOのモバイルアプリ開発では、AIが積極的に活用されている ◦ 実装〜企画・設計・調査まで幅広く浸透 ◦

    コーディング効率や調査速度など、生産性向上の成果が明確 • 次のステップは、自律型エージェントの活用やAI前提のプロセス移行 • 今後もAI活用を進化させ、開発リードタイムの短縮をめざす