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ホラクラシーと関係性コーチングからアジャイルな組織づくりを考える

 ホラクラシーと関係性コーチングからアジャイルな組織づくりを考える

ホラクラシーはソシオクラシーとホロンをかけ合わせた組織づくりの仕組みです。 従来型の組織とは違って、組織に所属するメンバーの一人ひとりが組織の変動を駆動させるためのテンションを上げていきます。 システムコーチングは関係性に着目した知恵を使って組織をコーチングしていく方法ですが、さらにそこからシステムインスパイヤードリーダーシップといったコーチング以外にも組織づくりに使われる知恵も出てきました。 改めてアジャイルという文脈に立ち返って、アジャイルな組織づくりって何なんだろうかというところに対して色々なところから探索的なライトを当ててみる話をします。

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Ryo Tanaka

May 12, 2025
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  1. ホラーキーとは? ホラーキーという用語は、アーサー・ケストラーによって1967 年に出版された「機械の中の幽霊(The Ghost in the Machine)」という本に由来しています。 この用語は、全体の一部でありながら、それ自体が全体でもあ るホロン(holon)と呼ばれるものの間のつながりを指します。 これは組織内のチームに適用され、チーム自体は自己統治する

    ために独立していますが、組織もそのようなチームで構成され ています。 さらに、ホラクラシーシステム内では、CEOから新入社員ま で、組織内の全員に適用されるホラクラシー憲章がルールとし て存在します。 バックグラウンドの話
  2. ホラクラシー憲章の特長 1. 役割(Role)と人(Soul)の明確な分離 ホラクラシーでは、「役割(Role)」と「人(Soul)」が明確に分離されています。役割は目的(Purpose)、領域 (Domain)、責任(Accountability)で定義され、一人が複数の役割を担うことができます。個人のアイデンティテ ィと役割が混同されず、より柔軟な組織運営が可能になります。 2. 統合的意思決定プロセス(Integrative Decision-Making Process)

    ホラクラシーの意思決定は「反対する理由がない限り提案は採択される」というプロセスに基づいています。提案に対 する「反対(Objection)」は、明確な基準を満たす必要があります。これはCEOであろうとも従う必要があります。 また同時にCEOからの反対があったとしてもそれが基準を満たすのかが判定され満たされた無い場合は却下されま す。 3. テンション(Tension)の概念 ホラクラシーでは「テンション」という独自の概念が重要です。これは「現状と理想の状態のギャップ」として定義さ れ、組織変革の原動力となります。役割リードは自分の役割のテンションを感知し、解決する責任があります。ホラク ラシーではこのテンションという概念を中心に組織の進化プロセスが構築されている点が特異です。 アジャイルから見た時の差異
  3. インテグラル理論から組織の状態を知る ティー ル 統合的 複数のシステムを統合し、調整する グリー ン 多元的 内なる自己を探求する、他者を平等に扱う オレン

    ジ 合理的 分析し、戦略を立て、繁栄する ブルー 神話的 目的を見つけ出す、秩序を生み出す、未来を確実なものにす る レッド 呪術ー神話 的 衝動を表現する、自由になる、強い存在になる レッド?ブルー?オレンジ?グリーン?
  4. 各ミームのライフサイクル 新ミームの導入、成熟、停滞 各ミームはそれぞれの段階で成熟し、成熟し切ると停滞する 導入時の歓迎 レッド 会社のはじまり、自分や家族以外とものを作る ブルー 規律が組織のスケーリングを助ける オレンジ 硬直化した組織に科学や実力主義のメスが入る

    グリーン トップ以外の人の声が組織に届くようになる、組織の持続性が上がる 成熟後の停滞 レッド スケールできなくなる ブルー 新しいことができなくなる オレンジ 参加している人の心が擦り切れていく グリーン 物事を決めるスピード感が減ってくる 導入時の歓迎は色が混じっている事により起き、 成熟後の停滞は単色になることによって起きるのではない だろうか? ここから完全に自論 もしかして
  5. グリーンからティールへ グリーン化が進んだチームは、停滞を始める。 組織は生き残るために、レッドやブルーが強まっていく。 ティールへ グリーンを大事にしつつ、レッドやオレンジを迎え入れること ができればティールの段階に進む。 バックラッシュ グリーンを消して、レッドやオレンジを大事にするとバックラ ッシュで発達段階が元に戻る。 どうなる?

    どちらにせよ現状は打開される。 ただ、バックラッシュした組織は恐らくまたグリーンに発達し 直すことを選ぶ。 ホラクラシーでは、統合プロセスによってサポートされて いる。 他の事例もあるが、基本的にはルールベースか組織コーチ ングベースになる。 もしくはバックラッシュしてオレンジかブルーへ どのようにして迎え入れるのか?