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JTCにおける内製×スクラム開発への挑戦〜内製化率95%達成の舞台裏/JTC's challe...

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September 09, 2025

JTCにおける内製×スクラム開発への挑戦〜内製化率95%達成の舞台裏/JTC's challenge of in-house development with Scrum

2025年8月28日開催「LIXIL・イオンに学ぶ 内製開発による事業貢献 ─推進と文化醸成のリアル Tech Seminar」の登壇資料です
イベントページ https://findy.connpass.com/event/362971/

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September 09, 2025
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  1. 会社紹介 社名 :イオンスマートテクノロジー株式会社 (AEON Smart Technology Co., Ltd.) ※イオン株式会社100%子会社 設立

    :2020年10月 所在地 :千葉県千葉市美浜区中瀬1-5-1 イオンタワー11・12F 代表者 :代表取締役社長 ジェリー ブラック 資本金 :69億9,000万円(2023年12月22日) 事業内容:情報システムサービス 従業員数:454名(2024年12月) 3
  2. 内製開発を始めて3年、スクラム導入を軸に役割がどう変わってきたか・・・ 16 黎明期 スモールスタートによ る成功体験の積み上げ 成長期 内製開発を主体化へ スケール化による 開発力強化・確立 拡大期

    さらなるスケール化、 次のステップに向けた 準備期間 成熟期へ・・ 黎明期の取り組み ・内製チーム組成 ・スクラム導入(トレーニング) ・メンバーの専任化 成長期の取り組み ・QAメンバー参画 ・チーム分割(2チーム) ・LeSS導入 ・スクラムフォローアップ ・アジャイル開発者検定受験 2022/10 2023/9 2024/1 拡大期の取り組み ・チーム分割(3チーム) ・スクラムマスター増員 ・統合バックログ導入 ・POトレーニング ・MagicPod導入 ・スキルトランスファー 主な案件・要件 ・GAタグ ・バーコード一回スキャン ・BoltzEngine ・iAEON三周年記念 主な案件・要件 ・耐障害性向上 ・レシートレス ・アプリ間連携 ・現金チャージ 主な案件・要件 ・電子マネーWAON対応 ・イオン九州ガッチャ対応 2025/ 今このあたり 内製化3年目、変化する役割とやるべきこと 翁長 矢追 関根
  3. 成長期 内製化3年目、変化する役割とやるべきこと CTO・シニアマネージャーの入社で体制強化。 LeSS導入など、初めての取り組みもあり、 引き続き自分が主体的に進めた ・CTOの鶴の一声で、LeSS導入に向けた動きが加速 ・スクラムマスター兼アジャイルコーチとして、 導入と育成を推進 ・先を見据えて、内製スクラムマスターの育成や、 統合バックログの仕組み検討に着手

    ・拡大期に向けたスケール化や内製化の課題は、 シニアマネージャーと相談しながら進行 ⇒この時期は「船頭一人」が適切な選択。 任せてくれたCTO・シニアマネージャーに深く感謝 https://less.works/jp 翁長 シニアマネージャー がジョイン! LeSS導入後の チーム体制 2ヶ月で 2チーム化~
  4. 拡大期 内製化3年目、変化する役割とやるべきこと スクラムマスターは、1人から3人体制へ。 チームの成長に伴い、支援スタイルも サーバント型へと変化 ・業務をシェアすることで、3チームへのスケール化 に対応 ・Scrumチームの成長にあわせて、支援スタイルも サーバント型に ・支援の注力領域をPO支援やバックログ管理にシフト

    ⇒「船頭一人」のスタイルから、多様な意見を活かす 支援スタイルへ。それに伴い、チーム内での役割も 変わるぞなもし… 翁長 矢追 関根 スクラムマスター の位置に注目w 3チーム化 直後のチーム 現在のチーム 新たな シニアマネージャー もジョイン!
  5. 矢追 かおる Yaoi Kaoru 自己紹介 33 • 業務アプリケーションのプログラミング • プロジェクトマネジメント

    • ウォーターフォール型開発 • 約10年前にアジャイル開発と出会い衝撃を受け、それ以来プ ロダクトオーナー、スクラムマスターとしての道を歩む。 • 2024年4月にイオンスマートテクノロジーへ入社 • Scrum Inc. 認定プロダクトオーナー
  6. 内製チームのこれまでの歩み JOINしたときの内製チーム 35 黎明期 スモールスタートによ る成功体験の積み上げ 成長期 内製開発を主体化へ スケール化による開 発力強化・確立

    拡大期 さらなるスケール 化、次のステップ に向けた準備期間 成熟期? 黎明期の取り組み ・内製チーム組成 ・スクラム導入(トレーニング) ・メンバーの専任化 成長期の取り組み ・QAメンバー参画 ・チーム分割(2チーム) ・LeSS導入 ・スクラムフォローアップ ・アジャイル開発者検定受験 2022/10 2023/9 2024/1 拡大期の取り組み ・チーム分割(3チーム) ・スクラムマスター増員 ・統合バックログ導入 ・POトレーニング ・MagicPod導入 ・スキルトランスファー 主な案件・要件 ・GAタグ ・バーコード一回スキャン ・BoltzEngine ・iAEON三周年記念 主な案件・要件 ・耐障害性向上 ・レシートレス ・アプリ間連携 ・現金チャージ 主な案件・要件 ・電子マネーWAON対応 ・イオン九州ガッチャ対応 2025/ 今このあたり 矢追
  7. 黎明期〜成長期の名残 JOINしたときの内製チーム 37 ジョインして黎明期〜成長期の名残がチームに色濃く根付いていることに気づく 成功体験をしてきた (失敗を事前に排除) 課題を自分たちでカイゼンしていくと いうプロセスに戸惑い スクラムの制約 こうしないといけない

    「なぜ?」「なんのために?」 があがらない やり方を考えることを放棄 開発チームのタスクは時間ベー スで割り振り 計画どおりにスプリント内で 着地させることに達成感 各役割(ロール)の責務を こなすことに必死 役割(ロール)間に溝 チームのことはチームで決定し、行動できるようにならなければ⋯ 補助輪外すタイ ミング
  8. スクラムは「目的」ではなく「手段」である スクラムの先へチームの可能性を引き出すために 変わっていきたい チームで決める 自分たちで変える チームは自分たちのもの。自分た ちで変えていく、自分たちでつ くっていく 振り返りの重要性を再認識 心理的安全性の確保

    役割のにじみだし ロールや個人で責任を切り分ける のではなく、にじみだすことが大 事。チームで起こるすべてのこと を「自分ごと化」していく文化 変化を楽しむ 良いモノ創りを称え合う 変わることは良きこと。 チャレンジするは良きこと。 いい仕事ができたらみんなで称え 合うことでチームで同じゴールが 見えるようになる 変わっていきたい 1 2 3 39 向き合うべきはタスクではなくプロダクトの価値を最短でどのように届けるのか?
  9. スクラムマスターとしてやったこと(1) 変わっていきたい 40 1.チームで決める 自分たちで変える 2.役割のにじみだし 3.変化を楽しむ 良いモノ創りを称え合う ・チームにとってどうだったら嬉しいです?メッセージ ・1on1と振り返りで点と面の両面での状況把握とフォロー

    ・透明性の確保(何事もなるべくオープンな場で) ・Role間のこぼれたボール拾い(大声 または 華麗にパス) ・タスクではなくリリース(価値を届ける)に目を向ける仕掛け ・ビジネスと直接会話できる環境(チャット・ツール)作り スクラムマスター間でも情報を共有し議論を重ね 週1TRY出しと振り返りを実施 サーバントリーダーに徹した草の根運動 真のリーダーかはわからんけど、結局やってることってこれ
  10. その結果⋯ その結果(1) 嬉しい声が聞こえる 46 オープンな場で 「なぜやるんですか? 」 「どういう目的ですか? 」 「今日のイベントのゴールはなんですか?

    」 その他⋯ 「ステークホルダーとの交渉も直接やりますヨ」(by エンジニア) 「(本来はPOがやるべきことでも)誰がやってもいいので開発チームで引き取ります」 「実は前から感じてたんですが、、、」 「品質保証の観点から◯◯も確認した方がいいと思います」 みんなの声が 聞こえる… どんな声でも大歓迎!声がないとなにもわからないのよ⋯(商売あがったり)
  11. その結果⋯ その結果(2) スクラムイベントが変化 47 デイリー(チーム) 日数の¼はScMがファシリ → 司会進行と全体での概況報告はDev主体へ デイリー(全体) 各チームの状況報告とScMからの連

    絡事項がメイン → 毎日リリースノート(月1のリリース案件絡みの 諸々を一元化)を見る!ここで色々な発見があり盛 り上がるw プランニング 約2日費やす。ScMがストーリー、サ ブタスクの中身チェック → 全員の協力で事前準備とムダを省き2日→1日に 短縮(早く終ることでのメリットを全員で腹落ち) スプリントレビュー ScMが全体ファシリテーション。ビ ジネスへの共有・確認メイン → 各レビュー担当者がリレー方式で自ら進行。ビジ ネスメンバーもチャットでワイワイ レトロスペクティブ 本音は少な目。過去の振り返りで出 た内容の進捗に時間を費やす → 発言率UP。良くも悪くも盛り上がる 自分達の働き方を1mmでも良くするための時間と いう認識が定着 リファインメント 完全にScMが進行、問いかけ実施 → POが主体で進行
  12. その結果⋯ その結果(3) そして気付いたこと 48 • 閉塞的になりやすいチームに新しい風(チャレンジングな案件、メン バー、チーム編成など)は必要。 • 同時に、新しい意見・気付き・つぶやきを歓迎して、それをチームの TRYにしていける文化を醸成することもとても大事。

    • 現状に満足することなく常にチャレンジしていくチームは 新しくジョインした人にも雰囲気で伝わる。 メンバーが変わってもその文化は継承できる。 新しい風を心から歓迎し自らの力にできるチームは強い
  13. まとめ 成長期→拡大期において • 誰かが引っ張るチーム → 自分たちで変えていくチームへ • チームの文化も自分達で作る。そしてそれはメンバーが変わっ ても継承できる •

    個人のタスクではなくチーム全員でプロダクトを通じての価値 提供に向き合う まとめ 50 チームの自律性とアウトカム志向を育てることで ASTの開発はさらに進化していく
  14. テックブログ Meetup SNS オウンドメディア 1 2 3 4 お知らせ イオングループのエンジニ

    アたちにより、 Zennの Publicationで運用されてい るテックブログ 毎月オンライン or オフライ ンで実施されているAEON主 催のテック系イベント AEON TECH HUB関連の活 動についての情報をポスト していきます AEONグループの社員インタ ビューや登壇レポート、イ ベントのお知らせなどの 様々な記事をお届けします 65