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高精細地形データを使って 人工地形を見てみよう
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keikatsu
November 07, 2025
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高精細地形データを使って 人工地形を見てみよう
青山学院大学 特殊講義SI(I)
テーマ:地形データとウェブGIS
高精細地形データを使って 人工地形を見てみよう
2025年11月7日
keikatsu
November 07, 2025
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Transcript
高精細地形データを使って 人工地形を見てみよう 2025年11月7日 エアロトヨタ㈱ / OSGeo.JP 勝部 圭一 青山学院大学 特殊講義SI(I) テーマ:
地形データとウェブGIS
自己紹介 【氏名】勝部 圭一 【所属】 エアロトヨタ(株) 測量・ヘリコプターの会社 市町村向けのGISや3D都市モデル の企画提案、技術営業などを担当 (一社)OSGeo日本支部 オープンソースGISの普及を目的と
した非営利団体 事務局でバックヤードを担当
ライフログ ~ GeoGeoした半世紀 物心ついたころから恐竜好き、小・中学は化石採集に明け暮れる →地質学者を志して大学進学 →登山にハマり脱線(地図・地形との出会い) →地理学教室で山の地形学・GISを研究 →地図・測量の会社で営業、企画、技術などを幅広く経験 →OSGeo.JP/FOSS4Gでのコミュニティ活動に参加
本日のアジェンダ ①DEMの空間解像度(細かさ)・作り方の変遷と、それによって何が見えるようになった のか? ②実習:人工地形(山城)をDEMで見てみよう
基本用語(測量) 【LiDAR(ライダー)】Light Detection And Ranging:レーザー光を対象物にあて、その 反射光で距離や高さを図る技術 【点群データ 】Point Cloud:ライダーなどで取得された位置情報。経度、緯度、高さ(X, Y,
Z)などの情報を持つ膨大な点の集まり。DEMやDSM作成の元データとなる。 【DSM】Digital Suraface Model(数値表層モデル):建築物や樹木高も含む高さデータ 【DEM】Digital Elavation Model(数値標高モデル):地盤の高さデータ
基本用語(城) 【山城】戦国時代に山の地形を利用して作られた城 城と聞いてイメージする天守閣や石垣を持つ城が登場する のは安土桃山時代からで戦国期に作られたほとんどの城 は山城、その数は数万城とも 【縄張り図】城の構造や施設の配置を平面的に分かりやす く表現した図 参考ページ 日本の山城:山岳部の地形を利用して築かれた土の防御施設 (nippon.com)
山城の機能と構造(ひろしまWeb博物館) 縄張り図の例 (がんばろう三唱, CC BY-SA 4.0 , via Wikimedia Commons)
本日のアジェンダ ①DEMの空間解像度の変遷と、それによって何が見えるようになったのか? ②実習:人工地形(山城、古墳)をDEMで見てみよう
先史:1960年代(手作業と根性の時代) 坂口(1964)では5万分の1地形図から緯度経 度各1分(約1500m×1800m)のDEMを取得 し、日本列島の高度分布曲線を作成 日本の大地形の形成過程を論じている。 5万分の1地形図はタテが緯度10分、ヨコが経 度15分なので、1図福あたり10×15 = 150点 必要、全国で150点×1291図福
≒ 19万点を等高線から手作業で判読 してこの1 枚のグラフを作成、論文として発表
1990~2000年代(デジタルデータ利用の本格化) 1992年頃:フロッピーディスクによる50mDEMの提供が開始される。(高価!) 1994年:ニフティサーブ「山の展望と地図のフォーラムでは、手作業でDEMデータを作っ て交換・公開(?)し、山の展望図や鳥観図を作っていた。カシミール3Dなどはここから 生まれる。 1997年:国土地理院より数値地図250mメッシュ(標高)がCD-ROMで刊行される。全国 のDEMデータがCD-ROM1枚で手軽に扱えるようになる。 199X年:国土地理院より数値地図50mメッシュ(標高)がCD-ROMで刊行 2008年:国土地理院より基盤地図情報(標高)として10mDEMの無償提供開始 →等高線から補間されて作られた最後の全国をカバーするDEMデータ?
10mDEMで見える人工地形「川だけ地形図」 ・地形(10mDEM)と水部(海・河川・湖沼)だけで作成されたシンプルなWeb地図 ・大地形を概観するのにとっても便利 GroInterface. 川だけ地形図 河口の干拓 地と水路網 谷地にある無数のため池 水田開発に特化した 日本の典型的な人工地形
人工地形って何? 現在の地形 内的営力 プレートテクトニクス 地震や火山の活動 = 地形の大枠があって、 外的営力 水、風、重力 侵食、風化、堆積
+ 風雨が削って、 人間活動 人間による地形 の改変 + 人間が仕上げる
2000年代 レーザー測量の一般化(DSMとDEM) 画像は国土地理院ウェブサイトの 公開資料より抜粋 https://www.gsi.go.jp/common/000228609.pdf
ファーストパルスとラストパルス 航空レーザ測量人門 国土地理院技術資料 H・ 1-No.4 https://www.gsi.go.jp/common/000240865.pd Point レーザー測量だと空中写真では分 からない樹木の下の地形まで分か る。
2010年代~ 次々と高解像度の地形データがオープンに 【静岡県】 2016年:「Virtual Shizuoka」による点群データの整備・オープンデータ化を開始 2021年:熱海市伊豆山地区の土石流災害での「静岡点群サポートチーム」の活躍 (↑地形データ公開のエポックポイント) 【兵庫県】 2020年:兵庫県が全県の1m解像度のDEM、DSM、CS立体図を公開 2023年:兵庫県が山間部の50cm解像度のDEM、DSM、CS立体図を公開 【長崎県】
2022年:「オープンナガサキ」県全域の点群データを公開 【国土地理院】 2023年:基盤地図情報(数値標高モデル)1mメッシュ(標高)の提供開始 都道府県が先行し、国が追従する形で高解像の地形データの公開が進んでいる
1mメッシュ(標高)の提供範囲を拡大 ~東京23区などの詳 細な地形データの提供を開始~(国土地理院) “国土地理院では、令和5年11月30日に1mメッ シュ(標高)の提供を開始し、これまでに全国の3次 メッシュの割合で約46%を提供しています。本年3 月31日に引き続き、10月31日に提供範囲をさらに 拡大し、提供する3次メッシュの割合は約61%とな ります。” (国土地理院HP 10/30の新着情報より抜粋) https://www.gsi.go.jp/gazochosa/gazochosa6100
9.html 国土の6割以上の高解像地形データ が公開!
?
空間解像度が変わると見えるものが変わる。 CS立体図による竹田城(全国 Q地図で作成) https://maps.qchizu.xyz/#17/35.300140/134.829562/&base=ort&ls=ort%7Cgsi_de m_dem2cs%7Cgsi_dem5a_dem2cs%7Cgsj_hyogodem_dem2cs&blend=000&disp =1100&lcd=gsi_dem5a_dem2cs&vs=c0g1j0h0k0l0u0t0z0r0s0m0f1&d=m 10m
空間解像度が変わると見えるものが変わる。 CS立体図による竹田城(全国 Q地図で作成) https://maps.qchizu.xyz/#17/35.300140/134.829562/&base=ort&ls=ort%7Cgsi_de m_dem2cs%7Cgsi_dem5a_dem2cs%7Cgsj_hyogodem_dem2cs&blend=000&disp =1100&lcd=gsi_dem5a_dem2cs&vs=c0g1j0h0k0l0u0t0z0r0s0m0f1&d=m 10m 5m
空間解像度が変わると見えるものが変わる。 CS立体図による竹田城(全国 Q地図で作成) https://maps.qchizu.xyz/#17/35.300140/134.829562/&base=ort&ls=ort%7Cgsi_de m_dem2cs%7Cgsi_dem5a_dem2cs%7Cgsj_hyogodem_dem2cs&blend=000&disp =1100&lcd=gsi_dem5a_dem2cs&vs=c0g1j0h0k0l0u0t0z0r0s0m0f1&d=m 10m 5m 0.5m
まとめ:現在の標高データをめぐる状況 • 空間解像度1m~50㎝はもはや当たり前 • 国や都道府県がオープンデータとして公開 • 空中写真では見ることのできない、木の下の地形まで見える。 • GISやWeb技術の進歩によって誰でも手軽に利用が可能 かっては専門家の特殊技術だった
空中写真からの地形判読が誰にでも出来る時代
遺跡の大発見時代の到来 BBC NEWS Japan(2024年10月31日) https://www.bbc.com/japanese/articles/c93qlypl0nno
記事抜粋 ”スコットランドの主要首都エディンバラと同程度の大きさがあるこの都市は、ある考古学 者がインターネットでデータを閲覧していて「偶然」見つけた。 「グーグル検索の16ページ目あたりで、メキシコの環境モニタリング団体が行ったレー ザー測量データを発見した」と、米テュレーン大学の博士課程の学生ルーク・オールド= トーマスさんは説明する。 その測量は「ライダー」によるものだった。飛行機から何千ものレーザー信号を発出し、 それが戻ってくるまでの時間を利用して下方の物体を把握する技術が使われていた。 このデータを考古学者が使う手法で処理したところ、それまで誰も気づかなかったこと に、オールド=トーマスさんは気づいた。それが、西暦750~850年の最盛期に3万~5
万人が住んでいた可能性のある、古代巨大都市の存在だった。” BBC NEWS Japan(2024年10月31日) https://www.bbc.com/japanese/articles/c93qlypl0nno
日本でも 本庄考古学研究室の成果 前方後円墳 奥出雲で新たに77基 赤色立体地図 発見に貢献 本庄考古学研究室・曳野律夫さん ”島根県奥出雲町で、これまでに5基しか見 つかっていなかった前方後円墳が新たに77 基発見された。” 山陰中央新報 2023/11/8掲載記事より https://www.sanin-chuo.co.jp/articles/-/478800 在野の研究家が最新技術を駆使して、新 発見ができる時代
⇒空間情報技術のコモディティ化
AIによる更なる発見も? 深層学習を用いた航空機レーザ計測データからの古墳の検出 大原 圭太郎・米 康充・三代 祥司・内田 律雄・曳野 律夫・松本 岩雄 日本リモートセンシング学会 第
76回(令和6年度春季) 2024/06/05,06 https://www.rssj.or.jp/wp-content/uploads/2024/09/p26_76_R06.pdf
本日のアジェンダ ①DEMの空間解像度の変遷と、それによって何が見えるようになったのか? ②実習:人口地形(山城)をDEMで見てみよう
全国Q地図&CS立体図で見るお城 竹田城 参考:竹田城跡の縄張り・石垣(朝来市HP) https://www.city.asago.hyogo.jp/site/takeda/3094.html 備中松山城 参考:天空の山城「備中高松城」 https://www.bitchumatsuyamacastle.jp/history/ 安土城
実習:全国Q地図で山城を探してみよう 1. 左側パネルの「地図の種類」の「 4.地形」を開き、マウスホイールでスクロールして、下の方にある各都道 府県のなるべく高解像度(全国:基盤地図情報 (標高)1mメッシュ、都道府県: 0.5mメッシュなど)のフォル ダを開く 2. 「CS立体図」があればダブルクリック。左下の「選択中の地図」にデータが追加されていることを確認
3. 上部の検索ボックスに「城跡」とかのキーワードを入力して検索 4. 「都道府県」のプルダウンメニューから、 1で選択した都道府県に絞り込み 5. リストに残った旗のアイコンをクリックし、城の地形が表示されているか確認 6. 右上の「共有」から URLをコピーしZOOMチャットに投稿 7. 余裕があればその城の名前を Web検索して由来や縄張図を調べてチャットに報告 ※「合成」や「透過率」の設定で背景地図を表示できます。 Point 付近の地形を見て、何故そこに城が築 かれたのかを考えてみる。
城郭放浪記 1. 城郭放浪記から全国Q地図でCS立体図を表示している都道府県を選択 2. 気になるお城の「地図選択」のプルダウンメニューから 「国土地理院(電子国土)」を選択 3. 地理院地図が表示されるので、URLの「https://maps.gsi.go.jp/」の後に続く 「#16/34.775838/133.535576」までをコピー(数字は表示場所によって違います) 4.
CS立体図を表示している全国Q地図のURLの「https://maps.qchizu.xyz/」以下にペース ト ※「/&base=......」以下気のURLを書き換えないように注意! 5. 「城郭放浪記」に掲載されている縄張り図とか現地写真と比較してみる。 応用編:マイナーな山城を探してみよう
上級編: 地形を見る目が備わってきたら、地図をスクロールして、 怪しい地形を探してみよう! 新発見があるかも!?
もしデータがなければ? 観光地以外の山城や古墳の多くは現在では深い樹林や藪の中に埋もれており、 藪漕ぎの覚悟がないと探索は困難です。 【白鳥城:富山市の山城】縄張りの見所はヒドイ藪の中(前編) https://note.com/toyamacastle/n/nad727eaa8998 城山(板戸城跡)初めての藪漕ぎ! https://yamap.com/activities/16967619
宣伝その1 エアロトヨタ株式会社 新卒採用募集中です。 エアロトヨタ株式会社採用ページ
宣伝その2 オープンソースGISの祭典 FOSS4G 2026 Hiroshima 世界中の開発者・ユーザーが広島に集結します!! 【日時】 8月30日(日)〜31日(月) ワークショップ 9月1日(火)〜3日(木) メインカンファレンス
9月4日(金)〜5日(土) コミュニティスプリント・コミュニ ティイベント 【主催】 OSGeo Foundation、(一社)OSGeo日本支部、 FOSS4G Hiroshima LOC FOSS4G Hiroshima 2026 最新情報 https://www.osgeo.jp/foss4g-2026-hiroshima
ご清聴ありがとうございました
以下は参考にした文献&リンク集です。 ご興味のある方はどうぞ
地形・DEMの古典 阪口 豊(1964)日本島の地形発達史について 地理学評論:37,387-390. 野上道男(1995)細密DEMの紹介と流域地 形計測 地理学評論:68 ,465-474.
中南米のジャングルでの古代都市の発見 失われたアマゾン古代都市発見=最新技術で常識覆す全容明らかに https://brasilnippou.com/ja/articles/240116-19brasil アマゾン熱帯雨林で2500年前の都市遺跡発見 エクアドル https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-67954358 メキシコのジャングルに古代都市、ネット検索中の大学院生が偶然発見 https://www.bbc.com/japanese/articles/c93qlypl0nno
出雲の山城(本庄考古学研究室の成果) 前方後円墳 奥出雲で新たに77基 赤色立体地図 発見に貢献 本庄考古学研究室・曳野律夫さん https://www.sanin-chuo.co.jp/articles/-/478800 第8回ガイド養成講座「道楽の考古学 ― レーザー計測データを活用した古墳の探索 ―」本庄考古学研究室 松本 岩雄氏 https://www.youtube.com/watch?v=Q98V7kmq0QM
レジュメ https://www.yakumotatu-fudokinooka.jp/wp/wp-content/uploads/2025/04/20250215matsumoto.pdf 3人の少年たちが大人になって叶えた考古学の夢。島根県で貴重な前方後円墳を新発見!【古墳ライターが旅 した、見た、聞いた! vol.15】 https://ikkojin.jp/article/korimae-kofun015/ 深層学習を用いた航空機レーザ計測データからの古墳の検出 https://www.rssj.or.jp/wp-content/uploads/2024/09/p26_76_R06.pdf
山城のデータベース 城郭放浪記(個人による膨大な山城のDB) https://www.hb.pei.jp/shiro/ 岡山の中世城館跡(岡山県古代吉備文化センター) 岡山の中世城館跡 - 岡山県ホームページ 西播磨の山城(西播磨ツーリズム振興協議会) https://www.nishiharima.jp/yamajiro/ 松本の山城(長野県松本市)
https://www.city.matsumoto.nagano.jp/soshiki/134/4037.html
地形を手軽に閲覧できるWebGIS 川だけ地形図 https://www.gridscapes.net/AllRiversAllLakesTopography 全国Q地図 https://maps.qchizu.xyz/ ひなたGIS(宮崎県) https://hgis.pref.miyazaki.lg.jp/hinata/ Open-Hinata 3 https://kenzkenz.xsrv.jp/open-hinata3/
文化財調査におけるデジタル技術の活用 岸本道昭 2023「CS 立体図を活用した埋蔵文化財分布調査」 『遺跡踏査とデジタル技 術』奈良文化財研究所研究報告 https://sitereports.nabunken.go.jp/ja/article/121417 奈良文化財研究所研究報告 第33冊 『デジタル技術による文化財情報の記録と利活用4』
https://www.nabunken.go.jp/nabunkenblog/2022/04/Researchreports33.html 奈良文化財研究所研究報告第44冊 『デジタル技術による文化財情報の記録と利活用7』 https://www.nabunken.go.jp/nabunkenblog/2025/03/researchreports44-onlinelib.ht ml
その他の情報 都道府県公開データ(森林情報オープンデータ) https://forestgeo.info/%e9%83%bd%e9%81%93%e5%ba%9c%e7%9c%8c%e5% 85%ac%e9%96%8b%e3%83%87%e3%83%bc%e3%82%bf/ 自治体発 点群オープンデータまとめ(Yass Matsuo氏のnote) https://note.com/yasstyle/n/n3b580b9ad6a4 GEDI(衛星によるLiDARミッション) https://gedi.umd.edu/mission/mission-overview/
更新履歴 2025/11/7 青山学院大学ウェビナー実施 2025/12/10 公開用に情報整理 2026/6/3 実習に「基盤地図情報(標高)1mメッシュ」の情報を追加