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小さなチャレンジが生んだチームの大きな変化 -私のふりかえり探求の原点

小さなチャレンジが生んだチームの大きな変化 -私のふりかえり探求の原点

アジャイルコーチとして7年前に経験したチーム変革の原点を振り返ります。当時関わった5名程のチームは3社(発注元、開発会社、デザイン会社)で構成され、ふりかえりでは「バグを出さないように気をつけよう」といった表面的なアクションアイテムしか生まれていませんでした。

転機は新プロダクトオーナーの着任でした。彼の疑問をきっかけに、コミュニケーション改善の必要性が認識されましたが、変化は容易ではありませんでした。そこで私はハードルを下げ、達成可能な目標設定を提案。チームは「あだ名で呼び合う」という小さなアクションを決めましたが、それすら実行できない状況でした。

ある日、フレームワークなしの自由な話し合いから、Slackの表示名をあだ名に変更するという即実行可能なアクションが生まれました。これを機にチームは劇的に変化し、7年180スプリントを超えた今も、その変革は継続しています。

この経験から、壮大な計画より、チームが本気で取り組める小さなアクションこそが変化の原動力だと学びました。現在も様々な手法でその実践を支援し続けています。​​​​​​​​​​​​​​​​

Ryo Tanaka

April 12, 2025
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Transcript

  1. Lv.1 簡単解説 「最も役立つ変更の特定」が出来ていること 最も役立つ変更は、ケースバイケース。 ただしチームの効率性が悪い時、チームの適応が求められることが多い。 変化適応がなくても解決できる問題を技術課題といい、 適応が求められる課題を適応課題という。 技術課題: 明確に定義可能な問題 既知の解決策や専門知識で対応できる

    原因と結果の関係が明確 比較的短期間で解決できることが多い 例:システム障害、製品の欠陥、効率性の問題 適応課題: 既存の知識や方法だけでは解決できない 人々の価値観、信念、習慣の変化を必要とする 関係者全員の関与と学習が必要 長期的なプロセスを要する 例:組織文化の変革、社会的な問題、持続可能性の課題 良いふりかえりとは?
  2. Lv.2 アジャイルコーチ向け解説 チームにまかせる チームを課題に向き合わせ続ける(チームの羅針盤になる) パワークエッション チームはアジャイルコーチが持っていない知恵を持っているの で、アイディアが出てくることを信じる アドバイスを出さない チームを信じてアイディアを出してみる ジェネレーターをしてみる

    チームをサポートする 小さな一歩(アクション)を作ることをサポート SMART なアクションアイテム SMARRT なアクションアイテム チームを失敗への向き合わせ続けるために、失敗の捉え方を教 育し続ける 懲罰的世界観より修復的世界観 Prime Directive リフレーミング 些細な変化でも反映し、認知していく フィードバックの多様さ アジャイルコーチ/スクラムマスターとしてやること
  3. Lv.2 ふりかえり 1. チームにまかせる 結果としてできていたことでチームの変化変容を強く支えた。 「もっと」な箇所は、この行動は意図的ではなかった。 またチームを信頼しきれていないので、アドバイスを出したり、 ジェネレーターとして動けていない時が多かった。 2. チームをサポートする

    SMARTアイテムやPrime Directiveは提示していた箇所はよくできていた。 「もっと」な箇所は、言動に懲罰的な箇所が多かった。それによってスクラムマスターが孤立してしまった。 プロダクトオーナーが積極的に変化を前に進めていなかったらどうなっていたかわからない。 今回のケースに関してのアジャイルコーチの動き
  4. Lv.3 理論を使った解説 チームが適応する時には、変化変容がおきている。 「変化」って何? 「エッジ理論」(アーノルド・ミンデル) 一次プロセスと二次プロセス: 「一次プロセス」とは、私たちが意識的に認識している自分の側 面です。自分だと認めている考え方、行動、感情などが含まれま す。 「二次プロセス」とは、普段は意識していない、または認めてい

    ない自分の側面です。抑圧された感情や気づいていない可能性な どが含まれます。 エッジ: 「エッジ」は、一次プロセスと二次プロセスの間の境界線を表し ています。人はエッジに近づくと抵抗を示します。 参考: プロセスワーク入門 チームが適応するとは?
  5. Q&A