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BitVM
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shigeyuki azuchi
May 28, 2024
Technology
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44
BitVM
GBECの解説動画のスライドです。
https://goblockchain.network/2024/05/bitvm/
shigeyuki azuchi
May 28, 2024
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Transcript
BitVM
1 BitVM 現状のBitcoinのコンセンサスルールで、 Bitcoin上で任意の計算の検証を可能にする https://bitvm.org/bitvm.pdf
2 任意のロジックを回路にコンパイル 【一般的なプログラム】 1. 高級言語を使ってコードを記述する 2. コンパイラが最終的に機械語(0 or 1)に変換 3.
専用回路(CPUなど)でそれが実行される あらゆる計算はなんらかの回路の形で表現できる BitVMではNANDゲートのみを使用↑ (NANDゲートの組み合わせで他の論理ゲートは構築可能) OR AND XOR NOR NAND
3 Bitcoin ScriptでNANDゲートを実現 Bitcoin Scriptの2つのopcodeを使えばNANDゲートを実現できる: • OP_BOOLAND スタックから2つの要素を取得して、両方とも非0であれば1を、 それ以外であれば0をスタックにプッシュする
• OP_NOT スタックから1つ要素を取得して、要素が0 or 1の場合それを反転して スタックにプッシュ 記述を簡素化するため↑の組み合わせをOP_NAND opcodeとする。
4 Bit Value Commitment NANDゲートの入力値、出力値に対するコミットメント OP_IF OP_HASH160 <hash1> OP_EUALVERIFY <1>
OP_ELSE OP_HASH160 <hash0> OP_EUALVERIFY <0> OP_ENDIF 入力値に対して0 or 1の値を出力するスクリプト • 2つのハッシュ値(hash0、hash1)を使ったハッシュロック • hash0のプリイメージが提供されると0が • hash1のプリイメージ提供されると1が出力される 記述を簡素化するためこの機能を OP_BITCOMMITMENT opocdeとする
入力A、B、出力YのNANDゲートのコミットメント 各A, B, Yのhash0, hash1のプリイメージが提供されると
スクリプトにより、 A NAND B == Y が評価される。これが成立する場合のみアンロック可能 5 Logic Gate Commitment Bit Value Commitmentを組み合わせたゲートへのコミットメント # 出力Yの提供 <Yのhash0 or hash1のプリイメージ> OP_BITCOMMITMENT OP_TOALTSTACK # 出力値をアルトスタックに移動 # 入力Bの提供 <Bのhash0 or hash1のプリイメージ> OP_BITCOMMITMENT OP_TOALTSTACK # 入力値となる結果をアルトスタックに移動 # 入力Aの提供 <Aのhash0 or hash1のプリイメージ> OP_BITCOMMITMENT # 入力Bの値をメインスタックに移動 OP_FROMALTSTACK OP_NAND # A NAND Bの結果がスタックにプッシュされる # アルトスタックからYを読み込み OP_FROMALTSTACK # A NAND B = Yかどうかチェックする OP_EQUALVERIFY
Logic Gate Commitmentを組み合わせると任意の回路を構成できる
例:4つの入力(A, B, C, D)と8つのゲートを持つ回路 ※ ただし、任意の計算をする場合、数十億個の巨大な回路になる 6 Binary Circuit Commitment
7 Taptreeへのエンコード 回路を構成したら、回路内の 各Logic Gate Commitmentをリーフノードとした Taptreeを構成する
各ゲートに対する入力値と出力値を提供すればツリー内の任意のゲートを実行できる
8 チャレンジ&レスポンス 【ここまで】 1. 任意のロジックを回路にコンパイル 2. 回路に対するBinary Circuit Commitmentを作成
3. 回路内の各Gate CommitmentをリーフとしたTaprootスクリプトを構成 → 任意のロジックの検証が可能なBitcoin Scriptを実現 【検証】 基本的に証明者がコミットしたロジックの計算結果をオフチェーンで提供 その結果に誤りがある場合、ペナルティを課せる。 • 検証者は証明者に特定のゲートの実行を要求 • 証明者は指定されたゲートの実行結果で応答
証明者と検証者はセットアップ時にチャレンジ&レスポンス用の事前署名済みTxチェーンを用意 9 チャレンジ&レスポンス • 検証者がチャレンジを開始 • 検証者がFraud Proofを提示
• 証明者が1週間待機 • 証明者が結果を返答 • 検証者が1週間待機 検証者がプリイメージを 提供して実行ゲートを指定 証明者は指定された ゲートを実行
証明者が誤った計算結果を提供した場合、検証者が資金を没収できる 10 チャレンジ&レスポンス 証明者のレスポンスでは、2つの入力と出力値について、 0 or 1を返すために各値について、hash0とhash1のいずれかのプリメージを公開する
preimage A0 or A1 preimage B0 or B1 preimage E0 or E1 不正な計算結果を提供する場合、 同じ入力/出力値に対して異なる値が提示されることになり その値の0と1を表す2つのプリイメージが公開される。 その場合、2つのプリイメージの提供により 検証者はコインを没収できる。
11 BitVMの制限 • プロトコルの参加者は2名に限定される • 任意の計算をBitVM用の回路にコンパイルする高級言語はまだない • 任意の計算の回路を作成する場合、ゲートの数は膨大になり、
保持するデータ量も膨大になる(数百MB〜数GB) • Fraud Proofベースの仕組みで、基本的に任意の計算をオンチェーンで実行する仕組みではない • チャレンジの際、どのゲートを実行すれば効率的に証明できるのか判断するのは難しい BitVM 2へ