Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
BitVM
Search
shigeyuki azuchi
May 28, 2024
Technology
0
46
BitVM
GBECの解説動画のスライドです。
https://goblockchain.network/2024/05/bitvm/
shigeyuki azuchi
May 28, 2024
Tweet
Share
More Decks by shigeyuki azuchi
See All by shigeyuki azuchi
プロアクティブ秘密分散法
azuchi
0
3
v3トランザクションリレー
azuchi
0
8
ランポート署名
azuchi
0
33
Replacement Cycling Attack
azuchi
0
44
Bitcoinのタイムロックの仕組み
azuchi
0
33
Inner Product Argument
azuchi
0
72
Codex32
azuchi
0
27
PSBT
azuchi
0
66
Trampoline Payment
azuchi
0
18
Other Decks in Technology
See All in Technology
Exadata Database Service on Dedicated Infrastructure(ExaDB-D) UI スクリーン・キャプチャ集
oracle4engineer
PRO
2
3.2k
Shopifyアプリ開発における Shopifyの機能活用
sonatard
4
250
AI前提のサービス運用ってなんだろう?
ryuichi1208
8
1.4k
DynamoDB でスロットリングが発生したとき/when_throttling_occurs_in_dynamodb_short
emiki
0
260
OS 標準のデザインシステムを超えて - より柔軟な Flutter テーマ管理 | FlutterKaigi 2024
ronnnnn
0
240
なぜ今 AI Agent なのか _近藤憲児
kenjikondobai
4
1.4k
ドメインの本質を掴む / Get the essence of the domain
sinsoku
2
160
100 名超が参加した日経グループ横断の競技型 AWS 学習イベント「Nikkei Group AWS GameDay」の紹介/mediajaws202411
nikkei_engineer_recruiting
1
170
データプロダクトの定義からはじめる、データコントラクト駆動なデータ基盤
chanyou0311
2
330
ISUCONに強くなるかもしれない日々の過ごしかた/Findy ISUCON 2024-11-14
fujiwara3
8
870
Incident Response Practices: Waroom's Features and Future Challenges
rrreeeyyy
0
160
AWS Lambda のトラブルシュートをしていて思うこと
kazzpapa3
2
180
Featured
See All Featured
Templates, Plugins, & Blocks: Oh My! Creating the theme that thinks of everything
marktimemedia
26
2.1k
Become a Pro
speakerdeck
PRO
25
5k
Designing Dashboards & Data Visualisations in Web Apps
destraynor
229
52k
StorybookのUI Testing Handbookを読んだ
zakiyama
27
5.3k
Bootstrapping a Software Product
garrettdimon
PRO
305
110k
Designing the Hi-DPI Web
ddemaree
280
34k
Learning to Love Humans: Emotional Interface Design
aarron
273
40k
Creating an realtime collaboration tool: Agile Flush - .NET Oxford
marcduiker
25
1.8k
Designing for humans not robots
tammielis
250
25k
Building Flexible Design Systems
yeseniaperezcruz
327
38k
JavaScript: Past, Present, and Future - NDC Porto 2020
reverentgeek
47
5k
How to Think Like a Performance Engineer
csswizardry
20
1.1k
Transcript
BitVM
1 BitVM 現状のBitcoinのコンセンサスルールで、 Bitcoin上で任意の計算の検証を可能にする https://bitvm.org/bitvm.pdf
2 任意のロジックを回路にコンパイル 【一般的なプログラム】 1. 高級言語を使ってコードを記述する 2. コンパイラが最終的に機械語(0 or 1)に変換 3.
専用回路(CPUなど)でそれが実行される あらゆる計算はなんらかの回路の形で表現できる BitVMではNANDゲートのみを使用↑ (NANDゲートの組み合わせで他の論理ゲートは構築可能) OR AND XOR NOR NAND
3 Bitcoin ScriptでNANDゲートを実現 Bitcoin Scriptの2つのopcodeを使えばNANDゲートを実現できる: • OP_BOOLAND スタックから2つの要素を取得して、両方とも非0であれば1を、 それ以外であれば0をスタックにプッシュする
• OP_NOT スタックから1つ要素を取得して、要素が0 or 1の場合それを反転して スタックにプッシュ 記述を簡素化するため↑の組み合わせをOP_NAND opcodeとする。
4 Bit Value Commitment NANDゲートの入力値、出力値に対するコミットメント OP_IF OP_HASH160 <hash1> OP_EUALVERIFY <1>
OP_ELSE OP_HASH160 <hash0> OP_EUALVERIFY <0> OP_ENDIF 入力値に対して0 or 1の値を出力するスクリプト • 2つのハッシュ値(hash0、hash1)を使ったハッシュロック • hash0のプリイメージが提供されると0が • hash1のプリイメージ提供されると1が出力される 記述を簡素化するためこの機能を OP_BITCOMMITMENT opocdeとする
入力A、B、出力YのNANDゲートのコミットメント 各A, B, Yのhash0, hash1のプリイメージが提供されると
スクリプトにより、 A NAND B == Y が評価される。これが成立する場合のみアンロック可能 5 Logic Gate Commitment Bit Value Commitmentを組み合わせたゲートへのコミットメント # 出力Yの提供 <Yのhash0 or hash1のプリイメージ> OP_BITCOMMITMENT OP_TOALTSTACK # 出力値をアルトスタックに移動 # 入力Bの提供 <Bのhash0 or hash1のプリイメージ> OP_BITCOMMITMENT OP_TOALTSTACK # 入力値となる結果をアルトスタックに移動 # 入力Aの提供 <Aのhash0 or hash1のプリイメージ> OP_BITCOMMITMENT # 入力Bの値をメインスタックに移動 OP_FROMALTSTACK OP_NAND # A NAND Bの結果がスタックにプッシュされる # アルトスタックからYを読み込み OP_FROMALTSTACK # A NAND B = Yかどうかチェックする OP_EQUALVERIFY
Logic Gate Commitmentを組み合わせると任意の回路を構成できる
例:4つの入力(A, B, C, D)と8つのゲートを持つ回路 ※ ただし、任意の計算をする場合、数十億個の巨大な回路になる 6 Binary Circuit Commitment
7 Taptreeへのエンコード 回路を構成したら、回路内の 各Logic Gate Commitmentをリーフノードとした Taptreeを構成する
各ゲートに対する入力値と出力値を提供すればツリー内の任意のゲートを実行できる
8 チャレンジ&レスポンス 【ここまで】 1. 任意のロジックを回路にコンパイル 2. 回路に対するBinary Circuit Commitmentを作成
3. 回路内の各Gate CommitmentをリーフとしたTaprootスクリプトを構成 → 任意のロジックの検証が可能なBitcoin Scriptを実現 【検証】 基本的に証明者がコミットしたロジックの計算結果をオフチェーンで提供 その結果に誤りがある場合、ペナルティを課せる。 • 検証者は証明者に特定のゲートの実行を要求 • 証明者は指定されたゲートの実行結果で応答
証明者と検証者はセットアップ時にチャレンジ&レスポンス用の事前署名済みTxチェーンを用意 9 チャレンジ&レスポンス • 検証者がチャレンジを開始 • 検証者がFraud Proofを提示
• 証明者が1週間待機 • 証明者が結果を返答 • 検証者が1週間待機 検証者がプリイメージを 提供して実行ゲートを指定 証明者は指定された ゲートを実行
証明者が誤った計算結果を提供した場合、検証者が資金を没収できる 10 チャレンジ&レスポンス 証明者のレスポンスでは、2つの入力と出力値について、 0 or 1を返すために各値について、hash0とhash1のいずれかのプリメージを公開する
preimage A0 or A1 preimage B0 or B1 preimage E0 or E1 不正な計算結果を提供する場合、 同じ入力/出力値に対して異なる値が提示されることになり その値の0と1を表す2つのプリイメージが公開される。 その場合、2つのプリイメージの提供により 検証者はコインを没収できる。
11 BitVMの制限 • プロトコルの参加者は2名に限定される • 任意の計算をBitVM用の回路にコンパイルする高級言語はまだない • 任意の計算の回路を作成する場合、ゲートの数は膨大になり、
保持するデータ量も膨大になる(数百MB〜数GB) • Fraud Proofベースの仕組みで、基本的に任意の計算をオンチェーンで実行する仕組みではない • チャレンジの際、どのゲートを実行すれば効率的に証明できるのか判断するのは難しい BitVM 2へ