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20230912_韓国(Korea) Social Innovation Week

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September 10, 2025

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  1. 2 Copyright 2023 自己紹介 Profile 地域創生Coデザイン研究所 ポリフォニックパートナー (企業) 大牟田未来共創センター パーソンセンタードリサーチャー

    (地域の中間支援組織) 日本リビングラボネットワーク(JNoLL) 代表 (全国の地域団体の中間支援組織) 東京理科大学 客員准教授 (研究・教育機関) デザインイノベーションコンソーシアム フェロー (産学連携の研究・教育機関) 大阪大学、奈良先端科学技術大学院大学を修了後、NTT研究所に入社。2016年よりリビングラボ・Coデザインの研究・実 践プロジェクトを立ち上げ、2021年にNTT西日本グループの地域創生Coデザイン研究所の設立に関与し、参画。博士(工 学)。主としてHCI、CSCW、UXデザイン、リビングラボの研究開発に従事。デザイン研究のチームを牽引し、企業内のUXデザ インプロジェクト、地域の社会課題に関するリビングラボプロジェクトを多数実践し、コンサルティングや教育活動も行っている。現 在は、大牟田市などの地域主体ともに、まちづくり、地域経営、サービスデザイン、社会システムデザインなどの文脈で新しいソー シャルデザインのあり方を探求中。著書に「2030年の情報通信技術生活者の未来像」(NTT出版|2015年)等。
  2. 4 Copyright 2023 研究テーマ 社会的インパクトを志向するリビングラボ方法論 経産省「未来の教室」実証事業で リビングラボを活用したサービス開 発研修 DX・デザイン思考・地域創生関 係の講演・アドバイザー委嘱等

    北欧・日本の実践家の経験から紡ぎだした 「リビングラボの手引き」 地域パートナーと連携したセクターを超えた 共創活動(リビングラボ)の社会実装 (福岡県大牟田市、愛知県岡崎市、奈良県生駒市 等) ソーシャルデザインに取り組むガイドブック 国立国会図書館調査資料 2020-6 セクターを超えた共創活動(リビングラボ) の研究と実践者団体運営 リビングラボ国際会議での Top Selected Paper受賞
  3. 9 Copyright 2023 社会背景:地方自治体の変化 地方自治体の運営は限界を迎える。持続可能な形で住民サービスを提供し続けるために、ICT活用による「スマート自治 体への転換」と、公共私(自治体・コミュニティ・民間企業等)の連携による自治体の「プラットフォーム・ビルダー化」が必 須 ※自治体戦略2040構想(総務省、2018) スマート自治体への転換 •

    新たな自治体や国の施策(アプリケーション)の機能が最大限発揮できるような自治体行 政(OS)の大胆な書き換えが必要 • 破壊的技術(AI・ロボティクス等)を使いこなす自治体へ 公共私によるくらしの維持 (自治体のプラットフォームビルダー化) • 自治体は新しい公共私相互間の協力関係を構築する「プラットフォーム・ビルダー化」が必要: 公 • くらしを支えるための地域を基盤とした新たな法人が必要:共 • 全国一律の規制見直し、シェアリングエコノミー等の環境整備の必要性:私 減少する地方公務員 ひっ迫する財政 増加するインフラ更新費用
  4. 10 Copyright 2023 社会背景:自然災害の多発 気候変動などの影響で、猛暑日、集中豪雨などの自然災害は増加傾向にあり、人命が失われ、インフラが崩壊するなど、 暮らしの継続が難しくする状況が高まっている。 日本全国(13地点平均)での猛暑日(最高 気温35度以上)の年間日数は増加している。 最近30年間(1993~2022年)の平均年 間日数(約2.7日)は、統計期間の最初の

    30年間(1910~1939年)の平均年間日 数(約0.8日)と比べて約3.5倍に増加して いる。 気象庁, https://www.data.jma.go.jp/cpdinfo/extreme/extreme_p.html 大雨の年間発生回数は有意に増加しており、よ り強度の強い雨ほど増加率が大きくなっています。 1時間降水量80mm以上、3時間降水量 150mm以上、日降水量300mm以上など強 度の強い雨は、1980年頃と比較して、おおむ ね2倍程度に頻度が増加しています。
  5. 11 Copyright 2023 現場での問題は 発生している 共通の課題認識が ない 縦割りを超えた リーダーシップがない 共創していく

    ムーブメントは 生まれていない 地域の現状とその課題 1. 個人ごと、事業者ごと、業界ごとで目の前で起きている問題に困っている 2. それぞれの問題が、個人、事業者、業界を超えた共通の課題である認識が持ちづらい 3. 共通の課題に対して、縦割りを超えてリーダシップを発揮するきっかけがない ➢ 結果として、差し迫った構造的な課題にも関わらず、 構造的な転換(ソーシャルインパクト)に向けて共創していくムーブメントは生まれていない
  6. 13 Copyright 2023 個別の地域活動や企業サービス、 領域ごとの政策による対応で バケツの穴(問題)を事後的に塞ぐ 新しい社会構造(システム)への 転換を志向することで 穴(問題)が生まれづらい状態をつくる +

    個別の穴(問題) を防ぐ 構造(システム)の転換を志向 課題意識:ソーシャルインパクト 2022/3/14 第4回全国リビングラボ ネットワーク会議 趣旨説明資料
  7. 14 Copyright 2023 課題意識:暮らしの質感(conviviality, polophony) 暮らしの質感をとりこぼさないシステムに向けてハックし、転換を志向する 暮らしの時間 ・主観的、生成的、多様 ・歴史的な絆、人間、世間 e.g.

    自立共生的、生活世界 両方の構造に対して デザイン実践をする立ち位置 システムの時間 ・客観的、計画的、均質 ・政策的経緯、公論 e.g.操作的、システム イヴァン イリイチ(2015)コンヴィヴィアリティのための道具,筑摩書房. 2022/6/25-26 デザイン学会 オーガナイズドセッション企画資料
  8. 15 Copyright 2023 課題意識:セクターを超えた共創 = リビングラボ 福 祉 教 育

    産 業 環 境 ¥ ¥ ¥ ¥ ¥ ¥ ¥ ¥ ¥ ¥ ¥ ¥ ¥ 国 予算 制度 事業 基礎 自治体 予算 制度 事業 地域 実践 取組 対象 単世代・特定カテゴリー ¥ ¥ ¥ ¥ ¥ ¥ ¥ ¥ ¥ ¥ ¥ ¥ ¥ 予算 制度 事業 予算 制度 事業 実践 取組 対象 多世代・横断 政策的統合 統合的実践 転 換 統合的 アプローチ
  9. 16 Copyright 2023 リビングラボの国際的トレンド ”Transitionに資するCo-Creation”への変化 ・第一の領域:User Driven サービスデザインなどの普及によりデファクト化 ・第二の領域:Data Driven

    リアルタイムにユーザの行動に反応して微調整することで、 産業界に効率的なUser Centricな方法をもたらした ・第三の領域:Change/Transition User DrivenやData Drivenでは対応できないのが、気候変 動、不平等、世界の民主化、健康と福祉などの厄介な 問題(wicked problems)。そのために必要な第三の領域が、 行動を変え、文化を変え、生き方を変えること この領域にこそ、一方的に作用するのではなく一緒に変 えていくCo-Creationが有効 (Jarmo Eskelinen, ENoLL 15 years – An outlook on the past and the future of Living Labs, OLLD2022)
  10. 18 Copyright 2023 地域創生Coデザイン研究所 未来の社会システム探索チーム (1) 統合的な課題解決 プロジェクトの実践 <未来の社会システム探索チームのミッション> 人々が主体的に共創できる社会

    ビジョン <Coデザのビジョンと活動のスコープ> (2) 知見体系化 /発信 (3) 仲間づくり /他地域展開 •人々が主体的に共創 できる社会システムを目 指して、介護予防、住ま い、就労、学びのシステム にハックするプロジェクト を推進 •現場での実践プロジェ クトと政策の提言・立案 を両輪で行う •システムを転換するた めの方法論として、社会 システムデザイン方法論を 提案 •その実践をドライブす る地域共創拠点モデルや、 人材育成プログラムなど を開発 •社会システムを巡る問 いの対話を発信 (湯リイカ・おへそ) •国内外の理念に共感 する仲間とともに、事例 共有・実践連携に取り組 む ⚫ Coデザは「人々が主体的に共創できる社会」をビジョンに掲げ、特定の社会課題を解決するビジネスやサービスの開発 等に閉じず、その課題を生み出している構造(システム)を捉え直し、新しい社会システムの実現をめざしている ⚫ 未来の社会システム探索チームは、社会システムの構造転換を志向し、以下の3つのミッションで活動している
  11. 19 Copyright 2023 福祉政策起点で新しい人間観にもとづく まちづくり(パーソンセンタードシティ)を 目指す(福岡県大牟田市) 産業政策起点で日本的サスティナビリティに もとづく持続可能な地域や社会が うまれるまちを目指す(奈良県奈良市) 地域住民

    自治体 企業 地域のソーシャル ワーカー等 大牟田 リビングラボ 真に解くべき課題を 探索・設定できる主体 ・奈良市在住の就業者の 約50% が市外で勤務 ・ベッドタウンとしての魅力+働く人の創造性を引き出す 文化財や自然が豊富にある特性を生かした多様な ワークプレイス(サテライトオフィス)がある地域をめざす ・子育て世代の支援 抜本的な公共私連携による解決策の創出 ・高齢化率(65歳以上人口) 36.8% ※全国高齢化率 28.6% ・10万人以上の都市では全国で2番目に高い 高齢化率※ ・日本の中でも20年先をいく超高齢社会モデル都市 (一般社団法人) (一般社団法人) 地域住民 自治体 企業 奈良 リビングラボ 真に解くべき課題を 探索・設定できる主体 地域創生Coデザイン研究所にて取り組んできたリビングラボ モデル地域(大牟田、奈良)において、ソリューションではなく地域の構造的問題を捉えた社会システム(サービス・政 策・コミュニティ活動)を①提案・実装する中で、持続可能な社会システムの②知見を体系化し、③展開する。
  12. 20 Copyright 2023 構造転換を志向する社会システムデザイン方法論※ ①既存の社会システムのエラー(≒政策的帰結)を捉える ②社会のエラーを乗り越える実践者・研究者との対話から、新たな問い・理念を見い出す ③新たな理念に基づいたプロジェクトを実施する(政策・サービス・コミュニティ) 既存の社会システム 理念への 問い・対話

    違和感/ 当事者性 社会へ 開かれる 新たな 理念 政策的 経緯 役割が解除され 存在が保障される位相 (社会システムが持続的に変革し続ける土壌) 政 策 的 帰 結 システムエラー システムエラー 理念 参加 参加 解除 問い・対話への展開 一人目になる 転換へ 組成・協働 温まる 新たな理念に基づいた 仕組みの実装(プロジェクト) 既存システムの構造・ 理念の把握 背景を捉える 1 2 3 4 ※木村ら (2022)新たな社会構造に転 換するための社会システムデザイン方法 論, 日本デザイン学会 第69回春季研 究発表大会. ※Kimura et al.(2022),Social System Design Methodology for Transitioning to a New Social Structure, In Proc. of Open Living Lab Days 2022.
  13. 24 Copyright 2023 外部環境と人口動態・就業人口(構成) カーボンニュートラル(脱炭素) AI(生成系AI等)の実用化 石炭から石油へのエネルギー転換 外部環境の変化(メガトレンド) (人) 基幹産業としての化学産業

    基幹産業としての 医療・介護産業 石炭産業の衰退・消滅 (人) 人口に比例する小売飲 食業の減少がまちの賑 わいを失わせてきた 化学産業は外需、医療・介護産 業は高齢者増により、過去10年 間は雇用を維持し続けてきた →今後、【生産年齢人口減少】の 影響が顕著に出てくる →新たな外部環境の変化(メガ トレンド)が押し寄せ、対応が求 められている(守り・攻め) (2020年までは国勢調査による実績値、2025年以降の総人口は国立社会保障・人口問題研究所による推計値によって作成)
  14. 25 Copyright 2023 生産年齢人口と就業者人口:労働供給制約 仕事場の不足 働き手の不足 生産年齢人口の減少が地域経済を衰退・破壊するため、 短期・中期・長期において徹底した取り組みが不可欠 生産年齢人口と 就業者人口との差が

    年々縮まってきている 局面の転換 生産年齢人口と就業者人口 生産年齢人口の減少(短期的状況) 徹底的なDX・業界ごとの人材確保、社会政策による暮ら しやすい地域の実現、移住・定住政策の推進(近隣地域 との地域選択に勝つこと)が不可欠 【現役最後の世代】 【現役を迎える世 代】 労働市場から 退出 労働市場へ 参入 今後、5年間で 最大2,000人※ (年間400人程度) の働き手不足 が発生するおそれ ※約3,000人×就業率6割強 (国勢調査の実績値に基づき作成) 3,050
  15. 26 Copyright 2023 大牟田の地域課題への重層的アプローチ ⚫ 地域課題を構造的に捉えた上で、官民連携で政策転換を推進し、産業側の課題にも重層的にアプローチしている 既存産業 基幹産業の衰退(石炭産業) 人口減少 (特に生産年齢人口)

    少子高齢化 (10万人以上で有数の高齢化率) 自治体財政の悪化 (税収減・政策対応の財政的・ 人的な制約が強まる) 仕事がない (事務職、高度 技術職等) 人手不足 地縁 コミュニティの 担い手不足 地縁 コミュニティの 脆弱化 都市ストックの需給ギャップ (空き家・空き店舗) ミスマッチ <医療・介護・福祉> 制度の利用増・制度疲弊 (民生費増加) 公共交通網の縮小 (高齢者等の移動困難者) 地域外への 流出 (若い世代) 事業継承 できない 財政圧迫 人口減少(社会減) コレクティブインパクト、 SIB、民間人材活用 乗合、自家用有償 除却、リノベーション NPO、テーマコミュニティ 民間協働、テック活用、 介護予防強化 •地域の社会課題と同期した DX・インキュベーションに取り組む •地域の本質的な社会課題について、官民連携で取り組 む体制を構築し、政策転換を推進している ◯介護予防:「支援」から「力を引き出す」への転換 ◯住まい・住宅:民間賃貸だけでない地方版社会賃貸住宅の創出 ◯雇用・就労:メンバーシップ型からジョブ型への転換・産業構造転 換を見越したリカレント教育や生活保障システム ◦・・・
  16. 27 Copyright 2023 大牟田未来共創センター(ポニポニ)の設立(2019) ⚫ 「認知症」や「高齢者」などの福祉に閉じた課題設定や取り組みでは、地域においてさまざまな領域で生み出される社会 課題や地域創生を視野に入れたアプローチが難しい状況であった ⚫ 認知症ケアで見出されたコンセプトを深め、セクターや領域における縦割りを横断し、既存の社会システムから“独立しな がら埋め込まれる主体”として官民協働で大牟田未来共創センターを設立した(2019年4月)

    大牟田未来共創センター 大牟田市 地域資源 地域・住民 縦割りの打破(調整)、政策展開支援 ビジョンの共有 共創 共創 地域資源の価値を再構築 地域・住民との協働 福 祉 教 育 産 業 地域内のアクター (市民団体、 地場企業など) 地域外のアクター (国内外企業、 研究機関等) ¥ ¥ ¥ ¥ ¥ ¥ ¥ ¥ ¥ ¥ ¥ ¥ ¥ 国 予 算 制 度 事 業 基礎 自治 体 予 算 制 度 事 業 地域 実 践 取 組 対 象 多世代・横断 政策的統合 大牟田未来共創センター 統合的 アプローチ 計画 統合的実践 支 援 支 援 モデル提案
  17. 29 Copyright 2023 核となる新しい人間観:パーソンセンタード※ 生活者(パーソン)の暮らしを、独立した個人の暮らしとして捉えるのではなく、周りの家族や地域の人と の繋がりと、その繋がりの中で捉え直されるケイパビリティに基づき、豊かで継続性を持ったナラティブによっ て成り立っていると捉えるもの 学ぶ 楽しむ 働く

    出会う 知る つながる 好奇心 意欲 問題意識 潜在能力 capability つながり connection 人生 narrative 【ビジネス】 マーケティング5.0 【教育】 未来の教室(経済産業省) 【福祉】 地域共生社会(厚生労働省) ※木村ら(2019)パーソンセンタードデザイン:その人らしい暮らしを目 指す人間観に基づくデザイン方法論,日本デザイン学会発表大会概要集.
  18. 30 Copyright 2023 パーソンセンタードシティのコンセプト コミュニティ・政策・テクノロジーが有機的に支える環境により、 「どのような状態でも本人の存在が肯定され力が発揮されるまち」をめざす コミュニティケア的視点 その人らしく生きることに向き合う 産業・テクノロジー的視点 その人と支える人を影ながら支える

    社会疫学的視点 その人らしく生きやすい環境を作る 支援者 (専門職等) 参加コミュニティ 未参加コミュニティ 友人 家族 近所住民 同僚 モバイル 戸建住宅 集合住宅 都市 支援者+モバイル ナラティブ DB 社会資源 DB 生活者課題 DB 疫学知見 DB テク ノロジー DB 設計 ガイドライン DB マクロ ミクロ 暮らし 技術 社会課題 DB 保険業 金融業 医療介護 保育教育 サービス業 宿泊業 交通 物流 建築 通信
  19. 31 Copyright 2023 大牟田未来共創センター(ポニポニ)の設立(2019) ⚫ 「認知症」や「高齢者」などの福祉に閉じた課題設定や取り組みでは、地域においてさまざまな領域で生み出される社会 課題や地域創生を視野に入れたアプローチが難しい状況であった ⚫ 認知症ケアで見出されたコンセプトを深め、セクターや領域における縦割りを横断し、既存の社会システムから“独立しな がら埋め込まれる主体”として官民協働で大牟田未来共創センターを設立した(2019年4月)

    大牟田未来共創センター 大牟田市 地域資源 地域・住民 縦割りの打破(調整)、政策展開支援 ビジョンの共有 共創 共創 地域資源の価値を再構築 地域・住民との協働 福 祉 教 育 産 業 地域内のアクター (市民団体、 地場企業など) 地域外のアクター (国内外企業、 研究機関等) ¥ ¥ ¥ ¥ ¥ ¥ ¥ ¥ ¥ ¥ ¥ ¥ ¥ 国 予 算 制 度 事 業 基礎 自治 体 予 算 制 度 事 業 地域 実 践 取 組 対 象 多世代・横断 政策的統合 大牟田未来共創センター 統合的 アプローチ 計画 統合的実践 支 援 支 援 モデル提案
  20. 33 Copyright 2023 大牟田市 従来の介護予防施策では リーチすることが難しい人がいる (財政的制約も強まる) 企業 企業の意図 「早期検知」という機能検証

    から、「自らのことを知る新た な方法のデザイン」という意味 探索へと課題設定を変更 地域住民 他地域で実施した 疾病の早期検知サービス の実証実験に人が集まらない (高齢者として)これまでの経験や興味を活か して地域に関わる機会がない、多様な形でどんな 人でもいれる居場所がない 地域の意図 企業がリビングラボへ支払う対 価(資金)を活用し、高齢 者が仲間を得て、自らのことを 振り返る(知る)過程で意 欲を育み、多様な参加に向 かう仕組みづくり検討 課題の再設定・ 統合的実践 大牟田リビングラボでのあるプロジェクトの始まり 大牟田リビングラボ
  21. 34 Copyright 2023 (チラシを貼る) 第4回において、 睡眠センサーと家電センサーで得た データを「自分の無意識を知るため の情報」として利用 ※参加者にとっても情報提供、セン サー利用に価値がある形にしている

    •対象者:大牟田市在住の要支援・要介護認定を受けていない65歳以上の方 •募集期間:2019/11/28~2020/1/31・開催期間:2020/1/10~2020/3/13 •サロン申込者(面談参加者):35名/サロン参加者:32名(面談後の辞退:3名)/ センサー設置者:18名(センサー設置辞退:14名) わくわく人生サロン 実施概要
  22. 35 Copyright 2023 「大牟田市高齢者保健福祉計画・第7期介護保険事業計画」 総括時の職員の意見 「既存活動に関心が 薄い人もいることから、「わくわく人生サロン」 ように自分こ とを語る場を設けるなど 、新たな活動きっかけを作る必要が

    あると考えます。 」 •地域包括支援センターがリーチすることが難しかった、20年間自宅に引きこもっていた方が参加 •介護保険サービスでは居場所が得られなかった(合わなかった)方の居心地のいい場となる •制度利用がなく生きづらさを抱えている高次脳機能障害のご本人、ご家族への支援を実施 (個別にご本人、ご家族の不安や悩みに寄り添った対応を実施) •配偶者に先立たれた方たちによるピアが生まれる(グリーフケア) •持っている資格やスキルを生かし、地域の課題を解決したいという方が生まれる(例:「防災 士の資格を活かして地域のために活動したい」「子どものための活動をしたい」「大牟田市をアピー ルする商品開発をしたい」などの自発的な言葉がある) •年齢が異なるが同じ大学やサークルに参加していた等「縁」のある人との出会いが生まれる (友人ができる) •前向きな動機をきっかけとして参加し、通所、ピア(グループ)、訪問、家族支援を、個別一 人ひとりの状況に合わせて柔軟に組み合わせて行う「多機能型サロン」とも言える相談支援拠点 の可能性を示唆 •自治体からの資金的な援助を得ることなく開催するモデルを構築(企業との協働) わくわく人生サロン 地域住民にとっての価値 高齢者にとって、自分の経験や興味を起点として地域に関わる機会や、支援されたり、高齢者的なテーマに区切られる ことのない居場所を持つことができ、同じ経験や悩みをもつ人と語らい、意欲が育っていく中で新たなことに取り組もうと する人が現れた
  23. 36 Copyright 2023 わくわく人生サロン 行政にとっての価値 これまでの行政施策でアウトリーチすることが難しかった人に出会うことができるとともに、住民の主体性/潜在能力を核 に福祉計画全体を考えるという本質的な示唆を得た。そして、この示唆を活かして各施策を実行するために、暮らしの 総合計画ともいうべき大牟田市健康福祉総合計画を、縦割りの行政計画でなく、統合的に地域や生活を捉え直す構 造とした計画として策定した。 ✓

    これまで別々に策定されていた、高齢、障害、健康増進、食育など9本の行政計画を、「地域共生社会の実現」という 共通のビジョンに向けて1つにまとめた。 ✓ 概要版については、通常、「計画のサマリー」にとどまりがちであったものを、「計画の理念を体感してもらうもの」へと位置 付けを変え、親しみやすいイラストを活用し、実際に大牟田で暮らしている人たちのエピソードを紹介する形とした。タイト ルにつけた「うずうず」は、わくわく人生サロンの際に見出した「温まる」を言葉にしたものである。この考え方(感覚)を行 政、市民と共有することを試みている。あわせて、計画策定の大牟田市側の担当者と強く理念を共感できるようになり、 それ以降計画推進全体のキーマンとなっている(現在、健康づくり課長)。
  24. 37 Copyright 2023 「疾病を前もって知ること=価値」の社会的合意 疾病の早期検知技術 知る意味のデザイン (サービスコンセプトの転換) UI 生活者 知る意味の体験デザイン

    UX 「疾病を前もって知ること=価値」の社会的合意 疾病の早期検知技術 地域の調剤薬局 睡眠センサー・睡眠レポート 生活者 新規事業における体験デザイン UX わくわく人生サロン 企業にとっての価値 ⚫ 企業としては、これまで開発してきたアルゴリズムをサービスに活かすための土台となる、「(自らのことを) 知る意味のデザイン」の知見を獲得することができた ⚫ この知見をもとに、地域のかかりつけ薬局が地域住民と対話的な関係性を構築し、自らのことを知る体験 (UX)を提供するサービスモデルを提供
  25. 38 Copyright 2023 健康福祉総合計画(2020~2021) ✓ これまで別々に策定されていた、高齢、障害、健康増進、食育など9本の行政計画を、「地域共生社会の実現」という 共通のビジョンに向けて1つにまとめた。 ✓ 概要版については、通常、「計画のサマリー」にとどまりがちであったものを、「計画の理念を体感してもらうもの」へと位置 付けを変え、親しみやすいイラストを活用し、実際に大牟田で暮らしている人たちのエピソードを紹介する形とした。タイト

    ルにつけた「うずうず」は、わくわく人生サロンの際に見出した「温まる」を言葉にしたものである。この考え方(感覚)を行 政、市民と共有することを試みている。あわせて、計画策定の大牟田市側の担当者と強く理念を共感できるようになり、 それ以降計画推進全体のキーマンとなっている(現在、健康づくり課長)。 ⚫ 個別プロジェクトでの示唆を体感的に共有し、住民・企業・行政が社会システム全体をデザインし直すため、暮らしの総 合計画ともいうべき大牟田市健康福祉総合計画の策定を大牟田市と協働 ⚫ 縦割りの行政計画でなく、統合的に地域や生活を捉え直す構造とした計画として策定。あわせて、行政リソースや過去 の実績をベースとした「今できること」ではなく、協働が期待される余白を生み出すために「今方法は見出せてないが、取 り組むべきこと」を記載
  26. 39 Copyright 2023 地域包括支援センター受託(2021~) ◯手鎌地区地域包括支援センター(公民館内) ◯三川地区地域包括支援センター(公民館内) •地域包括支援センターとは 地域の高齢者の総合相談、権利擁護や地域の支援体制づくり、介護予防の必要な援助などを行い、高齢者の保健医療の向上及び 福祉の増進を包括的に支援することを目的とし、地域包括ケア実現に向けた中核的な機関として市町村が設置しています。 厚生労働省ウェブサイトより引用

    https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/chiiki-houkatsu/ ⚫ より実践的に社会システムをデザインするため、地域に根ざす公益的な実践主体でもある地域包括支援センターを 2箇所受託。これにより、地域において発生するいわゆる「狭間の問題(システムエラー)」を受け止め、ネットワーク を通じて協働を引き出し、領域を超えて取り組むことができるようになった
  27. 41 Copyright 2023 これまでの実践を踏まえた介護予防における理念・構造の転換 ⚫ 介護予防は本人視点では意識することができない概念であることを整理し、本人視点に立ったBeing- well※(本人の力が発揮されている状態)に転換。そのうえで、関わる事業者・団体についても、従来 の医療・介護サービス事業者ではない新たな事業者・団体が担う方向で、企業や地域と協働 要介護状態にならないように 予防する

    要介護状態 介護予防 介護が必要な状態になったことがない人にとって、 それを予防するという意識を持つことができない Being-well※(本人の力が発揮されている状態) どのような状態でも、本人の存在が肯定され、 力が発揮されている状態を目指す ※Well-beingが「Well(良い状態)」を先に規定していることに対して、「Being(存在)」を肯定した上で、多 様な「Well(良い状態)」に開かれていることを目指す理念。造語。 高齢者等 • 医療・介護サービス事業者が担う • 制度の構造として、医療や介護が必要な状態 になったほうが収益が上がるため、予防に対す るインセンティブが働かない 要介護状態 高齢者等 一緒に力を引き出す(見出す) ような関わり方 • 医療・介護サービス事業者ではない事業者・団体が担う (新たなビジネス領域の可能性) • 誰もが、どのような状態になっても、社会参加ができるよう参加機会のユ ニバーサル化を図る
  28. 44 Copyright 2023 介護予防・ヘルスケア関連の一連の取り組み 中間支援組織・リビングラボ活用の 可能性と重要性 高齢者の自立支援に向けた リエイブルメントのモデル事業 ヘルスケアプラットフォームの開発 参考)Health

    Data Bank https://www.nttdata.com/jp/ja/data-insight/2022/0221/ 理念「どのような状態でも本人の存在 が肯定され力が発揮されるまち」の共 有 政策の立案と運用 リアルプロトタイププロジェクトとしての わくわく人生サロン 企業協働プロジェクト (リサーチ、サービス開発、実証等)
  29. 45 Copyright 2023 行政政策: 健康福祉総合計画策定・運用 Coデザのビジョン&ミッション 大牟田から未来をのぞき見る、 対話・体験・テクノロジー 「NINGEN Societal

    Festival」 雇用/労働のあり方を転換 する「超短時間雇用」PJ ×東大等 介護予防・ヘルスケアPJ w/ 短期集中予防サービス(市) ×NTTデータ等 Well-beingな住まいPJ ×有明高専等 社会の本質に迫る 問いと対話のメディア 「湯リイカ」 ×SMBC等 ・市民の主体性があたたまる場から、社会の価値が共創されていく場や機会づくり ・地域としての課題を乗り越え、新しい住まい・介護予防・働き方を実践するプロジェクト ・現場での実践から生まれる問いを起点に地域や社会のあり方を問い直す対話 大牟田から「人々が主体的に共創できる社会」のモデルをつくる 「わたし」として扱われる場があたたまりを生む 公営住宅モデルルームと住みこなしに必要な家具DIY (2021年~) VRで思い出の場所を散策することができる 多様な労働者のインクルージョンを実現する @超短時間雇用モデル 対話を通じて 市民の主体性があたたまる 「わくわく人生サロン」 主体的なデジタル活用をサ ポートする人材 「インフォナビゲーター」養成 講座 高齢者の主体性を引き出す デジタル体験 「VRを活用した未来の福祉 プロジェクト」 ×東大等 ・・・ 多様な市民が集った「にんげんフェスティバル」 対話を通じて未来について考える仲間が集う
  30. 47 Copyright 2023 VRを活用した地域とつながるプロジェクト ⚫ 東京大学先端研 登嶋氏が展開する「VR旅行」の取組みをベースに、大牟田に暮らすシニアや若者たちと一緒に、大牟田市内の好きな 場所や懐かしい場所を360度カメラで撮影し、介護施設に入居する方々にVR映像を見てもらうことで、「地域」や「人」とのつながりを生み 出すプロジェクト ⚫

    VR映像を見る人(例:介護施設入居者)の欲求(意欲)を引き出すこととに加えて、VR映像を撮る人(例:シニアや学生)にとっ ても、これまでとは違った形で「地域」や「人」とつながり直すきっかけづくりをめざす タイトル 方式 時間数 第1回 VRを楽しもう 座学・体験 3H 第2回 360度カメラ&VRゴーグルを試そう 座学・体験 3H 第3回 360度カメラ&VRゴーグルを深めよう 座学・体験 3H 第4回 まちを歩きVR映像を撮影しよう 撮影会 5H 第5回 VR映像を披露しに行こう 介護施設訪問 3H 本PJのベースとなる「VR旅行」WSプログラム
  31. 48 Copyright 2023 にんげんフェスティバル 大牟田から未来をのぞき見る、対話・体験・テクノロジー ⚫ これまでの大牟田での地域の実践を通じて深まっている問いや理念を、地域内外の人たちと共有し体感できる場イベン ト「にんげんフェスティバル2022」を開催(共創学会年次大会 共催) ⚫

    「IdentitieS ~わたしの行方」をテーマに掲げ、そのテーマに応じて先進的な実践をしている15名の有識者を招いた トークイベントやVRなどのテクノロジー体験などを実施。運営自体を地域関係者と共に担った。 ▪問いと対話のトークイベントのゲスト(一部) ▪大牟田駅前でのテクノロジー体験企画 ・主催:大牟田未来共創センター ・共催:地域創生Coデザイン研究所、大牟田ビンテージのまち ・後援:大牟田市
  32. 50 Copyright 2023 広義のリビングラボ: 主体的な人たち・共創活動・問いが持続的に生まれる仕掛け 共創活動 総体的・連続的 に深める問い 主体的に 動き出せる土壌

    やってみる どうあるべきか のんびりする やってみる ※木村ら(2021)持続的な活動/持続的な変化に向けたリビングラボ概念の拡張,第68回 日本デザイン学会 春季研究発表大会 CoデザHP “Our Mission”
  33. 51 Copyright 2023 社会的インパクト創出に向けた企業の関わり A.事業開発・サービス開発活動(社会的インパクトを志向するすべての企業) B.地域経営プラットフォームとしての中間支援的活動(公益的な企業、地域密着型企業など) 共創活動 総体的・連続的に 深める問い 主体的に

    動き出せる土壌 やってみる どうあるべきか のんびりする やってみる A.事業開発・サービス開発活動 B.地域経営プラットフォームとしての中間支援的活動 ※木村ら(2021)持続的な活動/持続的な変化に向けたリビングラボ概念の拡張,第68回 日本デザイン学会 春季研究発表大会
  34. 52 Copyright 2023 社会的インパクト創出に向けた企業の関わり A.事業開発・サービス開発活動(社会的インパクトを志向するすべての企業) B.地域経営プラットフォームとしての中間支援的活動(公益的な企業、地域密着型企業など) 共創活動 総体的・連続的に 深める問い 主体的に

    動き出せる土壌 やってみる どうあるべきか のんびりする やってみる A.事業開発・サービス開発活動 B.地域経営プラットフォームとしての中間支援的活動 ※木村ら(2021)持続的な活動/持続的な変化に向けたリビングラボ概念の拡張,第68回 日本デザイン学会 春季研究発表大会
  35. 54 Copyright 2023 ✓ 川上~川下のサプライチェーンをデータでつなぎ、地域林業の生産性向上や地域の経済活性化をめざす ✓ 国産材需要の安定的な供給を行うとともに、自然資本を活用した木材地域循環モデルを確立し、脱炭素社会の実現 に寄与 森林・林業DXによる自然資本循環型の地域活性化 国産材の

    活用促進 再造林促進 カーボンニュートラル 効率的な 森林経営 エネルギー 地産地消 森林 所有者 自治体 森林組合 関連 原木市場 チップ 工場 バイオマス 発電 製材所 工務店 地方銀行 メーカー 木材需給マッチング 森林調査稼働の低減 炭素クレジット創出 山林資産価値可視化 〈CO²吸収量等〉 林業施業マッチング 森林情報デジタル化 川上 川下 地域パートナー 連携・つながり
  36. 55 Copyright 2023 睡眠データの起点とした地域の健康増進サポート 勤労世代 データ・AI技術 睡眠データ 実証データ 認知機能・うつ 睡眠改善チーム

    高齢者 自治体/介護事業者 ねむりのDXサービス(睡眠改善サービス) 健康経営企業 保健師 看護師 管理栄養士 睡眠改善インストラクター ✓ ICTを用いた未病状態の発見に資するデータ提供により、健康増進のサポートを図る会社として 「NTTPARAVITA」社を共同で設立 ✓ 睡眠データを取得・解析し、睡眠改善に向けたサポートを実施することで健康増進をサポート
  37. 56 Copyright 2023 睡眠データの起点とした地域の健康増進サポート ストレス ハイリスク群 (未病) オンライン アドバイス ねむりの応援団

    (会社に知られず相談可能) ストレス適正群 産業医 生産性が 高い状態等 連携 ねむりの授業 睡眠の知識の醸成・学び 睡眠チェック ねむりの相談室 分析レポート 分析結果レポート の提出 ねむりの応援団の基本パッケージ LINEの相談窓口 ねむり改善 プログラム 伴走型の睡眠改善で トータルサポート 睡眠改善オプション ストレスチェックのハイリスク群への睡眠改善による社員の健康促進と生産性向上 ✓ ストレスチェックハイリスク者の希望者を対象として、秘匿性を保ちながら睡眠改善をサポートすることで、 社員の生産性の向上、ワークエンゲージメントの向上、離職対策を実現
  38. 57 Copyright 2023 社会的インパクト創出に向けた企業の関わり A.事業開発・サービス開発活動(社会的インパクトを志向するすべての企業) B.地域経営プラットフォームとしての中間支援的活動(公益的な企業、地域密着型企業など) 共創活動 総体的・連続的に 深める問い 主体的に

    動き出せる土壌 やってみる どうあるべきか のんびりする やってみる A.事業開発・サービス開発活動 B.地域経営プラットフォームとしての中間支援的活動 ※木村ら(2021)持続的な活動/持続的な変化に向けたリビングラボ概念の拡張,第68回 日本デザイン学会 春季研究発表大会
  39. 59 Copyright 2023 リビングラボに関するこれまでの活動 NTT研究所・NTT西日本はこれまで福岡県大牟田市や奈良県奈良市をフィールドとしたリビングラボによる社会課題 解決PJの実践を実施してきた。 大牟田・奈良での自治体連携・地域課題解決・企業サービス開発などの実績を踏まえ、新事業体設立を検討。並行 して、地域活性化プロジェクトの加速を狙いとした事業体検討と重なり、2021年7月、地域創生Coデザイン研究所 設立。 2018/02~12

    2019/08~2020/07 2017/05 大牟田共同実験1 (大牟田市・N西・EV研) リビングラボ構築・運営の検証 大牟田共同実験2 (大牟田市・センター・N西・EV研) 社会課題解決PJ実践 2019/04 大牟田市 関係者との対話 2021/07 新事業体 設立を検討 ▲4月 大牟田未来共創 センター設立 <これまでの主な活動> 地域創生 Coデザイン 研究所設立 奈良共同実験 (奈良市・TOMOSU・N西) 社会課題解決PJ実践 奈良市 関係者との対話 2016/10 デンマーク 共同研究 リビングラボ実践 ノウハウの言語化 リビングラボ研究 プロジェクト開始
  40. 60 Copyright 2023 大牟田未来共創センター(ポニポニ)の設立(2019) ⚫ 「認知症」や「高齢者」などの福祉に閉じた課題設定や取り組みでは、地域においてさまざまな領域で生み出される社会 課題や地域創生を視野に入れたアプローチが難しい状況であった ⚫ 認知症ケアで見出されたコンセプトを深め、セクターや領域における縦割りを横断し、既存の社会システムから“独立しな がら埋め込まれる主体”として官民協働で大牟田未来共創センターを設立した(2019年4月)

    大牟田未来共創センター 大牟田市 地域資源 地域・住民 縦割りの打破(調整)、政策展開支援 ビジョンの共有 共創 共創 地域資源の価値を再構築 地域・住民との協働 福 祉 教 育 産 業 地域内のアクター (市民団体、 地場企業など) 地域外のアクター (国内外企業、 研究機関等) ¥ ¥ ¥ ¥ ¥ ¥ ¥ ¥ ¥ ¥ ¥ ¥ ¥ 国 予 算 制 度 事 業 基礎 自治 体 予 算 制 度 事 業 地域 実 践 取 組 対 象 多世代・横断 政策的統合 大牟田未来共創センター 統合的 アプローチ 計画 統合的実践 支 援 支 援 モデル提案
  41. 61 Copyright 2023 総合ICT事業 グローバル・ソリューション事業 その他(不動産、エネルギー等) 地域通信事業 県内通信サービス 携帯電話 県間通信サービス

    国際通信サービス システム開発 システムインテグレーション ネットワークシステム クラウド データセンター 不動産 エネルギー NTTグループフォーメーション
  42. 62 Copyright 2023 う 西日本30府県に支店を設置 地域密着力・現場力 (営業・サポート・保守部隊を保有) 技術力 (ローカル5G・IOWN等) 住宅

    エンタメ 製薬 メディア インフラ 観光 防災 教育 民間企業 自治体 環境 ・・・ ・・・ NTT西日本グループの強み
  43. 64 Copyright 2023 ビジョン :人々が主体的に共創できる社会へ ミッション:生活者とその暮らしの目線に立ち、生活者やパートナーが 主体性を発揮できる対話的関係・環境を重視し、 ともに持続可能な社会づくりに向けた価値を探索し生み出しつづける 人々が 主体的に共創できる社会

    ②地域の人々とともに 社会課題を解決する事業創出 ①本質的なサービス・政策創出の基盤となる 新しい地域の仕組み(社会システム)の構築 地域の内部に入り込み、 中立的・統合的な立場でビジョン策定 地域経営(政策×ビジネス)のアプローチで 課題探索・解決を主体的に実施 真の暮らしの価値の理解 ビジネス価値追求 ねらい・ゴール 地域のビタミン 地域の体質改善 (=新しい社会システム探索) ③社会課題解決サービス・ 地域経営を変革するPF等の デジタルツールの構築 地域創生Coデザイン研究所 (Co-Designing Institute for Polyphonic Society) Coデザのミッション
  44. 65 Copyright 2023 ポリフォニー(Polyphony)の由来 • 本来、polyphony とは、複数の独立したメロディからなる多声音楽のこと。 • 「ドストエフスキーの詩学」において文芸学者バフチンは、作者が登場人物を意のままに操り、それを通して作者の思想 を表現するという既存のヨーロッパ的形式をもつモノローグ小説とは対照的に、ドストエフスキーの小説では登場人物が

    作者と対等の存在として設定され、それぞれのイデオロギーや階層といった社会的差異を前提としつつ、融合していない 自立した複数の声や意識が織りなす対話的関係によって、高度な統一を実現していく構造をもつことを指摘した。 • また、「中動態の世界 意志と責任の考古学」において哲学者國分は、本来の人間の意図や欲求とは本人と周囲の 関わりの中で対話的に形成(例:惚れる)されるものであり、社会的要請によって作られた近代の意思概念は、その 本来の対話的な因果関係を切断し、純粋な自発性があるとし、責任を問うための根拠にされていることを指摘している。 そして、医療・福祉の分野における意思決定支援のあり方に問題提起をしている。 ポリフォニック ソサエティ(Polyphonic Society) 社会を構成する一人ひとりが、ひとつに物語(シンフォニー)に回収されるこ となく、つながりの中で価値をもち、力を発揮していける(人々が主体的に 共創できる:ポリフォニー)社会
  45. 66 Copyright 2023 地域創生Coデザイン研究所の事業内容 地域社会や住民のウェルビーイング向上を実現する地域創生 NTT西日本グループの地域創生の無形資産 (知見やノウハウ等) 課題探索 シナリオ構想 実行計画策定

    シナリオ検証 社会実装 ②多様なサービス・ データ活用による 構想の具現化追求 ①地域への深い入り 込みによる真の地域 課題・ 解決プロセスの探索 ③活動地域・事業領 域の連鎖による広い 社会への浸透・波及 地域創生に志を持ち、多様な経験を有する多彩なメンバーの集結 ・・・ ・・・ “持続可能な共創循環”の創出・推進 地域創生Coデザイン研究所 サービスメニュー • リビングラボにおける社会実装伴走 (大牟田リビングラボなど) • 日本リビングラボの視察サポート • リサーチ・新規事業サポート • 人材育成研修 • 地域DXヒアリングサポート • デジタルデータビジネスサポート
  46. 67 Copyright 2023 【宮崎県】 森林・林業DXによる自然資 本循環型の地域活性化 【福岡県大牟田市】 超高齢社会の人の暮らしを中心と した地域創生モデルの実現 67

    【愛媛県西条市】 自助・共助を育む 協働と共創のまちづくり 【大分県】 地域共同雇用による 障がい者の就労モデルの確立 【福井県坂井市】 地域資源をいかした観光まちづくり 全30府県で展開する地域創生プロジェクト(2019年9月~)
  47. 68 Copyright 2023 自治体への提供価値 ウェルビーイングな政策形成支援・都市OS運用 0. フラットな対話・多様な声を知る 実行可能性に縛られないフラットな価値の対話が できる関係性を構築(ローカルダイアログ等) 1.

    情報収集・実働チーム組成 ファクト分析、現場関係者・自治体原課のキーマン との対話から実働チーム組成(VoC等) 2. 地域コミュニティ活動プロトタイピング 市民や自治体職員が価値を実感できる、具体的 な課題解決活動のプロトタイピング 3. 政策形成支援 実感した価値を統合的にまちづくりに生かすための 政策立案 4. 都市OS設計・構築・運用 統合的なまちづくりを実現する手段としてのICTソ リューションの活用 行 政 教 育 交 通 観 光 防 災 健 康 自治体 ・・・ ③政策形成支援 ・・・ ウェルビーイング向上 ②地域コミュニティ活動プロトタイピング ※LWCI等の指標を活用 ①情報収集・実働チーム組成 住民のウェルビーイングな暮らしやサスティナブルな地域を実現するために、縦割りの政策やサービスによる問題 解決だけでなく、統合的なアプローチで、プロトタイピングや政策形成に取り組む 住民 ④都市OS設計・構築 ※政策の一部をICTを活用して実現
  48. 69 Copyright 2023 企業への提供価値 新規市場を見出すリサーチと社会実装の伴走 一般的な共創アプローチ ・表層を捉えた部分的リサーチ(インク ルーシブデザイン、コミュニティデザイン 等) →企業の仮説の域を出ないリサーチ結果

    ・一方的な機能の検証実験 →企業の押し付けの仮説に対して市民 はフィードバックはするが、主体的に関わる ことは難しい(実証実験に人が集まらな い、実証実験止まりになる) 大牟田リビングラボ 1.現場で違和感/当事者性を持つ(目の前の 問題) 2.社会的背景の分析(構造的問題) 3.有識者らとの理念への問い対話 →新たな社会モデルのヒントとなるリサーチ結果 4.理念に基づいた仕組みの実装PJ →市民は自身の違和感/当事者性につながる問 題に対して、大牟田未来共創センターとともに主 体的に社会実装に関わることができる 競争多 高コスト ローリターン 低付加価値 競争少 低コスト ハイリターン 高付加価値 地域のデジタル街づくり、「実験ありき」で7割成果な し,日経新聞(2023.1.11) ※Kimura et al.(2022),Social System Design Methodology for Transitioning to a New Social Structure, In Proc. of Open Living Lab Days 2022.
  49. 73 Copyright 2023 日本リビングラボネットワーク JNoLL(Japan Network of Living Labs)は、日本において共創やリビングラボの実践がさらに活性化し、普及す ることを目指して、日本のリビングラボ実践者・研究者により設立された団体です。アカデミア、プレイヤーが立場を超えてフ

    ラットにつながり、実践知や課題を共有し合うことで、さらなる実践や成果をもたらす場や機会をつくり出しています。 リビングラボ運営者支援メニュー 日本のリビングラボ実践者ネットワーク &実践知対話会 実践を支えるフレームワークの 研究開発 チーム組成& ビジョン形成 計画立案・ 共有 予算・ 契約 具体的な 共創 価値の 振返り・ 発信 国内実践者・研究者と共に、事例対話の分析を通じ て実践支援の核となるフレームワーク等を研究開発 25地域の実践者が集い、コアチームを組成し、 実践者による実践者のためのコミュニティを運営。 1000名を超えるリビングラボ関心層に発信可能なネットワーク (企業7割,自治体2割,研究者1割) 研究開発の知見を核に、体系化されたリビングラボ運営者支 援メニューを開発中
  50. 74 Copyright 2023 日本のリビングラボの年表と分布 2005.03 仙台フィンランド健康福祉センター 2006.09 Lions Living Labo

    2010.01-2014.03 湘南リビングラボ 2010.11 経産省 情報政策課 リビングラボ紹介 「情報政策の要諦ー新成長戦略におけるIT・エレクトロニクス政策の方向性」 2011.10 みんなの使いやすさラボ(みんラボ) 2012.03 BABAラボ 2012.08 富士通総研 リビングラボ研究レポート 2012.10 おたがいさまコミュニティ 2013.02 Living Lab Tokyo 2013.07 Virtual Living Lab 2014.12 松本ヘルスラボ 2015.01 三浦リビングラボラトリー 2015.04 子育てママリビングラボ 2015.09 Cyber Living Lab 2016.01 八千代リビングラボ 2016.06 みなまきラボ 2016.07 産総研スマートリビングラボ 2016.07 東急WISE Living Lab 2016.11 鎌倉リビング・ラボ ほか5件 2017.01 井土ヶ谷アーバンデザインセンター(井土ヶ谷リビングラボ) 2017.05 ともに育むサービスラボ(はぐラボ) 2017.06 福岡ヘルス・ラボ 2017.09 経産省 ヴィンテージ・ソサエティ構築実証事業(リビングラボ4 件) 2017.09 神奈川ME-BYOリビングラボ 2017.10 高石・僥倖リビング・ラボ 2017.12 ドリームハイツ ヘルスケア リビングラボ(とつかリビングラボ) ほか9件 2018.02 大牟田リビングラボ 2018.03 横浜リビングラボ創生会議 2018.04 第一回リビングラボネットワーク会議 2018.04 こまつしまリビングラボ 2018.07 経産省 「未来の教室」実証事業(大牟田リビングラボ含む4件) 2018.10 サイクル・リビングラボ 2018.11 地域共創リビングラボ ほか10件 2019.02 Well Being リビングラボ 2019.03 第二回リビングラボネットワーク会議 2019.10 岡山リビングラボ ほか3件 2020.07 関内リビングラボ 2020.08 厚労省 「介護ロボットの開発実証普及のプラットフォーム事業」 (リビングラボ6件) 2020.03 経産省 リビングラボにおける革新的な社会課題解決サービスの 創出に係る調査 2020.10 おやまちリビングラボ 2020.11 奈良リビングラボ ほか8件 凡例) オレンジ色:日本全体の動き 黒色:他の日本での取り組み ※木村 (2021)「高齢者を支える技術と社会的課題」第5章 リビングラボの可能性と日本における構造的課題、 (調査資料2020-6)国立国会図書館調査及び立法考査局 ※日本リビングラボネットワーク 実践事例部会調べ ( 2023/04 時点 )