LINE Blockchain について
2020.09.29 荒川
LINE のブロックチェーンに関する取り組み
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課題意識:ブロックチェーンは構築・展開のコストが障壁で実用化に至っていない → これまで LINEが培ってきた技術を展開しブロックチェーンの普及を目指す
LINE Blockchain 2018.8- 独自ブロックチェーン
LINE Blockchain Developers 2020.9- ブロックチェーンサービスを簡単に構築できる開発プラットフォーム
BITMAX / BITMAX Wallet 2019.9- / 2020.9- LINE アプリ内、Web で利用可能な取引所およびウォレット LINE の友だちにアセットを送信できる
※ その他、米国向け取引所 BITFRONT も運営
LINE が課題としていること
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投機的
通貨の価格が成功の指標となっているプロジェクトが多い
不均衡
稼働前から通貨を発行し、初期のマイナー・投資家が多くの利益を得ているプロジェクトが多い
UX
高い注目を集めているdAppでさえ、多くのユーザーにとっては使いにくい
課題をどう解決するか
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ユーザーへのインセンティブ
エコシステムに貢献したユーザーに対して、インセンティブとして LINK を付与する(LINE 側がサービスを認定)
均衡の取れたエコシステム
ICO を行わない
LINKを共通の暗号資産として用いる
UX
使いやすさを重視した開発者向けプラットフォーム
LINE Blockchain エコシステム
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LINKトークン
LINE Blockchain の概要
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複数チェーンが相互接続される(”LINEAR Network”)
仲介役のルートチェーンと、各サービスごとのリーフチェーン
PBFT アルゴリズム
平均 2 sec 以下のブロック確認時間(遅くとも、通常 < 6 sec)
1000+ TPS
LINE Blockchain のトランザクション
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Ethereum を参考に設計しているようにみえる
プロパティ
説明
height
ブロック番号
txhash
トランザクションハッシュ
codespace
エラー情報(エラー発生時のみ)
code
エラーコード(エラー発生時のみ)
index
トランザクションの連番
data
関数の戻り値(戻り値がある場合のみ)
logs
イベント情報
gas_wanted
最大 Gas
gas_used
実際に使用した Gas
tx
トランザクションのタイプ、送付額、署名、メモなどが入る
LINE が提供する仕組み
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Reward dApps
LINK 事務局から割当を受け、ユーザーへ LINK をインセンティブとして付与できる dApps
dApp 支援プログラム
LINKの活用や、LINE Blockchainエコシステムへの貢献度が高いと判断されたdApp開発者を選定し、資金・技術支援を行う
LINE Blockchain Developers の概要
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LINE Blockchain の RESTful API 提供(秘密鍵は LINE 側が管理)
アイテム・通貨など独自トークンを、コンソール / API で発行できる
ユーザー情報、トランザクション、収益データなどを管理できる
ブロックチェーンサービスで利用できるトークン
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LINK トークン(テストネットの場合は Test Coin トークン) LINE Blockchain 共通の通貨(購入用、ユーザーへの報酬など) コンソールで送付できる
サービストークン dApp 内で使える通貨(独自ポイントなど) コンソールで作成・発行できる
アイテムトークン dApp 内で使える FT / NFT (ゲームのアイテムなど) コンソールで作成・発行できる
LINE Blockchain で dApp を開発する流れ
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LINE ID で、LINE Blockchain Developers に登録
コンソールでサービス作成
コンソールでサービストークン・アイテムトークンを作成・発行
アプリへのLINE ログインの統合(Web, iOS Swift, iOS Objective-C, Android, Unity)
RESTful API による LINE Blockchain との接続・操作
dApp の例
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https://docs-blockchain.line.biz/sample-services/Mage-duel
LINE Blockchain のトークン規格
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サービストークン(FT)
名前・メタデータ(最大1000文字)・画像URI を設定/変更できる
アイテムトークン(FT / NFT)
まずコレクションを作成し、コレクション内に FT / NFT を作成できる
名前・メタデータ(最大1000文字)・画像URI を設定/変更できる
NFT は、親子関係を作れる
Approve 機能により、Transfer を他のアカウントに移譲できる
LINE Blockchain の現状
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基本的に、dApp 内で完結するエコシステムを想定(現状、サービス間のトークンの売買はできない. 公式に NFT 取引マーケット機能が提供される予定)
ブロックチェーンとのやり取りはすべて RESTful API 経由であり、サービスに未ログインのユーザーはトークン送付等できない(=LINE ID 必須、年齢制限あり.他の認証サービスの対応予定なし)
独自コントラクトの作成については、情報なし
miime × LINE Blockchain
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現状、他のサービスの NFT 情報を取得できないので、NFT マーケットをつくれない。なお現在、公式の NFT マーケットを準備中とのこと
LINE ログイン機能を入れて、REST API を叩けばよいだけなので、特別な技術習得は必要なく、導入自体はスムーズにできそう(ただ、他サービスと連携できないが…)
Ethereum の NFT を持っていることで、新たに LINE Blockchain に NFT を発行できて、なにかできるとか・・・?
所感
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LINE の独自フレームワークを使って何かを作れる、というイメージ
現状は、サービス間の連携ができないので、2次流通マーケットなどはつくれない
とはいえ、LINE が抱えるユーザー数(半数は日本)は魅力
今後、公式の NFT マーケット機能など、サービス間の連携機能がでてくる可能性が高いので、リリースされるサービスなども含めて動向をウォッチしたほうがよさそう
参考
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LINE Login Integrationhttps://developers.line.biz/en/docs/line-login/
LINE Blockchain - API Guidehttps://docs-blockchain.line.biz/api-guide/
LINE Blockchain - Whitepaperhttps://blockchain-org.line-apps.com/ja/whitepaper/
BITMAX Walletの手引きhttps://note.com/line_blockchain/n/n6aa0765fe51e
LINEがブロックチェーンサービス開発プラットフォーム「LINE Blockchain Developers」提供開始 | TechCrunch Japanhttps://jp.techcrunch.com/2020/08/26/line-blockchain-developers/
LINE、ブロックチェーンサービス開発プラットフォーム「LINE Blockchain ...https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000002486.000001594.html